厚生労働・法務両省は外国人技能実習制度の拡充を検討する有識者懇談会を、11月に立ち上げる。同制度での外国人の受け入れ対象を介護や自動車整備など5職種程度広げることや、賃金未払いなどの不正を防ぐ管理監督を強める具体策を、年内に詰める。介護では介護福祉士の資格をとった外国人の就労も認める方向で、来年の通常国会に関連法案を提出する。
外国人技能実習制度は新興国への技術移転を目的とし、現行68職種で実習生を受け入れている。深刻な人手不足や今後の人口減少をにらみ、外国人活用を求める声は強い。特に介護の職員数は、2025年時点で必要な約250万人に対し直近の数で約70万人不足している。そこで政府は6月にまとめた成長戦略に技能実習制度の拡充に向けた見直しを盛り込んだ。
来月から年内3回程度を予定する有識者懇談会では、対象職種の拡大や、実習期間を現行の3年から5年に延ばすことなどの拡充策を検討。併せて、新法に基づく不正取り締まり機関の設置など管理強化策もまとめる。
介護については、30日に立ち上げた厚労省の検討会でも議論する。技能実習の対象に加えた場合の受け入れ体制や、外国人介護福祉士、経済連携協定(EPA)で入国した介護福祉士候補生の活動に向けた環境の整備策などを詰めていく。
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