日本!食紀行 2014.10.19

日本の米どころ山形県鶴岡市。
ここに強い甘みと濃厚なうまみを持つ極上の枝豆があるんです。
う〜んおいしい甘くて。
香ばしい。
これ食べちゃうと。
その枝豆とはだだちゃ豆。
枝豆の王様と呼ばれています。
今週の『日本!食紀行』は鶴岡の農家に家宝として受け継がれてきた絶品!枝豆に学びます。
2000メートル級の山々と日本海に抱かれた山形県庄内地方。
その中心部鶴岡市にお盆を過ぎた頃から旬を迎える絶品の枝豆があります。
だだちゃ豆です。
鶴岡市では8月8日を「だだちゃ豆の日」に制定。
地域を挙げて産地化に取り組んでいます。
『だだちゃ豆プッチューン』甘みとうまみがのっただだちゃ豆はお米と一緒に炊き込んだりさやのまま味噌汁に入れたり地元では様々な食べ方があります。
ではこのだだちゃ豆一体どんな枝豆なのでしょうか?一般的な枝豆と比べてみると2粒のさやが多く茶色の産毛で覆われています。
庄内地方の方言で「お父さん」という意味の「だだちゃ」からきているといいます。
だだちゃ豆の味の成分を専門家に聞いてみました。
大体だだちゃ豆の味は大きく分けてうまみを構成するアミノ酸とあと甘みである糖類の量によって特徴づけられるんですけれども。
甘さとかあとうまみのアミノ酸の量っていうのは大体他の枝豆に比べて2倍までは変わらないですけど1.5倍以上の差があったりとかしてやはりその時点でもう明らかに科学的にもだだちゃ豆のうまみと甘みからくるおいしさっていうのは証明されてるといえると思います。
科学的にもおいしさが裏づけられただだちゃ豆。
関東にはこういうおいしい豆ってないんでやっぱり山形に友達がいたおかげで結構おいしい豆食べれて幸せだなと思います。
すんごい味あっておいしいです。
甘い。
ここはだだちゃ豆発祥の地鶴岡市白山地区。
私たちはそのおいしさの秘密を探るため1軒の農家を訪ねました。
振ってこういうのばっかり…。
大きいのばっかりとって。
これならどう?そのくらいは…。
でもちょっと見せて。
やっぱり分けたほうがいい。
それはここさ入れといて。
(裕子さん)これはダメだ。
(拓巳さん)ダメだか。
拓巳さんはだだちゃ豆を栽培してまだ3年目。
種の選別は今年が初めてです。
(スタッフ)やっぱり難しいですか?選別するのは。
いやぁ…本当難しいです。
やっぱりその…巾着形でしわがあってとか言葉で言われてわかってはいるけどいざやってみるともう全部が全部同じように見えてきてしまって…。
これが選び抜かれた種です。
しわがあるものは味がいいものの芽が出にくく一方丸いものは味が落ちるものの芽は出やすい。
選ぶのは簡単ではありません。
母親の裕子さんは種選び30年のベテラン。
種選びはどこのだだちゃ豆農家でも女性の仕事なのです。
丸いものだけだと味が落ちるのは確実なので…。
一冬かけて40万個の種から実際にまく種およそ10万個を選びさらに予備の種を3段階に選びます。
その技はやはり裕子さんのお母さんから受け継いだのです。
(裕子さん)うちの母から実の母から聞いたというか…。
元気なうちは母もだいぶ頑張ってやってくれて。
すんごい細かい人だったので…。
母の頃から見るとまだまだだなと思う時もあります。
こだわりの強い人だったので。
私がやった歳と同じくらいの年齢になっているのでやっぱり覚えてもらいたいので。
だだちゃ豆はこうして味が秀でた種だけを選び農家が代々受け継いできた事がおいしさの一番の理由なのです。
5月。
真冬に選別しただだちゃ豆の種は青々とした芽を出していました。
だだちゃ豆の歴史は明治時代末期にさかのぼります。
白山地区の農家の女性が甘さと香りに優れた1本の枝豆を発見。
その種を隣近所にお裾分けした事が始まりとされています。
