日米知的交流、各界要人が定期対話 日経センターなど
2014/4/16 21:21
日本経済研究センターと日本国際問題研究所は16日、日本を代表する民間企業による資金協力を得て、日本と米国の知的対話・人脈形成を幅広く支援する国際交流事業を新たに立ち上げることで合意した。同盟国であり、主要貿易相手でもある米国との二国間関係をさらに発展、充実させる狙いだ。
新事業の名称は「日米知的交流・共同研究プログラム」で、総事業費は当面、年間1億円前後をメドとしている。参加企業はキッコーマン、三井住友フィナンシャルグループ、東芝、東レ、トヨタ自動車、日立製作所、三井物産、三菱商事など合計21社。
米戦略国際問題研究所(CSIS)や在米日本大使館などの協力を仰ぎ、米知日派のアーミテージ元国務副長官ら米政府の元高官や米国の外交・安保、経済・貿易政策に影響を与える有識者、専門家などを定期的に招へい。日本側との意見交換の場を提供する。
さらに、今秋には米国から数十人規模の有識者、元政府高官らを招き、日本の政・財・官・学界と意見交換に臨む年次大会「富士山会合」も開催する。公式の政府間協議よりも一歩踏み込んだ戦略的対話を目指す。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGH16011_W4A410C1MM8000/
----------------------------------------
日米の人の輪、再構築 日経センターなど知的交流で新事業
2014/4/16 21:21
日本経済研究センターと日本国際問題研究所が始める「日米知的交流・共同研究プログラム」は広く公益に資することを目的としています。その設立趣旨に賛同した企業を対象に外部からの干渉を受けない会員制の形態で運営します。背景には、多数の企業コンソーシアム方式を採用することで、日米関係の充実、対外発信強化という、一社単位では担えないグローバルな企業の社会的責任(CSR)を果たすという意味合いも込められています。
その活動にあたっては透明性確保の観点から、独自の「運営委員会」も設置します。会員向けに高度な分析情報を届けるだけでなく、一般にも公開セミナーなどを通じて最新の米国情報を提供し、両国内での幅広い相互理解を深めたい考えです。
交流事業の内容や活動方法を決める中核の運営委員会では、日本財界を代表する知米派である茂木友三郎・キッコーマン名誉会長が運営委員長に就任。これを補佐する副委員長には内外の金融情勢に詳しい奥正之・三井住友フィナンシャルグループ会長が就きます。
さらに元駐英大使で元外務次官の野上義二・日本国際問題研究所理事長、安倍晋三首相が集団的自衛権行使の容認を目指して設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」で座長代理を務める北岡伸一・国際大学学長らを常任委員として迎え、厳格、かつ公正な運営を目指します。
□ □
具体的な活動の柱としては(1)米政府の元高官や、有力シンクタンクの専門家と日本の企業経営者との月例の意見交換会の設置(2)政・財・官・学界の新旧リーダーが一堂に会する年次大会「富士山会合」の開催(3)日本国際問題研究所などが主催する公開セミナー――などが挙げられます。
新事業の正式な立ち上げに先立つ格好で、日経センターと日本国際問題研究所は2014年初め、試行的に月例の意見交換会も複数回、開催してきました。
第1回には、このプロジェクトで米側パートナーを務める米戦略国際問題研究所(CSIS)のジョン・ハムレ所長(元国防副長官)のほか、ロバート・ウィラード元米太平洋軍司令官、ゲイリー・セイモア元大統領補佐官(核不拡散問題担当)らを招へい。第2回は1期目のオバマ政権で国防政策を統括したミッシェル・フロノイ元国防次官を招き、日本側財界人が活発な意見交換に臨みました。
席上、米側参加者からは安倍政権による経済政策「アベノミクス」の見通しや、日本における歴史認識問題に対する姿勢について、積極的に意見が出されました。一方、日本側からもオバマ政権によるアジア重視戦略の実情や、対日政策のスタンスなどについて活発な質問があり、公式な政府間協議とは一味違った、率直な意見交換、相互理解の場となりました。
さらに、プロジェクトの目玉として位置付けているのが、米国から数十人規模の元政府要人や、外交・安全保障政策、経済・貿易政策に精通する専門家を招き、日本の政・財・官・学界の新旧リーダーと腹蔵なく、語り合ってもらう年次大会「富士山会合」です。
総勢200人以上の出席を見込む「富士山会合」では、日米の有力者による基調講演など全体会合に加え、(1)日米同盟(2)中国情勢(3)経済・貿易協力――の3つのテーマについて「特別分科会」も設け、日米双方の専門家による突っ込んだ情勢分析に取り組んでもらいます。
これらの分科会では、日米間で重要なテーマとなっている集団的自衛権の行使容認問題や、中国の海洋進出・軍事費拡大、さらに不透明感が強まる北朝鮮情勢など安全保障問題について集中討議します。
さらに、日本における原子力平和利用の在り方や、環太平洋経済連携協定(TPP)の将来図など経済・エネルギー・貿易問題についても、双方の専門家に活発な意見交換、政策提言を求めていきます。
米側からの参加組織としては、外交・安全保障政策に強みを持つCSISが主要パートナーとして、招へい対象となる米政府元高官らとのつなぎ役を果たすほか、会合内容や進行方法などについて、運営委員会と協議する予定です。
このほか民主党系のブルッキングス研究所、新米国安全保障センター(CNAS)、保守系のヘリテージ財団、国防総省と密接な関係を持つスティムソン・センター、RAND研究所、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)、米欧関係の進展、およびアジア太平洋地域の交流活性化を支援するジャーマン・マーシャル・ファンド(GMF)、米外交問題評議会(CFR)などの専門家らも本プログラムの趣旨に賛同し、参加の意向を示しています。
さらにアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)、カーネギー国際平和財団に所属するエキスパート、元米政府高官にも参加を要請しています。
一連の議論を通じて、富士山会合では日米両国政府に対する「年次提言文書(仮称)」などを取りまとめる方向で調整中です。
□ □
日米間にはすでに「官と官」「民と民」あるいは「自治体と自治体」など、それぞれ横に結びついた対話のルートが多数、存在しています。これに対して、本プログラムでは日本側の「民」と米側の「官(あるいは、半官)」という、従来はあまり直接、交流してこなかった2つのグループを結びつけています。
これによって、「ビジネスと政策の融合」という、新しいコラボレーションの形を創造し、これまでにはなかった日米協力の土台を構築していきたいと考えています。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69947200W4A410C1970M00/