──
癌治療には、「抗ガン剤は不要だ」という異端の一派がいる。このことは、医者の間ではしばしば話題になる。このたび、次のページも話題になった。
→ 週刊誌がひどい|宋美玄オフィシャルブログ
これに同意する意見もたくさんある。
→ はてなブックマーク (上記ページについて)
ここでは、「トンデモと正義の味方」という図式が示されている。しかし、そんなに単純なものか?
──
仮に主流派の意見が正しいとしたら、次のようになる。
「癌の患者には、高価な抗ガン剤をどんどん使え。それによってほんの数カ月だけ、寿命を延ばすことができる」
ここでは、多大な治療をしても、寿命はろくに伸びないことになる。
( ※ 常に、ではない。癌の種類によって、差はいろいろなので、決めつけることはできない。治りやすい癌もあるし、治りにくい癌もある。……ただ、話題になるのは、治りにくい癌だけだ。治りやすい癌ならば、治せばいいので、議論の対象とはならない。)
さらに、高価な抗ガン剤の財源としては、次のいずれかとなる。
・ 癌患者は、癌治療のために、有り金全部をはたけ。さらに借金しろ。
・ 政府が負担しろ。そのために消費税を 30%ぐらいに上げろ。
・ 癌保険に加入しろ。
しかし、そのいずれもダメだ。特に最後の「癌保険」は最悪で、「金を払うが、保険金は支払われない」という形になる。払った金の大部分は、保険会社のポケットに入るだけだ。
→ 生命保険が降りない癌というものがありまして
→ 被害者続出、いったいどういうことだ!「がん保険」がんになってもカネは出ない
以上のように、「高価な抗ガン剤を使って寿命を少し延ばすべきだ」というのは、必ずしも妥当ではないのだ。
この件は、別項でも述べた。
→ 抗ガン剤は有効か?
→ 抗ガン剤の効果は無意味
──
ただ、以上の話とは別に、次の事情も聞くようになった。
@ 日本では、手術と抗ガン剤による治療が主流だが、これは世界的には異端である。外国では、放射線を多用するのが普通だ。これならば、副作用の問題も少ない。もっと放射線による治療を使うべきだ。
欧米ではがん治療において放射線治療を選択する患者が増加し,がん患者の約60%が受けています。これに対し日本では全体の25%が受けているに過ぎません。
( → 放射線治療・がん治療 )
放射線腫瘍医は米国の5000人に対し、日本は500人程度です。
( → がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン )
A 日本では、癌治療の専門医がいない(少ない)。外国では、癌治療の専門医がいて、放射線を含めて高度な専門知識を有している。ところが、日本では、外科医あたりが癌治療をやっている。そのせいで、知識が未熟なまま癌治療をしている。日本でも癌治療の専門医を導入するべきだ。
なお、後者(癌治療の専門医)については、難航している。
《 がん治療専門医の問題 》
がん治療に関する専門医制度は、外科医が中心といわれる日本癌治療学会と、内科医が中心と言われる日本臨床腫瘍学会がそれぞれ別々に制定しようとしていたことから、患者団体を中心に制度の一本化を求める要望が出されていた。
そのため「がん治療専門医をめぐっての提言(2005年6月30日)」が日本医学会より提示され、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会に基礎系の日本癌学会を加えた3学会共同による「がん治療認定医制度」を設ける事で合意がなされた。
しかしその一方で、日本臨床腫瘍学会が独自の専門医制度である「がん薬物療法専門医」の認定を始めるなど独自の動きも見せており、足並みが揃っていないのが現状である。
