サンゴ密漁:価格高騰 罰金払ってまた…中国船歯止めなし

毎日新聞 2014年11月01日 07時00分(最終更新 11月01日 12時23分)

上海市内の専門店で売られている赤サンゴの宝飾品。手前が「アカ」と呼ばれる高級品の日本産の赤サンゴで、一つで4万元(約72万円)前後する=中国・上海市内で2014年10月31日、隅俊之撮影
上海市内の専門店で売られている赤サンゴの宝飾品。手前が「アカ」と呼ばれる高級品の日本産の赤サンゴで、一つで4万元(約72万円)前後する=中国・上海市内で2014年10月31日、隅俊之撮影

 中国は法律で採取を禁止し、悪質な場合10年以上の懲役刑が科される。だが、執行猶予の付くケースもあり、密漁の歯止めにはなっていない。業界関係者は「日本の赤サンゴは密漁者に根こそぎにされる」と警告する。

 太田昭宏国土交通相は31日、「違法操業には厳正に対処する。(中国側には)外交ルートできちんと抗議している」と述べた。だが、小笠原近海で今年、船長が逮捕された中国漁船は6隻、拿捕(だほ)は1隻にすぎず、残りは法令に基づき洋上で釈放しているのが現実だ。

 一方、小笠原諸島の警戒強化で警視庁は同日、小笠原署に警察官28人を派遣した。島内パトロールや船員が上陸した場合のトラブルに備える。10月に入り「陸から見える距離に不審船が近づいている」などと住民から不安の声が上がっていた。

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