午後のサスペンス「猪熊夫婦の駐在日誌3 絆」 2014.10.15


(幸次郎)もしもし戸崎ですがどちら様ですか?もしもし。
もしもし!・
(男性)俺だよ。
・俺だよ俺!もしもし…。
ひょっとして…。
ひょっとして優作か?・あぁそうだよ。
本当に優作なのか!?えぇ?今どこにおるんだ!?・実は頼みがあるんだ。
頼みだと?
(優作)とにかく頼むよ!俺もうそれがないとどうにもなんねえんだ!優作…10年だぞ?10年音沙汰なしで何を訳のわからないこと言っとるんだ!
(ケータイを切る音)くそっ!〜幸次郎:何するんだ!何度言ったらわかるんだ!いいかここは先祖代々の土地なんだ!お前たちなんかに絶対渡すか!その女にそそのかされたんだろうお前!
(良太)なんだと!なんだ!もういっぺん言ってみろ!この野郎〜くそっ!
(良太)こんな家出ていってやる!あぁ出てけ!上等だ馬鹿野郎!
(良太)利かない!ブレーキが利かない!
(良太たちの悲鳴)〜
(泣き声)〜
(猪熊靖子)
2005年11月15日夫の猪熊巡査部長がここ西河口湖駐在所に赴任してちょうど2年になった
〜〜
夫はゆうべ徹夜でお年寄りを狙った振り込め詐欺に注意を呼びかけるチラシを作成した
本日も晴天なり。
今日も1日平穏無事でありますように
しかし最近我が夫喜三郎少々太り気味。
体脂肪率が気になる
(猪熊喜三郎)じゃあ行ってくるぞ。
はい。
いってらっしゃいあとで行きますから。
富士山の麓山梨県富士河口湖西鳴沢地区はお年寄りの家庭が多い。
夫喜三郎はこの地域の平和と安全を守ることを誇りにしている
血糖値体脂肪率!きぃちゃん笑顔かわゆい!
(里村)駐在なにイチャイチャしてんだよ!さっさと始めろよ!拍手〜!
(拍手)あどうも駐在所の猪熊です。
本日はですね振り込め詐欺についてちょっとお話したいと思います。
あの〜振り込め詐欺といっても以前流行ったオレオレ詐欺みたいに単純じゃないんですね。
単純に「オレオレ」と言うだけじゃないんですよ。
手口もさまざまでですね警察官を装ったり弁護士を装ったり巧妙になってきてますからね。
そうそうそう…。
知らないやつから電話がかかってきたらまず事実を確認すること。
いいですね!里ちゃんストップストップ。
防犯活動は本職の重大な任務なんだからさ。
本職のしゃべることなくなっちゃうよ。
ごめんちゃい。
(笑い声)すみませんどうも。
(文子)あれ?そういえば戸崎のじっちゃんいないね。
(善太)戸崎はいつ誘っても返事がねえ。
戸崎の幸次郎さんかい…。
あぁ本職赴任以来一度もこの老人会には出たことがないなぁ。
駐在のせいでねえずらよ〜。
20年前倅夫婦が交通事故で死んで以来誰ともつきあわなくなっちまったんだよ。
なぁゲンさん!
(元山)あぁ!やつは近頃あの…ボケ入っててな。
釣り行ったってお前餌もつけねえでよ!ハハハハ…!
(善太)あの頑固親父は間違ってもオレオレ詐欺に引っ掛かることはねえな!孫まで愛想尽かして出ていっちまったんだから。
(笑い声)
我が夫婦赴任して2年。
さほどに大きな事件も事故もなくまことに平和な地域なり
(チャイム)駐在所の猪熊です〜!振り込め詐欺の防止活動で来ました!お留守ですか?戸崎さ〜ん!幸次郎さん!お留守ですね?また来ますね。
こんにちは〜!戸崎のおじいちゃん。
(幸次郎)あぁ駐在さんの…。
えぇ。
今日どうして老人会来なかったんですか?みんな心配してましたよ。
あのねわし人間が苦手なんだ。
これから寒くなりますから風邪ひかないでね。
あたたかくしてくださいよ。
あぁそうそう今日ね戸崎さんとお墓の前で会ったんだけどなんかちょっと元気なかったみたい。
そうか…。
(扉の開く音)
(里村)駐在!大変だ!事件ずらよ!戸崎んところに泥棒が入ったずら!えぇっなんだって!
(里村)おぉ駐在来たぞ!
