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【歴史戦 第7部 崩れ始めた壁(2)】
韓国「真相明らかにして何が残る」 ずさんな元慰安婦聞き取り
「大阪に来た。路地があって、軍人もたくさん。裏に何十里も入っていくと慰安婦の寄宿舎があった。何もないところだった」
尹は大阪と下関で慰安婦として働かされたと証言するが、内地である大阪や下関には遊郭や娼館はあったとしても慰安所はない。
映像では、通訳は「日本の軍人3人が部屋に来て、連れていった」と訳しているが、実際には尹はそんな話をしていない。にもかかわらず日本側は曖昧な証言や事実とは考えにくい経験談についても、特に質問や疑問をはさまず、ただ聞いているだけだった。
聞き取り調査について、責任者であった元官房長官、河野洋平は平成9年6月、自民党の有志でつくる「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の勉強会でこう強調していた。
「被害者でなければ到底説明することができないような証言がその中にある、ということは重く見る必要がある」
だが、聞き取り調査の映像を実際に見ても、証言のあやふやさや、聞き取り調査の詰めの甘さばかりが浮かび上がる。