亀田兄弟の試合はなぜ日本で放映されないのか?
THE PAGE 11月3日(月)2時0分配信
何十年も昔に、現在はタレントの赤井英和氏が、試合中の事故で引退を余儀なくされ、某テレビ系列と結んでいた放映権を巡ってトラブルとなり、その局が以降、ボクシング放映そのものから手を引いたという過去もある。フジテレビが五輪金メダリストという村田諒太というビッグネームをつかんでボクシング中継に本格参戦してきたが、テレビ局にとってボクシングというコンテンツは様々なリスクを持ったものでもある。
また最近では日本人ボクサーの世界タイトル戦がテレビ放映されないことは珍しくもなくなった。しかし、日本人チャンピオンで、しかもアンチを含めて視聴率を稼ぐことのできる知名度の高いチャンピオンの試合がテレビ放映されないことは極めて異例と言える。世界戦に中継をつけることのできなかったジムの会長は、たいてい、知名度を高められないという効果と同時に放映料が入らなくなることに失望する。
本来、テレビ中継から発生する放映料は、海外での世界戦興行を支える重要な資金源であるのだが、亀田和毅は、ショータイムと親密な関係にある敏腕エージェントと契約しているため、まだ、テレビ局を持たないことで、それほどの大きな支障は出ていない。
以前、亀田史郎氏と話をした際、「ここから先、ラスベガスで評価されてメジャーのPPV契約を勝ち取るほうが夢がある」と語っていた。PPVとは、ボクシングのビッグカードだけに設定される有料視聴の形で、全米の長者番付にボクサーが名を連ねるのは、ここから生み出される途方もないビッグマネーのおかげだ。そう考えると望んだわけではないが、海外を主戦場にせざるをえなくなった亀田陣営には、これまでの日本のボクシング界が突き破ることのできなかった新しい可能性が広がっているとも言える。そのためには、万国共通のボクシングファンを喜ばす、魂がむき出しになったリスクを負う“試合内容”を追い求めていかねばならないのだろうが。
(文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)
最終更新:11月3日(月)2時17分
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