(律)社長またメールが来てます。
(荒巻)あっ?世の中暇なのがいるね。
読んで読んで。
(律)今週の視聴者からの質問は「この前はネットで大炎上したチョコレートTVさん大変お疲れさまでした」。
嫌みかよ!まだ続きます。
「そこで質問なのですがテレビの制作者はお金のためなら何でもするのですか?」。
当たりめえだろ!テレビ制作に限らず仕事ってのはそういうもんなんだよ。
金を稼ぐ喜び!それが仕事の原動力ってもんじゃねえか。
かつて娯楽の王様として揺るぎない地位を確立したテレビ番組。
しかし時代の流れと共にその輝きは失せ中にはこんな言葉で呼ぶ人もいる
このドラマはそんな「おわこん」を崖っぷちで支える弱小制作会社チョコレートTVで働く人々の物語である
テーマは「老人の孤独死」。
(三橋)俺はそんなつもりであの人と知り合った訳じゃないんですよ!節子さん!
(節子)ありがとうございました。
会社…辞めたんだ。
(チャイム)・
(節子)はい。
携帯を拾った三橋と申します。
・
(節子)ちょっとお待ち下さい。
はい。
すいませんでした。
いえこちらこそ遅くなってしまって申し訳ありません。
よかった〜いい方に拾って頂いて。
絵文字ですか?うん。
絵文字はここのボタンを押すと…ほらこんなに。
すご〜い。
上手。
いやいや…。
上手!届きましたでしょうか?ちょっと待って下さい。
すぐ来ますから。
はい!ほら。
すご〜い!届いてる。
ちょっと待って。
これは?金がどうしたって?やっぱりかなりきついです三橋さんが受けたペナルティー。
「熱血ダイアリー」2本飛ばされちゃうって事は700万×2本で1,400万の損失になります。
1,400万?はい。
はぁ〜これは何か穴埋めしなきゃいけねえな。
何かいい企画ねえかな?
(高橋)また編集室泊まっちまったよ。
(加奈子)いっその事住民票移したら?編集室に。
じゃ風呂つけてくれ。
ぜいたく。
あれ?三橋まだ来てねえの?
(木下)はい。
あれからずっと?電話しても出ないんです。
(塚本)番組勝手にいじられてオンエアされたからそりゃやる気もなくなっちゃいますよ。
(岬)私社長の編集の方が面白いなんて言っちゃったしな。
お前きっつ〜!でも今回は三橋もいいおきゅうになったんじゃないの?おきゅうで済めばいいけどな。
ほらああいう熱いタイプってさ一回折れちゃうとね…。
やばいかなぁ…やっぱり。
三橋さ〜んどこで何してんだよ?
(一同)はぁ…。
あ〜もう嫌。
面倒くさい。
節子さん。
上の段が賞味期限短い方で下の段が賞味期限長い方です。
暑くて日もちしないからなるべく上の段から食べて下さいね。
賞味期限ぐらい読める。
分かりますよ。
ここに書いてありますから。
はいはい上の段から食べます。
そうして下さい。
今日はきんぴら食べて下さいね。
いつもごめんなさいね。
何のお礼もできないのに。
何言ってるんですか。
僕が勝手にしてるんですからそういうのは言いっこなしですよ。
そう?もうメル友なんですから。
おはようございます。
おぉ〜!給料泥棒さんのお出ましか。
仮払いの精算に来てもらったんです。
これとこれだよね?はいありがとうございます。
三橋さんよこの2週間音沙汰なしでどこで何をしてたんだ?あっ…ちょっと!お〜木村節子!この野郎!どこ行ってたと思ったら女としけ込んでたって訳か。
この〜!違いますよ!もしもし。
えっ?あっそうです。
一番下の段にありますから。
ええとんでもないです。
じゃあ。
どこの女だ?違いますって。
おばあさんですよ。
携帯拾って届けたら病気で買い物行けないぐらい不自由だから僕が代わりに買い物してきてあげたんです。