その種に秘められた特性を十分に引き出すため拓巳さんは徹底して土起こしの作業を繰り返していました。
だだちゃ豆栽培3年目の拓巳さん。
もっとおいしい豆を作るにはどうしたらいいか?毎日考えながら作業をしています。
7月初旬。
白山地区でだだちゃ豆を生産している若手農家5人が集まりました。
(拓巳さん)あとやっぱり去年同様例えば2袋買ってくれた人からまずサービスとしていいくらいだかもしれねえけどあげてやるといいと思う。
拓巳さんがリーダーのこの会は自分たちの朝採りだだちゃ豆を2年前から直売所で販売しています。
会の名前は「あんちゃ」。
お兄さんという意味です。
ここで採ったもの基本的にはやっぱり関東とかそういうお客さんとこには出してはいるけども地元鶴岡の人とか…。
ぶっちゃけた話あんまり白山のものっていうのは出回ってないし…。
白山地区の生産者は30軒あまり。
だだちゃ豆農家全体の1割にも満たないのです。
もちろんこの会は5人の切磋琢磨の場でもあります。
(俊悦さん)毎日あれだぞ。
このメンツのみんなの豆を食わえるのはすごくわかりやすくていいのう。
おめえんちうめえとか今日おらいがダメだとか…。
そのままそのうめえやつが売れていくっていうのがわかりやすくていいよ。
信頼出来る仲間でありライバルでもあるんです。
8月。
今年もだだちゃ豆が鈴なりに実をつけてくれました。
(スタッフ)おはようございます。
(拓巳さん)おはようございます。
眠い。
やっぱり眠いもんは眠い。
だだちゃ豆の収穫は辺りがまだ暗いうちからスタートします。
1.8ヘクタールの畑の中で一番おいしい時期の豆だけを見計らって収穫を進めます。
父親と二人三脚の作業です。
今はだだちゃ豆作りに情熱を燃やす拓巳さんですが子どもの頃は違っていたといいます。
例えば夏だったら夏休みがあって家族でどっかに旅行行ってとか…。
枝豆してればそんなのは絶対無理な話だからって。
だから俺はすごくこうもう…枝豆っていうか農業自体がすごい嫌いだったからって。
ただ…作物を作ってお金にして生活出来るのは結局その…「作物があったから自分たちは生かされてるのよ」って話をちょっと聞いた事があってそれであっ自分も同じだなって思って。
ここまで生きてこれたのも両親とかうちの祖父母が農業…だだちゃを必死になって守ってきたからこそだし…。
雨が降ったわけでもないのにだだちゃ豆の葉が濡れています。
(拓巳さん)いやぁ…朝露ですこれは。
やっぱりすごく…カラカラした天気の時採るのとはこうやってやっぱり朝露がついてしっとりしてる。
朝とかだともう結構やっぱ独特のだだちゃ豆の風味っていうのは違うっていうか変わってくるっていうか…。
早朝白山の畑は湯尻川から発生する朝もやに包まれます。
このもやがだだちゃ豆にほどよい水分を補い独特の甘みにつながるといわれています。
夜が明ける頃その日の収穫は終わりを迎えます。
暗いうちに収穫しただだちゃ豆は脱穀して選別されます。
こうして商品になるのは全体の7割ほど。
傷ついたり膨らみが足りないものはアイスクリームなどの加工品に回されます。
多分今年は恐らく近年まれにみるぐらいいいものっていうかおいしいものが出来たと思ってます私は。
(拓巳さん)ぷりっぷりの感じで甘みもすごく詰まってて…。
朝採りのだだちゃ豆は午前中のうちに全国に出荷されます。
今年は北海道から沖縄まで1600件の注文が入っています。
8月3日。
あんちゃの直売所がオープンの日を迎えました。
これは拓巳さんの白山ちゃ茶農園のだだちゃ豆。
こちらには屋号がついています。
このように白山のだだちゃ豆は農家ごとにブランドが確立しているんです。
これ俺。
拓巳のこれ。
どれどれ?
