「自由報道記者クラブ協会」といって、いまの記者クラブ制度のあり方を厳しく批判している上杉隆さんらが創設。私も何度か仕事をご一緒した上杉さんたちから趣旨に賛同するようお誘いを受けたこともあった。だが、決してこの会を否定するわけではないが、お断りさせてもらった。ひと言で言うと、どんなクラブにも協会、団体にも属していないからこそ、フリーだと思っているからである。
小沢さんはこれまでの政治部記者による会見を拒否、ニコニコ動画を配信している会社の本社で、この協会主催の会見に臨んだのだ。その会見で、政治部の記者たちは、所属会社と氏名を署名した者だけが参加を認められ、ただし、質問は一切受けつけられなかったという。その裏には、小沢さんの「新聞・テレビの記者は、自分の言うことをわかってくれない」「意図的に歪曲して報道される」という思いがある。だから自分の言うことをそのまま伝えてくれるこの会見を選んだのだという。そう言えば最近の小沢さんはテレビ出演より、もっぱらニコニコ動画など、編集なしのネットに出演することも多い。
だけど、この記者会見は一体なんだったんだ。主催者は、今後は新聞・テレビの記者の質問も認めたいとしているが、要は、この日は小沢さんにとって都合の悪いこと、耳の痛い質問はしないということだったのではないか。それはとりも直さず、フリーの人たちが、小沢さんがされたくない質問はしないということを意味するのではないか。ずい分と舐められものだ。そんなヨイショの会見を開いてどうするんだ。フリーという名が泣くではないか。(略)
孤高と裸の王様の違いがわからなくなっているその姿が、なんとも哀しい。〉(日刊スポーツ・西日本エリア版「フラッシュアップ」2011年2月15日掲載)
http://www.otani-office.com/flashup/n110215.html
残念な記事である。大谷氏のこの記事はあまりに事実誤認が多すぎる。
まず「質問は一切受け付けられなかったという」というのは事実とまったく違う。司会の筆者が「記者クラブの方もどうぞ質問してください」とマイクを通して呼びかけても単に手が上がらなかっただけなのだ。
また「よいしょ会見をしてどうする」とあるが、たとえば西松建設事件の具体的な疑問をぶつけた江川紹子氏の質問などは、どう考えても「よいしょ」だと思えない。