東京・自由が丘にあるこちらのお店。
オシャレなディスプレーにすてきな店員の皆さん。
ここは化粧品のブティック?いえいえ実は漢方薬を扱う薬局なんです。
化学的に作られた薬とは異なり自然の草木などを調合する漢方薬は若い人の間でも大人気。
時は漢方ブーム。
漢方薬の市場は年々拡大し今や1,500億円。
これを受け原料となる薬用作物の栽培が各地に広がっています。
薬効成分が多い品種を選び抜きブランド化を目指す自治体や独自の技術で珍しい生薬の量産化に成功した企業も。
健康志向や超高齢社会を背景に広がる漢方ビジネス。
その最前線をサキどります!あ〜頭が重いし喉には違和感きちゃいました。
お願いします。
風邪ですか?はい。
でしたら…葛根湯です。
漢方薬?はいこれは風邪の初期症状によく飲まれている漢方薬です。
使われている生薬がこちら。
この7種類の生薬が使われています。
滑らかな説明。
漢方薬というのはこうしたいくつかの生薬がブレンドされて出来ているんですね。
いや〜お話伺ってもう風邪の症状が軽くなった気持ちが…。
実はこの漢方医学日本独自のものなんですよ。
えっジャパンブランドなんですか?そうなんです。
1,500年ほど前に中国から伝来して日本で独自に発展を遂げたそうした伝統医学なんです。
は〜!すばらしいところまで来てますね。
はいその漢方薬今見直されて利用も増えています。
日本伝統の漢方薬。
医療現場で大活躍との情報が。
やって来たのは奈良市内の病院。
おなかの手術を受けたこちらの患者さんがその2日後から処方されているのは大建中湯という漢方薬です。
おなかを温め合併症を防ぐのがねらいです。
10年ほど前から漢方薬の効果を科学的に証明する研究成果が増え今では全国の医師の9割近くが処方に漢方薬を取り入れているとの事。
一方若い女性も漢方薬に大注目。
こちらは東京・自由が丘の漢方薬のお店。
体調的には何かありますか?気になる事とか。
何かスッキリしたいなという感じと。
薬剤師と相談して自分に合った漢方薬を見つける事ができます。
この薬局漢方のイメージを変えようとオシャレな内装にしたところこれが大評判。
今では全国に17店舗を展開しています。
漢方薬の利用が拡大する中実は今新たな問題が。
それは原料となる生薬の価格高騰。
経済成長を続けるアジア各国で薬の利用が急速に拡大しているのです。
例えば多くの漢方薬に使われるカンゾウはほとんど中国から輸入していますがその価格はこの5年で2倍以上にアップ。
う〜ん…生薬の8割以上を輸入に頼る日本にとってこれは由々しき事態。
生薬を確保するために日本の産地が動き出しました。
「サキどり」が向かったのは富山県。
大きな荷物いっぱいに薬を詰めて全国を歩き回った富山の薬売り。
300年の伝統は今も脈々と受け継がれています。
この薬の都で生薬のもととなる薬用作物を作っている人を発見。
掘り出しているのは大きな根っこ。
すいません。
これ何ですか?ボタン科の多年草シャクヤク。
初夏にきれいな花を咲かせますが漢方薬で使われるのは花ではなく根っこの部分。
米農家の場家福明さん78歳。
4年前減反による休耕地にシャクヤクを植え始めました。
今年はいよいよ収穫の年。
うまくいけば米に劣らない利益が出ると大きな可能性を感じています。
場家さんは仲間の農家にも栽培を勧めています。
イノシシやシカの害が少ない事も中間山地の農業にぴったりだからです。
来んやろ。
富山県でシャクヤクなどの薬用作物を栽培する農家は現在およそ80軒。
面積は5年前の3倍に増えました。
生産量拡大ともう一つ県を挙げて取り組んでいるのがシャクヤクのブランド作り。
品種によって薬になる根の部分の大きさや含まれる成分は少しずつ異なります。
そこから富山のブランドとして育てる品種を6種類まで絞り込みました。
その6種類薬効成分を分析してみると…。
絞り込んだ6品種全てに一般的なシャクヤクの1.5倍程度含まれている事が確認できました。
県ではほかの成分とのバランスも見ながら最も優れた品種をブランドとして確立していく考えです。
シャクヤク作りに取り組む農家場家さんの畑にこの日仲間の農家の皆さんが集まりました。
収穫を前に生育状況を確認するためです。
根っこ量ってみようか?そうだね。
