- 作者: 川上量生
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2013/10/10
- メディア: 単行本
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4Gamer.netで連載していた記事を元にした本。内容は、今までプレイしてきたゲームの話からゲームを通して学んだことが語られています。
また、ドワンゴのことについてもどのようなことを考え、ニコニコ動画を運営してきたか、そして、ニコニコ大会議・超会議の裏話についても書かれています。
既存のルールにただ従っていたのでは、新規に参入した者は絶対に勝てないシステムになっていることがある。しかし、そんな状況でも「ルールが変わるタイミング」「ルールを変えられる瞬間」をどこかで見つけられることがあります。
新規参入者と既存のメンバーでは、持っている情報量が違うなどにより、どう考えても新規参入者が不利なことがあります。
では、どうしたらいいのでしょうか。
著者は、とにかくルールの確認・検証をきちっと行うべきだと主張しています。その検証後、ようやく最適な解を探す作業に移れるのです。今おかれているコミュニティのルールを把握しましょう。そうしなければ、努力の方向を間違い、いくらやってもゴールに到達しないということになりかねません。
ルールの確認・検証、これは見落としがちですが、すごく大事なことですね。
そして、ルールは何かの拍子に変わるものです。そのタイミングを狙うこともすすめています。
自分が理解できるものは、他人も理解できる可能性が高いからです。自分でも分からないものであれば、他人もわかりようがありません。(中略)理解できそうで理解できないぎりぎりの境界線上に答えがあるというのが僕の結論です。
ビジネスにおいて、どうやって独自性を発揮し、差別化していくかという文脈での話です。
「それ面白い!」と誰もが理解できるものはすでに誰かがやっている可能性が高いのです。さらに、発想としてもありふれているものが多いでしょう。そこで、自分でも分からないことをやるといいはずだと主張しています。
自分にも分からないというのは決してめちゃくちゃなものというわけではありません。
正確には理詰めではよく分からないが、感性的な部分で「これいける!」と感じられるもののことです。そういう意味で、理解できそうで理解できないぎりぎりの境界線上に答えがあるとしています。
ネット上では、これまでと同じような議論や情報が飛び交うことに対し、「何周目だよ」とか、「過去ログ読めよ」と批判されることがあります。
それに対し、著者は次のように述べています。
人間の数は多くても、人が興味を持つ事柄や議論の数は、たかが知れている。そうであれば、ある人たちにとってはすぐに済んでいるはずの議論が、別のところから始められるのは当然の現象です。
だからこそ僕は、みんなが同じこと言ってもいいし、同じ議論を繰り返してもいいと考えています。
このように繰り返されることを肯定しています。
何周もする中で、解決策や新しいアイデアが出てくる。こういったこともあるわけです。そこで、議論を繰り返すこともムダではないのです。
以上、川上量生氏の『ルールを変える思考法』を紹介しました。
特定のゲームについての話はそのゲームを知らないと、よく分からないかもしれません。しかし、ビジネスへの洞察は興味深いものとなっています。
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