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 アニメなどのキャラクターに扮するコスプレーヤーが撮影スポットとして集まる公園や施設で、苦情を受けるケースがある。人目につくところで着替えたり、持っている「武器」が誤解を受けたり。各施設は一般利用者との「共存」をめざし、対策に乗り出した。

 花博記念公園鶴見緑地(大阪市)では5月下旬、コスプレーヤー向け講習会が初めて開かれた。講師は、サブカルチャーと地域の連携に取り組む宝塚大造形芸術学部の神澤孝宣(たかのぶ)助教(34)。10~20代の女性ら約40人に、花や木を傷つけないなどの公園利用のマナーや、肌の露出が多い衣装は盗撮の恐れがあることなどを約30分間説明した。

 公園事務所によると、コスプレーヤーが園内に現れたのは4年ほど前。最近は土日で100人を超える人気ぶりで、インターネット上では「コスプレの聖地」と呼ばれているという。

 奈良県から来たコスプレ歴10年の女性(25)は「自然が多いし、花博の名残で世界各地の建物が残っているのも面白い。中東やアジアなど雰囲気に合わせて衣装を変えていろんな写真を撮れる」と話す。

 一方で、事務所や鶴見区役所には毎月のように「着替えやメークのためにトイレやベンチを占拠している」「自分も花を撮りたいのにコスプレーヤーが長く居続けている」などと、一般の利用者から苦情が寄せられるようになった。

 公園事務所と区、大阪観光局は4月、「鶴見緑地ポップカルチャー実行委員会」を結成。講習会を開くことを決めた。事務所の担当者は「コスプレが新たな日本文化だということは分かる。文化を定着させるためにも、マナーを守ってほしい」と話す。