(佐久間誠)それは確かかね?
(味谷進)ええ。
この目で見ました。
その件を知ってるのは…。
自分だけです。
今んところは。
ああ…。
まさかもみ消すつもりじゃないっすよね?それだけは勘弁してください。
これは…内部告発なんですから。
(荒い息遣い)
(榊マリコ)どうしました!?誰か救急車!ははい!手を貸してください!あっちょっと!
(土門薫)死亡したのは味谷進。
薬物対策課のデカだ。
(土門美貴)じゃあ犯人は麻薬がらみ?まだ殺しと決まったわけじゃない。
殺人の可能性が出たわ。
え?
(榊伊知郎)味谷警部補の血液からサキシトキシンが検出された。
(日野和正)テトロドトキシンと同じくフグに入ってる毒ですね。
(乾健児)じゃあ被害者は朝からフグ食べてたって事ですか?胃の内容物のリストは?
(小向光子)ああ届いてたわよ。
確か…あったこれこれ。
胃の中には…フグなんて高級なもんはないねぇ。
カブにアサリ…。
もしかしたら…。
なんだ?サキシトキシンは貝毒の成分でもあるの。
貝の毒?それは強い毒か?フグ毒のテトロドトキシンに匹敵する。
(嶋倉夕紀)失礼します。
ああ悪いね呼び出して。
私を一課に引っ張ってくれる話なら嬉しいんですが。
私の顔を見るといつもそれだねぇ。
部長には感謝しています。
こんな男社会で部長の推薦がなかったら刑事講習すら受けられなかったと思います。
ハハ嶋倉君がそれだけ優秀だったって事だろう。
どなたですか?
(佐久間)今朝死亡した薬物対策課の味谷警部補だ。
面識は?いえ薬物対策課は私のいる捜査三課とはあまり接点がありませんから。
今月の25日君は引ったくり事件の捜査をしてるよねぇ?え?ああパトロール中に事件の連絡が入って…。
その現場で彼は君と会ったと言っていたが?ああそうでした。
私たちが犯人の捜索をしていた現場にこの人が張り込んでいたみたいで。
薬物取引の摘発をしていたらしい。
私のせいで摘発が失敗したとか怒ってました。
彼と面識があった事を忘れてたのかな?はいすいません。
その夜彼とはかなり激しく揉めてたそうだが。
女が刑事をしていればそんな事日常茶飯事です。
あのもうよろしいでしょうか?2時までには大阪に着きたいので。
大阪?ここ数日応援捜査で大阪府警に通ってるんです。
ああそうか。
いやご苦労。
失礼します。
(ドアの開閉音)
(中津川幹夫)佐久間部長なぜうちの捜査日誌を?中津川課長最近嶋倉君に変わった事は?彼女が何か?ああいやいや…。
あいやいいんだ。
ありがとう。
(電話)
(美貴)今ここでアサリが異常発生しています。
西浜海岸大阪ね。
(美貴)ええこの暑さで有毒プランクトンが大発生したみたいで。
それがアサリに蓄積して猛毒アサリに…。
役所の発表ではあと2週間ほどでプランクトンも減ってアサリも無毒化するそうです。
じゃあ味谷さんはその西浜海岸で潮干狩りをしたって事?それは無理。
今ここは潮干狩り禁止だから。
まやろうとすれば巡回の人に止められるだろうな。
(乾)でも夜中にこっそり行けば取れますよね。
じゃやっぱり誰かが味谷さんを殺すつもりで…。
待って。
彼の食べたのが猛毒アサリだったかどうかはまだ可能性の段階よ。
アサリと毒を別々に摂取した可能性も残ってるしね。
そこが他殺か自殺かを決める重要な線です。
(木佐貫直巳)味谷警部補の家にアサリが残ってました。
(ため息)おうおうおうおう…。
(小田切圭)こちらまたよろしくお願いします。
ええ〜?ハハハまた増えてるな〜。
は交通部長の栄転でいろいろと入り用でして…。
また頼まれたんですか?ニセ領収書作り。
