アマゾンが電子書籍キンドル・Kindleストアの2周年を記念して、11月3日まで全370冊の人気書籍を50%以上OFFという期間限定セールをしています。(文庫化されたものは50%以上にならないものも)
370点もあるとどれを選べばいいのか分からない。どんな内容かも分からない。ということで、毎日配信のビジネス書評メールマガジン「ビジネスブックマラソン(BBM)」編集長で日本一ビジネス書を読む男として知られる土井英司が過去のBBMで紹介した本から10冊を、当時のBBmでの紹介と合わせてピックアップしました。
1冊目 本を買う前にすっきりしよう!ミリオンセラー「人生がときめく片づけの魔法」1512円が363円
みなさんのオフィスや部屋を劇的に改善する、片づけのカリスマによる一冊。
著者は本書がデビュー作ですが、既に「王様のブランチ」はじめ、各メディアに引っ張りだことなっており、今後お片づけ分野でもっとも注目される人物の一人となっています。
タイトルは女性向けですが、内容は、誰にでも当てはまる、片づけの基本を説いた良書。
なかでも、モノを捨てる際の考え方には、驚きました。
著者によると、われわれがモノを捨てられない理由は、「過去に対する執着」と「未来に対する不安」。
考え方を変えれば、大事な人からもらったモノでさえも捨てられるということがよくわかりました。
いわく、「本当に大切なモノを大切にするために、役割を終えたモノを捨てるのです」
自分のなかの優先順位を明確にするために、そして明日からの人生や仕事をワクワクするものに変えるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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2冊目 こちらも2007年のミリオンセラー「夢をかなえるゾウ」700円(文庫)が399円
夢をなくした主人公のサラリーマンに、関西弁を使う「自称神様」のゾウが、人生で成功するための原則を教える異色のファンタジー小説。
著者は、ベストセラー『ウケる技術』で知られる、作家・講演家の水野敬也さんです。
ファンタジー小説の体裁をとってはいますが、内容は自己啓発書。
古今東西の偉人たちの教えを、ゾウが関西弁で語っており、本としては、なかなか面白い試みです。
サラリーマンとゾウの対話を読んでいくうちに、成功に必要な考え方と行動が身につく、そんなつくりになっています。
人の言うことを素直に聞く、人が欲しがっているものを先取りする、身近で一番大事な人を喜ばせる…。
シンプルながら大切な教えが、この一冊に凝縮されています。
意識を変えるだけではなく、現実を変えたい、そう願うすべての人におすすめの一冊です。
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3冊目 前作をこえる続編「夢をかなえるゾウ2」1620円が399円
続編の方がパワーダウンするのが出版業界における常識ですが、本書は、前作に比べ、お笑い要素が格段にパワーアップ。さらに自己啓発書としても、いい味を出しています。
今回の主人公は、8年目の売れないお笑い芸人、34歳の西野勤(つとむ)。芸名は西野勤太郎(きんたろう)。
「人間にとって一番怖いのは、将来が見えないことじゃなくて、将来が見えてしまうことなんだ」と一念発起し、会社を辞めたはいいけれど、世の中そんなに甘くはない。
貧乏芸人を続けていた主人公の前に、おなじみ、ゾウの神様ガネーシャが現れ、日本最大のお笑いの祭典「ゴッド・オブ・コント」で頂点を目指すというストーリーです。
今回は、ガネーシャの他にも、長年主人公の家に住みついて恋心を抱く貧乏神の金無幸子、主人公の恋敵となる釈迦など、複数の神様が出てきて、話を盛り上げてくれます。
大爆笑ネタのなかに、チャップリンや藤子・F・不二雄、チャーチルなど、古今東西の偉人の教訓・名言が散りばめられており、人生で成功する人、しない人の違いが、よくわかります。
貧乏になる人の3タイプ「ドリーム貧乏」(ドリ貧)、「ガネーシャ貧乏」(ガネ貧)、「お駄賃貧乏」の話などは、じつに参考になりました。
自己啓発書を読んで、ここまで大爆笑したのは、おそらく人生で初めて。前作をはるかに凌ぐ作品に仕上がっています。
ぜひ、買って読んでみてください。
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4冊目 2014年に出たばかりの『年収は「住むところ」で決まる』2160円も750円
『年収は「住むところ」で決まる』。
