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  1. 歯磨きしているのに虫歯になる…という人のための、正しいデンタルケア

歯磨きしているのに虫歯になる…という人のための、正しいデンタルケア

2014年10月30日更新

ちゃんと歯磨きしているのになぜか虫歯になってしまう!――それ、ひょっとすると歯磨きのやり方が間違っているのかもしれません。

そこで今回は、歯科医師で「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」代表の西真紀子先生に虫歯にならないための正しい歯磨きのやり方などを聞きました。

目次

  • 私たちの歯は毎日「目に見えない虫歯」になっている!?
  • 歯ブラシ・歯磨き粉の選び方
  • 歯磨きのベストタイミング
  • 虫歯にならないための歯磨きポイント
  • 歯磨き以外にも!すべき虫歯予防

私たちの歯は毎日「目に見えない虫歯」になっている!?

私たちの歯は常に歯垢(プラークまたはバイオフィルム)に覆われています。歯垢の中には虫歯菌が1mgあたり約1億も潜んでいるといわれています。

私たちが食事をするたび、虫歯菌はその中にある糖類やでんぷんを摂取して酸を出し、歯の表面をうっすら溶かし始めます。このように、虫歯菌により歯の表面が溶けだしている状態のことを「脱灰」といいます。この脱灰状態を少しの間でも放置していると「初期虫歯」になってしまいます。

脱灰は、食後に分泌される唾液によって修復され元の健康な歯に戻ります(再石灰化)。つまり、私たちの歯は食事のたびに目に見えない虫歯状態になり、その後、唾液で修復されるという流れを繰り返しているのです。

ただし、脱灰は唾液で修復されますが虫歯菌が減少するわけではありません。口の中に糖類やでんぷんの食べかすが残っていると虫歯菌は酸を出し続け、脱灰がどんどん進行して唾液のみでは修復できなくなります。すると、歯が溶けた部分が黒ずみ、穴があくなどの症状があらわれます。この状態になると自然治癒は非常に難しいので、専門医による治療が必要です。

虫歯や歯周病を防ぐためにも、毎日の歯磨きは欠かせません。さっそく、虫歯を防ぐための正しいお手入れ方法をチェックしましょう。

歯ブラシ・歯磨き粉の選び方

歯ブラシを選ぶポイント

歯ブラシは以下のものを選んでください。

  • ヘッド部分が小ぶり
  • 毛が柔らかいタイプのもの

ヘッド部分が小ぶりのものは奥歯にも届きやすく、小回りがききます。毛質は歯と歯茎を傷つけないためにも柔らかいタイプのものを選びましょう。

歯ブラシは使用し始めて1ヶ月経ったらヘッド部分を後ろからチェックしてください。毛がはみ出て見えるようであれば買い替えのサインです。ただし、使用後1ヶ月未満で買い替えサインが見られたら磨きすぎの可能性があるので注意してください。

西先生「近年、先進国では歯磨きのやり過ぎによる歯や歯茎への損傷が問題になっています。そもそも食事後すぐの歯は表面がうっすらと溶け(脱灰)、削れやすい状態になっています。そこで過剰な歯磨きをすると歯がすり減る『トゥースウェア』になってしまう危険性があります」
「トゥースウェア」とは・・・飲食物由来などに由来する酸、歯磨きによる過剰な摩耗などにより歯がすり減ってしまう病気のこと。おもに以下の要因に心当たりがある人はなりやすいと言われています。
・酸っぱいものをよく食べたり飲んだりしている人
・つい力を入れすぎて歯磨きしてしまう人
・逆流性食道炎や摂食障害がある人

歯磨き粉を選ぶポイント

歯磨き粉選びのポイントは、フッ化物が入っているものを選ぶことです。

フッ化物とは虫歯に効果がある物質のことで、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウムなど頭に「フ」がつくものにはたいがい含まれています。虫歯菌によって溶かされた歯の表面を修復するほか、歯の質を強化するなどの働きがあります。

西先生「最近では重曹を使った歯磨きが話題だそうですが、虫歯予防効果は研究で結論が出ているわけではありません。研究上でも、虫歯予防にはフッ化物を含んでいるものの効果が認められています。 ただし、一部では前述のトゥースウェアの症状がみられる人に対して、口内の酸を中和する作用が期待される重曹の使用をすすめられていることがあるようです」

歯磨きのタイミング

2・2・2の法則

予防歯科の先進国であるスウェーデンでは、以下の「2・2・2の法則」が実践されています。

  • 歯磨きは1日2回(朝・晩)
  • 歯磨きは1回につき2分間行う
  • 歯磨き粉の長さは2cm
「2・2・2の法則」は定期的に歯科医で健診を受けている人を前提としたものです。もちろん、昼食後など口臭やネバつきが気になるときに歯を磨いてOKです。

歯磨きのベストタイミング

歯磨きのベストタイミングは、それぞれの歯の状態や目的によって異なります。

  • 1:虫歯を予防したい(虫歯になりやすい人)

虫歯予防の観点では、糖類やでんぷんが口内に長く残っている状態は非常によくありません。そのため、食後すぐに歯磨きをして口内を清潔にすることがポイントになります。

  • 2:酸っぱいものをよく食べる(虫歯になりにくい人、トゥースウエアが気になる人

酸っぱいものを食べたあとの口内は酸性になり、歯の表面はうっすら溶けている状態です。食後すぐに出る唾液はそうした口内を中和し、歯を溶けにくくしてくれる作用があります。しかし、すぐに歯磨きをすると唾液の成分まで洗い流してしまうため、トゥースウェアになる可能性が高くなります。

