従軍慰安婦問題の報道に関わった元朝日新聞記者が非常勤講師を務める北星学園大学(札幌市)が脅迫を受けた事件を受け、同大学の田村信一学長は31日、元記者との来年度の契約を更新しない方向で検討していることを明らかにした。
田村学長は同日の記者会見で、学生の不安が大きいうえ、警備費用などの問題もあり「臨戦態勢を続けることは体力的に厳しい」と説明した。学内の危機管理委員会で29日「来年度の契約を更新しない」と提案したという。今後、大学評議会などで意見を聴き、理事長と学長が最終判断する。
脅迫を受けた大学を励まそうと結成された市民団体の関係者は「犯人の要求をのむことに等しい」として、大学側の動きに反発している。
大学への脅迫や抗議は今年3月に始まった。電話やメールが相次ぎ、学校説明会や大学祭では警察や警備会社を頼った。10月31日にも、不審な白い粉が入った封筒が郵便で届き、警察が威力業務妨害容疑で調べている。
田村学長は「残念だが、いずれかの時点でこの問題を収束させないといけない」と話した。〔共同〕
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