その背景には、欧米のオンコロジストのようながん薬物療法に特化したスペシャリストの育成を目指す日本臨床腫瘍学会と、日本では外科医が抗がん剤治療を担ってきた現状にあわせて更に臨床腫瘍学の知識を取得した医師の育成を目指す日本癌治療学会との意見の相違が大きく影響している。
( → Wikipedia )
──
以上で、@Aという問題点を指摘した。こういう問題点があるのだ。
ここでは、「抗ガン剤を使うな」という異端の一派を批判していればいいのではない。「抗ガン剤を使え」という主流派にもまた、大きな問題点があるのだ。
人は、他人を批判するとき、自分が利口になったつもりで、自らの問題点を見失いがちだ。特に、「あいつはトンデモ!」と騒ぐのが好きな人は、たいていそうだ。
しかしながら、「自分は正しい」と思った人もまた、大きな難点をかかえていることが多いものだ。特に、日本の癌治療は、世界の標準からはずれており、かなり遅れている。「日本の医療制度は優れている」としばしば言われているが、優れているのは費用負担の点だけだ。技術レベルで言えば、世界の最先端からは大きく遅れていることが多い。特に、米国の最先端の医療はとても優れているので、日本の医療は大きく遅れていると言える。
なお、やたらと「抗ガン剤を使え」という声が大きいのは、製薬会社がボロ儲けをするためもあるが、その点を批判するという意味では、「抗ガン剤を使うな」という異端の一派にも、ある程度は正当性があるのだ。
ただ、残念なことに、極端な両極ばかりが目立っている。
・ 抗ガン剤を一切使わせないという異端の一派
・ 抗ガン剤を使って製薬会社を儲けさせたがる主流派
この両極ばかりが目立っている。ここでは、「世界の標準的な医療をやれ」という声は聞こえない。癌治療に関しては、日本はガラパゴス状態にある、と理解しておくといいだろう。
[ 付記 ]
ガンの未承認薬については、私は次のように考える。
・ いちいち細かいことを言わないで、どんどん承認して、勝手に使わせるべし。
・ ただし、価格制限を導入するべきだ。高価な薬剤は保険の適用外とする。
以上の二点からして、「癌治療については、普通の健康保険とは別の枠組みにするべきだ」と思う。きちんと治る若年性のガン(子宮頸がんなど)については、普通の健康保険でまかなっていいが、「老人のわずかな延命効果のために莫大なコストがかかる」という種類の癌治療については、普通の健康保険とは別の枠組みにして、「公的な癌保険」みたいな形にするべきだろう。それは、加入してもいいし、加入しなくてもいい。
このような形にしないと、普通の健康保険そのものが、制度的に破綻してしまうと思える。
異端の一派はいるが、彼らを単に批判すればいいというものではない。現状の医療では、健康保険の制度そのものが破綻の危機に瀕しているのだ。それを無視して、「抗ガン剤をどんどん使え」と主張するなんて、あまりにも脳天気に過ぎる、と思える。「医者はまず頭の治療を」……と言いたくなる。
[ 余談 ]
膵臓癌になった父親が、癌治療を拒否して、とうとう死んでしまった……という話が話題になっていた。その人は最後にこう述べた。
たとえ親子の縁を切られたとしても、もっと説得すべきじゃなかったのかという後悔だけが残った。
( → 父が亡くなった 膵がんだった )
この人は大きく勘違いしている。
第1に、癌治療をしてもしなくても、この父親は癌で死んでいた。膵臓癌は治療が困難であり、どっちみち死ぬしかないのだ。説得して治療を受けさせても、そうしなくても、結果はほとんど変わらなかったはずだ。
第2に、父親もそのことを理解していた可能性が高い。たぶん医者から説明を受けていたのだろう。そのすえに、次のような決断をしていたのかもしれない。