(元山)駐在さん!男が戸崎のところの車かっぱらってあっち逃げた!話はあとだ!戸崎さん。
戸崎さん!戸崎さん!大丈夫ですか?すぐ救急車呼びますから。
やめてくれ!事件じゃねえんだ。
だって泥棒に入られたんでしょ!?いいや何も盗られたものはねえんだ。
よく調べてみないとこれ…。
いいんだよ!泥棒じゃねえんだから!身内の恥だ。
身内の?ありゃ…孫だ。
優作だ。
孫…。
孫まで愛想尽かして出ていっちまったんだから。
(一同)ハハハ…!お孫さんがいたんですね。
な帰ってくれな!頼むから帰ってくれよ。
お願いだ帰ってくれ!戸崎さん…。
戸崎さん…。
戸崎さん!
(鍵の閉まる音)ちゅ駐在さん親父が「優作〜!」って叫びながら家から飛び出してきたんだよ。
優作は孫。
俺は親父がね「優作〜!」って叫ぶ大声で家から飛び出てきた…。
でその男は間違いなく優作君だったんですか?
(元山)さぁ。
優作は中学出るとプイッとこの村出ちまったから顔はわかんなかったけどなぁ。
だどもあいつは優作っぽかったなぁ。
でその…何も持ってなかったですかね?あぁ何も。
こりゃあ事件じゃねえずら。
そうと決まったら早くこれさ行くべ。
村人と仲よくしてコミュニケーションとるのも駐在の役目ずら違うか〜?行くべ行くべ…行くだ。
(明美)「桜桜」「いつまで待っても来ぬ人と」「死んだ人と…」あ〜らいらっしゃい駐在さ〜ん!おいおいここで駐在はよしてくださいよ。
(文子)だって駐在は駐在でしょう?
(グラスが割れる音)
(カラオケ)
(里村)1日のお勤めご苦労さんでした!
(騒ぎ声)
(一同)乾杯〜!
(拍手)
(カラオケ)幸次郎さんの孫が家を飛び出したのには何か訳があったのかい?あったなんてもんじゃないよ。
あれは20年くらい前だったかなぁ。
あぁそうだちょうどな優作が小学校へ上がった年だ。
(善太)息子夫婦と優作が乗った車が磐田峠で転落事故起こしてな。
息子夫婦は死んで優作だけが生き残った。
(泣き声)
(善太)もともと戸崎は息子の嫁ともうまくいってなかったらしいしまぁ一家で飛び出したときも大喧嘩のあとだったらしい。
優作はじいさんが両親をいじめたんで死んじゃったと思ってる。
無理ないずら。
(善太)あぁ無理ない。
あぁいらっしゃい奥さん!
(扉の開く音)やっぱりここだったんだ〜。
情報収集に行ってくるとか言って。
いやいやもうねすぐ帰るとこだったんだよ。
もう帰っちゃうの?そうだ!優作君のことだったら美雪ちゃんが詳しいんじゃない?たしか幼なじみだったわよね?いつも一緒に遊んでたし。
(美雪)いえそんなに親しくは…。
あ新しい曲でも入れましょうか。

(内藤)うまくいったか?
(高山)それが実印しかないって言うんですよ!
(内藤)ない!?どういうことだよ?こっちが聞きたいですよ!とにかく急いでものを揃えるんだよ!頼むぞ!〜ブツはどうしたブツは。
あぁ?
(男性)権利書は聞いたところにはなかった。
もう一度やるなら約束の3倍だ。
なんだとこの野郎なめんじゃねえぞオラァ〜!オラァ!オラァ…!〜・はいこちら西河口湖駐在所でありますが。
あ…はい本署へ今すぐでありますか?はいわかりました。
どうしたの?すぐ来てほしいって。
〜なんですか?これは。
(関)今朝早く大月署管内の砕石場で発見された殺人事件現場だ。
この車見覚えあるだろう?えさぁ…。
(山村)車体番号から車の所有者がわかった。
戸崎幸次郎。
戸崎さん?ゆうべ戸崎邸で泥棒騒ぎがあったそうじゃないか。
駐在!どうしてそんな大事なことを報告しないんだよ。
はっあの…それはですね戸崎さん本人から事件にはしないでほしいと言われたことですしそれと侵入したのが優作君というお孫さんだったものですからそれで…えっ?ってことは…ここに乗っていたのはまさか…。
そのまさかだよ。
(山村)孫の戸崎優作だ。
さっき私がじいさん連れて行って確認した。
もっとも黒焦げでほとんど見分けはつかなかったけどな。
いやぁ…なんてこった…。
おそらく盗みに入ったことを嘆いて発作的に自殺をしたんじゃないかと大月署では見ている。
だからいつも言ってるだろ!どんなささいなことも重大なこういう事件につながることがある…!おい!駐在!はっ!
