野党「恥ずかしくないのか」、与党「恥ずかしくない」

統制権:移管先送りで元・現政権が対決
野党「第2の乙巳保護条約」
与党「あまりにも当然、よくぞ決意」北朝鮮の核・ミサイル脅威を強調
国防長官「条件すり合わせ移譲推進」

盧元大統領秘書室長「恥ずかしくないのか」
現国防長官「恥ずかしくない」

 与野党は国政監査最終日の27日、国防部(省に相当)と外交部に対する総合監査で、韓米両国が2015年に予定されていた戦時作戦統制権の移譲時期をこのほど再延期したことをめぐり攻防を繰り広げた。野党からは大統領選候補や党代表クラスが前面に出て、元政権と現政権の決戦場のような雰囲気になった。

 最大野党・新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)議員は同日、国防委員会に対する国政監査で、「6・25(朝鮮戦争)から60年の歳月が流れたのに、韓国軍が統制権を自ら行使できないということが恥ずかしくないのか。南北間の国防費の差は15倍、経済力の差は40倍を超えるが、統制権移譲ができないなんて話にならない」と述べた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は2006年の講演で、統制権移譲に反対声明を出した元国防長官に対し「恥を知れ」と言ったことがある。同党の安圭佰(アン・ギュベク)議員は「軍首脳部の魂のない合意」、陳聲準(チン・ソンジュン)議員は「第2の乙巳保護条約(日本側呼称:日韓保護条約、1905年)」と言った。

 これに対し、国防部の韓民求(ハン・ミング)長官は「恥ずかしいとは思っていない。韓国軍は韓半島(朝鮮半島)のさまざまな条件の下で国防を行い、可能な限り効率的な連合防衛体制で戦争を抑止し、有事に備えている。韓国軍は統制権移譲に対し確固たる意志がある。『条件に基づいた統制権移譲』を推進する」と反論した。

 与党・セヌリ党は、核やミサイルなど安保上の脅威が強まっていることを強調した。同党の韓起鎬(ハン・ギホ)議員は「北朝鮮の挑発の危険性がますます高まっている状況において、統制権移譲の再延期はあまりにも当然の措置」と述べた。朱豪英(チュ・ホヨン)議員も「統制権移譲について十分に準備するという趣旨から、今回の統制権移譲延期はよくぞ決意したというべきもの」と言った。

 外交部に対する国政監査でも、統制権移譲の再延期をめぐって「公約違反ではないか」という議論が繰り広げられた。新政治民主連合の金ハンギル(キム・ハンギル)議員は「明らかな大統領選挙公約違反であり、国民に対して朴槿恵(パク・クンヘ)大統領はきちんと謝罪しなければならない」と言った。一方、セヌリ党の尹相現(ユン・サンヒョン)議員は「北朝鮮は朴大統領が当選するとすぐに核実験を実施し、原子力分野を拡大・改編した。韓国が統制権移譲を予定通り行えば、北朝鮮に間違ったシグナルを送りかねない」と述べた。尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は公約違反かどうかについては答えず、「安保をめぐる環境の変化に応じた決定だ」とだけ答えた。これに対し、セヌリ党のユ・スンミン議員は「公約違反であることには違いない。長官が言葉をいじくり回す必要はない」としながらも「指導者が自ら、国民に対し『避けられない選択だった』と説明すれば、国民の大多数が理解してくれるだろう」と言った。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者
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