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激論! AniFavライター陣による「2013年1月クールに来るアニメはこれだ!」事前予想座談会(+α)【後編】
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AniFavライター陣クリスマス・イヴ座談会の後半戦をお届けしま〜す! 前半戦はコチラ!
最後にはおまけもありますよ〜! お楽しみに!
■「硬派アニメ」と「ショートアニメ」が私、気になります!?
太田 (『24 -TWENTY FOUR -』の着メロ)お、ごめん! ちょっと抜ける!
前Q はいはーい(助かった〜)。……じゃあ、さっそくで申し訳ないですけど、坂上さんの推しアニメを聞きましょうか!
坂上 僕は『ちはやふる2』と『ささみさん@がんばらない』ですね。ただ、『ちはやふる2』に関しては、出来がいいアニメになることは分かっているけど、圧倒的に「やられたっ!」って感覚は持てない気がするんです。
前Q 1期で演出のスタイルが確立されている感じがしますものね。じゃあ、あえてひとつ推すなら『ささみさん』?
坂上 そうですね。あとは、最近ストーリー志向も見せてくれている京アニの新作という意味で、『たまこまーけっと』も普通に楽しみです。
前Q 『たまこ』はさきほど高瀬さんが熱弁をふるったので(笑)、『ささみさん』の注目ポイントを語ってもらえれば。
坂上 『ささみさん』の場合、日日日さんの原作とシャフトのイメージとが噛み合わない部分があると思うんですよ。けど、この噛み合わない部分っていうのが重要なはずで、『魔法少女まどか☆マギカ』も虚淵玄さんの脚本に蒼樹うめさんの絵を付けるっていうギャップで面白いものを産み出しているわけでしょう。その意味で、シャフトや新房さんがあの原作をどのように調理してくるのかが凄く楽しみです
太田 (戻ってきた)え、俺の話は飛ばされたの!?
前Q いや普通にいなかったですしおすし……。
太田 俺に話をさせてくれよ!!
前Q ……どーぞ。
太田 『ちはやふる』って男からしたら「ふざけんな!」って話なんですけど!
前Q 何の前振りもなくいきなりヒッどい話を始めますね! これだからイヤだったんだよも〜……(半泣き)。
杉田 「女性から観たら男が楽しんでるハーレムものはクソだ!」という話の逆バージョンみたいな意味ですか?
太田 そう! それを堂々と「王道」的にやっているのが末次由紀さんのすごいところなんだよね。
前Q え〜! 少女マンガだとそれって別に普通じゃないですか?
坂上 あそこまで鈍感なのはそうそうないですよ! もうね、原作をちゃんと追ってると、どんどん太一が不憫な状況になっていって、「俺は意地でもこの残念なイケメンを応援するぜ!」って気分になりますよ。
前Q そんなもんかなぁ〜……。
坂上 たとえば『のだめカンタービレ』ののだめなんかも、黒木くんの気持ちにまったく気づかなかったりと鈍感な面はあるけど、千秋との恋愛はきっちりやってるんですよね。けど、ちはやの場合、そもそもかるたを通してしか恋愛をイメージできない。しかもその真剣な姿勢がこちらの心を打ってくるから、責めることもできない(笑)。
前Q でも男って、むしろ恋愛体質で女子力高いタイプの主人公の方が嫌いなんじゃないですか? 一般的に。
太田 ええっ、そうなのかぁ〜!?
前Q う、うーん……まあ、あんま本筋と関係ない話になって来てるんで戻しますけど、つまり太田さん的には原作好きだからアニメが楽しみってことですか?
太田 いやいやいや、そういうことじゃないよ。これはステマなんですけど(笑)、マッドハウスの宣伝担当さんと知り合いで、1期のDVDをいただいたんですよ。それを観たらすごく面白かったんです!
前Q 本当によく出来てましたよね。ストーリーも上手にまとめてたし、演出も良くて。
太田 そう。最初の1・2話のあたりを観ていると、ちはやに対するいらだちが軽減されるというか(笑)。あと川尻善昭さんのコンテ回がすごくよかった。かるたを使った格闘戦、みたいなところを、こう表現するんだ! と。その回だけ雰囲気がハードボイルドでしたよ(笑)。だからすっごく楽しみかなと。ただ2期だからね!