(俊悦さん)これあれだねこういうとこでねえとわかんねえ。
他のうちの食べられねえや。
みんなでもうめえと思うよ。
俺も祐介の初めて食った。
(祐介さん)俺ばっかり人のばっかり食って…。
(祐介さん)ありがとう。
うめ!ドロードロー。
ドローなどと言っていますが自分の豆はどれくらい売れるかみんな心配なんです。
今年初めてのお客さんは去年も買いにきてくれた地元の常連さんでした。
(俊悦さん)4軒分試食ありますんで。
明日からビール持ってきてもらっても…。
ちょっと早いもん。
時間的に早いですか?いらっしゃいませ。
あんちゃの直売所は発祥地白山のだだちゃ豆を食べ比べ出来るので人気を集めています。
こっちがいい。
いいですか?1つずつ?はい。
ありがとうございます。
ありがとうございました。
1袋300グラム入りで500円。
ちょっとだけ高めですが今年も好調な滑り出しです。
ありがとうございました。
また来てください。
メンバーの子どもたちも食べ比べておいしい味を覚えていくんだろうなぁ。
拓巳さんには3人の息子がいます。
小学1年生の長男奏大君。
今夜は大好きなあの料理が待っています。
そして二男の亮大君4歳。
むかなきゃ。
食べてるぞ亮大。
亮ちゃん…。
ちゃんとむいてよ。
子どもたちが大好きな料理。
それはだだちゃ豆ご飯です。
固めに茹でただだちゃ豆をしょう油とお酒で味つけした米と一緒に炊き込みます。
だだちゃ豆特有の香りとうまみがご飯に染み込んで抜群のおいしさになるんです。
今年初めて作っただだちゃ豆ご飯は感謝の気持ちを込めてまず仏壇に。
(亮大君)おいしい豆ご飯出来ました。
食べてください。
3年目のだだちゃ豆。
さてご先祖様は…。
台所ではなんとだだちゃ豆に味噌を入れています。
そう味噌汁です。
庄内地方では夏の定番なんです。
さやはもちろん食べません。
(裕子さん)カニ汁みたいだっていう人います。
冨樫家に伝わるおいしい茹で豆の作り方。
産毛をきれいに洗い流して沸騰した濃いめの塩水に豆を投入。
プチュプチュプチュって音してきて…。
さやの合わせ目が少し開くまで我慢します。
素早くザルにあげ粗塩をふりかけ混ぜ合わせます。
その上で扇風機などで粗熱を取れば出来上がり。
豆のおいしさを丸ごと引き出した地元ならではの家庭料理です。
冨樫家は4世代8人の大家族。
みんなだだちゃ豆が大好きです。
どうですか?
(奏大君)おいしい。
(裕子さん)自分たちのむいた豆どうですか?
(亮大君)おいしい。
まず若い人たちがいて子どもたちもいてそしてうちのおじいちゃんがのうおばあちゃんとやってきたものがちゃんとこう受け継がれていってるっていう事はやっぱりありがたいなと思って。
で種の選別するのを孫たちも見てるからのう。
そういうの継いでもらえれば嬉しいけども誰でも…。
それにはおいしいもの…胃袋をつかむといいっていう話だから…。
庄内平野は稲刈りの季節を迎えました。
お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
拓巳さんあんちゃの仲間とこの夏を振り返ります。
まあ人ぞれぞれ使う肥料だったりとか当然違ったりしてっからってどういう肥料を使ってだんがなあ?とかあと例えばどういう管理をしてだんがな?とか。
やっぱすごい気になって気になってて俺の場合は。
あんちゃの直売所では1か月間でおよそ1900袋が売れました。
やはりそれぞれの売れ行きに違いが出ましたがそれがメンバーの向上心を刺激する事にもつながっています。
(拓巳さん)うめえ豆食べてそしてガッてビール飲んでああ田舎さ来たっていうのを…。
ちょっとした懐かしい気持ちになってのう…。
色んな思いとかを思い出してもらえるようなものは絶対俺らで作らねばならねえと思うし…。
(俊悦さん)そしてあとあれだね。
一番最初から来てるお客さん方が「おめえ始めた時はあんちゃだったけどじじいになったのう」っていうような感じになってのう。
(拓巳さん)本当にだだちゃになったなっていう。
いいだだちゃになったのうっていう感じになれば面白いよのう。
(拓巳さん)本当にのう。
軒先に干してあるのは実のつきがいいだだちゃ豆の枝です。
9月下旬。
裕子さんは来年まく種の準備に入っていました。
粒もいいし色もきれいだしカビもないしすごくきれいでいい出来だと思います。
この種がまた来年おいしい恵みをもたらしてくれます。
まあ親が守ってきた事もあるけどもおいしいものを自分のうちの畑で作って食べさせてもらったっていうそういう根本っていったらいいかな。
その気持ちを自分の子どもにも孫にもやってあげてでお客さんにもそういう気持ちで送ってるし…。
裕子さんの思いは孫たちにも伝わっているようです。
(裕子さん)おおうまいうまい。
おお上手だ上手だ。
よっしゃ!
