美の京都遺産 2014.10.19

(ナレーション)
室町三条にあるカフェ
2階はギャラリーになっている
展示されているのは世界7か国30人のアーティストが手がけた現代アート
これらは全て友禅染による作品である

カフェとギャラリーを備えたビル
ここは来年創業460年を迎える京友禅の老舗「千總」の本社である

一条一条に松竹梅や青海波などさまざまな吉祥文様が染め上げられている
江戸時代の小袖として初めて重要文化財に指定された振袖の復元品である

見る者を圧倒する華麗な染織美
京友禅の伝統を守り伝えてきた老舗の矜持

「千總」の創業は弘治元年西暦1555年である

当初は僧侶がまとう法衣を商っていた
呉服を商うようになったのは江戸時代後期からである

着物の装飾は室町時代から江戸時代前期に刺繍や織り絞り染めといった技法による繊細かつ華美な表現に発展した
やがて天和3年幕府は奢侈禁止令を出し着物による贅沢を禁じる

そして着物の装飾に革命をもたらす1人の人物が現れた

江戸時代前期から中期にかけて活躍した扇絵師である

友禅が描いた扇絵は大変な人気で着物の図案に応用するための技法が考案されたという
友禅染である
友禅染は糸目糊で図案の輪郭を描く
そして染料で色をさしていく
糸目糊の防染効果により隣り合う色が混ざらず絵画的表現が可能になった
それまでは比較的織物ということになりますと幾何学的な模様が多かったですけどもやはり友禅染が開発されまして写実的な…まあ風景であったり自然の中の花ですとか山ですとか川ですとか物語の一場面であったりそういうものをですね忠実に表現できるようになったと。
友禅染の着物は「友禅」と呼ばれ町衆に好まれた

やがて時代は明治に
和の文化和の装いが押しやられる

そのような時代に十二代西村總左衛門は友禅文様を刷新するためある決意をする
西欧化の波に押され仕事を失っていた日本画家たちに着物の図案となる下絵を依頼したのである

最初に声を掛けたのは岸竹堂であった
「千總」には竹堂が手がけた下絵が数多く残っている

今尾景年には花鳥画を依頼した
職人とは異なる画家ならではの美意識が息づく絵は木版本として出版され図案集として利用された
今までは日本画家は日本画家そして友禅の下絵師は下絵師ということでそこが相いれるものではなかったんですけどもそれを日本画家さんが自分たちもじゃあやってみるということでですね描かせたところこれまでにないような写実表現が着物にできるようになったと。
こうして明治時代友禅は日本画と融合し逆境を乗り越えたのである

「千總」の図案家たちは今も古画の模写をし写生を怠らないという
創業115年
依頼があった図案を手描きや型で生地に染め発注元に納めている

8月ある作業が進んでいた
島屋が「千總」に発注した新作着物の友禅染である
岸竹堂と今尾景年が描いた明治時代の下絵を使って12反の着尺物を作る

(大薗さん)日本画家のね先生が描いておられる絵なのでもう構図とかそれから枝振りそういうのがしっかりしてますのでもう私はそこにその色を…自分の思った色をはめるだけ。
(高橋さん)今回頂いた今尾景年さんのその図案ですけどもそれをやはり今の平成の時代にどう表現していくか。
少し変わった角度から捉えて新しいものに少しアレンジしていくっていう。
「千總」に伝わる裾模様
裾模様とは着物の裾部分だけを作ったもので商品ではない
こちらの裾模様には友禅染による笹と緻密な刺繍による伊勢海老があしらわれている
2枚の裾模様は職人の技を守るためあえて「千總」が出した仕事であった
時は昭和18年
奢侈等製造販売制限令が出され豪華な友禅の着物制作販売ができなくなったからである
「千總」の仕事を請け負って40年以上になる…
伊勢海老の裾模様が復元されていた
これも島屋が「千總」に発注した仕事で当時の職人の技を復元し訪問着と黒留袖に仕立てるのだという
(森澤さん)縫い方が僕の知らない縫い方もありましたんで変わったやり方また考えられたんだろうなっていうふうなことを思いながらその当時の方がされたのを勉強してますけれども。
9月27日
東福寺の塔頭退耕庵で島屋が発注した新作が発表された

戦時中の制限で裾模様という姿で埋もれたままになっていた刺繍と友禅染の技が70年の時を経て日の目を見た

明治の画家が描いた100年前の下絵が新たな色彩をまとい平成の世によみがえった

異なる時代の職人たちによる時を越えたコラボレーション
京友禅の確かな息吹き
職人と共にですね発展をさせていくと。
やはりここは職人さんにこういうことしてもらいながら私どももしっかりと勉強をしてまた職人さんにいいものを作ってもらうと。
このやりとりがですねこれを継続してやり続けないと今までの仕事も続いてこなかったでしょうしこれからの仕事も続かないというふうに考えております。
伝統とは守るものではなく常に新しいものを作り続けていくと。

京都で生まれた「友禅」という名の美が受け継がれていく

京都国立博物館をご紹介します
2014/10/19(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]

「京友禅の息吹 〜千總〜」

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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