前Q 太田さんがいなかったときにも話してたんですけど、順当な感じがして、あらためてこういう場で推すのも……って感じはしちゃいますよね。
太田 けど、こういう作品もなかなか今のアニメにはないかなという気がするじゃないですか。応援したいよね。
坂上 そうですね。最近は漫画でも『3月のライオン』が将棋をテーマにしていたりしますが、ある種多くの読者や視聴者が詳しくないジャンルについて、その熱量や面白さについて伝えてくれる作品というのは貴重だと思いますよ。
前Q ここしばらく、ノイタミナの企画がもう少し普通の、いわゆる「深夜アニメ」っぽいテイストに変わってますからね。それが悪いってわけじゃないんですけど、一般の、アニメファンではない人に観てもらえそうな作品があるとホッとしますよね。
太田 そうなのよ〜。『ちはやふる』とかはちょっと前のノイタミナがやっててもおかしくないと思うんだけどね。でも最近はちょっといわゆる「アニメファン」よりのラインじゃない? 4月からも『刀語』だしさ。
杉田 硬派なアニメがあんまりない感じはしますね、今。
前Q 同じ層に届きそうな作品でいうと、『宇宙兄弟』くらいですかね。で、これも『ちはやふる2』と同じで、日テレ系列で放送されてる。
太田 硬派アニメは、日テレがいまや支えているというところがあるのかもね。
前Q 『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』といった細田守監督作品や、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズにも日テレが関わってますからね。テレビ朝日やフジテレビのキッズ路線ともまた違う、アニメファン以外にも届いて、かつ、アニメファンも楽しめる作品は、日テレが頑張っているように感じますね、たしかに。
太田 アニメファンにいきなりみんながなるわけじゃないからね。こういう、子供も観られる作品がないとやばいと思うんだよね。
坂上 ですねー。自分が本当に好きになったものに全力でぶつかっていくちはやの姿勢って情操教育にもいいですよ(笑)。
太田 だから応援……というのもおこがましいけど、出来はいいんだからみんな観ましょうよ、と。
前Q なるほど。
太田 あとは『閃乱カグラ』。鉄板でブヒれる枠。
杉田 ……180度方向性が違いますね!(笑)
太田 『まおゆう魔王勇者』も気になるなー。あの原作をどうアニメ化するのか。toi8さんの絵がどう動くのかも楽しみますね。
成上 制作会社は違いますけど、スタッフは『狼と香辛料』の人が多いんですよね。だから原作の経済学ネタも押さえたアニメになるでしょうね。
太田 じゃあやっぱり期待作だね。この3つを押したいです。いろいろな理由も込みで。
前Q 太田さんは一視聴者というのとは少し違った目線での推しだったわけですね。
太田 ごめんね、どうしてもプロデューサー目線が入っちゃって。業界とは! みたいな(笑)。イヤな感じだなー、我ながら。
前Q はははは。あと、坂上さんの『ささみさん』トークをもう少し掘り下げて聞いてみたいんですがどうでしょう。
坂上 「ささみさん」という主人公の、「一人称でありつつ三人称でもある」という不思議な視点で書かれた作品をどうアニメ化するのかな、という点が興味深いですね。それと、左さんの絵がどう動くのかも楽しみです。あとは日日日さんにそろそろヒットを飛ばして貰いたい的な願望が……。
太田 あははは(笑)。「そろそろ◯◯にも手柄をとらせてやらねば」みたいなね(笑)。
坂上 いやいや、そんなんじゃないですよ! 純粋に、ファン心理です!
前Q 『ささみさん』は僕も、シャフトと新房昭之監督のタッグが久々に完全新作のTVシリーズを手がけるということで、注目してますね。最近は続編ものが多かったので。
高瀬 TV放映で一番新しいのは『電波女と青春男』ですよね。つまり『ささみさん』での注目ポイントのひとつは、『電波女』でブリキさんの絵を上手くアニメに落とし込んだシャフトが、アニメ化の難しい左さんの絵をどうアニメイトしてくれるのか、というところにあると思います。その意味では、比較対象は原作のイラストをブリキさんが担当している『僕は友達が少ない』。『はがない』の1期は、主線が太く、いわゆるけばけばしいアニメ塗りだったじゃないですか?
前Q 画集を予約してるくらいにはブリキさんのファンな僕ですが、あのアレンジはそれはそれで魅力的なものに見えましたけどね〜。
高瀬 ただブリキ絵の魅力を基準とすると、テイストがズレてしまってましたよね。それが今回の2期では主線は細く、色彩も淡いほうへとチューニングしてきている。だから『ささみさん』と『はがない』、あとはるろおさんの『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』なんかも含めて、昨今隆盛している水彩画風CGイラストを、どの作品が最も上手くアニメに落としこむのか、というあたりも注目ポイントだと思ってます。
坂上 PVを見る限り、独特の雰囲気を作っている印象はあります。原作をアニメ化するのは簡単じゃないようにも思うけど、さっきの一人称と三人称の問題も含め、文字や言葉を上手く使うシャフトの演出だったら上手くいくんじゃないかなという気もしています。
前Q シリーズ構成が高山カツヒコさんなので、原作にかなりアレンジを入れてくるのかなという気もしますね。
高瀬 高山さんなら、1話で何か仕掛けを入れてきてもおかしくないですね。『喰霊-零-』『夏のあらし!』『黄昏乙女×アムネジア』……。
太田 うむ、聞けば聞くほど盤石の体制で作ってるじゃないですか、『ささみさん』。やっぱシャフトみたいに強いところは勝ちパターンを持ってるね。そしてここから「新房さんと俺」というテーマで話をすると長くなるんだよね。
杉田 何かあったんですか?
