従軍慰安婦問題の報道に関わった朝日新聞元記者が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)に、元記者を辞めさせろとの脅迫文が届いた問題で、田村信一学長が講師と来年度の契約を更新せず雇用しないことを検討していることが31日、複数の大学関係者への取材で分かった。
非常勤講師を支援するために教職員らが30日に発足させた「大学の自治と学問の自由を考える北星有志の会」の関係者などによると、学内には脅迫文に対応する危機管理費用など財政的な問題や、来年以降の入試への影響などを懸念する声があるという。
非常勤講師の処遇については、11月に開催される大学の全学評議会や臨時理事会で話題に上る見込みで、最終的に学長が判断するとみられる。
北星学園大は脅迫文が届いたことを受けて、9月30日に「大学の自治を侵害する卑劣な行為には、毅然として対処する」との文書を出していた。(共同)