(関)人の話聞いてるのか!すみません…。
戸崎さん大変なことになりましたね。
戸崎さん…。
おっ…。
どう?美雪さん…。
〜美雪さんどうして…。
たしか優作君の幼なじみだって言ってたなぁ。
う〜ん…でもなんか変。
それだけじゃないみたい。
えっ?女の勘か?うん…女の勘。
第六感。
(里村)それにしてもあんまりだよなぁ。
(善太)20年ぶりに一瞬とはいえ戻ってきた孫がよりによって死んじまうとはよ…。
優作は中学入るとみるみるグレてなぁ…。
人殺しのジジイ!なんてしょっちゅう怒鳴ってよありゃあ戸崎にしてみりゃあ針の筵だったでなぁ…。
優作:やめろよ!で幸次郎さんは何も言わなかったのかい?あぁ。
やっぱり息子夫婦の事故に責任感じたずらなぁ…。
言い訳がましいことは何ひとつ言わなかったしなぁ?これでやつも本当に1人っきりになっちまったずら…。
〜・もしもし?…ええっ!?〜
(チャイム)ここに置いておきますからね。
よかったら召し上がってください。
(クラクション)すぐ暗くなるからね急いで帰りなさいよ。
(女の子たち)は〜い。
おっ…。
猪さん!いつもすまんなぁ…。
はいお茶。
(むせる声)〜きぃちゃんの笑い顔かわいい〜。
(笑い声)里ちゃん笑わないほうがいい!
こうして数日が過ぎこの村にも平和が戻ってきたかのように思えた

(刑事)ご苦労さまです。
(吉井警部)ご苦労さまです。
(東)グローバー総業の社長高山恒夫。
死因は脳挫傷。
後頭部をハンマー状のもので殴られた痕があります。
死亡推定時刻は昨夜の21時から23時の間だと思われます。
高山…。
(東)ご存じだったんですか?裏社会で暗躍する何でも屋よ。
(吉井)被害額は?社員の話だと常時2,000万円は入っていたと。
そんなに!?ヤミ金融にまで手を広げていたようです。
(吉井)帝日リゾート…。

(根岸)かなりの暴利で評判は相当悪かったようですね。
つまり最低でも顧客の数だけ犯行の動機をもつ人間がいるってことね…。
(東)警部!採取された指紋は全部で23種類。
そのなかでもかなり鮮明なもので前科ニ犯の男のものと一致する指紋が出ました。
(東)戸崎優作25歳。
無職。
(東)住所は渋谷区幡ヶ谷4丁目。
(東)以前からヤミ金融の高山のところへ出入りしていたようです。
本籍は?山梨県南都留郡富士河口湖町です。
至急本籍地の所轄署に照会してください。
犯行後に立ち寄ることも十分考えられるわ。
了解しました!
(根岸)侵入口に不審な点が見られないということは顔見知りの犯行でしょうか?おそらく…。
後頭部を殴られていたということは一瞬でもスキを見せるような相手だったということも考えられます。
防犯ビデオのほうは?死亡推定時刻の前後2時間のビデオをチェックしました。
21時15分に当該ビルに入り10分後に出ていった人物の姿が映っていました。
人相体格はこの戸崎に似てんの?それが似ても似つかない白髪の老人みたいなんですよ…。
老人…。
(東)警部!妙なんです。
戸崎優作は4日前に山梨県大月署管内で死亡しています。
…死亡?ちょっとそれどういうこと?
(東)ですから戸崎優作は4日前にすでに死んでいると…。
死んでる…。
〜わかりました。
これから現場に行ってみます。
どなたか案内をお願いできますか?でしたらこの私が!あの…吉井警部も独身だと伺いましたけど実は私も独身でして…。
職務に関係ありません!怒った顔がいいなぁ。
そういえば俺も独身だった。
おいこら待て!山村!!はっ!