「どっちみち死ぬのであれば、わずかな余命の延長のために、大金を費やしたくない。それよりは、遺産を息子たちに残したい」
それはつまり、父親の愛情だ。自分のつまらないボロボロの命なんかを大切にするよりも、溌剌と生きている次世代のために自分の金を残したい。そういう愛情なのだろう。
上記の息子は、後悔なんかをするべきではない。むしろ、父親の愛情を感じるべきだ。父親はそれほどにも息子を愛してくれたのだ。そう理解して、父親の思いを大切にして、精一杯生きるべきだ。
ただセンセーショナルな宣伝のためか放置しろ、みたいになってますが。。。
患者本位にものを考えず、余命をどんな状態にしろ一日でも延ばす事を考えているような今の日本の医療を批判し知らしめる効果はあったのではないかと思ってます。
外部放射線照射は初期投資が必要で、病院が尻込み。
内部放射線照射は被曝の恐怖で患者が尻込み。
色々あるようです。
ひょっとしたら きわめて小さく、しかも大きくならないガンが検診によって発見され 手術した方がいいと言われたら・・・
ただ、日本のがん治療は現在ほとんどが世界の標準治療で行われているのが現実です。ドラックラグもすでに死語になっています。
一部の、「手術ではなく放射線でもそれほど変わらないんじゃね?」癌と、「症状緩和には放射線の方が安くね?」癌について、遅れているのは事実です。ただ、それも「アメリカは効果よりも安さを、保険会社が要求する」という医療体系の文化のなかでは、やや割り引いてで考える必要があります。
放射線をもっと、という東大の中川先生も、所詮自己利益主張の側面もあり、近藤氏や管理人さんの指摘する「化学療法推進」の医師も、同じ構図です。
いまの日本の医療現場は、皆さんが考える数年前のものよりずっとドライです。
日本のナショナルセンターは「肺がんの世界の標準療法は二つの化学療法しかやりません、あとはお帰りください」とはっきり言うのが仕事です。
「死ぬまで抗がん剤」が標準だったのは、はおおよそ2005~2007年くらいまでの感じですね。
これには、杏林大割り箸えん罪事件、福島大野病院えん罪事件などで、日本の医師が
「俺たち、身を削ってやっても意味なくね?きっちり法律通り、給料もらった方が良くなくね?」
「身を削っても形式通りの法律論で賠償金なんてやってられね。」「患者がいくら望んでも、型どおりの治療(世界の標準療法)だけで済ました方がとくじゃね?」
と感じ始めた時期とも重なっています。
一方、薬物療法は、外科医でさえ簡単に処方箋を書けるし(※ ただし制限はある)、製薬会社のリベートもあるらしいし。
放射線については、単に「遅れている」というより、意図的に遅らせている面がありそうです。
医師がたりないのが問題ですが、放射線療法か手術か議論があるのは頭頸部がんと食道がんの早期など、ごく少数です。
なお、放射線と抗がん剤は組み合わせるもので、相対するものではありません。
製薬会社のリベート、あるならほしいですが、都市伝説です。スポーツ夕刊紙並みのゴシップを鵜呑みにするのは、管理人さんらしくない下衆の勘ぐり状態ですね。
ググってみたら、次の記述がありました。
> 日本で抗ガン剤が多く使用されるのは高価なために、見返りに研究費という名目のリベートが病院ないし医者に入ることも動機になっている(慶応大学 近藤誠先生)
見解の相違とは違って、事実情報ですから、これがまるきりの嘘だとは思えないんですよね。これが嘘だったら、刑事告訴されたあとで、懲戒免職になるだろうし。そんな嘘をつくとは思えない。
ググると次の文章が見つかりました。
> 現在同センターの陽子線治療で適応となっているがんは,脳腫瘍,頭頸部がん,食道がん,非小細胞肺がん,肝がん,直腸がん,前立腺がん,転移性腫瘍と適応範囲も広い。