太田 いやね、かつて『幻影城の時代』を作ったときに、島崎博さんのサイン本を差し上げたらすごく喜んでいただけたのよ。
前Q ミステリお好きですもんね、新房監督。
太田 いつか新房さんにド本格のミステリをアニメ化して欲しいなあ。……というあたりで、話もそれてきましたが、大体出揃いましたかね。
前Q そうですね。で、いちおう、僕も言うだけ言っておくと、2クール目が楽しみな作品が多いんですよね。『ジョジョの奇妙な冒険』とか『アイカツ!』とか。あと続編で楽しみな作品も多いです。完全新作で、これまで話題に上がってないものだと、『THE UNLIMITED 兵部京介』。椎名高志さんが「週刊少年サンデー」で連載してる『絶対可憐チルドレン』のスピンオフ・オリジナルアニメ。
太田 そんなのあるんだ。
前Q 僕、連載で追っている程度で、『絶チル』のそこまで良い読者ではないんですけど、敵役を主役にダークヒーローもの、ピカレスクものをやるというのは好きなモチーフなので注目してます。権力から弾圧されているエスパーたちがチームを作って体制に反逆していく……というのはいいな、と。
杉田 硬派枠ですね!
前Q あはは。最近、ちょっと美少女に興味がわかなくなってきてて。気持ちがこういう男くさい感じに寄ってるんですよ。
杉田 えー、AniFavもブヒって行きましょうよ!(笑)
前Q まあ、こういいつつ『アイカツ!』のいちごちゃんに夢中だから、大丈夫(笑)。で、『兵部』は、制作がマングローブというアクション系に強いスタジオなので、作画的にも楽しめそうかなと。
成上 これ、『絶チル』ファンがそのまま流入してくることを狙った企画ってわけでもなさそうですよね。
前Q なさそうですね。
太田 じゃあなんでこの企画通ったの?
前Q むしろ原作と違った色の作品をやって、ファン層を拡大しようということだと思いますよ。
杉田 兵部のバックボーンを考えると、普通に太平洋戦争の話が出てきたりするはずですよね。
太田 へええ! 観るわ! これ観るわ!
前Q 僕としてはそんなとこですね。ほかに落穂ひろい的に何かあります?
坂上 注目というほどではないですが、『AMNESIA』は観たいなと思っています。
前Q 坂上さんは美少女ゲームだけじゃなくて乙女ゲームやBLゲームも抑えてるんですか?
坂上 うーん、『咎狗の血』をプレイしてるくらいですけどね。
前Q ニトロプラスキラル作品は、ニトロファンなら男でもプレイできる感じがするから、女性向けゲームの中でもちょっと別枠な気がするなぁ(笑)。
坂上 ですね(笑)。だからこれも同じように楽しめるかはわからないですけど、3話くらいまで観て、何か可能性を感じられたら継続視聴したいなと。
前Q 設定だけ聞くと、記憶喪失で目覚めた主人公の女の子が、閉鎖空間で「8月1日」をループするとか、そんなお話だそうで。僕の好きだった、少し前の凝った設定の美少女ゲームっぽい。
成上 ああ、記憶喪失だから「アムネジア」ですか。
坂上 ループものは今でこそ溢れてますけど、「乙女ゲーだとこういう演出もありか!」というようなビックリ感があったら楽しいですね。
前Q じゃあ、この場にいるような、ループとか世界改変とか、そういう要素が好きなみなさんは男でも『AMNESIA』要チェックということで……そんなとこですかね。
太田 よし、今日の話を総括しよう。「京アニは偉い!」
前Q ……どこでそんな話してたよ!(マジギレ)
高瀬 え、僕は完璧なまとめだと思いましたけど……。「京アニは偉い!」
杉田 じゃあ、僕からひとつ言いたいことがあります!
前Q 杉田さんまでテンションが変に!? ど、どうしましたか?
杉田 AniFavといったら『てーきゅう』じゃないですか。
前Q はい。2012年10月クールのAniFavランキングを席巻してました。そ、それが何か?
杉田 そして1月の『てーきゅう』枠といえば『あいまいみー』なんですよ!!!! なんでAniFavの新作一覧に載ってないんですか!!!!!!