(山村)こちら警視庁捜査一課からいらした…。
本庁の吉井です。
はっ…警部でありますか。
こんなきれいな警部殿に会ったことないだろ。
世田谷東署の東です。
大月署の話では遺体がすでにないので確認が取れないということでこちらに伺いました。
昨夜世田谷で発生した強盗殺人事件の経過の報告はお聞きですね?はぁ。
しかしいったい何をどうお答えしたらいいのか…。
こちらで起こった事実をそのままお話いただければ…。
そう!そのままにお話して。
はっ…。
ご苦労さまです。
家内の靖子です。
(吉井)おじゃましております。
どうぞどうぞ。
お気遣いなく…。
どうぞこちらへおかけください。
すみません気が利かないで申し訳ないです…。
どうぞどうぞ…。
失礼しますじゃあ…。
ということは4日前に大月で死んだ男は戸崎優作に間違いないんですね?はっ。
そう認識しておりますが…。
祖父の幸次郎に私が再確認を取りました。
ただ…遺体はほとんど炭化していたと聞きました。
それではDNA判定はできませんし歯型の照合もできなかったとなると…決め手に欠けるんじゃないでしょうか?はぁ…まぁ…そうとも言えるんですが…。
そしておかしなことに亡くなったとされた日の4日後に優作の新しい指紋が発見されたんですよ。
つまり…大月での焼死体が戸崎優作でなかったとするとつじつまは合うわけです。
戸崎優作が東京で殺人事件を犯したと?可能性はあります。
ただあくまでも状況証拠だけで容疑者は他にもいるんです。
他にもですか?えぇ。
例えば防犯ビデオに映っていた男です。
〜事件以来幸次郎さんはぱったりと人と接触しなくなってしまいました。
孫の優作君の死がよほどショックだったんでしょう…。
そうでしょうね…。
あぁ…。
戸崎さんこちらね…。
頼むから俺にかまわんでくれよ。
頼む!戸崎さん…。
(山村)さっきもあの調子でした。
…どうかしましたか?えっ?えぇ…。
〜これは?あれ?戸崎のおじいちゃん。
ゆうべ東京で起きた殺人事件現場のビルだそうだ。
孫が死んだとなったら次はじいさんが殺人犯人か…。
そんな馬鹿なことが…。
今すぐにでも署に引っ張って話を聞きましょう。
待ってください!いずれにしても戸崎さんは今精神的に相当こたえていると思います。
それだけに捜査は慎重にする必要があると判断します。
河口湖署には県警本部を通して捜査協力を正式に要請します。
それまでは勝手な行動は慎んでください。
はぁ…。
さすが…。
猪熊さんそして奥さん。
はい。
それまで戸崎さんのこと注意して見ていていただけませんか?はっはぁ!こういうことは地元の方をよく知っている駐在さんだからこそお願いできることだと思います。
はい!はいそうですねはい!お願いします。
いやぁそうそう頼られてもなぁ…。
何よまんざらでもない顔してたくせに。
靖子お前妬いてんのか?妬くわけないじゃない馬鹿ばかしい。
品川ナンバーだったよね?うん。
戸崎さ〜ん。
どうも…。
なんだい駐在か。
まだ何か用か?今訪ねてきたのは誰ですか?そんなことは駐在に関係ねえだろうがよ!まぁまぁおじいちゃん夕飯のおかずを持ってきたからよかったら食べてください!悪いけどねもうわしにそんなことせんでもええ。
なっ。
頼むからわしにかまわないでくれ。
よけいなお世話なんだ。
戸崎さん1つだけ聞いていいですか?いいから…。
昨日東京へ行かれませんでしたか?東京?わしがなんで東京なんかに行くんだ?東京で起きた殺人事件現場であなたらしき人が目撃されてるんですよ!昨日の晩どこにいましたか?昨日の晩か?昨日の晩は出かけたのか…寝てたのか…忘れた…。
ふざけないでくださいよ!!こっちは真剣に聞いてるんですから!ふざけてんのはお前たちじゃないか!焼け死んだのはたしかに優作だったか何べんも何べんも確認しにきやがって!今度は…今度は殺人事件で俺を犯人扱いか!えぇっ!だからわしは警察…。
おじいちゃん…!おじいちゃん大丈夫…!?救急車…電話電話!電話お借りしますよ!!おじいちゃん!おじいちゃん!!あぁもしもし?救急車お願いします。
はい…えぇ…西鳴沢3ー15…はい…戸崎家ですはい…。
(医師)軽いパニック障害ですね。
心電図にも血液にも異常ありませんが相当な不安とストレスを感じてますね〜。
まっ明日の朝には退院できるでしょう。
どうも…。
よかった〜。
あぁ…。
靖子…今夜念のためついていてあげたらどうだ?うんそうする。

(善太)おい駐在さん!どうしたんですか?3人揃って…。
救急車で戸崎のじいさんが運ばれてきたと聞いたんだけど大丈夫なのか!?大したことはなかったです。
それはよかった。
駐在さんそんなことよりね大事な相談があるんだ。
(3人)村の存亡に関わること!…村の存亡?