「あげたんです」って事はもう自宅まであがり込んでる仲か。
何言ってんですか。
おばあさんですって!あのなお前は人の世話する前にてめえのケツ拭くのが先だろうが。
えっ?お前のためにどれほど損したと思ってんだ。
いいかお前は今日からADに降格!とっとと働け給料泥棒!分かったな。
ちょっと…。
ADって…。
分かりましたよ。
すいません。
今日からADやらせて頂きます三橋です。
三橋さんほんと勘弁して下さいよ。
うへ〜。
何だよ?写真?ああ…。
(節子)長男と次男の家族。
へぇ〜。
でもひとり暮らししてて息子さんたちも心配してるでしょ。
どうかしら?しばらく連絡してないから。
病気の事…言ってくれたらよかったのに。
あの薬…。
うん?息子さんたち知ってるの?知らせた方がいいんじゃない?いいの。
余計な事はしないの。
どうだい?ADの仕事は。
うん?嫌なら辞めてもらったっていいんだぜ。
会社に損させた分返すまで続けます。
分かってるじゃないの。
だがしかしだなADよりもディレクターの方が早く返せるってもんだぜ。
えっ?局がな夜のニュース番組の中でドキュメンタリーの特集を組むらしいんだ。
見てみろ。
テーマは高齢者問題。
シリーズのタイトルは「最期の時」。
いいだろう?あのな広瀬ちゃんがな時間と金をかけていいもの作ってくれって言ってんだよ。
でそのうちの担当候補がなそのシリーズの第3回「老人の孤独死」ときたもんだ。
どうだい?うん?ちょっとそれってまさか…。
そうそのまさかだよ。
お前あのおばあちゃんと仲よかっただろ。
何だっけ?節…。
ちょっと待って下さい。
他にも老人ならたくさんいるじゃないですか。
だってさ俺そういう知り合いいねえんだもん。
でな悲しい音楽をがんがんかけてさお涙頂戴ものにしてみろよ。
視聴率はぐんぐん上がる。
そうすれば広瀬ちゃんは大喜び。
俺もお前も大喜び。
ちょっと何言ってんですか!俺はそんなつもりであの人と知り合った訳じゃないんですよ!いいですか?あの人は病気でひとり寂しく暮らしてるかわいそうな人なんですよ。
そんなねだまし討ちみたいな事できる訳ないじゃないですか。
お前いつからそんな平凡なつまらねえ事言うようになった?お前それでもドキュメンタリーのディレクターかよ。
やらないと言ったらやりませんよ!もしもし三橋です。
ああ俺だ高橋。
急で悪いんだけどさばあさんの連絡先教えてくれないか?どういう事ですか?社長からドキュメンタリーの仕事振られたんだよ。
お前連絡先知ってんだろ?その仕事高橋さんがやるんですか?しょうがねえよ振られちまったしさ。
あっおい!もしもし!何だよ…ったく。
三橋のヤツ切っちゃいましたよ。
食いついた!いやお疲れさん。
お疲れって俺は?ドキュメンタリーやんなくていいんですか?お前さほらあの〜何だっけ?ホルモン焼きの…。
「ホルモン屋ぶらり旅」。
あ〜そうそう。
それで忙しいの忘れとったよ。
いやいや頑張ってくれよ。
ありがとう。
ありがとう高橋くん!社長!はい三橋くん!どうして高橋さんなんですか?ディレクターがどうしてもやりたくないって言うんだよ。
高橋さんが撮るなら自分以外の人が撮るぐらいなら俺が撮りますよ!だって利用するのは嫌だって。
俺が撮ります!顔出しの許可取れるのか?これから取ってきますよ。
りっちゃんりっちゃんりっちゃん。
はい。
1,400万取り戻しましたよ。
(チャイム)
(ノック)こんにちは。
三橋です。
こんにちは。
えっ…?節子さん!節子さん!それでばあちゃんの容体は?とりあえず大丈夫です。
意識も戻りました。
ただ…。
ただ?節子さん癌なんです。
あまり長くないんです。
