北朝鮮、韓国のスマホ2万台をハッキング

国家情報院「5月から不正アプリ拡散・感染、遮断措置取った」

北朝鮮が最近、韓国国内のスマートフォンに対しハッキングを試みており、約2万台が不正なアプリケーション(アプリ)に感染していたことが確認された。

 国家情報院は28日の国会情報委員会で、与党セヌリ党のイ・チョルウ議員に提出した資料で「今年5月19日から9月16日までの間、北朝鮮のハッキング組織が韓国国内のウェブサイトにゲームを装った不正アプリを公開・流布し、約2万台のスマートフォンが感染していたことを確認した。その会社や未来創造科学部(省に相当)を通じてワクチンのアップデート、不正アプリの削除、ハッキング経由地遮断などの措置を取った」と明らかにした。国家情報院は、具体的な被害企業名や被害状況などについては明らかにしなかった。スマートフォンが不正アプリに感染すると、盗聴や盗撮などが可能だという。北朝鮮が韓国のスマートフォンをハッキングすることについては懸念はされていたが、直接の被害事例が確認されたのは今回が初めてだ。

 国家情報院はまた、2010年から今年9月までに国の機関や公共機関について発生したサイバー侵害事故が合計7万5473件だったことも明らかにした。年度別では2010年2万1245件、11年1万6905件、12年1万6256件、13年1万5977件、14年5090件となっている。国家情報院は資料で「ハッキングは攻撃者の実体や根拠地を隠すために通常、複数の国のネットワークを二重三重に経由するため、攻撃地を特定国だと決めて統計を出すのは難しい」としているが、政府や公共機関を対象としたサイバー攻撃の相当数が北朝鮮によって行われると判断しているという。

 自主国防ネットワークのシン・インギュン代表は「スマートフォンは簡単な仕組みの不正アプリをダウンロードさせてしまえば、盗聴や盗撮などができるほどセキュリティーが甘い。北朝鮮がスマートフォンをハッキングできる可能性は十分あるといっても過言ではない」と話している。

チョン・ノクヨン記者
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