(南東北がん陽子線治療センター)
> 頭頸部のがんや肺がん,肝がん,膵臓がん,食道がん,子宮がん,前立腺がん,骨腫瘍などに重粒子線が有効である
(放射線医科学総合研究所 重粒子医科学センター病院)
→ http://doctors-cancer.main.jp/hods/houshasen-doctors.html
がんの標準治療について整理しましょう。基本概念で、大半の癌に通用しますが、一部の癌および一部の治療には当てはまらない部分もあります。
1)局所療法
a:手術
b:放射線治療
c:粒子線治療
2)全身療法
化学療法
1)はがんが局所の場合のみ。これで治癒するのは早期がん。ですので、抗がん剤と放射線の対比は基本的に必要ありません。
2)全身療法
癌が転移した場合、局所を治療しても治療成績が向上しないことがわかっています。放射線療法は局所療法ですので、治療成績向上のためには使用されません(局所の症状緩和の場合は別ですが、基本路線である抗がん剤とバッティングするものではありません)
なお、放射線と粒子線は別物で、意図的に提示されたのならミスリードを誘う詭弁です。
なお、粒子線施設は世界で圧倒的にぶっちぎりトップで日本にあり(12カ所)、放射線治療医・治療数が少ないという論とは全く別次元の話です。さらには、欧米でも日本でも標準治療ではありません。ついでに、局所療法ですから、遠隔転移のある癌の生存率を伸ばす治療でもありません。
リベート=研究費の点は、おそらくご自身で無理のある論を言っているのが自覚しておられるはずなので、細かな反論はいたしません。仮にそのようなリベートがあったとして、研究費をうけとれる病院がどのくらいの数あるのか、少し考えれば日本のがん治療を左右するものでもなんでもないことくらい、すでにおわかりで近藤氏に対する皮肉を書いておられるのでしょう。
私は単に、「局所療法には多くの例がある」と述べて、「頭頸部がんと食道がんの早期など、ごく少数」というのを否定しただけですよ。「ごく少数」というのを否定したからといって、「全部だ」と述べているわけじゃありません。誤解しないでね。
> 放射線と粒子線は別物で、意図的に提示されたのならミスリードを誘う詭弁です。
物理学的にはまったく違うけれど、医学的には同類と見なされますよ。どれも放射線療法です。 Wikipedia だってそう書いてあるし。
→ http://j.mp/13oZqC3
ま、粒子線であれガンマ線であれ、「対象患者はごく少数ではないらしい」というのが私の判断です。何しろ、米国では 60%もいるんですよ。ごく少数のわけがない。
あとね。上の 60% という数字もそうだけど、医学記事については、私は自分の見解を述べず、別のところからの情報を示して、出典を示しています。
ですから、意見が異なるときには、私への批判という形にはしないで、出典への批判という形にして下さい。 60% という数字を否定して、「ごく少数だ」と言い張りたいのであれば、「管理人さんは間違っています」というふうに書かないで、「その出典は間違っています」というふうに書いてください。
そうしないのであれば、ただの誤読や藁人形論法になりますよ。
お聞きしたいのですが、本来癌患者は、治療をしなければ苦痛なく自然に死ぬものと読んだ事があります。
放射線等による身体への負荷の少ない治療なら良いですが、抗がん剤や手術による切除をした場合、健常な常態である期間はむしろ短くなると思ってますが、いかがでしょうか?患者側としては、予測寿命と健常期間と両方欲しいと思います。
論点を整理できれば、議論が深まると思います。
■本稿は抗がん剤の使用を減らして、その代わりに放射線療法を重視すべきだ、というのが本論と理解しておりますが、いかがでしょうか?