お前ら現場には関係ない。
ありますよ。
俺たちの現場の捜査費がその架空の領収書で上の連中の餞別やわけのわからない飲み食いの金に化けちまう。
いい加減こういう裏金作りはやめませんか?俺1人やめてもどうにもならん。
何かついてるわね。
(日野)大根かな?ああじゃカブね。
胃の内容物に書いてあった。
(美貴)でもこれ全部殻だけですよ。
キッチンの三角コーナーで見つけたんで。
(日野)身は食べちゃったんだ。
(伊知郎)殻だけじゃ毒物の蓄積は調べられないか…。
いえ見てください貝柱が。
味谷刑事は山ほどエスを抱えていました。
エス…情報屋か。
もちろんそいつらもヤクの売人です。
言ってる意味はおわかりですね?うん…。
エスに大きな取引を教えてもらうかわりにエスが行う小さな取引を見逃していた。
味谷はそうやって手柄をあげてきたデカです。
薬物対策課のデカだ。
そんな事珍しい話じゃない。
エスは売人仲間の裏切り者です。
もしエスだとバレれば仲間からひどい報復があります。
それが?その報復は時にはエスを抱えるデカにも及びます。
味谷警部補はその線で殺されたと?
(ノック)失礼します。
どうした?すいません土門さんがここだと聞いて。
うんなんだ?味谷さんを殺したのやっぱり猛毒アサリだった。
猛毒アサリ?犯人が殺人を目的として西浜海岸で取ったアサリです。
西浜海岸…。
大阪…。
何か?あいや…。
でこれからどうするんだ?殺しだとはっきりした以上味谷のエスを探します。
ああちょっと待て待て待て。
薬物対策課にはくれぐれも迷惑をかけないようにな?はい。
失礼します。
(電車の通過音)
(火岡)ちょっと…!勘弁してぇな俺一応ここの板長なんやからさ。
何が板長だ。
お前2年前味谷に捕まってるだろう?これ味谷刑事に捕まった事のある売人のリストね。
だからそのデカとはそれが初めてでそれっきりやて!ほんとだろうな?ほんまやて!俺…もうカタギなんやから。
(木佐貫)おい!おらぁ!放せよ…!あぁ!じゃあ何逃げてんだこらぁ!怪我ないか?大丈夫です。
またな。
はい。
しかしロクでもない連中ですよね売人って。
でもよくこんな売人のリスト手に入りましたね?売人を調べるにあたって薬対課に仁義通しといた。
えだったら薬対課で味谷刑事とつながってるエス聞いた方が早いんじゃないですか?薬対課のデカは自分のエスを上司にも言わない。
あそういうものなんですか。
刑事ならな秘密の1つや2つ持ってるもんだぞ。
はい。
俺はな…。
ええっ!?シッ!言うなよ。
(缶の落ちる音)
(佐久間)それがほんとに彼女の筆跡かどうか調べてもらいたい。
これが嶋倉夕紀の筆跡だ。
照合してみてくれ。
そのページに不審な点がないかどうかも調べてもらいたい。
不審な点とは?例えば修正した跡改ざんの跡。
あのこれはどういう鑑定でしょうか?とにかくこれ全てを秘密裏に鑑定して欲しい。
もちろん君の娘の榊マリコにも。
ねえ鑑定途中のアサリの貝殻知らない?
(美貴)昨日保冷庫にしまいましたよね?それがないのよ。
誰か鑑定してる?
(伊知郎)あああの事件の鑑定はもういいから。
…はい?それより祇園で起きた発砲事件の鑑定を頼む。
でもあの貝殻に何か毒殺犯の手がかりがあるかも…。
ああ日野君。
日野君ちょっと…。
なんで俺がデカ殺しの捜査を外されるんですか!?薬物対策課に迷惑かけるなと言ったはずだろ!薬対課にはちゃんと仁義通してますよ。
だからこうして売人のリストまでもらって…。
とにかく!これは部長命令だ。
俺がこの事件捜査すると何かまずいんですか?以上だ出て行きなさい!
