「新党改革」(舛添要一代表)の借入金2億5000万円の違法返済問題
これは、「しんぶん赤旗」のスクープ報道でした。
(2)「しんぶん赤旗」は、その報道の2日後、再び、スクープ報道をしました。
(「政治資金オンブズマン」はこの問題を調査していましたが「しんぶん赤旗」が先に報道しました)。
それは、舛添要一氏の3つの政治団体がファミリー企業に家賃を3年間で1500万円超支払っており、その原資は、これまた税金だ、というのです。
しんぶん赤旗2014年1月23日(木)
舛添氏 政党支部 自宅に事務所費800万円 政党助成金を懐に
10~12年 ファミリー企業に支出
東京都知事選に立候補を表明した舛添要一元厚生労働相の政党支部が、舛添氏の自宅に事務所を置き、「家賃」名目で、2010年~12年の3年間で、ファミリー企業に約800万円を支出していたことが本紙の調べでわかりました。原資は政党助成金で、国民の税金が舛添氏側に還流していたことになります。
このファミリー企業は、株式会社「舛添政治経済研究所」。舛添氏が全株を所有し、妻が代表取締役を務めています。所在地は、東京都世田谷区代田の閑静な住宅街にある舛添氏の自宅です。
政治資金収支報告書と政党交付金使途等報告書によると、舛添氏が自民党を離党し、「新党改革」を結成した10年4月から、12年12月まで、舛添氏が支部長の「新党改革比例区第四支部」は、舛添政治経済研究所に総額801万2500円の「家賃」を支出しています。この原資は、すべて新党改革から交付を受けた政党助成金=税金です。
舛添氏の資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」、「舛添要一後援会」(11年6月30日解散)も舛添氏の自宅に事務所を置き、「事務所賃借料」として、それぞれ、472万5000円(10年1月~12年12月)、235万8000円(10年1月~11年6月)を舛添政治経済研究所に支出しています。
舛添氏関連の政党支部、資金管理団体、政治団体の3団体で、政党助成金、政治資金あわせて1500万円以上が、「家賃」「事務所賃借料」として、舛添氏側に還流していたことになります。
3団体の「事務所」所在地となっていた舛添氏の自宅は、約134平方メートルの敷地に地下1階付き3階建て、延べ床面積約205平方メートルです。ところが、舛添政治経済研究所名義となっていたため、麻生内閣時代の閣僚の資産公開によると、「土地・建物」は「該当なし」となっていました。
登記簿によると、舛添氏は昨年2月、自宅の土地・建物の所有権を同研究所から舛添氏に移転させています。
ファミリー企業名義にして、資産隠しをする一方で、“自宅”に家賃・事務所費を支出、税金を含む政治資金を還流させるという構図です。
(3)舛添要一氏の政治団体とは、①政党支部「新党改革比例区第4支部」、②舛添氏の資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」、③「舛添要一後援会」(2011年6月30日解散)です。
この3つの政治団体の事務所の所在地は舛添氏の自宅、すなわち同じところでした(東京都世田谷区代田3ー48-1)。
ただし、自宅の名義は「株式会社舛添政治経済研究所」で、3つの政治団体の家賃の支払いを受けていたのは「株式会社舛添政治経済研究所」でした。
この会社は、舛添氏が全株を所有し、妻が代表取締役を務めている、いわゆるファミリー企業です。
(4)3つの政治団体が2010年に、「株式会社舛添政治経済研究所」に支払った家賃
「新党改革比例区第4支部」 175万7000円(4月7万7000円、5月~12月は168万円(月21万円))
「グローバルネットワーク研究会」 121万8000円(月10万1500円)
「舛添要一後援会」 157万2000円(月13万1000円)
合計 454万7000円
(5)3つの政治団体が2011年に、「株式会社舛添政治経済研究所」に支払った家賃
「新党改革比例区第4支部」 294万9000円(1月~6月は126万円(月21万円)、7月~12月は168万9000円(月28万1500円))
「グローバルネットワーク研究会」 157万5000円(1月~6月は60万9000円(月10万1500円)、96万6000円(7月~12月(月16万1000円))
「舛添要一後援会」 78万6000円(1月~6月、月13万1000円)
合計 531万円
(6)2つの政治団体が2012年に、「株式会社舛添政治経済研究所」に支払った家賃
「新党改革比例区第4支部」 337万8000円(月28万1500円)
「グローバルネットワーク研究会」 193万2000円(月16万1000円)
合計 531万円。
(7)3つの政治団体が3年間で、「株式会社舛添政治経済研究所」に支払った家賃の総計は、1516万円7000円にのぼります。
(8)注目すべきは、「舛添要一後援会」が2011年6月末に解散したにもかかわらず、同年と2012年の家賃総計は同じ531万円であるということです。
これは、「新党改革比例区第4支部」と「グローバルネットワーク研究会」の家賃を引き上げて、支払われなくなった「舛添要一後援会」の家賃分を補填した結果なのです。
(9)3つの政治団体の代表、会計責任者、事務担当者は、以下のとおりです。
・2010年
「新党改革比例区第4支部」代表・舛添要一、会計責任者・野口英伍、事務担当者・小川伸也
「グローバルネットワーク研究会」代表・舛添要一、会計責任者・野口英伍、事務担当者・野口英伍
「舛添要一後援会」代表・安倍良治、会計責任者・野口英伍、事務担当者・野口英伍
・2011年
「新党改革比例区第4支部」代表・舛添要一、会計責任者・野口英伍、事務担当者・小川伸也
「グローバルネットワーク研究会」代表・舛添要一、会計責任者・野口英伍、事務担当者・野口英伍
「舛添要一後援会」代表・安倍良治、会計責任者・野口英伍、事務担当者・野口英伍
・2012年
「新党改革比例区第4支部」代表・舛添要一、会計責任者・野口英伍、事務担当者・小川伸也
「グローバルネットワーク研究会」代表・舛添要一、会計責任者・野口英伍、事務担当者・野口英伍
(10)以上によると、事務所が同じ所在地で、代表と事務担当者が一部異なるだけで、ほかは同じ人物です。
政治資金・政党交付金の移動は舛添氏らの意向で簡単にできることでしょう。
(11)それゆえ、家賃の変更も自由自在だったのでしょう。
しかし、所在地において3つの政治団体の事務所の配置がどのようになっていたのか不明であるとはいえ、「舛添要一後援会」が2011年に途中で解散したからといって、家賃を変更しなければならないのか疑問です。
言い換えれば、高額な家賃だったのではないでしょうか。
そうであれば、その分は寄付が行われていたことになりますが、そのような報告はなされていません。
(12)いずれにせよ、家賃のほとんどが税金(政党交付金あるいは立法事務費)で支払われているわけですから、税金が舛添氏の会社に還流しているわけです。
その会社は、現在、舛添氏の名義になっているというのですから、実質的には舛添氏に税金が還流していたことになります。
(13)このような手口で税金の還流を受けていた人物が、いま東京地知事選挙に立候補しているのです。
阪口徳雄弁護士は、コラ!舛添要一セコイぞ!!(政治とカネ) と書いておられます。
全く同感です。
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