元朝日記者の講師“雇用せず”10月31日 09時20分
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いわゆる従軍慰安婦の問題の取材に関わった朝日新聞の元記者が非常勤講師をしている大学が脅迫を受けた問題で、大学の学長が、警備などを念頭に人手や財政面の負担が大きいことなどを理由に、来年度は元記者を雇用しない考えを学内の会議で伝えていたことが関係者への取材でわかりました。
取材に対し、学長は、今後、理事会との協議などさまざまな手続きを経た上で、雇用を継続するかどうか対応を決めるとしています。
いわゆる従軍慰安婦の問題の取材に関わった朝日新聞の元記者が非常勤講師をしている札幌市の北星学園大学をめぐっては、「講師を辞めさせないと学生に危害を加える」などと書かれた脅迫文が届いたほか、「爆弾を仕掛ける」という内容の脅迫電話をかけた疑いで今月、男が逮捕されました。
関係者によりますと、北星学園大学の田村信一学長は、29日の学内の会議で、来年度は元記者を雇用しない考えを伝え、理由として警備などを念頭に問題の対応にあたる人手や財政面の負担が大きいことや、来年の入学試験が無事に行えるかどうかの不安を挙げたということです。
田村学長は、NHKの取材に対し、「いまは答えられない」とした上で、「まだ決定したわけではなく、これからもさまざまな手続きがある」と述べ、今後、理事会との協議などを経た上で、雇用を継続するかどうか対応を決めるとしています。
この問題をめぐっては、今月、全国の大学教授や弁護士らが「脅迫に屈すれば学問の自由が損なわれる」などとして、元記者の雇用を守るよう大学側に申し入れをするなどの動きも出ています。