(机を叩く音)
(日野)本人の筆跡に間違いないですね。
だけどここ…。
(日野)多分筆圧です。
(伊知郎)この文章の前に別の文章があったって事?ええ。
それをインク消しで消したんでしょうな。
文字はボールペンで書かれてますから消したのは2液式でしょうね。
警視庁に応援捜査に行けって言われた。
え?土門さんも事件から外されたの?お前もか。
そうみたい。
俺たちが邪魔なんだろうな。
応援捜査なら警視庁行かなきゃならないわね。
東京から連絡する。
デカ殺しの捜査状況を教えてくれ。
ちょっと私も外されたのよ。
だからって諦めるお前じゃないだろう。
当然よ。
このデカ殺しにはきっと何かがある。
佐久間部長が隠さなきゃならない何かが。
(日野)所長…これって…。
(ドアの開く音)君には銃の鑑定を頼んだはずだよ。
そっちはめどがつきました。
こっちはどうですか?こっち?佐久間部長から何か鑑定を頼まれたんですよね?今回の刑事殺しと関係のある鑑定を私に内緒で。
君には関係ない事だ。
だから私の前から鑑定中のアサリを隠した。
いい加減にしなさい。
し所長…。
あ…おしっこ。
最近近くなってさハハ…。
糖尿かなぁ…。
「7月25日21時刑事車両121にてパトロール」。
「22時02分引ったくり事件発生の入電」こちら刑事121。
現場に向かいます。
「22時11分引ったくり事件現場大路スーパーに到着」「本職が職務質問範囲を指示したのち引ったくり犯の捜索を開始」「22時45分二条署地域課交番警邏員松尾巡査より被疑者逮捕の連絡あり」「本職も刑事車両121にて二条署へ向かう」。
「22時48分北野遊歩道にて倒れている人発見」「本職の目視による確認および臭気の確認により泥酔者と判断。
呼びかけに対する反応なし」「22時55分救急車到着に時間を要したため泥酔者のちに京都市下京区の梅村秀雄33歳と判明を刑事車両121に乗せ二条院大学付属病院へ搬送」
(ドアの開く音)ちょっちょっと…!捜査三課の嶋倉さんって誰?誰って…捜査三課の刑事さんでしょ?その刑事さん刑事殺しとどんな関係が?いやそれ…。
いやもうお父さんに訊いて。
ねお父さんに訊いて。
(乾)あ拳銃の中にあった微細物なんですけどね…。
調べたい事があるの。
付き合って。
ええあの夜は僕夜勤だったんで。
パトカーで運ばれた梅村さんを診察したんですよね?いや診察って運ばれた時にはもう…。
死亡してたんですか?先生差し支えない範囲で。
どうせ路上で寝ちゃってそのままってやつでしょ。
梅村さんですか?この時期多いんですよ。
あれシンキンだったし。
シンキン…心筋梗塞ですね?
