実はこの日、会見の公平性を期すために、あえて質問者の指名を、司会の筆者ではなく、女性アナウンサーの成瀬久美氏に任せていたのだ。
彼女は、いったい誰がフリーランスで、誰が記者クラブの記者なのか、まったく判然とせずに指名をしていた。つまり、当たらなかったのはたまたまだったのである。
実際、その後の阿久根前市長(竹原信一氏)の会見では、筆者に質問の順番が回ってこないということもあった。
しかも、産経新聞の記者は質問が当たっていないというが、実はその前の都知事候補予定者(小池晃氏と渡邉美樹氏)の会見では二度とも当たって質問をしている。
多種多様な質問が出れば、それだけ自由な論争に発展する可能性が高まる。それがまたジャーナリズムを鍛えることでもあり、記者会見自体の楽しみともいえる。だからこそ、既存メディアの記者たちにも当たるように配慮を払っていたのである。
にもかかわらず、このような記事が出て実に残念である。
フリーランスの中にも
事実誤認のまま記事を書く人が
こうした記事を書くのは既存メディアの記者だけではない。フリーランスの記者の中にも、事実関係を調べもせずに記事を書く人物がいる。
日刊スポーツに掲載された大谷昭宏氏のコラムがそれだ。
〈無実なら堂々と質問を受ければいい — 小沢氏の政治資金問題 —
(前略)菅総理からの離党勧告を拒否した小沢さんは、その後の記者会見を新聞・テレビの政治部記者たちが加盟する記者クラブではなく、フリーランスの人たちがつくった団体で行なった。私もフリージャーナリストの一人であるし、この団体のことは知っている。