でそのおばあちゃんの姿カメラ回してる?がんがん撮って。
ふざけないで下さい!そのかわいそうな老人を死んでいく姿をテレビでさらしものになんかできませんよ!テレビに出す事がさらしものにする事なの?厳しい現実をあえて見せる。
テレビで伝える。
それがドキュメンタリーのディレクターの仕事じゃないの?それこそ偽善ですよ!とにかくかわいそうな人を売り物になんかしたくないんです。
そんなまね絶対にしませんから!お〜お…お前は変わらんなぁ。
変わらないのは社長の方ですよ。
このまま帰ったらクビだぞ。
かまいません。
そうして下さい。
三橋さん本当に辞めちゃうんでしょうか?…ったく社長も三橋さんも沸点低すぎ。
すぐカッとなっちまうんだから。
でも僕は三橋さんを支持します。
病気の人を利用するなんてひどいと思います。
お前にはまだ分かんねえんだよ。
ひどいとかひどくないの話じゃねえんだよ。
聞かせてもらいましょう。
三橋さんの気持ちも分かるけどでも仕事なんだからサクサクこなしゃいいんですよ。
大体俺たち社員なんすよ。
言われた番組作って給料もらってんだからそれをやりたいとかやりたくないとかいちいちこだわってたら仕事になんないでしょ。
塚本大人になったね〜。
ドラマ班来る?バカにしてるでしょ!でもドキュメンタリーはそういう訳にはいかないんじゃないでしょうか。
お金とは関係のない意義のある仕事って考えなきゃ。
お前はいつからドキュメンタリストになったんだよこのバラエティーADが。
でも三橋さん頑固なとこあるからな〜。
意地張って辞めたりしなきゃいいけど。
ずいぶん心配してんじゃん。
えっ?ドライな岬さんとしては。
いや…普通ですよ。
えっ?普通ですよ。
えっ?何だよ!すいません。
いや…おいお前後輩だろ!ごちそうさまでした。
もういいの?ごめんなさいねぇ。
すいません。
退院してよかったのかな?もうお医者様にもできる事はないだろうし。
自分の事だもの…分かるわよ。
今どんな仕事してるの?えっ?うん…。
ねえどんなドキュメンタリー作りたいの?あなたが作ったドキュメンタリー見たいなぁ。
「桜の花の咲く頃に」っていうドキュメンタリーがあって。
知らないわごめんなさい。
ううん。
もう10年も前の作品だからね。
でも当時はたくさんの賞を取った作品で。
北海道の小さな町にディレクターが1年半住み着いてその町に1つだけある高校に密着して撮影するんだ。
1年半住み着くの?すごいわねぇ。
うん。
でも本当にすごいのは何も特別な事が起こらないって事なんだ。
生徒やその家族先生の日常を淡々と描くだけでドラマチックな事は何も起こらない。
でもそれなのにびっくりするぐらい感動しちゃって。
「ああ俺も一生懸命生きなきゃな」って見たあとに強く思ったりして。
大学の時に見てこれだって思って…。
ドキュメンタリーの力ってすごいなぁって。
俺もいつかあんなすごい作品作りたいなって。
そういうドキュメンタリー作ってよ。
私見たいわ。
(節子)どうしたの?
(節子)どうしたのよ?もう…そういう番組作れないんだなと思ったら何だかたまらなくなって。
会社…辞めたんだ。
何があったの?聞かせて。
話してちょうだい。
だから…そんなかわいそうな人を売り物になんかしたくないって言ったんだ。
そうだったの。
そうね〜ひどいわね。
私少し怒ってる。
節子さんごめん!これだけは誤解しないでほしいんだ。
俺そういうつもりで親しくなった訳じゃないから。
そうじゃないの。
私は社長さんの事を言ってるんじゃないの。
三橋さんの事言ってるの。
えっ?私ってかわいそうな人なの?病気のひとり暮らしで一人で買い物に行くのも不自由だとかわいそうな人なの?