(梅村の母)秀雄が助からなかったんはもちろんショックですけど…。
あの女の刑事さんにはほんまに感謝してるんです。
救急車が着く前に秀雄のためにパトカーで病院に運んでくれて。
あお茶入れ直しますね。
あどうぞお構いなく。
すいません。
全てこの日誌のとおりね。
ええ。
不自然なとこないですよ。
それは秀雄の靴です。
亡くなった時に履いてらした。
はい。
捨てられなくて…。
なんでこんなに曇って…。
中見ても?どうぞ。
確かにこの靴中敷が変形してますね。
ずぶ濡れになったあとそのまま乾いた感じよね。
うん。
でもそれがなんなんです?雨にでも濡れたんでしょう。
この日の夜雨が降ったかすぐ調べて。
(美貴)そんな事に付き合わされてたんだ〜。
亡くなった梅村秀雄さんの靴まで借りて…。
マリコ君それ調べたの?ていうか…まだやってますよ。
あの事件の鑑定はしなくていいと言ったはずだよ。
何を恐れてるんですか?恐れてる?だから私からこの事件を隠すんですよね?隠してるつもりはない。
だが正しい事をやるにもやり方があるんだよ。
わかりました。
マリコさん佐久間部長がお呼びよ。
君が勝手な捜査をした先から連絡があった。
きっと今は勝手な鑑定をしてるんだろう。
今度という今度は…。
梅村さんの靴を鑑定しました。
梅村さん?いつの間にこれを…。
この夜保護された泥酔者梅村秀雄さんです。
その夜履いてた靴からオイカワの卵が出ました。
オイカワ?コイの仲間で今がちょうど産卵の時期です。
つまり梅村さんはあの夜川に落ちたんです。
きっとそれで心臓に負担がかかり心筋梗塞に…。
君は一体何を言いたいんだ?この日誌によると嶋倉刑事が梅村さんを保護したのは北野遊歩道です。
でもそこからだと最も近い川でも徒歩で30分。
酔った足ならそれ以上かかります。
のちに心筋梗塞を起こすほど弱った心臓を抱えそれもずぶ濡れの体でそんなに歩けるでしょうか?もういい!つまり嶋倉刑事が梅村さんを保護したのは北野遊歩道ではありえません。
もういい!彼女はこの公式の日誌に嘘を書いた事に…。
もういい!出て行きなさい!処分は追って知らせる。
なぜ私が処分されるんです?組織からはみ出した人間には当然罰がある。
(日野)入りますよ。
これ食べませんか?美味しいですよ。
(ため息)所長は…守りたかったんですよね娘を。
大変ですよね。
所長だったり父親だったりすると。
悪いけど今忙しいんだ。
佐久間部長に返したんじゃないの?また借りてきました。
さらに鑑定が必要になったって。
さらに鑑定ってなんだい?さあ…なんでしたっけ?じゃ失礼します。
忙しいとこすいませんでした。
日野君。
間違ってんのかね私は。
正しい事をするのにやり方なんかあるんすかね。
(風鈴の音)アサリとお茶っ葉のかき揚げ。
ビールに合うよ。
鑑定中だったアサリの貝殻どうしたの?
(風鈴の音)うんうまい!貝には昆布のうまみ成分グルタミン酸と日本酒のうまみ成分コハク酸が含まれてる。
父さんでもいいからちゃんと貝殻調べてよ。
貝は美容にもいいんだよ。
あの貝殻には必ず毒殺犯の手がかりが…。
美肌にいいB2やストレスに効く亜鉛とかね。
父さん。
(風鈴の音)あハマグリもあったな。
今日は貝尽くしだ。
これは…。
「7月25日21時刑事車両121にてパトロール」「21時40分桂川の河原で倒れている人を発見」「本職の目視による確認および臭気の確認により泥酔者と判断」「泥酔者に聴取したところ…」すみません…。
「酔って川に転落したと供述」「泥酔者のちに京都市下京区の梅村秀雄33歳と判明を刑事車両121に乗せ念のために二条院大学付属病院へ向かう」「22時02分引ったくり事件発生の入電」「22時11分引ったくり事件現場大路スーパーに到着」
(伊知郎)そこで終わってるんだ。
父さんと日野君が鑑定して浮かび上がった文字は。
どういう事?どうして日誌が改ざんされてたの?わからないが多分それがあの夜起きた真実だな。
やはり梅村さんは川で保護されたのね。
しかも嶋倉刑事と会話してるんだ。
保護された時はまだ生きてたって事だ。
じゃあ梅村さんは一体どこで亡くなったの?改ざんされる前の日誌では梅村さんを保護したあとに引ったくり事件が起きています。
つまり梅村さんが亡くなったのは引ったくり事件の捜査中それも嶋倉刑事の覆面パトカーの中で。
捜査をしている間彼をパトカーに放置しておいたんだろう。
だから捜査のあとに梅村さんを保護した事にしてその時すでに亡くなってたかのように日誌に嘘を書いた。
その嘘に味谷警部補が気付いた。
え?彼はあの夜引ったくりが起きた現場付近で張り込みをしてた。
大規模な薬物取引を摘発するためにな。
(佐久間の声)そこで嶋倉君の覆面パトカーを見てしまった。
(江田)何してんすか?