「酸っぱいものをよく食べる」「トゥースウエアが気になる」という人は食後30分~1時間程度あけてから歯磨きをしましょう。

西先生「歯磨きのベストタイミングについては、歯科医学界でまだまだ議論中でハッキリと公表するのが難しい状態です。なので、自分の歯の状態に合わせたタイミングで歯磨きを行ってください」

虫歯にならないための歯磨きポイント

磨きにくい&苦手な部分から磨き始めよう

磨き始めより磨き終わりのほうが手を抜いてしまいがちになるものです。磨き残しをなくすためにも、右利きならば右奥下の歯から磨くなど、磨きにくいと感じる歯からスタートし、前歯など磨きやすい歯で終えるようにしましょう。この流れで行えば、均一な歯磨きができます。

磨きにくいと感じる歯がいまいちわからない人は、かかりつけの歯科医師にチェックしてもらいましょう。

歯と歯茎の境目に歯ブラシをあてよう

歯ブラシは45度に傾け、歯と歯茎の境目にブラシをあてるようにして汚れを取り除いていきます。

特に以下の箇所は汚れが残りやすいので注意しましょう。

  • 歯と歯茎の間の汚れ
  • 歯のかみ合わせ面の汚れ
  • 歯と歯の間の汚れ

歯ブラシは小刻みに動かそう

歯ブラシは小刻みに震わせるように動かして歯の汚れを落とします。歯を1本ずつ磨くイメージで行うとスムーズです。

歯間や凝り固まった汚れなど、歯ブラシのみでは落とせない汚れもあります。歯ブラシの目的はあくまでも「ブラッシング」であり、歯をつやつやにする「研磨」ではありません。くれぐれも力の入れ過ぎには注意してください。

すすぎは0回~最小限に留めよう

歯磨き粉に含まれているフッ化物をきちんと作用させるには、歯磨き粉が歯に付着している状態をなるべく長くキープすることが大切です。そのため、歯磨き後のすすぎは最小限にとどめましょう。

仕上げ洗口液を使用する場合、フッ化物が含まれていないものは口内を洗い流して歯磨き粉の効果がなくなってしまいます。虫歯予防目的であれば、必ずフッ化物が含まれている洗口液を選ぶようにしましょう。

歯磨き以外にも!すべき虫歯予防

虫歯になる原因はいくつかあります。歯磨きだけで虫歯を防ぐことはできません。以下、虫歯になりやすい人の特徴です。心当たりのある人は、歯磨きと同時にそれぞれの対処法も実践しましょう。

  • 1:口の中が乾きやすい(唾液量が少ない、唾液の質が悪い)
  • 2:ダラダラとした食事をしがち(間食の回数が多いなど)
  • 3:家族に虫歯になりやすい人がいる
  • 4:歯科メンテナンスに行っていない

1:口の中が乾きやすい(唾液量が少ない、唾液の質が悪い)

唾液量が少ない・唾液の質が悪いと虫歯菌が繁殖し、虫歯になる可能性が高まります。唾液量を増やしたり質を良くするには咀嚼の回数を増やすことが効果的です。「口の中が乾きやすい」と感じる人は、以下のことを実践しましょう。

  • こまめに水分補給する
  • キシリトール100%配合のガムを噛むようにする
  • 噛みごたえのある食事を選ぶように意識する

2:ダラダラとした食事をしがち(間食の回数が多いなど)

ダラダラと食事する=口の中に食べかすが残っている状態が長く続くため、虫歯になるリスクが高まります。そこで、以下のことを意識しましょう。

  • 就寝約2時間前に糖類やでんぷんを飲食しない
  • 食事の回数を制限する(むやみに間食しない)
  • 飴やキャラメルなど糖分が口の中に長く残るものは控える

3:家族に虫歯になりやすい人がいる

両親や上の兄弟に虫歯になりやすいタイプの人がいる場合、乳歯がはえる時期に口移しや同じ食器を使うことで虫歯菌のボスともいわれる「ミュータンス菌」がうつっている可能性があります。

ミュータンス菌はほかの虫歯菌よりも撃退しにくく、完全にクリアにするのはほぼ不可能といわれています。家族にそういった人がいるなど心当たりがある人は、まずはかかりつけの歯科医に虫歯菌量を調べてもらうなど、定期チェックを受けるようにしてください。

西先生「虫歯のなりやすさは遺伝することでも知られています。離れて育てられた一卵性双生児でも歯や唾液の質、味の好み、免疫について同じ遺伝子を持つといわれています」

4:歯科メンテナンスに行っていない

歯科衛生士などの専門医じゃないとわからないことはたくさんあります。とくに一部が黒くなり始める前段階の虫歯は専門医でないと発見できません。

虫歯予防でもっとも大切なのは「早期発見」です。現状の歯のメンテナンスでOKなのか、健康状態に異常はないか、専門医にチェック&メンテナンスしてもらいましょう。

お話を伺ったのはこの人!

西真紀子先生

歯科医師。NPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」理事長。最先端の虫歯予防、歯周病予防の知識を広めるため、講演なども行っている。「歯のケアにおいて一番大切なのはリスクの発見です。セルフケアはもちろん、なにか異変を感じなくとも自分のリスクに合わせた間隔で歯科メンテナンスを受けてくださいね」と西先生。

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(イラスト:nanapi編集部)
(ライター:福岡夏樹)

本記事は、2014年10月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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