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【アニメ定点観測・前Q'sEYE】第1回 「『アイカツ!』18話のバレンタインに興奮 『キングダム』『絶園のテンペスト』『ドキドキ!プリキュア』
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「深夜にやってるアニメしか観てない奴とかマジ、アニオタとしてヌルいよね。ちゃんと『ふるさと再生日本の昔ばなし』とか観ないと」
……といったように、キッズ向けアニメをアニオタ内での差異化ツールに使うやつは屑だと常日頃から主張し続けている私ですが、そのような振舞いと誤解されることを懸念しつつもあえていわせていただきますよ。
今『アイカツ!』を観てないアニメファンは本当にダメ。
こんなに熱いアニメを見逃しているとか、アンテナ鈍り過ぎです。『ジュエルペットサンシャイン』を見逃していた人くらい、ヤバい。
第18話「チョコっとらぶ」(おお、プッチモニ)も良かった。バレンタインファッションショーと、仲間内での友チョコ・義理チョコの話題で盛り上がるいちごたちアイドルの可愛らしいじゃれあいっぷりだけでも「ごちそうさまです!」という感じなのに、いちごの弟・らいち(声は『ちはやふる2』で主人公・綾瀬千早を好演中の瀬戸麻沙美さん)が女装して“美少女”になってしまう展開まで飛び出して、いやはや、もうトリコにならない方が無理というもの。「女子校に潜入するために可愛い男の子が女装する」という深夜アニメ的な展開を夕方帯の作品で真正面から描くというチャレンジ精神にも拍手を送りたい。ときめきでキュン死するかと思いました。「女装美少年」という大ネタのインパクトのみで押し切らず、いちごの親友で「アイドルオタクなアイドル」であるあおいと、そんなあおいを師匠と慕うアイドルオタク予備軍であるらいちの、姉弟のような、同志に対するシンパシーのような、淡い恋のような関係を丁寧に描いてみせたのも二重丸。
今ならまだバンダイチャンネルで無料で観られるので、未見の方は是非。
同じ月曜日にBSで放送中の『キングダム』も、ただいま第1シーズンのクライマックスを迎え、手に汗握る展開が続いてます。秦軍と趙軍、それぞれの総大将がぶつかりあう様は、話としても、映像としても見応えがありますね。
第36話「王騎と摎」では、他キャラクターに対して当社比2倍以上はある分厚い唇、ねっとりとしたおねえ口調、大軍を巧みに率いる知性と鬼神のごとき武力――そんな“濃い”要素が一身に同居した特異なキャラクター・王騎将軍の悲しい過去の全貌が明らかに。グッと深みを増した王騎将軍の勇姿を、残り2話、しっかりとこの目に焼き付けたい。
それにしても、ここに来て主人公の信がすっかり解説キャラ状態なのが心配だ。いや、最近は解説キャラの方が美味しいのか? スピードワゴン@『ジョジョの奇妙な冒険』なの? そりゃないぜジョースターさぁん! ……37話では久々に活躍する様子だが、はてさて。
話はガラッと変わるが、『絶園のテンペスト』って観続けてますかね、みなさん。序盤で切ってしまったアナタ、勿体無いことしましたね。1クール目の後半から、クールな知性派悪役風に登場したキャラクター・左門の顔芸で「シリアスな笑い」(@『バクマン。』)の空気が生じ始めたかと思いきや、ここしばらくは『アマガミ』の新作かと思うほどのうれし恥ずかしラブコメ展開。そして今週は『幻魔大戦』のような派手な超能力バトルが繰り広げられるという。このデタラメさ、まさに「テンペスト」。とっても楽しい。録画を溜め込んでいる人はそろそろ時間を作って消化しておくと良いのではないでしょうか。
で、最後に。
2月から新しい「プリキュア」シリーズ、『ドキドキ!プリキュア』がスタートしました。主人公の相田マナ(キュアハート)をはじめ、能力の高い娘揃いのプリキュアという変則的な設定が、いまのところはストーリー上で良い感じに機能していて新鮮。キャラクターデザインも華やかでグッド。おなじ高橋晃さんがキャラクターデザインを務めた『スイートプリキュア♪』のときは、設定画や版権イラストに対して本編の作画が今ひとつ追いつききれてない感じがありましたが、今回は本編でもキャラのゴージャスな雰囲気がかなり再現されている感じ。3話の「最高の相棒登場!キュアダイヤモンド!!」では、マナからのプリキュアへの誘いに揺れる菱川六花(キュアダイアモンド)の細やかな表情が大変良かった。このまま高いアベレージでひた走って欲しいものです。
それにしても、『ドキプリ』のマナと六花のコンビ、なんともいえない親密さ。キャラクターデザイナーが同じだから、という点を抜きにしても、『スイプリ』の響と奏を思い出す。あ、「ドキドキ」ってこういう意味か……とかいうのは、不純ですね。よくない。
今のニチアサはほかにも、『バトルスピリッツ ソードアイズ』のキザクラ(声は堀江由衣さん)、『カードファイト!! ヴァンガード リンクジョーカー編』のアイチと、胸を騒がせるキャラクターが多くて困ります。いや、本当は困ってません。もっとやって欲しい。
……なんだかオチが頭に書いた「キッズ向けアニメを差異化ツールに使うやつ」の典型みたいな物言いになってしまったところで、今週はおしまい。ではまた、来週お会いしましょう。
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