4年がかりで育てたシャクヤク。
1株で1.5キロはないと採算は取れません。
これは2キロ以上あんねか。
トレーの重さ600gを差し引いても2キロを超えていました。
米に勝るとも劣りません。
良好な生育状況に一安心の場家さん。
今後は収穫量と品質を更にアップさせ新たな販路の開拓につなげていきたいと考えています。
いや〜薬用作物シャクヤクと富山県バンバンの!ねえ可能性感じるんじゃないですか!やっぱり日本独自のものですから日本で作っていきたいですよね。
そうですよね。
期待されるところですが本当に幼い頃から山口さん漢方薬とっておられて?はい。
だから漢方薬って飲んでると安心するイメージがありますよね。
4年もかかるシャクヤクを。
長い年月をかけて作るっていうのはやっぱり消費者側も国産のものって安心できますからね。
さあ漢方の専門医でもあられますそして漢方にまつわるビジネスにもお詳しい渡辺賢治さんです。
よろしくお願いします。
(3人)よろしくお願い致します。
漢方薬を実際に処方するというお医者様これ増えているというイメージあるんですが今またなぜ注目されているんでしょうか?どういうふうに効くのかという薬効ですね。
それから臨床的な科学的なエビデンス。
こういったものがどんどん積み重なってきまして西洋のドクターでも安心して使えるという時代になってきました。
ただちょっと漢方薬って高いんじゃないかなというイメージもあるんですけれども。
(山口)お値段がね。
ただ保険診療の中で使えますので。
現在148の製剤と煎じ薬の中の生薬200種類余りが保険で適用されています。
これはもちろんお医者様からちゃんと処方箋を頂いてこれはできるというような状況になってる訳ですよね?そうです。
医師が処方してそれで作るという事になります。
何かこうスッキリしないなとか肩凝り腰痛ぐらいで病院に行くのも何だなと。
漢方ってそこら辺何かうまくやってくれそうなイメージがあるんですけど。
実はそういった方のために漢方の視点で自分の状態を気軽にチェックできるものがあるんです。
それがこちら。
未病チェックシートなんですね。
これ渡辺さんが監修されたものなんですよね。
どんな項目があるのか見ていきます。
具体的には体の部位ごとにどういった状態なのかまたは気持ちや心の反応睡眠の状態などなど全部で80余り。
80!未病というのは具体的にはどういったもの…?要するに病気になってから治療すると大変だと。
病気になる前にまあちょっとした日常のゆがみとか体調不良とかというものになります。
実は山口もえさんチェックしたので結果を先生に見て頂きます。
あ〜怖い怖い。
こちら!こちらの3つ。
そうなんです。
やっぱり今子どもが幼いので子育てで大変なのもありますしあと子どもによって夜起こされちゃうんですよ。
おトイレとか寝相が悪くてとか。
なのでこの3つはしばらくありますね。
漢方的にいうと物忘れというのは血虚なんですね。
疲れが抜けないのは気虚と。
夜ぐっすり眠れないというのは気うつというんですよね。
でもまあこれぐらいの事はあまり問題にならないかなと思いますね。
気虚などいろんな言葉ワードが出たんですけどそういった分類があるんですね?そうです。
タイプ別なんですよね。
人それぞれ違うという事になります。
人それぞれによって自分がどのタイプかというものを知っておく事がとてもいいって事ですか?大事ですね。
とりあえず未病チェックシートというのを開発したのでこれはウェブ上で簡単にできますので養生をしてそれでも解決できなければ受診するという流れになると思います。
さあ漢方にこうして関心が高まる中で原料となっている薬用作物の栽培これ各地で広がっているんです。
主な産地を見てみます。
こちら。
北海道栽培面積日本で最大です。
オタネニンジンセンキュウなど。
そして南四国に行きますと高知県ミシマサイコなど。
このように各地でさまざまな薬用作物が栽培されているんです。
薬用作物といっても実は200種類以上あるんですね。
日本は南北に長いと。
それから高低差もあると。
ですから温暖な地もあれば寒冷地もあるという事で200種類の生薬薬用作物ほとんど日本で出来ます。
(山口)でも何で今まで日本ではそんなに栽培されていなかったんですかね?
