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DMM、ハードウェアスタートアップ向け開発/検証施設を秋葉原に開設
〜総額約5億円の最新鋭機材を導入、秋葉原をハードウェア開発の聖地に
(2014/11/1 06:00)
株式会社DMM.comは、ハードウェア・スタートアップを目指す全ての人の拠点となる「DMM.make AKIBA」(ディーエムエムドットメイク アキバ)を開設する。施設のオープンは11月11日だが、10月31日、報道関係者向けに発表会と見学会が行なわれたので、その様子をレポートする。
発表会では、まず、株式会社DMM.com支配人の吉田賢造氏が、DMM.make AKIBAの概要と設立目的について説明を行なった。
DMM.make AKIBAの所在地は、富士ソフト秋葉原ビルで、JR秋葉原駅改札から徒歩2分という好立地にある。DMM.make AKIBAは、富士ソフト秋葉原ビルの10階から12階の3フロアを利用し、総面積は約2,000平方mにもなる。フロアによってコンセプトが異なり、10Fが「DMM.make AKIBA Studio」、11Fが「DMM.make AKIBA Hub」、12Fが「DMM.make Base」と呼ばれる。
DMM.make AKIBA Studioは、ハードウェア開発に必要な“ホンモノ”の機材が揃う開発拠点であり、機材の総額は約5億円にもなるという。DMM.make AKIBA Studioでは、3Dプリンタや5軸マシニングセンタ、3D CAD、オシロスコープといったといった開発機材から、熱衝撃や水圧試験などの各種試験機など、量産を目的としたハードウェア開発に必要なありとあらゆる設備が揃っている。これらの設備は、DMM.make AKIBAの会員が自由に利用できる。入退室はカードキーで管理され、設備や機材は24時間365日利用できることも魅力だ
11FのDMM.make AKIBA Hubは、ハードウェアビジネスに必要なノウハウをトータルでコンサルティングするためのスペースであり、大型3Dプリンタや大型光造型機も設置されている。オリジナルのハードウェアを開発するにあたって、相談をしたいという利用者向けに、製造ノウハウから起業資金の調達相談まで、実践的なアドバイスが受けられるという。
12FのDMM.make Baseは、発表会やセミナー、イベントも開催できるオフィスエリアであり、個室エリアも用意されている。イベントスペースエリアは、普段はフリーアドレススペースとして、利用者が自由に利用できるほか、ハッカソンなどのイベントも定期的に開催していきたいとのことだ。フリーアドレススペースにはバースペースも用意されており、飲食サービスも提供される予定だ。
DMM.make AKIBAの料金体系は、Baseのみの利用の場合、フリーアドレスなら月額料金は2万円。また、Studioのみ利用の場合は、月額料金は15,000円。Base+Studioなら3万円と、利用できる設備を考えるとかなり安く設定されている。さらに、個室のTeamRoomを使う場合は、3名まで利用可能なTeamRoom3の月額料金が12万円、6名まで利用可能なTeamRoom 6の月額料金が24万円となる。TeamRoomへの入居は、事前面談が必要になり、Studioも月額料金内で利用できる。また、利用対象年齢は20歳以上で、3Dプリンタのフィラメントやインクといった、消耗品は実費を負担することになる。
なお、11月10日までにWebサイトから事前登録した利用者は、初期費用と2015年1月までの月額料金が無料になる事前登録キャンペーンが行なわれている。
DMM.make AKIBAは、株式会社ABBALabおよび株式会社Cerevoと共同展開を行なう。DMM.make AKIBAが設備面での支援を行ない、ABBALabが資金面での支援を行ない、Cerevoがハードウェア開発のノウハウ面での支援を行なうことで、ハードウェア・スタートアップを強力に支援していく。
DMM.comは、これまでにも3Dプリントサービス「DMM 3Dプリント」やものづくりのためのWebメディア「DMM.make」を運営するなど、ものづくり支援を行なってきたが、世界に通用するハードウェア・スタートアップをこの秋葉原から誕生させたいという願いから、DMM.make AKIBAを開設したという。