何と衝撃的なタイトルでしょうか。
一見、チープな自己啓発書かキャリア関連書を思わせますが、じつはこの本、「都市経済学」を専門とする著者の、かなり本格的な論考。
さまざまなリサーチやデータを元に、われわれの年収が住所によって決まることを明らかにした、じつに刺激的な一冊です。
かつて、トーマス・フリードマンは、グローバル化を論じたベストセラー『フラット化する世界』で、ある人が地理的にどこにいるかは大きな意味を持たなくなった、と主張しました。
しかしながら、その後の追跡調査によると、じつはイノベーション企業の大半はコストの高い都市部に集中し、しかも、その状態がずっと続くことがわかっているのです。
<世界の電話通話、ウェブサイトへのアクセス、投資資金の流れの九五%は、比較的近接した地域内で起きている。むしろ、今日のハイテク産業は、二〇年前に比べて一部の土地への集積がさらに加速している>
これはなぜかというと、イノベーションを起こすには、優れた企業や人材が集まることが重要だから。
面白いことに、いったんその土地に企業や人材が集中すると、イノベーション企業ばかりか、周囲のサービス業まで雇用創出の恩恵を受けるのだそうです。
テクノロジー関連企業の話をすると、よく出てくるのが、雇用創出が少ないことに関する指摘ですが、どうやらこれは誤解のようです。
以下の引用部分を読んでみてください。
フランスのインターネット関連産業についての研究によれば、ワールドワイド・ウェブが登場して以来、インターネットが生み出した雇用は一二〇万に達している(ソフトウェアエンジニアなど、インターネットに直接関係する仕事と、オンラインショッピングの配送など、インターネット産業以外の仕事の両方を含む)。一方、消滅させた雇用は五〇万。つまり、インターネットのおかげでざっと七〇万の雇用が増えたことになる
ただ問題は、<雇用の消滅が幅広い地域で起きるのに対し、雇用の創出がいくつかの地域に集中>してしまうこと。
これは、選挙では大きな問題であり、おそらく政治的にもなかなか一部の都市を優遇できない理由かもしれません。
イノベーションがますます大事になっていることや、ベンチャーキャピタルが近くの企業を好むこと、パワーカップルが都市部を好むことなどを考えれば、ますます都市部の有力都市が住むにも働くにも有利、ということになってきそうです。
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5冊目 こちらも今年6月にでたばかりの『エースと呼ばれる人は何をしているのか』1512円が545円
吉本印天然素材、ジャニーズ、モーニング娘。、宝塚歌劇団、AKB48など、さまざまなアーティストに指導してきたダンスプロデューサー、夏まゆみさんによる話題作。
個人で頂点を極めようとしている人にとって、気になるタイトルですが、書かれている内容は極めてベーシック。
著者がこれまでに指導してきた芸能人、アーティストの例を挙げながら、「エースに求められること」「センターに求められること」を明らかにしており、シンプルながら興味深い自己啓発書に仕上がっています。
いくつか、気になった教訓をまとめてみましょう。
・「群れない時間」をつくりなさい
・追いかける夢の大きさが、そのまま意志の強さにつながる
・センターに立つというのは想像を絶するほど大変なことであり、そのプレッシャーに打ち克つには使命感を持つしかない
・スキルを磨けば、内面も一緒に磨かれる
・「謙虚」になるのはいいが「遠慮」はしてはいけない
これは、「エース」を「著者」や「リーダー」に置き換えても当てはまることであり、BBM読者のみなさまには、ささる内容だと思います。
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6冊目 ここらへんで定番も。第22回ビジネスブックマラソン1位の『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン 』1944円が900円
シンプルながら心に残る名スピーチで知られ、そのプレゼン能力でiPhone、iPad、iPodを成功に導いてきた稀代の経営者、スティーブ・ジョブズの話し方の秘密を、プレゼンの専門家、カーマイン・ガロが明らかにした一冊。
実際のジョブズのスピーチや名言を分解し、リーダーが身につけるべきプレゼンの技術を詳細に論じた、ベストセラー間違いなしの一冊です。
・「今日、アップルが電話を再発明する」
・「宇宙に衝撃を与えたい」
・「Stay hungry, Stay foolish」
