返還15年 マカオにも民主意識 8月に異例の「住民投票」実施
産経新聞 11月1日(土)7時55分配信
学生や市民のデモが続く香港と同様に中国の「一国二制度」下にあるマカオでも、民主意識が高まっている。親中派からトップを選ぶ制度は香港と同じ。8月31日には現長官が96%の得票率で再選された。だが民主派の団体は異例の民間住民投票を行い、89%が再選を支持しないとする結果を得た。今年12月20日に1999年のポルトガルからの返還15年を迎えるマカオ。民主派リーダーに話を聞いた。(マカオ 河崎真澄)
「別件逮捕だった。言論の自由も奪われ始めた」
カジノと世界遺産で知られるマカオ。ポルトガル時代の雰囲気も漂う路地裏の雑居ビルで、民主派市民団体「新マカオ学社」の前理事長、周庭希氏(27)は声を潜めた。周氏は、現理事長の蘇嘉豪氏(23)らと手弁当で活動している。
親中派の現職、崔世安氏が唯一の候補だった長官選に反発、周氏らが発起人となって行った意識調査は違法ではなかったが、警察は周氏を「個人情報保護法違反の疑い」で逮捕した。
警察の捜査を受けて、市内5カ所の投票所を閉鎖。電子投票のみに切り替えて8688人から得た票を集計した結果、再任不信任が89・3%、5年後の次期長官選で、民主派の立候補も認める「真の普通選挙」制度導入を求める声が95・1%にのぼった。
「5年前の長官選前後から民主派寄りの言論に規制が強まり、包囲網が狭まった」と周氏は話す。昨年の立法会(議会、定数33)選では民主派の議席は3から2に減少し、苦戦中だ。
中国本土の富裕層を主な相手としたカジノや観光で経済が成り立つマカオ。当局は反中的な言論を取り締まる一方、カジノ収益の一部を住民に与える福祉策で、不満抑制を狙う。
だが今年5月、長官や政府高官の退職後の優遇策をめぐって反発した民主派が、返還後では最大規模となる2万人(主催者発表)参加のデモを行い、優遇策を撤回させた。
周氏らは9月末、香港の民主派デモに参加し、警察の催涙ガス発射にも遭遇した。その経験を踏まえ、今後は5年後の長官選への「真の普通選挙」導入に民主派の活動の照準を当て、次の計画を策定中だ。
台湾に留学経験のある蘇氏は、「12月20日の返還15年式典に出席する習近平国家主席に対し、どうしたらマカオの民意を伝えられるか、冷静に直訴する方法を考えている」と明かした。
最終更新:11月1日(土)8時19分
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