(元山)お送りします銀座の恋の物語。
歌うは当店ママちゃん明美ちゃん!村の存亡ってお前聞いてあきれるよ〜。
それがそうじゃないんだよ〜。
昔からあっちの山こっちの山を買い占めたやつらがとうとう本腰を入れてやってくるっていう噂なんだ。
何だよ?その噂って。
富士の裾野を切り開いてばかでかいレジャー施設を造るらしいんだ。
へぇ〜。
(文子)みんなが来てくれるのは嬉しいんだけどさ自然をむやみに切り崩すのは許せないんだよあたい。
今日は飲んじゃお!あんたいつも飲んでるでしょ!・ごめんなさい。
・・もしもし。
(文子)よかったよ〜。
(里村)座って座って。
(明美)なんかしつこいやつみたい。
(明美)はっきり断ればいいと思うんだけどさそうはできないのがこの商売のつらいところよねぇ。
翌日夫は休日を利用して東京に向かった
あぁ…。
(吉井)どうも。
猪熊です。
事情は伺いました。
戸崎さん大事に至らずとりあえず安心しました。
ま容疑者といえども健康第一ですから。
そう言っていただけると…。
で本人は容疑を認めたんですか?いやぁそれがまだはっきりとは…。
記憶が曖昧なのかとぼけているのか…。
それで一度現場を見せていただきたいと思いまして。
わかりました。
どうぞ。
(吉井)この出入り口を監視するあのカメラに戸崎さんと思われる人物が映ってました。
もちろん若い女性や学生風なども映ってましたけど。

(ノック)ここはもともと何の会社なんですか?表向きは訪問販売会社を装ってますが…。
裏ではヤミ金融をやってました。
あぁ…。
戸崎優作もここに出入りしていたことはわかってます。
優作が…。
えぇ。
戸崎優作は殺された高山のボスである内藤の下で働いてました。
内藤…。
その話詳しく聞かせていただけませんか。
私は以前捜査二課で知能犯ばかり追いかけてました。
ところが土地開発に絡む企業詐欺グループを内偵中に一課に異動させられて…。
志半ばで…。
そんなところです。
ところがこの事件でそのターゲットが姿を現したんです。
帝日リゾート開発。
これまでも全国で土地買収に絡む詐欺行為を続けてました。
ところが今回は実際に山梨の西鳴沢地区の土地を購入している事実がわかったんです。
内藤の依頼でグローバー総業の高山は土地買収に応じない地主を脅迫するなど違法行為をしていたんです。
つまり殺された高山は帝日リゾート開発の下請けみたいなものだったということですね?そうです。
内藤の部下の優作が疑われてるということは仲間割れの可能性も?はい。
ただそうなると…戸崎幸次郎の行動がどうしても不可解です。
いずれにしても焼死したのは…。
戸崎優作なのか違うのか…そこんところがはっきりしないとこのへんのモヤモヤが消えないんですよねぇ。
モヤモヤですか…。
えぇ。
おそらく戸崎のじいさんも同じ気持じゃないかと…。
(幸次郎)ありがとう。
(幸次郎)すっかりお世話になっちまって…。
もうここでいいから。
じゃあ玄関入るとこまで。
もう頼むからわしにかまわんでくれ。
ありがとう。
わかりました。
何かあったらすぐ駐在所来てくださいね!〜
(明美)あぁ美雪ちゃんね。
いい娘よ〜とっても素直で。
3か月くらい前だったかなぁふらっと来て雇ってくれないかって。
そしたらここ生まれだっていうじゃない。
まぁ両親はもう亡くなってるって言ってたけど…。
あぁ…そうですか。
でもなんか…東京から逃げてきたって訳ありな感じ。
ここんとこ変なやつから電話もかかってくるし。
(吉井)遺留指紋が合致して捜査員が駆けつけたときにはすでにこの状態でした。
手配されるのがわかっていたみたいですね。
(東)大家の話では3日前に叔父と名乗る男が来て滞納の家賃も納めて道具を引き払ったそうです。
えっ…?彼には幸次郎さんの他に身内はいなかったはずですよ?我々もその人物を特定したいんですがまだわかっていません。
いったい誰だったんですかね?〜吉井さんこの望遠鏡預かってもいいですか?じいさんに渡してあげたいと思いまして…。
そうしてあげてください。
どうした?何か気になることでもあんのかい?うん…クイーンにいる美雪さんなんだけど…。
最近ね戸崎さんのとこでよく会うのよ。
なんか様子が変なの。
ふ〜ん。
うんそう言われてみると確かになぁ…。
もしかしたら優作君のこと何か知ってんのかもね。
う〜ん…そういや幼なじみだって言ってたなぁ。
こいつはよく漬かってる。
きぃちゃんはこれ!あ…。
あ…優作君ずっとこれ持ってたんだ。
心の底ではおじいちゃんのこと忘れてなかったんだね。
あぁ。
明日それ届けてやろうと思ってさ。
さすが私が選んだ人だけのことあるね!よせよお前照れるじゃねえかよ。
その笑顔…きぃちゃんかわゆい!