前Q AniFavランキングはU局はTOKYO MXしか捕捉してないんですよ……原作がすごく面白いので僕も期待してるんですけど……。
杉田 可愛い女の子が下ネタと酷いネタで盛り上がる、原作力の高いタイトルなんですよ! スタッフさんがいまいちわからないので、アニメでテンポがどうなるかわからないですけど。
前Q 監督のいまざきいつきさんは「鬼才」と呼ばれるような方で、ピーキーな原作にピーキーなスタッフさんを組ませた感じですよ。
杉田 じゃあ万全じゃないですか! くそー、なんでランキングにないんだ!! そして『てーきゅう』枠には『戦勇。』もですよね。
太田 そこはみんな気を遣って触れてなかったのでは……。
前Q いや、そんなことはないですよ……。
坂上 ショートアニメ増えてますね。単純に、人がどんどんコンテンツに時間をかけてくれなくなっている中で、いかに短い時間で楽しんでもらうかを考えるのはいいことなんじゃないかと思います。
杉田 『戦勇。』も原作力は高いし、メインが中村悠一さんと下野紘さんの2人組ですからね。女子人気も出ますよ!
前Q そのあたりのショートアニメの流れも「私、気になります!」……という話をして、終わっていく感じですか。
太田 うん、そうだね。いやー、面白かったよ。2013年の1月クールが終わったらまたやりましょう。『てーきゅう』みたいなダークホースが出てきてるかもしれない。『琴浦さん』すごかったね、みたいなさ。
前Q では、ひとまずそんなところで、今日はお疲れ様でした〜。
一同 お疲れ様でしたー!
そして、ライター陣は陽の落ちかけた街並みにそれぞれ消えていったのだった……そこに愛はあるのかい?
……何言ってんだか。
さて、ここからはおまけパート! ライターのみなさんによる2013年1月クールの現時点(2月半ば)での雑感です!
2013年1月クールのアニメをAniFavライター陣はこう見ているぞ!
坂上秋成
今期アニメ、始まってみるとやはり癒し系作品の安定感ぱねぇ! って印象です。
『たまこまーけっと』や『みなみけ ただいま』を観ていると、何と言いますか、肩こりが治っていく気がします。
しかし戦場の最前線に立つ気持ちを忘れないよう、引き続き『PSYCHO-PASS サイコパス』や『ささみさん@がんばらない』にも注目したいところ。
高瀬司
『たまこまーけっと』、最高でしたね!
ここには載ってませんが、最初にみんなでクリスマスチキンを寂しく食べてるときも、ぼくは『けいおん!』や京アニを熱く絶賛していまして。ご覧のとおり座談会でも全肯定しまくっていたわけですが、とはいえ実のところ内心では「こんな大見得切って本当に大丈夫なのかしら……」とも思っておりました。
……大失敗でしたね。こんなていどの絶賛ではまったく足りなかった。京アニを甘くみておりました。山田尚子監督、最高ですね! たまこ、かわいい!
と、そんなぼくの『たまこま』熱狂っぷりは、各話レビューのほうでご確認ください(←宣伝)。
杉田悠
ほら来たぜ? 『琴浦さん』来たぜ?(ドヤア
ああいう作り方をしてくるのは予想外でしたが、原作より陰陽の振り幅を大きくする事で琴浦さんの愛しさ&真鍋のイケメン力がアップしていて良いと思います。
一方でポスト『てーきゅう』候補だった『あいまいみー』はヤバい下ネタを避けてしまっていたりと、やや期待外れ(ただ4話以降は吹っ切れてる感じもある)。これに比べると『戦勇』はテンポ良しOP等フック良しと原作の魅力を上手く引き出している感じ。やるじゃんヤマカン。ショートアニメではノーマークだった『ヤマノススメ』も出来がいい。 個人的にエース候補だった『ビビッドレッド・オペレーション』は決して期待外れではないものの期待以上でもなく、現段階では評価保留。黄色はかわいい。『たまこまーけっと』も黄色がかわいい。京アニなので当然期待値は高いわけですが、こちらはその事前の期待値を上回っているかも。あとみんな『銀オフ』を見ましょう。
成上友織
期待していた『ラブライブ!』が面白いのでわりと毎週生きる活力を得られています。
あと今期は『ラブライブ!』、『アイカツ!』、『AKB0048 next stage』とアイドルものを3つもやっていて、アイドル戦国時代ならぬアイドルアニメ三国志とでも言うような様相を呈しているのでひとつひとつ比較してみたら面白いものが見えてくれるかもしれませんね。
そこらへんはいまやってる『ラブライブ!』のレビューでそのうち触れられたらという感じです。
ありがとうございました〜! では、いつになるかは未定ですが、次回の座談会もお楽しみに〜!
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