(味谷)ああ?これ覆面か?ええ。
なんだよ…。
あんた誰?酔っ払いか。
先輩持ち場に戻らないとヤクの取引時間が。
あんたたち何してんの!バッカヤロウ!踏み込め!おい!お前所属はどこだ!本部捜査三課。
捜三!?なんで泥棒担当のデカがここにいるんだ!なんでって近くで引ったくりがあって…。
お前のせいでなヤクの手入れが大失敗だ!ヤクの張り込み情報など聞いてません!当然だろ!先輩!こっちはなエスからの情報で半年前から内偵してたんだ!それを簡単に外に漏らせるか!ならこちらには対応のしようがありません!
(佐久間の声)その翌日味谷警部補は知ったんだ。
うちで保護した泥酔者が死亡した事を。
それで彼女のした事に気付いて佐久間部長に?うむ。
嶋倉夕紀巡査部長の処分を求めてきた。
だが彼女だけの処分では済まない。
これは京都府警の大不祥事だよ。
それで部長はどうされたんですか?それからすぐだ。
味谷警部補が殺されたのは。
もし彼がこの告発を嶋倉君に伝えていたとしたら…。
彼女に味谷さんを殺す動機が…。
これでわかったろう。
私がこの問題に関して真剣に慎重に取り組んでいる理由が。
今回の殺人事件に身内が犯人の可能性がある。
だから追求の手をやめる。
そういう事ですか?科捜研の君には関係のない事だ。
私も警察の人間です。
この京都府警の人間です。
ハア…情けないよ。
は?彼の告発を受けて…正直私は困ってる。
警察官が困ってはいけないんですか?ええ?警察官が困らなくなったら他の人とは別の生き物になってしまいます。
何が言いたいんだ?もし警察の人間じゃなかったら。
困った時私はいつもそう考えます。
きっとその先に真実があると思うから。
梅村さんの遺族に会ったそうね。
あなた…一体どこまで調べたの?梅村さんのお母さんはあなたにとても感謝してた。
え?あなたはいいの?このままで。
そう…。
全部知ってるのね。
あのお母さんに本当の事を話すべきなんじゃ…。
まさか死ぬなんて思わなかったのよ!あの夜梅村さんを保護したあと引ったくり事件の無線が入って車に戻ったら数分のつもりが30分以上も経ってて…。
(夕紀)すいません。
(夕紀の声)すぐに課長に連絡して指示を仰いだけど…。
(中津川)「その泥酔者はたった今保護した事にしなさい」「すでに死んでいた泥酔者を救護しようとした既成事実を作るんだ」そのためには今すぐ救急車を呼びなさい。
救急車って…もうすでに息はないんですよ!?
(中津川)「だから救急車が来る前に君の車で近くの病院に運ぶんだ」「それで君が泥酔者を最優先に救護しようとした証明になる」「そうなれば美談にはなっても不祥事にはならない」「いいな?嶋倉」どうしてそんな指示に従ったんですか?自然に体が動いたのよ!信じられなかったそんな自分が。
でもあなたはそのあと日誌に真実を書いてる。
あの夜京都府警に戻ってからやっと我に返って…。
なのにどうしてその真実を消して書き直したの?とてもよく消えるインク消しだ。
君のした事が表沙汰になれば警察への風当たりがまた強くなる。
君はその程度に考えてるのかな?もちろん私はどんな処分でも…。
やっぱりわかってない!君だけじゃなく君の恩人佐久間部長の責任問題にもなるんだよ。
当然君もこのまま刑事ではいられない。
君ゆくゆくは捜査一課に行きたいんじゃなかった?