あまりにも有名な、ジョブズのスピーチですが、本書ではこれらの名言に加え、ジョブズがどんな原則に基づいてスピーチをしているのか、丸裸にします。
・禅の心で伝える
・数字をドレスアップする
・「うっそー!」な瞬間を演出する
ほかにも、使えるテクニックが満載で、読んでいてワクワクします。
人前で話す方、経営者などは、ぜひ読んでみてください。
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7冊目 第30回ビジネスブックマラソン2位の『ワーク・シフト』2160円が750円
これから先のキャリア・ビジネスに迷っている方は、間違いなく読むべき一冊と言えるでしょう。
なぜなら、本書『ワーク・シフト』には、これから世界で起こり得る変化がすべて整理されており、そのなかでどんなビジネスが有望か、どんなワークスタイルが台頭するか、が示されているからです。
本書では、働き方の未来にとりわけ大きな影響を及ぼす要因として、以下の5つがまとめられています。
1.テクノロジーの進化
2.グローバル化の進展
3.人口構成の変化と長寿化
4.社会の変化
5.エネルギー・環境問題の深刻化
そして、これらが具体的にどうわれわれのビジネスやワークスタイルに影響を与えるのか、その過程でどんなチャンスが生まれてくるのか、明示しているのです。
せっかちな読者のみなさんのために、これから起こる変化のうち、ビジネスに直結しそうなポイントをいくつか紹介しましょう。
・世界中で都市化が進行する
・世界のさまざまな地域に貧困層が出現する
・倹約型イノベーションの道が開けた
・寿命が長くなる
・国境を超えた移住が活発になる
・世界中で家族の規模が小さくなる。また、養子縁組や離婚・再婚が増え、養親や養子、義理の親や義理のきょうだいと一緒に暮らすケースが多くなり、伝統的な家族のあり方が当たり前でなくなる
・大勢のミニ起業家たちが活躍する
肝心の『ワーク・シフト』に関しては、以下の3つが示されています。
1.ゼネラリスト的な技能から専門技能の連続的習得へのシフト
2.個人主義・競争原理から人間同士の結びつき、コラボレーション、人的ネットワークへのシフト
3.貪欲に大量のモノを消費し続けるライフスタイルから質の高い経験と人生のバランスを重んじる姿勢へのシフト
ポイントは、単なる専門家ではなく、長寿化に伴い、人生でいくつも専門技能を磨かなくてはならないこと、新しい技能を学んだり、コラボレーションするために人的ネットワークがモノを言うこと、また、今後住む場所、働く場所に関して、選択肢が広がるということ。
今後とくに重要性を増す4つの専門技能についてもコメントしており、就職・転職活動中の人にとっては、のどから手が出るほど欲しい情報だと思います。
◆とくに重要性を増す4つの専門技能
1.生命科学・健康関連
2.再生可能エネルギー関連
3.創造性・イノベーション関連
4.コーチング・ケア関連
読んでいて、自分のビジネスや働き方、生涯暮らす場所をどうするかなどを、真剣に考えさせられました。
これは、ぜひ読んでいただきたい「買い」の一冊です。
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8冊目 2006年刊行の脳科学ブームのはしり『脳が冴える15の習慣』756円が285円
読んで驚いたのは、本書がビジネスパーソンにとって、ビジネス書を超えた真の「基本書」であるという点。
つまり本書は、ビジネスパーソンにとって最も大切な商売道具である「脳」を扱っており、それをどう活用すれば最高のパフォーマン
スを発揮させることができるか、を説いているのです。
脳を活性化するための朝の習慣にはじまり、脳の基本回転数を上げるためのコツ、記憶を定着させる勉強法、寝る前にしない方がいい活動など、気になるトピックが満載で、そのいずれもが説得力に満ちあふれています。
年配の方にとっては、いつまでも脳を若く保つコツ、若い人にとっては、意志力や主体性を養うコツを学べる、読み応えある一冊です。
子どものいる方にとっては、子どもにどんな生活環境、教育を与えればいいのか、ヒントになるに違いありません。
本書を読めば、なぜ現在の若い人たちがキレやすいのか、できるはずのビジネスパーソンだった人がなぜ成果をあげられなくなるのか、その理由がよくわかります。
一生付き合う商売道具、「脳」を正しく使うために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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9冊目 お金もおさえる『臆病者のための億万長者入門』810円が399円