(節子)主人が死んだ時にね相続で息子たちともめてね。
それ以来連絡取ってないの。
もうずいぶん長い間息子たちや孫たちの顔見た事がない。
そりゃあ寂しい時だってあるわよ。
でもねみんながみんな仲のいい家族ばっかりじゃない。
それに年を取れば誰だってひとりになるんだもん。
病気だってするんだもん。
それぐらいの覚悟はできてる。
主人と同じように私も定年まで働いた。
そして子供を2人も立派に育てたんだもの。
自分の事かわいそうだとかひとりでみじめだとかそんなふうに思ってないの。
でも私が年寄りだから三橋さんは私を見てそう決めつける。
そういうのって傲慢だと思う。
失礼だと思う。
人の事を正確に理解できるヤツだけがドキュメンタリーを撮る資格があるんじゃねえのかな。
そうだよね…。
僕が間違ってた。
節子さんの事勝手に決めつけてました。
すみませんでした。
いいの分かってくれたら。
おしまい。
私の事その番組で撮ってもらえない?えっ?いや…でも…。
でも?俺そんな資格ないと思うし…。
今はちゃんと撮れる自信がないんです。
だから撮ってほしいの。
えっ?今の三橋さんなら私の気持ちを分かってくれるから。
撮ればいい。
大丈夫。
ちゃんと撮れるから。
若いころねエキストラをやっててちょっとだけ映画に出た事があるのね。
で楽しみに映画館に行ったら全然映ってなかった。
今度こそはきれいに撮ってよ。
最期の最期まで。
ねっ?飲めないんだからやめときなさいよ〜。
ねえ今日どうしたの?フラれたんだよ。
え〜かわいそう!社長!この前はすみませんでした!これ読んで下さい!節子さんの顔出しの了解取ってきました。
局の広瀬さん用の企画書です。
やらせて下さい!よろしくお願いします!残念だけど時既に遅しだ。
ああ広瀬ちゃん?荒巻です。
すいませんねぇ夜分。
ええそう。
そのドキュメンタリーの事なんだけどさ復活させてもらう事はできませんか?えっ?そうですか。
分かりました。
じゃよろしくお願いします。
最初病気の事を知った時どう思われましたか?最初は怖かったですね。
でも今はかえって病気になってよかったかなって思ってます。
どうしてですか?今まで以上に生きる事の大切さとかをとってもこう…感じてるんですよね。
今までの人生を振り返ってみてどう思われますか?
(節子)私は自分の人生に誇りを持ってます。
(節子)充実したすばらしい人生でした。
今まで…ありがとうございました。
美しいいい顔だよ。
三橋。
はい。
お前らしいいい仕事だったよ。
でな…広瀬さんに見せる前に相談したい事あるんだ。
はぁ…。
「それでも彼女は寂しいとはひと言も漏らす事はなかった」。
どうです?
(広瀬)すばらしいです。
傑作です。
「最期の時彼女は青空を見たいと言った。
抜けるような青空にやがて彼女は旅立って…いかなかった」。
えっ…?いかなかった?だってこのばあちゃんまだぴんぴんしてるの。
「すみませんまだまだ元気で。
もうしばらくかかると思いますのでご予算の方よろしくお願い致します」。
はっ!?それでねもう少し予算があるとほら傑作でしょう。
そのあと見たいでしょう?ああ…もう〜分かりましたよ!撮り続けて下さい!きたきた〜広瀬ちゃん!そのかわり追加予算は完パケ納品後ですからね。
えっ!?えっ?えっ?えっ?広瀬ちゃんそれはちょっと渋すぎってもんじゃないの?広瀬ちゃん!広瀬ちゃん!私きれいに映ってる?もちろんですよ。
さっ始まり始まり〜。
一応ドラマのプロデューサーとか。
予算300万削れ。
何で!?大変申し訳ございません。
ラストシーンの崖なんて犯人が行く必然性ないですよね。
無難な2時間ドラマばっかり作ってれば大コケする事ないですよね。
連ドラはこんなちっちゃい会社じゃ撮れねえだろ。
結婚しとけばよかったかなぁ。
売れ残っちゃったよ。
謝罪のエースだ。
私だって謝罪する事が仕事じゃありません!何で私こんなに謝ってんだよ…。
2014/10/19(日) 01:20〜01:50
NHK総合1・神戸
プレミアムよるドラマ おわこんTV(2)ドキュメンタリーは真実ですか?(後編)[字]
老人の孤独死で番組をつくれ!しかもお涙頂戴で視聴率を取れ!と命ぜられたディレクターの決断は?超リアルなお笑い業界ドラマ。出演:千葉真一、小泉孝太郎、いしだあゆみ
詳細情報
番組内容
荒巻(千葉真一)の機転により、ヤラセ疑惑を解消することができたが、チョコレートTVは「熱血ダイアリー」の制作から外され、経営危機に見舞われる。担当ディレクターの三橋(小泉孝太郎)は、偶然知り合い親しくなった節子(いしだあゆみ)という一人暮らしの老人の家に入り浸り、無断欠勤を続ける。それを知った荒巻は三橋に呼びつけ、「そのばあさんの孤独死を扱ったドキュメンタリーを撮れ。できなきゃクビだ」と命じる。
出演者
【出演】千葉真一,小泉孝太郎,いしだあゆみ,片瀬那奈,福田沙紀,市川由衣,冨浦智嗣,戸次重幸,遠藤雄弥,金剛地武志
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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