(夕紀の声)結局私も組織の人間だって事よ。
あなたもね。
組織に染まるかどうかは自分次第よ。
きれい事よ。
(国持三郎)中津川課長も君も無傷ではいられないよ?こんな事が公になったら。
わかってるね?
(佐久間)はい…。
刑事部の刑事が薬対課の刑事を殺害なんて。
これ以上のスキャンダルはないからねぇ。
組織に染まるかどうかは自分次第。
ハハハお前らしいセリフだな。
違う。
偉そうな事を言ったのは怖かったからよ。
「怖い?警察組織がか?」いいえ。
こんな事が続いて警察がみんなから信用されなくなる事が。
そして今回の事件の真実が。
「それでもその真実をあぶり出すのがお前だろ?」そうだけど…。
怖がるな。
あとは俺たち刑事が受け止めてやる。
土門さん…。
切るぞ。
こっちの捜査も大詰めだ。
(携帯電話の切れる音)あっもう…。
全部わかったのか?今回の事何もかも全部。
全部じゃありません。
味谷刑事を殺した犯人がまだ。
調べるのか?それを。
当然です。
それは…父さんにも手伝えるかな?このアサリは犯人自ら海で採取したはず。
それならきっとどこかに犯人の手がかりが。
手がかりねぇ…。
例えば貝殻にこの料理を作った犯人の指紋とか。
料理をした段階で消えてしまうだろ。
ですよね。
でもこれなんの料理でしょうね?味噌の成分はないからアサリとカブの味噌汁じゃないね。
あっ酢の成分があるな。
お酢って事はアサリとカブの酢の物とか?うんカブは赤カブだから漬け物を使ってんのかもしれないね。
赤カブ?うんカブからアントシアニンが検出されてる。
赤カブの色素成分でしょ。
赤カブ…酢の物…。
もしかしたら…。
うん?赤カブのおかげで犯人がわかるかもしれない!
(美貴)これが指紋?
(伊知郎)ま正確に言うと指紋の断片ね。
それを繋ぎ合わせて復元したのがこれ。
でなんで貝殻に指紋が?
(マリコの声)まず赤カブの酢漬けを触った指でアサリをつかむと赤カブの色素が指紋の形で貝殻に残る。
すると貝殻に含まれている炭酸カルシウムと酢が反応して酢酸カルシウムが出来る。
それが媒染液の働きをするのよ。
へえ〜。
それで指紋が貝殻に定着したの。
そういう事。
もちろん指紋を染めた色素はごく微量だから目立たないけどもこうして紫外線をあてると発色するんだ。
(美貴)じゃあこれは犯人の指紋だ!この指紋があなたのものと一致しました。
(木佐貫)毒アサリを味谷刑事に食べさせたのはお前だな?まさかこんな事で指紋が…。
なぜ味谷刑事を?俺はずっと味谷のエスやった。
えっ?俺がでかい取引ネタを教える代わりに俺の小さなしのぎを見逃してもらう。
そんな関係やった。
それがどうして…。
好きな女がでけて…所帯を持ちたくなったねん。
それなら薬物の売人も味谷刑事のエスもすべてやめていちからやり直せば…。
それを味谷が許さへんかったんや!許さなかった?きっと俺の情報を手放したくなかったんやろ。
(木佐貫)だからって殺さなくても…。
バラすって言われた。
えっ?俺がエスやって事売人の仲間に。
そんな事されたら仲間からどんな仕打ちを受けるか…。
これもバチなんかなぁ。
ヤクさばいてた…。
せやからいざカタギになろう思ってもなれへんかったんかなぁ…。
(嗚咽)
(列車の音)いやぁよかった。
これで胸張って記者会見に臨めるよ。
はあ…。
記者会見で嶋倉巡査部長が泥酔者をパトカーの中で死亡させてしまった件は…。
言う必要ないだろう。
今回の犯人は単なる売人だったんだ。
味谷警部補は殉職だよ。
美談の殉職。
しかしそれでいいんでしょうか。
なんだ君の処分を心配してるのか?あいや…。
それは今回のお手柄と相殺。