(裕子さん)あらあらあら?濡らしたな。
二男の亮大君が豆を洗ってしまいました。
(亮大君)だって汚い豆だったんだもん。
(裕子さん)豆濡らしちゃダメだよ。
(亮大君)なんでダメなの?
(裕子さん)だって濡れると膨らんで春でないのに芽が出てしまう膨らんで。
ダメそんなの…。
だから春になってから膨らむのでないとダメよ。
この種まきたい。
はい。
亮大君が種に興味を抱いている事を裕子さんはほほえましく感じていました。
(裕子さん)優しく優しく…。
まだ亮大はしばらくさ豆叩きしたほうがいい。
奏大君はこの種が大切なものだという事に気づき始めているようです。
(拓巳さん)まあ多分俺も子どもたちに対して農業をやれっていうか後を継げとは多分俺も言わないとは思うけどもでもやってもらえたらいいなぁっていうのはあります。
でも多分口には出して言わないと思います。
そこは感じ取ってもらうっていうか…。
そこが夢かな…。
そんな冨樫さんのもとへ全国から感謝のはがきが寄せられていました。
冨樫さんのもとへ全国のお客さんからお礼のはがきが届き始めていました。
「美味しすぎて手が止まりません」「このお豆は他とはひと味もふた味も違う」
(裕子さん)やっぱりそういう豆を育ててお客さんと豆を通して触れ合いを感じながらそんなに欲張らないで足もとからコツコツとやっていけるようなそういうふうにやっていきたいし息子たちもそういうふうにしてやってもらいたいな。
100年以上前から受け継がれてきただだちゃ豆。
それは家族や地域の人たちと食べる喜びを分かち合ってきた農家の宝物でした。
2014/10/19(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本!食紀行[字]

こくの深い甘味と独特の風味の「だだちゃ豆」。山形県鶴岡市が全国に誇る極上の枝豆で、“枝豆の王様”と呼ばれています。炊き込みご飯にも味噌汁にも最高です!

詳細情報
◇番組内容
そのおいしさの秘密は農家が冬に行っている種の選別にありました。生産農家は100年以上にわたり、生産効率よりもうまさだけを追求し、ある特徴を持った種だけを選抜してきたのです。農家では「“家宝”のだだちゃ」と呼んで代々大切に守ってきました。こうして、今やだだちゃ豆は全国的なブランド枝豆となったのです。番組では、一軒の農家に密着。だだちゃ豆作りにかける情熱と、受け継ぐ姿を見つめます。
◇番組内容2
たまらないおいしさを引き出す秘伝の茹で方や、まるで「かに汁」のような味になる絶品味噌汁もご紹介!だだちゃ豆の香りたっぷりの炊き込みご飯も必見です!さらに、若手農家が切磋琢磨しながら作っただだちゃ豆を、食べ比べできる直売所も!
◇番組内容3
日本全国各地の「食」を通して、地域の歴史や文化、人々の英知や営みを学び、温かいコミュニティーなどを四季折々の美しい風景とともに描き出す教育ドキュメンタリー番組。
◇ナレーション
佐伯敏光(山形放送アナウンサー)
◇音楽
エンディングテーマ曲
Bom Dia ! / 柏木広樹
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:山形放送
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.minkyo.or.jp/

この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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