ベストセラー『お金持ちになる黄金の羽根の拾い方』の著者、橘玲さんが、資産運用の具体的テクニックを述べた一冊。
もともとは『週刊文春』に2013年4月から14年1月まで連載した「臆病者のための資産運用入門」と、月刊『いきいき』に2012年1月号から13年8月号まで連載した「65歳からの投資家入門」をベースに加筆・修正したもので、株式投資から債券投資、不動産投資、保険まで、さまざまな金融商品を扱っています。
冒頭に、『となりの億万長者』のトマス・スタンリー、ウィリアム・ダンコが示した「期待資産額」の概念を紹介し、読者がいくらの資産を持っていれば「蓄財優等生」か、数式を示しています。
期待資産額=年齢×年収/10
これによると、読者の年齢が40歳で年収600万円の場合、期待資産額は2400万円。
読者がこれを上回っていれば「蓄財優等生」、下回っていれば「蓄財劣等生」です。
本書では、この概念が示された後、われわれが持っている資産(資本)を最大化するための考え方が示されているのですが、これがフレームワークとして役立ちます。
まず、総資本というのは人的資本+金融資本でできているのですが、人的資本を最大化したければ、自己投資するか長く働くのが正解。
また、金融資本というのは金融資産+不動産+年金資産+相続財産でできており、本書ではこれらの詳細についても解説しています。
「資産運用4つの原則」「生命保険の正しい買い方」など、さまざまな原理・原則が出てきますが、そのいずれもウィットに富んでいて、楽しみながら読み進められます。
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10冊目 これぞビジネスマンの歴史の読み方『仕事に効く教養としての「世界史」』1899円が700円
高校一年生の頃、社会の先生に、「大人になった時、一番役に立つ教養は何だと思う?」と聞かれ、不覚にも答えられませんでした。
先生の答えは「世界史」で、これがきっかけで、高校では世界史を選択し、その後、ギリシャ文化に傾倒することとなりました。
これは大学時代、ギリシャに留学していて気づいたことですが、ある程度大人になってから、世界史を学び直すと、教科書に書かれていた史実の「裏」や為政者の「意図」を知ることができます。
なぜ為政者がそんな制度を作ったのか、なぜその国が戦争をしなければならなかったのか、事実の羅列だけだった教科書に行間が加わって、よりビビッドに、面白くなるわけです。
本日ご紹介する一冊は、そんな大人ならではの世界史の楽しみ方を、ライフネット生命保険株式会社会長兼CEOの出口治明さんが教えてくれる一冊。
世界史の視点から見た日本、歴史が中国で発展した理由、王朝の最後の王がみんな悪者になるカラクリ、宗教の正体…。
歴史学者ではないので、著者の歴史の読み方が正確かどうかは判断しかねますが、確実に、ビジネスに役立つ視点が手に入る内容だと思います。
たとえば、傭兵に関する以下の記述。
<傭兵政策は、一般に、強大な統一国家が成立したら破綻します。小さい国が争っているからこそ傭兵の価値があるわけで、統一国家が成立したら傭兵のニーズはなくなります>
現在のインターネットは、ある意味傭兵(ノマド、フリーランス)の時代をもたらしていますが、「統一国家」が生まれれば、それも需要がなくなる、ということでしょう。
また、ローマ教皇がお金や情報を集めた方法も、参考になります。
<ローマ教皇の力の源泉は何かと言えば、資金と情報力だと思います。ありとあらゆる宗教はだいたい非課税ですから、お金が集まります。しかもローマ教会は聖年も始めていて、初めは50年に一度だったのですが、1400年からは原則25年に一度となっています。いわば神宮の式年遷宮のようなもので、この年にローマに巡礼すると特別の赦しが与えられるため、世界中から信者がお金を持ってローマに集まってくる(中略)すべての人がちょっとでも悪いことをしたときに、司祭に告白さえすれば救われるという制度は、情報の宝庫になっていきます>
どんな時代に、どんな制度を作れば効果的なのか。どんな人になれば活躍できるのか。どうすれば、人々の心を掴むことができるのか。
世界史からビジネスのヒントが学べる、興味深い一冊です。
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土井英司+ビタミンBIZ編集部
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