お咎めなしだ。
安心していい。
(佐久間)ああいやいやそうではなくて嶋倉巡査部長は…。
(国持)彼女には刑事を退いて交通課に戻ってもらおう。
中津川課長はそうだなぁ所轄にでも落ちてもらうか。
まその件は君から伝えてくれたまえ。
私…これから梅村さんのお母さんに会いに行きます。
会って本当の事を言って謝罪します。
いやそんな事をしたら君は…。
刑事のままではいられない。
いえ警官でいる事さえ出来ない。
そうですよね?もう謝ってもきっと許してもらえないだろう。
それだけでなく梅村さん自身も傷付ける事になる。
だからこのまま黙ってた方がいいですか!?私はそんな組織の論理でずっと苦しみ挙句に自分の不祥事まで隠蔽して今は処分されようとしています。
いえそんな組織に実は私が一番縛られていました。
長く警察にいるうちにいつの間にか染まっていました。
(佐久間)そんな事はない。
君は私が見込んだ…。
いいえ!中津川課長に隠蔽の指示を受けた時私…自然に体が動きました。
それが何よりの証拠です!部長…。
人は組織からはみ出すのを恐れると…簡単に犯罪者になるんですね。
これが公になれば大事になるぞ。
ええ…。
佐久間部長には迷惑をかけます。
いやいや私はいい。
私は世渡りはうまい方だ。
部長…。
大事にする覚悟があるなら…思う存分やんなさい。
長い間…お世話になりました!
(車のクラクション)あっご苦労様です。
例のもの出来てますでしょうか?ああ!
(ドアの音)はい。
はい確かに。
ありがとうございました。
…あれ?この領収書1枚も書かれてませんが。
あの書き方はいつもどおりでこれが見本ですが。
捜査費は現場の捜査に使うもんだ。
裏金にはしない!ああ…そうですか。
はい。
(拍手)「俺1人辞めても何も変わらない」じゃなかったんですか?ハハ…東京はどうだった?おかげさまで警視庁の事件は無事解決いたしました。
そうか。
じゃあとで報告書を持ってくるように。
はい。
部長。
(佐久間)うん?変わると思います。
(佐久間の声)まずは礼を言う。
刑事殺しの真犯人を突き止めた。
それでその被害者が告発したうちの不祥事は闇に葬るおつもりですか?言ったはずだ。
科捜研の君には関係ない。
そんな事しませんね?今の部長なら。
公になさる気ですか?これを。
公になったら勝手な捜査をした君も処分されるぞ。
元々部長は私を処分するおつもりだったじゃないですか。
(笑い)ああ…ひと足先に処分されとくか?はい。
減給2分の1か月でどうだ?はい。
処分の内容は所長に伝えておく。
以上!失礼します!かっこよかったですよさっきの部長。
(ドアの音)まったく真実ってやつはいつも痛いとこを突いてくる。
そうね。
挙句その責任まで押し付けられて。
その責任土門さんにも取ってもらうからね。
え?ご飯ぐらいおごりなさいよ。
まメシぐらいいいか。
明日から毎日ランチね。
なんだよ毎日ってのは!こっちは減給で来月お給料半分しか入らないんだから。
知るかよそんな事。
私がした事は受け止めるって言ったでしょう?いやいや言ってない。
言ってないよ。
2014/10/16(木) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
[新]新・科捜研の女3[再][字]
「捜査日誌の罠!覆面パトカー空白の30分」
詳細情報
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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