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【歴史戦 第7部 崩れ始めた壁(2)】
韓国「真相明らかにして何が残る」 ずさんな元慰安婦聞き取り
談話急いだ“夏の虫”
韓国で戦後補償問題に取り組む市民団体「太平洋戦争犠牲者遺族会」(会長・梁順任=ヤン・スニム)はこの9月、日本政府が平成5年7月にソウルの遺族会事務所で実施した元慰安婦16人への聞き取り調査の映像の一部を「河野談話 生きている証拠」と題して公開した。聞き取り調査は、慰安婦募集の強制性を認めた同年8月の河野洋平官房長官談話の作成過程で行われたもので、非公開が前提だった。
遺族会が公開に踏み切ったのは「安倍晋三政権が談話を極度に傷つけているため、証言の証拠が存在することを知らせる」ためだという。だが、映像公開はかえって聞き取り調査のずさんさを裏付けた。
映像は5日にわたる聞き取り調査を17分ほどに短くまとめたもので、16人中、金福善(キム・ボクソン)と尹順萬(ユン・スンマン)の2人が登場する。
「真相究明のために誠意を持って取り組みたい」
神妙な面持ちでこう語る日本側担当官の様子や、聞き取り調査にオブザーバーとして加わった弁護士の福島瑞穂(前社民党党首)が、金の隣に寄り添うように座る姿も映っている。