(笑い声)きぃちゃんあんまり笑わないほうがいいよしわ増えるから。
ヒヒヒ…。
あっ!あ〜んしなさい!
(鳥の鳴き声)
(明美/文子)駐在さん!何だよ?
(文子)大変だよ!何が起きたんだよ?トラックで来た連中が入会地の林のところで何やら始めたのよ!里ちゃんたちともみ合いになってるずら!入会地かい?よし!
(もめる声)
(里村)帰れよお前ら!ここはな西鳴沢地区の昔からの入会地なんだ。
誰もが勝手に売ったり買ったりできねえんだよ!
(沖田)ここは開発会社がすべて買い取ったと聞いてます!すでに県から開発の許可も出てるはずだ!今日は看板を立てるだけだから早く帰れ帰れ!
(消防団員)ふざけんな!帰れ帰れ!!俺たちの土地を守るぞ〜!自然を守るぞ〜!
(沖田)構わない仕事を始めろ!
(クラクション)やめなさい!暴力はやめなさい!!
(もめる声)こら!暴力はやめなさい!話し合わないと!話し合い話し合い!暴力はやめて!はい暴力はやめなさい!
(里村)駐在遅いぞお前!早くこいつら追い返してくれよ!あ〜ちょっと待って!
(沖田)内藤社長!あのどういうことなんですか?駐在さん。
はぁ。
この辺り一帯約24ヘクタールは近々我が社が正式に取得する場所です。
なんなら県に提出済みの許可書をご覧になりますか?見せていただけますか。
(内藤)当社はこのように高級ホテルを中心とした会員制総合レジャーセンターをまぁこの山林を切り崩して建設する予定です。
自然の破壊ずら。
絶対許せねえ!
(元山)あぁそうだよ!入会権の問題ですがね現在は山菜とり程度に使っているだけじゃないですか。
いやだからね県の許可も下りるそうです。
そんな馬鹿なことがあるか!まぁとはいいましてもねぇこういったことは地元の方とうまくいかないことにはやはり何かと支障が生じるでしょう。
沖田君今日はもう引き揚げたまえ。
はい。
では私のほうも今日はこれで。
失礼します。
(沖田)おい引き揚げだ!さっさと片づけろ!
(沖田)急げよモタモタするなよ!〜あいつだったのか…。
駐在この入会地はな戸崎のじいさんの土地なんだよ。
え…?あいつが売るはずねえんだ!
(里村)昔倅の良太と大喧嘩になったのも良太がこの土地を売りてえなんて言い出したのが原因だったっていうくれえなんだ。
そうだったのか。
(明美)それより今のやつどっかで見た覚えがあんだけどな〜。
(善太)よくある面だからなぁ。
あっ…たしか美雪ちゃんに付きまとってたやつかもしれない。
え…?そんなことよりみんな戸崎のじいさんところへ絶対に土地を手放すんじゃねえって念を押しに行こうじゃねえか。
(善太たち)行こう行こう!穏やかにな!頼むよ。
(横井)連中なかなかしぶとそうですね。
(内藤)土地にしがみつくことしか能のない…馬鹿な連中だよ。
どうだ?そこの居心地は。
そうか…ハハハハハハ。
実は…話がある。
(元山)大事な話があるだ〜!そうやっていつまですっこんでんだ〜!うるせえなさっきからよ!
(幸次郎)何の用だい!そこの入会地の件だ。
あの土地はおいらたちみんなのもんずら。
(幸次郎)だからなんだ?だからその…。
黙って売られると困るだ!だからこうやってみんなで念を押しに来ただ!