(抗がん剤を減らすのではなく放射線療法をどんどん併用すべきだ、という論であれば、私の反論はあまり意味をなさないので撤回します。その場合、専門家からみて前者の主張としかとりようがないので、記述を修正して頂くのが良いでしょう)
1)私は普段がん患者を診療しております。年間200名ほどのがん患者を看取っております。
2)放射線科にも3年ほど勤務経験があり、放射線治療にも携わっておりました。放射線医が少ないと広く世間に訴えておられる先生とも一緒に働いていた時期もあります。
3)抗がん剤の専門家ではありません。自ら抗がん剤を処方することもありません。むしろ適切な時期に抗がん剤をやめるようなことを推進する側です。
違います。医者の医療方針に私が介入するわけがないでしょう。素人が専門家の診療の現場に口出しなんかするはずがない。
( ※ なのに、そうだと勘違いしているようですね。)
本件に限らず、本サイトの話を読んで、私が一方的に方針を押しつけていると勘違いする人が多すぎる。私は押しつけなんかしていないのだが。
本サイトの基本ポリシーは、次のようなことです。
「世の中の主流派の見解には、見失われている点がある。その見失われている点を指摘して、複数の見解を並置する」
一般的には、現状は、こうです。
「主流派の見解は絶対的に正しい。専門家の言うことなんだから絶対的に正しい。主流派の見解にケチを付けるやつは、トンデモだ!」
私の見解は、こうです。
「主流派の見解は絶対的に正しいとは言えない。専門家の言うことなんだから絶対的に正しいとは言えない。主流派の見解では見失われている点があるので、その点を指摘する。新たな視点を提供する」
これに対して、通常、次の批判が来る。
「専門家でもないのに主流派の意見にケチを付けるのか? 素人は引っ込んでいろ。どうせおまえは ×××××× のように誤解しているに決まっている!」
( ここで ×××××× の箇所には、いつも自分勝手な妄想が入る。いわゆる藁人形論法。)
今回もそうです。
> 抗がん剤を減らすのではなく放射線療法をどんどん併用すべきだ、という論
似ていますが、それとも違います。「併用すべきだ」というのは、医療方針ですが、私は医療方針には介入しません。あくまで発想の提示です。すなわち、こうです。
「抗ガン剤は善だという一面的な視点を捨てて、放射線療法も世界的には広くなされているという新たな視点を得よ」
ここでは、視点だけが問題となっています。実際の行動については、介入しません。それはすべて現場の医師の裁量であり、私の関与するところではありません。
──
繰り返しますが、本サイトの原則は、「新たな視点の提供」です。実行や実施ではありません。
これを勘違いした人が、いつも文句を言ってくる。下記項目もそうです。
→ http://openblog.meblog.biz/article/23977498.html
実行や実施については本サイトは関与しません。そのことを理解してください。
「抗がん剤は善という視点を捨てて放射線療法に注目する」
という文章は、抗がん剤は善という視点があるために放射線療法が十分行われていない、ということですよね。
「抗がん剤が善か悪かに関わらず、放射線療法をもっと使うべきだ」という論ではないわけですから。
これを対立構造にとらえる視点自体が間違っている、ということを申し上げておきます。
局所療法と全身療法の違いがわかっておられる、と管理人さんはおっしゃっておられます。
なので、放射線療法が局所療法であり、抗がん剤治療は全身療法だ、ということもわかっておられるわけです。
つまり、両者は目的も適応される状況も違うわけですから、抗がん剤という視点を捨てれば放射線療法に注目が集まるわけではありません。
ここまでは共通理解としてよろしいでしょうか?
