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ところが「金鵄」の発売後に、専売局のもとにクレームが届きます。その内容は…この箱が道にすてられていて、仮に踏んでしまったなら、天皇を踏みつけにするのと同じであり不敬なのではないだろうか…というものでした。戦時中の当時は“天皇を中心とする国体の発展=皇国史観”が謳われていた時期だったため、協議を重ねた専売局は『時局に従おう』と、天皇のイメージに繋がる弓をデザインから取り除いたのです。 この弓の消えたデザインの「金鵄」は、昭和16(1941)年4月〜24(1949)年6月までの約8年間に渡って流通しました。しかしながら戦争が集結すると、「ゴールデンバット」の名称は「ゴールデンバット」に戻り、パッケージのデザインも、まるで自由を謳歌するかの如くパッケージ内を飛び回る、元のコウモリの意匠へと戻っていったのです。 |