現在の標準治療である化学療法、放射線療法、手術療法は、それらのみでは難治性がんや進行がんの方には十分に対応出来ていない現状があります。通常の治療に嫌悪を覚えて免疫療法という理想郷に過度の期待を抱き、私のところを訪れる患者さんが実に多いのです。しかし私は安易なごまかしや慰めはしません。手術や抗がん剤などの通常治療の意義、例えば、抗がん剤を用いないことの不利益も先ず知っていただきたいのです。
良い医者とは、単に患者さんの感情に迎合することなく、患者さんを正しい方向に導くのが使命だと考えています。もちろん、インフォームドコンセント(説明と合意)を重要視する今日においては、医者が望むべき方向に患者さんを誘導することは非難されるべきことですし、治療法の最終決定権は患者さんにあるのだということを十分に認識しなければなりません。しかし、総ての患者さんが自分の置かれている状況の把握や、医療情報を冷静に理解できている訳ではないのです。インフォームドコンセントの大義名分のもとに患者さんを突き放すのは酷なことです。現時点で考えうる治療の正しい方向性だけでも提示することが、医療のプロとしての良心ではないでしょうか。
私はこれまで、腫瘍免疫の研究に携わりながら米国衛生研究所(NIH)に学び、第4の治療法といわれる免疫療法に取り組んできました。3大治療では効果のなかったがん治療が、細胞の持つ自己治癒力に注目した免疫療法で改善することが少なくないのです。免疫療法には羅針盤ともいうべき免疫解析を用い、個々に最も適した治療を選択したうえで免疫細胞療法を行っています。
既存医療の性質を熟知した権威ある臨床医師や、10名を超える未来・中央研究所の優秀な科学者とチームとなって、活性化リンパ球療法をはじめとするさまざまな免疫細胞治療のプログラムを開発して、これらの治療法を組み合わせた「星野式テーラーメイド医療」を多くのがん患者さんに提供しています。