*抗がん剤と放射線療法が同一の文脈でトレードオフの関係になるのは
1)抗がん剤が局所療法として行われる
2)放射線療法が全身療法として行われる
この二つの場合です(純粋に論理的な思考)
**
1)多くの場合、局所療法の目的は、癌の治癒もしくは症状緩和です
2)全身療法の目的は、延命です。
なので、癌の治療の主軸は
・治癒を目的とした局所療法
・延命を目的とした全身療法+症状緩和のための局所療法の併用
の2パターンとなります。
基本軸の議論のためにあえて単純化していますので、例外については触れません。
それは正しくないでしょう。
放射線療法がまちがいなく局所療法ですが、抗がん剤治療の方は全身療法だとは限りません。
局所のガンに対して抗ガン剤治療をすることはあります。だからこそ抗ガン剤の副作用が問題になるわけです。
あとね。まだ話の趣旨がわかってもらえないようですが、私は治療方針には口出ししていません。「抗ガン剤はダメだ」という一部医師への反論で、「抗ガン剤は素晴らしい」という主張が強く出ているので、「抗ガン剤ばかりにとらわれてはいけない」というふうに言っているだけです。あくまで発想の問題です。
現実の治療は私の関与することではありません。私は治療方針に口出ししているわけではありません。お間違えなく。
いくら言ってもわかってもらえないようだが。
> 抗がん剤という視点を捨てれば放射線療法に注目が集まるわけではありません。
私は「放射線療法をやれ」というふうに口出ししているわけではありません。「放射線療法もあるのだから、抗ガン剤ばかりにとらわれていてはダメだ」と言っているだけです。「視野が狭いのはダメだ」と言っているだけであり、「これこれのことをしろ」と命じているわけではありません。
どうも、根本的に勘違いしているようなので、勘違いしないようにしてください。
>根本的に勘違いしているようなので、勘違いしないようにしてください。
私の主張も、これにつきます。
>「抗ガン剤はダメだ」という一部医師への反論で、「抗ガン剤は素晴らしい」という主張が強く出ているので、
という観点で抗がん剤治療をしている医師はそう多くはおりません。実態のないものへの批判は、詭弁と同じです。
http://jaame.majestic.jp/mimtdb/needs/d_detail.php?skip=31&p=
"欧米ではがん患者はその治療のいずれかの時期に放射線治療を受ける方が60%であるのに対し、日本で20〜25%に過ぎない。このことはこれまでの日本の医療が外科的治療への偏重であったことを反映しているが、"
http://www.lifescience.co.jp/cr/zadankai/0907/1.html
「このわが国の背景として,胃癌が非常に多かったことがあげられます。胃癌治療は手術が中心なので,「がん治療=外科手術」という図式ができあがりました。」
放射線の教授が言っているように、放射線治療の施行率が欧米に比べて低いのはは、抗がん剤に携わる医師の視野が狭いことが主因ではありません。
なので、本稿はないものを批判して特定の物を推進される構造になっておられますが、批判部分は蛇足にすぎる(ポピュリズム状態)、ということです。抗がん剤偏重と絡めるのではなく、単に放射線療法の推進(あるいは手術偏重への視点の改革と絡めて) ということであれば、100%賛意いたします。
こんな風に極楽往生できれば、人は癌を恐れないでしょうね。
かつて天寿癌という論文が出ました。当時の国立がんセンターと(財)癌研究会の研究所の両トップの連名の論文です。ある超高齢者が無病息災で大往生しました。自分の健康の秘密を調べて欲しいという生前の遺言に従って解剖したところ、進行癌が見つかったという内容です。
しかし、現場では、こういうケースはとても稀です。面白いもの、センセーショナルな内容ほど、より多く取り上げられるというバイアス(出版バイアス)が、かかっています。
医療的介入により患者さんの苦痛を改善する。これが多くのオンコロジストが目指すべき所だと思います。副作用の制御も含めた患者さんのQOLの維持に重きを置いて治療するオンコロジストが増えつつあります。治療は一方的なものではなく、個々の患者さんとの対話(Patient reported outcome)を重視する時代になってきました。
