コーヒーで読み解くビジネス戦略

セブンカフェ成功の裏にあった「30年戦争」

ただひたすらに、市場の声を聞け!

 セブン-イレブンの100円コーヒー、スターバックスの2000円コーヒー、「コーヒー界のアップル」ブルーボトルなど、最近、コーヒー市場をめぐる各企業の競争が加熱している。
 『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』の著者である永井孝尚氏によると、「コーヒー業界をめぐり各社が打ち出す商品、ビジネスモデルは、最新ビジネス戦略を学ぶ好材料」だという。そこでコーヒーの裏側にある高度なビジネス戦略について語ってもらった。
セブンカフェの成功の裏には、30年にわたる苦闘の歴史が。

セブンカフェは実は30年選手だった!

感度が高い友人たちがFacebookやTwitterで、「最近、セブン-イレブンの100円コーヒーがうまい。もしかしたらスタバやタリーズレベルじゃないか?」と書き始めたのは、2年近く前のこと。2013年初めのころだ。

「『スタバやタリーズのレベル』は、いくらなんでも言いすぎだろう」と思って、自分も飲んでみて驚いた。「コンビニの100円コーヒーだったら、このレベルの味だろう」という自分の常識を破壊する本格派レギュラーコーヒーだったのだ。

実に5度目の挑戦で大ヒットとなったセブンカフェ

私同様、多くのコーヒー好きの人たちにとって、2013年に登場したセブンカフェは衝撃だったはずだ。しかし同時に、こう思う人も多いのではないだろうか?

「いや、待てよ。セブンは以前から店頭でコーヒーを出していたはずだ」

そのとおりなのだ。セブンが30年以上にわたってコンビニコーヒーに挑戦し続けてきたことは、あまり知られていない。セブンにとって、セブンカフェは実に5回目の挑戦だったのだ。

そしてコンビニコーヒーへのセブンの挑戦を振り返ることで、セブンの強みをあらためて知ることができるのだ。

そこで今回は、当連載第1回目でご紹介したセブンカフェについて、再び別の角度から考えてみたい。

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