三森書店

電子書籍中心の読書案内。本屋のPOP的にさらっと読めるものを目指してます。

三森書店の店員がおススメする10月の5冊。

昨日のKindleまとめでお題!に絡んで、最後の最後にどんでん返しが来て読者が欺かれる系小説はネタバレになっちゃうからお薦めしづらいなーどう薦めるのが邪道じゃないんだろう、と考えてたんです。

そんな自分が以前、開き直ってどんでん返しネタバレして書いたのがこちら。 

休日入った本屋でイニシエーションラブの宣伝POP見て(゚0゚)ハッとなり、

「これからラスト大どんでん返しの推理小説とかを『イニシエーションラブ』度高めって表現するのどうかな!」とミステリ読みの友達にラインしたら、「一般的にそれは、エラリイ・クリーン由来で、最後の一撃"finishing stroke"て言う」と返事が返ってきて、一つ賢くなった三森です。儚い羊たちの祝宴のあらすじにありましたねそういえば!

ミステリ用語って無駄にかっこいいですよねー。「信頼できない語り手」とか、もうそれだけで妄想が膨らむと思う。

枕話はここで終わり、定例の10月に読んだ本から面白かった本ピックアップです。

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photo by Koshyk

 

 

春日坂高校漫画研究部 第1号 弱小文化部に幸あれ!(あずまの章) 

地下アイドルの追っかけ的な発言(偏見)をすると「まだ誰も目を付けてない時代からこの子は売れると思ってたんだよね!オーラが違った!!」的に、だいぶ初期から小説家になろうでお気に入り登録してたのでメジャー化が嬉しかった小説。

2週回ってみると「スポーツ爽やか少年×文学少女」になるという騙し絵みたいな今風ラブコメ。残念なイケメン後輩の「※ただしイケメンに限る」力の本領発揮具合も好き。

 

朝イチでメールは読むな!(酒巻久)

多分人生であと1回以上読む予感がしている、カリスマ社長の経験則本。人生で2度目の読了ですが、前フセンをつけたのとは別なところを読みふけったので、自分は成長したんじゃないかと自画自賛。するめっぽくじわじわ味が染みてくるので、ゆっくり噛み締めて読みたい。

「出世する人の人間関係の考え方」的な視点で、あまり内容を忘れたくない本です。出世する人に失望はされたくないんだよねー。

 

勇者イサギの魔王譚1 夢の始まりを始めるために(みかみてれん)

小説家になろう的成分(異世界召喚・俺TUEEE・ハーレム=異世界召喚チーレム)を煮詰めて凝縮した上であえて手堅い味付けに仕上げた、元勇者な魔王譚。これはこの本単独でももちろん面白いんですが、WEB版と書籍版を比べてその違いを楽しむのがとても楽しい作品。

あと、プロローグとラストの構成はほんとうにずるい。1冊の本ならではの仕掛けだと思うの。

 

逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密(マルコム・グラッドウェル)

3分の1弱の戦いで小国は強国に勝利している、的逆転力の事例研究。なぜ大国の強大な軍事力をもってしてもゲリラは撲滅されないのか、という普段のニュースの素朴な疑問を詳らかに説明してくれます。大人数学級と少人数学級、成績が上昇するのはいずれか、の事例研究も個人的に想像と答えが違っていて興味深い。

可能な限りの偏差値の高い大学に行くことは失敗のリスクが高い、という受験生の親御さん必見の事例もあります。

 

乱読のセレンディピティ外山滋比古

精読熟読では本質を捉えられない、本は読む側から忘れていくことが正しい、など、読書術の本を読み慣れているとなかなか混乱を引き起こす読書術の本。

でも「具体的事例を抽象化し、知的熟成を待つことがより良い結果をもたらす」的なのはビジネス書では定番の新規プロジェクトの始め方なので、案外革新的でもなく、合理性に則ったノウハウなのかもしれないと思う今日この頃。

 

10月はWEB小説発な書籍化作品と読書術の本読みふけり月間だったんですが、11月はプレゼン力・表現力系の本読む月間にしたいなー。