【ソウル=名村隆寛】4月16日に韓国南西沖で起きた旅客船セウォル号の沈没事故で、青瓦台(韓国大統領府)は29日までに、朴槿恵(パク・クネ)大統領が発生直後に国家安保室から最初の報告を受け、7時間に計7回、電話などで担当者に指示を出していたと明らかにした。大統領府の金淇春(キム・ギチュン)秘書室長が、28日に開かれた国会運営委員会国政監査で説明した。朴大統領は事故の報告を受けた15分後の午前10時15分、国家安保室長に電話で「1人の人命被害も出さないように」などと指示したという。
大統領府が事故当日の朴大統領の行動を具体的に明らかにしたのは初めて。説明などによると、朴大統領は中央安全対策本部を訪問した午後5時15分までに、19回の報告を受け、7回指示を出したという。しかし、韓国メディアによると与党セヌリ党議員が8月、大統領府の資料をもとに「指示は3回だった」と明らかにしている。指示回数を7回としたことについて、韓国紙ハンギョレは「状況確認の電話まで指示に分類して積極対応したように『指示回数の上乗せ』をしたとの疑いもある」と指摘した。