(里村)そうずら。
何を言ってやんで。
そんなこと言われなくたってわかってらぃ。
あの土地はよ戸崎家代々のもんなんだ。
どうしようと俺の勝手だ!話はそれだけか?だったらもう帰れ。
帰れ馬鹿野郎!!あぁ〜戸崎さん!東京から持ってきたものがあるんですよ。
東京だと…?東京は大嫌えだ!おまわりも嫌えだよ!あっ…戸崎さん!〜あれ?どうしたのそれ持ってかないの?いやぁじいさん東京なんて大嫌いだってさ受け取ってもらえなかったよ。
(関)警察官の服務規程は知ってるよな?たとえ公休日でも管轄外の場所に出かけるときには届け出を出すこと。
そんな簡単なこともできないで何事だ!いや自分あの…届け出用紙は彼…山村さんに渡しましたけどね。
え…?渡しました。
そうでした?
(関)ホントか?お前。
あった…。
あ…これです。
お前な!…まぁいいやそんなことはどうでもいいや。
(関)そういや駐在!東京で吉井警部とデートしてきたそうじゃないか。
あんたは地域課の駐在!捜査に首突っ込んでどうすんだ!!いやいやデートなんかしてませんよ。
吉井警部から猪熊さんによろしくって伝言があったんですよ。
よけいなこと言わなくていいよ!!なんだ?は?はぁ?
(幸次郎)なんだあんたかい。
あの…。
これ東京の優作さんのアパートにあったそうです。
うちの主人がおじいちゃんに届けろって。
(幸次郎)おぉ…これは…。
じゃ私はこれで。
(幸次郎)こいつ抱えてよよ〜く一緒に星眺めたもんだ。
あいつの小学校の入学祝いにさわしが買ってやったもんだ。
小学校1年生の夏休みによ優作と一緒に本栖湖に泊まり込んで流れ星の観察をやった。
あれは楽しかったなぁ…。
その年の11月にあの事故が起きて倅夫婦は死んだ。
(幸次郎)わしは優作を守って生きていこうと思った。

(幸次郎)それまでは素直ないい子だったんだけどね。
中学に入ったらだんだんわしと口をきかなくなっちまったんだ。
両親が死んだのはわしのせいだと思い始めたんだろうね。
だがわしゃね何も言い訳しなかった。
それどころか…。
幸次郎:お前の父親はよ…この先祖代々の大事な土地を売っちまえと言ったんだぞ。
目先の金に目が眩みやがって東京でレストランやりたいなんて夢みたいなこと言いやがって…。
全部その水商売あがりの女に騙されたんだよ。
母さんのせいにするな!水商売あがりの女だって俺の母さんだ!レストラン父さんと母さんの夢だったんだ!何が悪いんだよ!俺だってこんなとこ出てってやる!父さんと母さん…あんたに殺されたんだ!村の連中だってみんな言ってるよ!優作…優作!!わしはこの先…一生優作に恨まれてもしかたがない。
あ…お茶出そうね。
(幸次郎)いつも世話にばっかりなってるのに馬鹿だな俺は。
いいですよ。
大丈夫ですから。
ちょっと待ってね。
靖子…。
ん?グローバー総業…?靖子そこにいるからな。
〜どうしたの?さっきから黙ってるけど。
あぁ…ちょっと気になることがあってな。
(ため息)いったいいつまでここにいればいいんですか?優作そう慌てるな。
もうすぐすべてかたがつく。
第一約束が違いますよ。
殺しはやらないって言ったのに俺の代わりに行った篠原という男が焼き殺されたのはどういうことですか?あいつは馬鹿だった。
あの晩お前の教えたところには権利書はなく実印だけを見つけてきた。
「もう一度盗みに入るなら3倍の金をよこせ」と言ったそうだ。
そんなやつ死ぬしかない!〜おう…ブツはどうした?ブツは!権利書は聞いたところにはなかった。
もう一度やるなら約束の3倍だ
(内藤)だがそれが逆に不幸中の幸いだった。
ジジイが…篠原をお前だと思い込んでくれたおかげで実印の盗難届も出されず計画に支障はなかった。
しばらくはこのまま姿を現さないほうがなにかといい。
でも…いまだに俺は高山殺しで手配を受けてる。
お前はあの日高山のとこに行ったんだろ?本当は殺ったんじゃないのか?俺は殺ってない!俺があの日行ったのは美雪の借金をもう少し待ってもらうためだった。
例の金ですが…もう少し待ってもらうわけには…。
ああそのことならもう解決している。
えっ!?金は全部返してもらった。
…誰に?
