日銀緩和は「大きなゲームチェンジャー」、円安新段階入りか
10月31日(ブルームバーグ): 日本銀行による予想外の追加緩和を受けて、外国為替市場関係者の間では円安が新たな段階に入ったとの見方が出ている。
日銀はこの日、長期国債の買い入れを「保有残高が年間約80兆円に相当するペース」と従来の約50兆円に相当するペースから増やし、リスク資産の買い入れも拡充するなどの追加緩和を発表した。決定は5対4の僅差だった。黒田東彦総裁は記者会見で、2%の物価安定目標の早期実現を確かなものにするため追加緩和を決定したと説明した。
マッコーリー銀行のG10為替戦略担当シニアバイスプレジデント、デービッド・フォレスター氏(シンガポール在勤)は、日銀の追加緩和は「かなり大きなゲームチェンジャーだ」とし、円のさらなる圧迫材料になると予想。同銀の来年3月末のドル・円相場の予想である1ドル=114円を前倒しで付けてしまう可能性もあると語った。
追加緩和の決定を受け、31日の外為市場では円が全面安となっている。対ドルでは日銀による発表前の109円台前半から、一時2008年1月以来の水準となる111円65銭まで下落。前日終値比で2.2%安と日銀が量的・質的緩和の導入を発表した昨年4月4日以来の大幅な下落率を記録している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「米国が量的緩和打ち切りを決めた同じ月に日銀が量的緩和の拡充を決めたわけで、これは材料としてとても分かりやすい」と指摘。「年内は110円台を確保できたらいいと思っていたが、112、113円ぐらいまで上値が広がっていく可能性も十分出てきた」とし、「スピード違反を犯した場合は115円まで加速する可能性がある」と語った。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net
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更新日時: 2014/10/31 18:23 JST