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なぜ39歳の上原がレ軍と常識外の巨額契約を結べたのか?

THE PAGE 10月31日(金)17時51分配信

 ボストンの夜空にレッドソックスの上原浩治投手(39)が人差し指を突き上げて、歓喜の輪に飲み込まれた昨年のワールドシリーズ最終第6戦から、奇しくもちょうど1年が経過したこの日。球団は今季限りで契約が満了していた守護神との2年契約締結を発表した。

 地元紙などによると、2年総額1800万ドル(約19億6000万円)。上原との残留交渉では、ワールドシリーズ終了から5日以内に単数年俸約1530万ドル(16億8000万円)のクオリファイング・オファーを提示することもできたが、上原が今季シーズン終盤に極度の不振に陥ったこともあり、地元メディアでは、ブルペン投手としては引退したマリアノ・リベラ(元ヤンキース)を越える歴代トップの高額年俸は現実的ではないと報じられていた。

しかしながら、公式戦全日程終了後のシーズン総括会見でファレル監督が「再契約のためのあらゆる努力を惜しまない」と語るなど、球団は残留を強く希望。クオリファイング・オファーの金額は出せないけれど、その譲歩案として複数年契約を提示し、合意に達した模様だ。

 電話会見でメディアに対応したチェリントンGMは、「彼が残留してくれて本当に嬉しい。オフシーズンの補強の重要な第一歩を踏み出すことが出来た。安心して、来季も彼に9回を任せることができる」と語った。

 ワールドシリーズ最終戦翌日の速攻残留交渉締結。この一両日で交渉が合意に達したと経緯を振り返った同GMの口調には、ジャイアンツの世界一達成から24時間も待たずに、補強の懸案事項の第1関門をクリアした安堵感が滲んでいた。

この日、ブログを更新した上原も「この年齢で2年を取れたことは本当にありがたいことです。いい契約をしたんだから結果を出さないとね」と来季への意気込みを綴り、契約内容への満足感を表した。

 確かに、クオリファイング・オファーは実現しなかったが、来年の開幕時には40歳を迎えているベテランにすれば、実りある契約だろう。年功序列という考え方が社会に浸透し、プロ野球の世界でもベテランに長年の貢献や実績が加味される日本とは違って、メジャーの場合、高額の大型契約を結ぶことが可能な選手は大抵が30歳台半ばまで。
 イチローのように、実際は活躍していても年齢がネックになって市場価値が上がらない例は多く、40歳という年齢で複数年契約を勝ち取ったことは、メジャーでは異例とも言える。

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最終更新:10月31日(金)20時58分

THE PAGE

 

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