(渡辺)日本で栽培してたんですね。
ところが中国の方が安いというのでだんだん産地が移っちゃったんですね。
非常に需要が高まっているのでこの機にやっぱりやらないと本当に需要と供給のバランスがますます悪くなると。
漢方の復活をするなら今です。
(山口)おっ!いにしえの都奈良。
「日本書紀」にも記述があるほど古くから薬とゆかりの深いお土地柄。
ここで今栽培に力を入れている植物とは?薬用作物のトウキ。
セリ科の多年草です。
漢方薬に使われるのはシャクヤクと同じ根っこ。
鎮痛や鎮静作用があるといわれ貧血症などにも使われます。
県の漢方プロジェクトメンバーの浅尾さん。
根だけでなく有効活用しようとしているのがこちらです。
以前は使わずに捨てられていたトウキの葉を食品分野に活用しようというのです。
浅尾さんがメニューの開発を依頼したのはイタリア料理店。
なぜ洋食のお店なのかというと実はヨーロッパで使われているあるハーブに香りが似ているからなんです。
なんとかぐわしい響き!という事で山嵜シェフが開発したメニューを作って頂きました。
まずゆでたトウキの葉をジューサーにかけペースト状にします。
それをパスタの生地に練り込み…。
天使のハーブの香りが漂うパスタ料理の完成です。
更に県では観光客のお土産などに展開できるお菓子の開発にも挑戦。
トウキの葉をフリーズドライ。
細かく砕いたり粉末にしたりしてクッキーやスナックに練り込みます。
職場の同僚を集めての試食会。
この日は新たに開発した5種類のお菓子を用意しました。
お味の方は?トウキの葉っぱを使ったメニュー。
スタジオの皆さんもどうぞ召し上がれ!皆さんはVTRに登場した天使のハーブトウキの葉っぱを使ったパスタを試食して頂いておりますよ〜。
うん!山口さんどうですか?お味と香り。
本当だ。
爽やかな。
うん。
ちょっとフワ〜ッとおいしいスパイスになってます。
ちょっとやっぱりセロリっぽい爽やかな香りがしますよ。
後味セロリですね。
でもこれは生薬とはまた違う形で作物がちゃんと使われる世界が広がりつつあるという事ですか?そうですね。
根っこは薬なんだけども葉っぱは食品と。
薬効はないかもしれないけれどもこういう形で意識づけという形ではこれかなり意義があるんですか?自然のものを使った健康食品的なものとか薬膳というのは大きな市場になるという可能性があると思っています。
確かに漢方薬という薬というジャンルだけではなくて食品ですとかほかのジャンルに発展できそうな可能性ありますね。
我々漢方産業化推進研究会というのを立ち上げたんですけども薬だけじゃなくてその周辺の未病も含めた大きな産業にしたいと思っています。
このようにさまざまな可能性を秘めている漢方なんですがその漢方ビジネス地域再生の鍵にもなっています。
「サキどり」がやって来たのは島根県津和野町。
人口8,000の山あいの町です。
かつて地域の経済を支えていたのは…しかし安い海外産に押され14年前には最後の製糸工場が閉鎖。
カイコを飼う農家もいなくなりました。
ところが…ある会社の作業場に入るとあれ?あれれれれ?繭の山…山!あるじゃありませんか!一体どういう事?実は今町で新しい養蚕ビジネスが始まっているんです。
それがこちら。
生薬の一つ冬虫夏草。
昆虫の体に寄生しニョキニョキと生えるキノコで滋養強壮や疲労回復に効果があるといわれています。
この生薬作りを行うベンチャー企業は9年前誕生しました。
繭から取り出しているのはカイコのサナギ。
実はこれで冬虫夏草を作るといいますが…。
サナギ一つ一つに丁寧に接種しているのはキノコの菌。
これを温度と湿度が管理された培養室で2か月ほど培養します。
1ケースにはおよそ1,000匹のサナギが。
体中に菌が広がったサナギからやがてキノコが芽を出し成長。
カイコのサナギを使って生薬を作る独自のバイオ技術なんです。
出荷価格は…昨年度の売り上げは3,700万円!これを来年度には1億円まで伸ばそうと意気込んでいます。
この冬虫夏草ビジネス。
作り方のほかにもユニークなところがあるというので津和野町役場を訪ねました。
厳重にロックされた金庫。
その中から担当の人が取り出したものは…。
冬虫夏草の培養技術。
その特許権は実は町が持っているんです。
そのため売り上げの5%が特許料収入として町の財源になります。
特許料収入は今のところおよそ350万円。
冬虫夏草の普及振興に役立てられています。