IoTハードウェアのプロトタイピングへの投資育成を行なう「ABBALab Farm Program」
次に、株式会社ABBALabの小笠原治氏がプレゼンを行なった。ABBALabは、ハードウェアスタートアップを対象にした投資を行なっている会社であり、DMM.make AKIBAの誕生にあわせ、本社をDMM.make AKIBA内に移転している。ABBALabでは、IoTハードウェアのプロトタイピングへの投資育成を行なうプログラムである「ABBALab Farm Program」をスタートさせた。
ABBALab Farm Programは、スカラシップとフェローから構成される。トライアウトを通過し、プロトタイピングを行なうチームがスカラシップであり、支援形態は予算型と投資型がある。フェローは、調査/研究や技能教育などの面で協力を行なうメンバーであり、都度報酬が払われる。小笠原氏は、作りたいをもてあましているスカラシップと、作れるをもてあましているフェローの両者をマッチングさせて、作らないということに対する言い訳をなくすことがABBALab Farm Programのテーマだとした。
スタートアップを目指す人への指導者となるメンターとしては、川原圭博氏、久下玄氏、伊藤羊一氏、田中邦裕氏、本間真彦氏、村上臣氏、松本龍祐氏、孫泰蔵氏の8名が挙げられた。こうした著名な方々から助言を受けられることは、大きな助けとなるだろう。
Cerevoも本社機能をDMM.make AKIBA内に移転
続いて、株式会社Cerevoの岩佐琢磨氏がプレゼンを行なった。Cerevoと言えば、ライブ配信機器「LiveShell」などで有名なハードウェアスタートアップである。同社はニッチでも100カ国で売ればビジネスになるという、グローバルニッチという戦略をとっている。現在25カ国で同社の製品が販売されており、順調に業績を伸ばしている。すでに従業員数は36名になり、今年度中に50名を目指すとのことだ。
岩佐氏は、Nokiaのスマートフォンの分解写真を示し、これらが全て他の会社のチップや部品の組み合わせでできていることを指摘した。つまり、自社でパーツを作らなくても、すでに存在している部品を組み合わせることで、立派な製品を作れるのだ。しかし、部品を組み合わせて製品を作り、量産にこぎ着けるまでには、やはりさまざまなノウハウが必要である。DMM.make AKIBAの設備は本格的なものであり、Cerevoも今後この設備を利用して製品開発を行なっていく。Cerevoは、DMM.make AKIBAの導入機材の技術監修を行なったほか、DMM.make AKIBAの電子機器関連の設備をDMM.comと共同で運営し、またDMM.make AKIBAの利用者に、Cerevoがこれまで培ってきたハードウェア開発のノウハウを提供していくという。
最後に岩佐氏は、DMM.make AKIBAについて、「非常にワクワクしている。こんな設備が日本に欲しかった。スタートアップと一緒にやることで、こちらの発想も豊かになる。DMM.make AKIBAによって、ハードウェア・スタートアップをやってみたいが二の足を踏んでいた人が、一歩踏み出すことが期待できる」と語った。
12Fと10Fの見学会も行なわれた
発表会の後、12FのDMM.make AKIBA Baseと10FのDMM.make AKIBA Studioの見学会が行なわれた。その様子は下の写真を見ていただきたいが、DMM.make AKIBA Studioに置かれている機材は、写真に載せたもののほかにもまだまだたくさんある。機材や設備の充実度は、筆者の想像を遙かに上回っており、いわゆるFabCafeやFabLabなどとは一線を画したものだ。電子工作を趣味で終わらせるのではなく、本気で起業を考えている人にとって、DMM.make AKIBAは、まさに夢のような場所であろう。世界に通用するスタートアップがここから誕生することを期待したい。
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