放射線にしろ、抗癌剤にしろ、医療的な介入は常に浸襲的です。例えば、ある種のアレルギー体質の人には摂食ですら、ときに致命的であるように。
だから、医療者は介入の優劣よりも、個々のアウトカムの良し悪しに細心の注意を払う必要があると考えます。
> 抗がん剤に携わる医師の視野が狭いことが主因ではありません。
また誤読しているようですが、本項は医師(ガン治療医)への批判ではありません。
冒頭のブログは、産婦人科医です。はてなブックマークに多いのは、生物・バイオ・医療系ですが、ガン専門医はほぼ皆無です。
また、放射線治療医が少ないのは、政府の政策担当者の問題であり、医者の問題ではありません。
以上のいずれにおいても、医師批判などは記していません。
> 実態のないものへの批判は、詭弁と同じです。
自分が批判されているわけでもないのに、自分が批判されていると思い込むのは、被害妄想です。
本項は(医師の)誰に対しても批判していません。被害妄想はやめましょう。
どうも、本項を徹底的に誤読しているようなので、もう一度本文を読み直してください。そして、何か反論するのであれば、本文の記述を引用してください。
そちらの反論はすべて藁人形論法です。私が言ってもいないことを言ったと見なして、架空の対象に反論しています。
反論するなら、私の文章を引用してください。私が書いてもいない架空の議論に反論しても、ただの無駄。
一介の医療者 さんは、文章読解力に根源的な難点があります。相手の言っていることをまったく理解していないで、誤解した上で、反論してばかり。
その根源は、どうも、被害妄想にあるようですね。だから幻聴を聞いている。
反論するときは、相手の文章を引用してからにしましょう。
私の言っていることがわからないのであれば、本項をプリントアウトして、精神科に行ってください。
■主要論理構成が間違っている
>「放射線療法もあるのだから、抗ガン剤ばかりにとらわれていてはダメだ」と言っているだけです。
ここが間違っている、と再三指摘しております。
コメントを含め細かな間違いは多いですが、その他は正直言って、枝葉です。そして、本項は抗がん剤と放射線治療を結びつけているのですから、主要な論理構成が破綻しております。正しくは、「手術にばかりとらわれていてはだめだ」と主張すべきです。
■枝葉1
>また誤読しているようですが、本項は医師(ガン治療医)への批判ではありません。
>以上のいずれにおいても、医師批判などは記していません。
たとえば、以下は医師批判以外の何者でもありません。相手の誤読でかわすのは無理があります。
>「抗ガン剤をどんどん使え」と主張するなんて、あまりにも脳天気に過ぎる、と思える。「医者はまず頭の治療を」……と言いたくなる。
「天才バカボンのお巡りさんみたいに銃を撃ちたがる警察官は、やめてくれ」と書いたとして、それは過激な例を挙げているだけであって、全員がそうだという意味ではありません。
「抗ガン剤をどんどん使え」と主張する人たちがいて、それを批判しているわけです。ここでは、人を批判しているのではなくて、「抗ガン剤をどんどん使え」と主張することを批判しているわけです。
具体的に人を示しているわけじゃないでしょ。あくまでそういう行為を批判しているだけです。どこかの医師が「それはおれを個人的に批判している」と思うわけがない。
批判対象は、医師ではなくて、行為です。
> 「医者はまず頭の治療を」……と言いたくなる。
ここは完全なジョーク。
ネタニマジレスカコワルイ。
それはわかりやすい対比だけど、本項のテーマを見失っていますよ。
本項のテーマは、「癌治療はいかにあるべきか」ではありません。
「抗ガン剤を使うな」ということが世間(週刊誌など)で話題になっているから、この「抗ガン剤の是非」というテーマに関して論じているのです。
「抗ガン剤の是非は?」という話題に対して、「手術と放射線治療の対比」なんかしたって、話が全然見当違いでしょう。「東か西か」というテーマで話題にしているところで、「南か北か」という回答を出すようなもの。トンチンカンの極み。
一介の医療者さんは、本当に文章読解力が低い。「これは何を論じているか」というテーマを見失っているし、相手が何を論じているかすら理解できない。
