英語で意味の似た単語を区別することは日本人には難しいのですが、語源を知っていると区別がつきます。日本語の意味の似た単語は、「へん・つくり・かんむり」の違いで区別できることにたとえることができます。
英単語を身に付けるためには、ある単語が使われている例文にたくさん触れる必要がありますが(1単語で10回ほど)、その前に1、2回目で語源を知り、単語がもっている固有のイメージを知っておくと、次の出会いでより親密になることができます。従来の「英語→日本語訳」ではなかなか身に付かなかった英単語が記憶に残るようになります。なによりも英米人と同じイメージで単語を把握できるので一石二鳥ですよ。
それでは、前回出題した「advise(忠告する)」「evidence(証拠)」「video(ビデオ)」を見てみましょう。これらはラテン語videre「見る」の派生語です。
adviseはad-(の方を)+videre (見る)です。adviseの -viseはただ見るのではなく、注意深く何度も見るイメージがあります。見て気づいたことに対して「違う違う、こうしたほうがいいよ」と言ってあげることです。また、直接相手に会って忠告するというイメージもあります。
evidenceは e-(外に)+videre(見える)、表面に見えて明らかな様子です。
videoは、 videre(見る)の一人称単数形で「私は見る」という意味です。
adviseと類語の caution(忠告・警告する)との違いは語源を知るとイメージできます。
cautionはラテン語cavere(用心する)の過去分詞 cautumから来ています。事故が起きないように安全を確保するための警告というイメージです。
では類語のevidenceと proof(証拠)の違いはなんでしょうか。proofはラテン語 probare(検査して良品であることを保証する)から来ています。evidenceは表に見えている段階です。つまり、いくつかの
evidenceを精査して間違いのないものにしたのが proofです。
以上のように語源の知識が少しあると類語のイメージの違いを知ることに役に立ちます。
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