労働者派遣法改正案:審議見送り 公明の修正案で野党反発
毎日新聞 2014年10月31日 20時49分
衆院厚生労働委員会は31日、労働者派遣法改正案について、公明党が一部修正案の骨子を示したことに野党側が反発し、実質審議入りが見送られた。与党側は、先の通常国会で表記ミスから廃案になった同法案をあくまで今国会で成立させる構えだが、審議日程がさらに窮屈になり、法案成立を危ぶむ声が政府・与党から出ている。
委員会開会に先立つ理事会で、公明党は派遣労働が一時的な就労であることを明確化する条文修正を文書で提案した。民主党などは同法案を「派遣の固定化」と強く批判しており、理解を得る狙いとみられる。これに対し、野党側は「法案全体を出し直すべきだ」と反発し、同日の審議は見送られた。
与党側は11月4日に開く理事懇談会で、公明党が修正案を取り下げる考えを伝え、野党に審議入りを呼びかける方針だ。安倍晋三首相が海外出張に出掛ける前の7日に、締めくくりの質疑を行いたい考えだ。ただ、野党は「審議前に修正するということは、欠陥を認めたものだ」(民主党の川端達夫国対委員長)と批判を強めており、審議に入るめどは立っていない。
改正案は、企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間の上限規制(最長3年)を事実上撤廃することなどが柱。民主、共産、社民などの野党は「格差が固定され、派遣労働者の数が増える」と反対している。【水脇友輔】