北星学園大、脅迫文届いた元朝日記者「雇用せず」
2014年10月31日20時38分 スポーツ報知
従軍慰安婦問題の報道に関わった元朝日新聞記者が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)に、元記者を辞めさせろとの脅迫文が届いた問題で、田村信一学長は31日、記者会見を開き、元記者との来年度の契約を更新しない方向で検討していると明らかにした。
田村学長は、学生の不安が大きい上に、警備など多大な危機管理費用の問題もあり、「臨戦態勢を続けることは体力的に厳しい」と説明。29日に開かれた各学部長らで構成される危機管理委員会で「来年度の契約を更新しない」と提案したという。今後、大学評議会や理事会で意見を聴き、理事長と学長が最終的に判断する。
大学への脅迫や抗議はことし3月から始まり、5月に本格化。多数の電話やメールが相次ぎ、学校説明会や大学祭では警察や警備会社を頼った。大学側は5月と9月に「大学の安全を守れなくなった場合は辞めてもらう」と元記者に伝えていた。
来年の受験を考えている高校生の保護者からは心配の声が寄せられているといい、田村学長は「残念だが、いずれかの時点でこの問題を収束させないといけない」と苦渋の表情で話した。
脅迫を受けた大学を励まそうと結成された市民団体「負けるな北星!の会」の関係者は「犯人の要求をのむことに等しい。北星学園大だけではなく、みんなが言うことを聞くと思わせてしまう」と大学側の動きに反発している。
北星学園大は脅迫文が届いたことを受けて、9月30日に「大学の自治を侵害する卑劣な行為には、毅然(きぜん)として対処する」との文書を出していた。
北星学園大には10月31日、不審な白い粉が入った封筒が郵便で届き、厚別署が威力業務妨害容疑で調べている。