からすけ 今月から焼肉屋(やきにくや)さんなどで牛のレバー(肝臓)のお刺(さ)し身(み)が食べられなくなったんだって? お父さんががっかりしていたよ。
イチ子お姉さん 生で食べるためにレバーを売ったり、お店で生のまま出したりできなくなったわ。重い食中毒(しょくちゅうどく)になるかもしれないと国が決めたの。
■きっかけは集団食中毒
からすけ 今までは食べられたのに、どうして禁止(きんし)されたのかな?
イチ子 きっかけは昨年(さくねん)、焼き肉チェーン店で牛の生肉を細かく切って味付(あじつ)けをした「ユッケ」を食べた人たちがかかった集団食中毒事件かしらね。それまでも国は牛の肉やレバーを生で食べるための基準(きじゅん)を決めていたの。肉を加工(かこう)する場所では表面を削(けず)ったり、消毒(しょうどく)や温度の管理をしっかりしたりする必要(ひつよう)があったんだけど、この集団食中毒では亡(な)くなった人もいて「基準が守られていなかったのではないか」という話になったのよ。
からすけ ルールを守らないと大変(たいへん)なことになるんだね。
イチ子 そうよ。牛の生レバーは禁止になったし、ユッケなどの牛の生肉を使った料理(りょうり)でも昨年10月にもっと厳(きび)しい基準ができているわ。肉の表面から1センチメートル以上の深さまで60度の熱(ねつ)を2分間以上加えて、ばい菌(きん)を殺(ころ)さなければならなくなったの。基準を守らなかったお店やお肉屋さんは罰(ばつ)を受(う)けることもあるのよ。これに似(に)た基準は魚のお刺し身や生ガキなどにもあるわね。
からすけ 生レバーの何が一番危険(きけん)なの?
イチ子 「O(オー)157」って聞いたことあるかな。強い毒を持つばい菌のひとつなんだけど、牛のレバーの内部にもこのO157がいる可能性(かのうせい)があるの。この菌が人間の体の中に入ると、おなかがとても痛(いた)くなって、ひどい場合には死んでしまうこともあるのよ。
からすけ それは前から知られていたの?
イチ子 1996年に生レバーでO157の食中毒が起きてから、みんなが注意するようになったわ。その後も食中毒は時々あったから、国は生レバーをできるだけ出さないように呼(よ)びかけていたのよ。
厚生労働省、生レバー
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