追加金融緩和:もろ刃の剣 株は週明け1万7000円台も
毎日新聞 2014年11月02日 09時30分(最終更新 11月02日 14時04分)
日銀の追加金融緩和を受け、週末の日米欧の株式市場は急伸し、世界同時株高の展開となった。週明けの東京市場も株高を見込む声が多く、「日経平均株価は7年ぶりの1万7000円台に乗る可能性がある」との見方が出ている。外国為替市場でも急速な円安が進み、日本の輸出産業に有利に働くが、輸入する原材料価格の上昇を招くだけに「中小企業などの経営にマイナス」と警戒感も強まっている。【柳原美砂子、高橋直純】
日銀が10月31日に決めた追加緩和は「市場に資金を供給する量的緩和の拡大で、世界的なマネーの動きを活発化させる」との期待感も高めた。31日のニューヨーク市場はダウ工業株30種平均の終値が前日比195.10ドル高の1万7390.52ドルと約1カ月半ぶりに史上最高値を更新。円相場は1ドル=112円台半ばに下落し、約6年10カ月ぶりの円安水準となった。
日経平均の31日の終値は755円56銭高の1万6413円76銭に急上昇したが、31日の米国市場で日経平均先物(将来的な日経平均の価格を予想した取引)12月物も1240円高の1万7025円に急騰した。
大和証券の野間口毅株式ストラテジストは「週明けは1万7000円台が視野に入る。(年金資産を運用する)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の購入増や外国人投資家の買いも追い風となり、年末に1万8000円台まで上がる可能性もある」と予想する。
一方、円安が進んだのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策の終了を決めたのに対し、日銀が追加緩和に踏み切ったため、金利が高くなりそうなドルが買われ、円が売られたためだ。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「7日発表の米雇用統計が良好な結果になれば、ドルがさらに買われ、115円台に下落する可能性もある」と話す。
ただ、日本経済は4月の消費増税後の景気停滞が続き、「追加緩和はカンフル剤で、株高持続が課題」との声も強い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二景気循環研究所長は「今度はボールが政府に投げられており、成長戦略を推進すべきだ」と指摘する。