で、勝手に「これは自分のことを話題にしているな」と勘違いして、自分の関心のあるテーマに話を引きずり込もうとする。しかし、いくら「南か北か」を論じたがっても、本項のテーマは「東か西か」なんだから、「南か北か」を論じても見当違いでしかない。
「南か北かこそがガン治療では本質的だ!」と主張したとしても、「そんなことは本項では話題になっていない」と言うしかないですね。
こういうふうにトンチンカンなことを言う人がやたらと多すぎる。別項では、私が「アラブと欧州」ということを話題にしたら、「ギリシアとアラブの話が抜けている!」と難癖を付けた人がいた。
ここでは、私は「南から北」ということを話題にしているんだから、「西から東へ」という話は全然別のことだ。
こういうふうにトンチンカンなことを言う人がやたらと多すぎる。
であれば、実行や施策に対して意見してくる人にそこまで反発しなきゃいいのに。
実行や施策に言及しておいて、それに修正を加えようとしている人の意見を抹殺する姿勢は、あまり正しいように見えません。
だれも、新たな視点部分に関しては反論してないんだから、「実行や施策」に関しては、出てきた意見を素直に受け取って修正するべき部分を修正すれば、とても良い議論になるはずなので、とてももったいなく思います。
別に他人の意見を抹殺しようとはしていませんよ。私への攻撃を抹殺しようとしているだけです。「その攻撃はお門違いです」というふうに。
実行や施策について、他人が何を言おうが、私は別に文句を言いません。ただ、私自身については、「実行や施策については私は何も言っていません」と解説しているだけです。誤読する人がいるので。
何度も言っているけど、私は医療の専門家じゃないんだから、医療の現場の方針については口出ししません。
> 「実行や施策」に関しては、出てきた意見を素直に受け取って修正するべき部分を修正すれば、とても良い議論になるはずなので、とてももったいなく思います。
それは医学の専門家が議論すべきことであって、素人である私が議論することではありません。本サイトで医学の議論をするのは、見当違いというしかないですね。
そして、相手の言う事が正しかろうが正しくなかろうが、反論してくる人を相手にするときの態度で
管理人さんがどういった人間なのかがその都度証明されます。
感情的に言い返してなんとか論破しよう、自分を守ろうと躍起になるか、
そう言われますが、私の本意はこういう事なんですよ、と穏やかに説得するか、
その積み重ねが管理人さんの人相というかブログ相になって蓄積されています。
おそらく管理人さんだって他人がやってるのを見れば、
もうちょっと賢く立ち回れよ、これで自分の事賢いと思って他人をバカにして見下してるんだから
笑っちゃうよな、と思う筈。
俺は賢いのだから、アホな人が反発してきたらうまく丸め込んで洗脳してファンにしてやるのだ、
くらいの意気込みと実行力でナイスな返しをしてみせてください。
そもそもネットではどんな正しい事を言っても、間違ってても、
聞く人が百人いれば半分は必ず反発するんです。立場違うんだから。
男と女、若い人と年配の人、金持ちと貧乏人、経営者と労働者。意見があう筈もない。
既得権益層と改革者(批判対象と管理人さん)なら、なおさらです。
管理人さんの着眼点や批判精神や予見性は毎回素晴らしいと思う。
だからこそ、もっと自信を持ってどっしりかまえてください。
今のままでは枯れ葉が落ちてきただけですわ敵襲!?って吠えだすビビリの犬みたいですよ。
みっともないと思わないんですか?
「こういう事いうとまたトンデモマニアが言いがかりをつけてくるかもね」
みたいな予防線をたまに張ってますから、そういう行動を揶揄したんですけど。
…とまあ、普段から管理人さんが言ってる事はだいたいこういう上から目線の内容で、
どうして世間の奴らはバカばかりなんだろう、俺様がこうやって正しい事を教えてやっているのに、
と管理人さんが常日頃から思っているような感じで書いてみましたがどうでした?
あ、賢い人にいいこと教えてもらった、ありがとう、直します!って思いました?
普通だったら、こんなエラそーで態度悪い奴のいうことなんて聞けるか!となると思うのですが…
あー。念のため、くれぐれも私の真意を「誤読」しないでくださいね。
かわいそうな人へ深い愛でもって教えてあげてるだけですから。直せばいいのに。
(…本当にこういう感じの悪い内容を管理人さんはつい最近書いた事あるんですけど、
どれの事だかわかります?)