更にこの冬虫夏草ビジネスで町の住民も活気づいています。
最盛期従業員200名が働いていたという町の製糸工場。
今かつての働き手が再び活躍しているんです。
実は繭を切ってサナギを出していたのは工場で働いていた元女工さんたち。
集まると当時の話に花が咲きます。
(笑い声)津和野町の冬虫夏草ビジネスには元女工さんたちの思いや経験が生かされています。
更に更に新たな地場産業の誕生で県外から若者も戻ってきました。
8月このベンチャー企業に入社した…地元の高校を出て広島の会社に就職しましたがふるさとの力になりたいと帰ってきたんです。
刈っているのはカイコの餌になる…町には養蚕農家がいなくなっていましたが冬虫夏草ビジネスで1ヘクタールの桑畑が復活。
こちらは地元に残る…生まれたばかりのカイコをここで育てます。
先人が残してくれた施設や用具を使って若い世代が養蚕業を引き継いでいます。
かつての地場産業を形を変えてよみがえらせた冬虫夏草ビジネス。
今後の抱負は?冬虫夏草の…すばらしい再生ですね。
地域再生にもこの漢方薬そして生薬ビジネスというのは活用できるんですね。
そうです。
まさに今地方創生が問題になってますけども少子化高齢化中山間地が荒れているんですよね。
こういったとこの再生にもなると雇用も生むという事で地方ビジネスとしては非常に注目度は高いと思います。
今後これ当然広がってくる可能性…というよりも広げなければならない。
医薬品にしてもいろんな健康食品にしても品質がいいと。
それから安定性と農薬なんかを含めた安心安全というのが全部そろっているのが日本なんです。
本当に世界からのニーズが高まっているので逆に日本でちゃんと作れば世界に売れるというとこなのでジャパンブランドというのはものすごい大きいんですよね。
更に渡辺さん日本のこの医療の現場でお医者様が西洋の薬の処方箋も書き漢方の処方箋も書く。
これはどうなんですか?例えば中国とか韓国というのは医者のライセンスが西洋と伝統医療と分かれてます。
だけど日本だけが西洋医療の勉強をした人が漢方を使ってるという事で統合医療という言葉があるんですけどねまさに1つの頭の中に西洋も伝統医療も統合されているというものなんですね。
という事はこのノウハウお医者様が持っているノウハウもこれは輸出できる可能性が…。
あります。
あるって事ですか!はい。
アジアの富裕層とかヨーロッパとかは大きなビジネスチャンスになると思います。
本当に日本の漢方が世界に羽ばたく日は近いという事ですね?世界に向けてもそうですし一方国内見ると本当高齢社会をどうやって乗り切るのかという時に漢方の知恵それから未病も含めて…というのはもっともっと活用すべきかなと思っております。
これから本当…これからっていう本当サキどりですねこの番組。
サキどってます!すご〜いと思って。
いや片山さん。
個人の健康地方の健康そして日本経済の健康につながる漢方薬。
ねえまさに特効薬。
そうですよ。
ただ私漢方薬使った事なかったんですけど日本独自のもの。
これやっぱり使っていかなきゃとも思いました。
大いなる可能性の気付き。
実りの秋とともにGeorgeWinston「Autumn」。
2014/10/19(日) 08:25〜08:57
NHK総合1・神戸
サキどり↑「“地域”にも効能あり!? 漢方ビジネス」[字]
いま、ニッポンの伝統医学「漢方」が大人気。医療現場でも漢方薬の利用が広がっている。さらに列島各地で、薬用作物の産地が次々に誕生。漢方ビジネスの最前線をサキどる。
詳細情報
番組内容
日本の伝統医学「漢方」。近年、医療現場での利用や、若い女性の愛用者も増え、その市場規模は1500億円。“漢方薬ブーム”に沸く。しかし一方、8割以上を輸入に頼っている原料の価格がアジア各国の経済成長により高騰し、懸念が広がっている。そこで、いま、各地で薬用作物の栽培プロジェクトが始動。また島根県ではベンチャー企業のユニークな生薬ビジネスが地場産業をよみがえらせようとしている。漢方ビジネスの最前線。
出演者
【ゲスト】山口もえ,慶応義塾大学教授…渡辺賢治,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子
ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他
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