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週刊・上杉隆

自由報道協会への理解と誤解と無理解――小沢氏記者会見の運営批判に答えよう

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第166回】 2011年3月10日
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 「自由報道記者クラブ協会」といって、いまの記者クラブ制度のあり方を厳しく批判している上杉隆さんらが創設。私も何度か仕事をご一緒した上杉さんたちから趣旨に賛同するようお誘いを受けたこともあった。だが、決してこの会を否定するわけではないが、お断りさせてもらった。ひと言で言うと、どんなクラブにも協会、団体にも属していないからこそ、フリーだと思っているからである。

 小沢さんはこれまでの政治部記者による会見を拒否、ニコニコ動画を配信している会社の本社で、この協会主催の会見に臨んだのだ。その会見で、政治部の記者たちは、所属会社と氏名を署名した者だけが参加を認められ、ただし、質問は一切受けつけられなかったという。その裏には、小沢さんの「新聞・テレビの記者は、自分の言うことをわかってくれない」「意図的に歪曲して報道される」という思いがある。だから自分の言うことをそのまま伝えてくれるこの会見を選んだのだという。そう言えば最近の小沢さんはテレビ出演より、もっぱらニコニコ動画など、編集なしのネットに出演することも多い。

 だけど、この記者会見は一体なんだったんだ。主催者は、今後は新聞・テレビの記者の質問も認めたいとしているが、要は、この日は小沢さんにとって都合の悪いこと、耳の痛い質問はしないということだったのではないか。それはとりも直さず、フリーの人たちが、小沢さんがされたくない質問はしないということを意味するのではないか。ずい分と舐められものだ。そんなヨイショの会見を開いてどうするんだ。フリーという名が泣くではないか。(略)

 孤高と裸の王様の違いがわからなくなっているその姿が、なんとも哀しい。〉(日刊スポーツ・西日本エリア版「フラッシュアップ」2011年2月15日掲載)
http://www.otani-office.com/flashup/n110215.html

 残念な記事である。大谷氏のこの記事はあまりに事実誤認が多すぎる。

 まず「質問は一切受け付けられなかったという」というのは事実とまったく違う。司会の筆者が「記者クラブの方もどうぞ質問してください」とマイクを通して呼びかけても単に手が上がらなかっただけなのだ。

 また「よいしょ会見をしてどうする」とあるが、たとえば西松建設事件の具体的な疑問をぶつけた江川紹子氏の質問などは、どう考えても「よいしょ」だと思えない。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。
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