「問題ETF」たちのその後から見る、国内ETF市場との付き合い方
- 2014/11/02
- 13:30
<該当記事>
2014/03/21 これはひどい。バカげた乖離を続ける「問題ETF」たち
当ブログで毎月ウォッチしている主要な国内ETF銘柄は、「基準価額と市場価格の乖離率」が ±1%という許容範囲におさまるかどうかをチェックしています。そんななか、ニッチな銘柄ですが 5~15% も乖離し続けているている国内ETF銘柄があったので取りあげました。
半年たって、それらの銘柄の乖離率がどうなったか見てみると……
おおおっ!! かなり状況が変わっているじゃありませんか。
当時取り上げたのは以下の4銘柄。
・日興 上場パンダ (1322)
・野村 南アフリカETF (1323)
・野村 上証50上投 (1309)
・野村 ブラジルETF (1325)
それぞれ見ていきたいと思います。
汚名返上組。おめでとう!
・野村 上証50上投 (1309) -6.85% → -1.16%・野村 ブラジルETF (1325) -5.11 → -0.87%
「野村 上証50上投 (1309)」と「野村 ブラジルETF (1325)」の2銘柄については、その後、乖離率がぐんぐん縮小し、直近では毎月ウォッチ銘柄(細い線)と同等の乖離水準(±1%内外)になっています。
今後どうなるかはわかりませんが、少なくとも現時点では、バカげた乖離を続ける「問題ETF」とは呼べません。汚名返上です。おめでとうございます!
相変わらず組。しっかりしてほしい
・野村 南アフリカETF (1323) -15.66% → -11.86%「野村 南アフリカETF (1323)」については、その後、さらに乖離率が悪化したものの、直近では、半年前よりは少し改善しています。
ただ、マイナス 11% というのは、まだまだバカげた乖離水準だと言えると思います。
メチャクチャ悪化してる組。これはひどい
・日興 上場パンダ (1322) -15.86% → -26.04%「日興 上場パンダ (1322)」については、乖離率マイナス 26% ってなんですか。当時(マイナス 15%)よりさらにメチャクチャ悪化してるじゃないですか。
国内ETFの市場価格と基準価額の乖離はゼロであることに越したことはありませんが、ETFは取引所で常に値付けされているという仕組み上、どうしても乖離が発生しうる構造にあります。
しかしそれも程度問題です。ETF本来の価値よりも、26%も価格がズレているETF。もはやETFとしての存在意義を疑われても仕方のないレベルだと思います。
国内ETF市場の乖離状況と付き合い方
さて、これらをふまえ、私たち個人投資家は国内ETFの現状をどう考えればよいでしょうか。・今のところ主要銘柄はある程度の乖離水準(±1%内外)で推移している
・ニッチな銘柄は乖離が大きいものがあり、かつ、すべてが乖離解消に向かうわけではない
・ニッチな割安(ディスカウント)銘柄を、乖離解消を見込んで逆張りするのは危険
主要銘柄については、長期的に乖離状況が良くなってきていると思います。今でもプラスにマイナスにある程度の乖離はしているものの、その水準があなたの許容範囲で、今後もこの状態が続くと考えるならば、投資できる状況になってきたと思います。
ただ、ニッチな周辺銘柄については、まだまだ要注意です。乖離が大きな銘柄には近寄らない方がよさそうです。特に、春先のブログ記事のなかで、割安(ディスカウント)状態のETF銘柄に対して、
逆張り的に投資してみたくなる気持ちも分からないでもありません。ただ、インデックス投資家があえて取りに行くべきリスクではないと思うので、あまりおすすめはしません。
と書きましたが、やはり危険だということがデータで確認できました。(まぁ「注目した4銘柄中、2銘柄は乖離解消したじゃん」という見方もできなくはないですが…)
繰り返しになりますが、個人投資家が、安心して長期投資に活用できるように、国内ETF市場は「買う時も売る時も適正価格」であってほしい。
日本のETF市場は、量だけでなく質にも目を向ける時期に来ているのではないでしょうか。マーケットメイカー等の関係者におかれましては、がんばっていただきたいと思います。
P.S
国内ETFの主要銘柄については、毎月乖離率をウォッチしてブログ記事を書いています。ご興味があればご覧ください。
→ 直近の記事はこちら
P.S2
インデックスファンド、国内ETF、海外ETFの比較記事です。3年前なので情報が少し古いですが、国内ETFの課題がひとつ解消(主要銘柄なら)したかもしれません。ご参考まで。
→ インデックスファンド、国内ETF、海外ETFの比較
※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いします。