(横井)その金を出したのはいったい誰だと思ってんだ?え…?まさか…社長が!?社長…!ありがとうございます!
(内藤)もういい。
ところでだ…。
こないだお前んとこのじいさんに会ってきたよ。
お前が生きていると教えてやったんだがじいさんなんて言ったと思う?何ひとつ喜びもしないで「生きてる証拠を出せ」と言った。
お前なんかより土地のほうが大事なんだなぁ。
そうですか…。
社長…俺があの土地の権利書とってきます。
そうか!その代わり1つだけ約束してもらえませんか。
なんだね?美雪のことです。
〜800万円…。
〜戸崎のじいさん800万円もの大金…なんのために農協から引き落としたんだろう?11月19日…。
東京で高山が殺された日か。
その800万円持ってグローバー総業に行ったってことか。
きぃちゃん。
ん?おじいちゃんは優作が死んだとは思ってないわ。
うん俺もそんな気がする。
わしはこの先一生優作に恨まれてもしかたがないもし死んでると思ったらあんなふうな言い方しないと思う。
そうだな!
(吉井)はい。
山梨県富士河口湖町西鳴沢地区です。
売買契約書など一部偽造されている可能性があります。
それと登記の確認をそれぞれお願いします…はい。
(東)係長!科捜研からの鑑定の結果出ました!被害者高山の人差し指の爪の中から犯人のものと思われる皮膚が検出されました。
鑑定の結果血液型はB型の人物ということです。
戸崎優作は?A型です。
戸崎幸次郎も同じくA型。
グローバー総業に出入りしていたなかでB型の人物に絞ってすぐにあたりなおしましょう。
(刑事たち)はい!〜あ自分西河口湖駐在所の猪熊巡査部長です。
先日はありがとうございました。
今いいですか?ええ。
実はこちらからもお電話しようと思ってたんです。
えっなんですか?いえどうぞそちらから。
はぁ実は戸崎幸次郎さんなんですが東京に行ったと思われる日に現金で800万円銀行から引き下ろしてそれを持って上京したとしか思えないんですよ。
そうですか…。
ただご安心ください。
戸崎さんは一応殺人事件とは無関係と思われます。
今血液型の違う人物を追っかけてますので。
おっ!聞いたか?じいさん関係ないんだってよ!あ…はい!それでお聞きしたいんですがそちらに小田美雪という方いませんか?オダ…ミユキ…ですか?オダミユキ…美雪?あ!クイーンの美雪ちゃんじゃないかしら?いるそうです!はい!います!やっぱり…わかりました。
ちょっと事情を伺いたいんですけど。
ありがとうございます。
(吉井)本籍地山梨県富士河口湖町。
〜やっぱり思ったとおり。
あのおじいちゃんに殺人なんかできるわけないもん。
はぁ〜あ。
(ため息)…どうしたの?ん…今度はまた別の人物かと思ってさ。
ああ美雪さん。
うん。
あ!きぃちゃん!え?大雨降るよ。
え〜?降らないだろう。
何言ってんだよ…。
(雷鳴)
(雨音)え…ちょ…。
(雨音)あ…雨だ!
(雷鳴と雨音)はぁ〜!
(雷鳴と雨音)靖子お前の目どうなってんだ!?こうなってる!
(雷鳴)千里眼だ!
(雨音)
(雷鳴)
(雷鳴)
(戸を叩く音)
(幸次郎)優作か!優作!お前は…。
(雷鳴)じいちゃん…。
一度しか聞かない。
俺とこの土地と…どっちが大事なんだ?
(雷鳴)持っていけ。
じいちゃん…。
うん。
俺はもうじいちゃんとは一緒に生きられない男だ。
もう…昔のようには戻れない。
元気でな。
(幸次郎の泣き声)
(泣き声)
(優作)美雪。
優作!生きてると思ってた。
(優作)いいかお前はこのままこの町でじっとしてろ。
あいつ…来てないか?それが最近どこで調べたのかよく電話が。
(優作)そうか…。
必ず迎えにくるから美雪はへたに動くな。
絶対だぞ。

(チャイム)
(ノック)ちょっと話聞きたいんだけど…。
お願いしますよ…ねっ。
あなたとはこの間も戸崎さんの家の前で会ったわよね。
戸崎さんの家のことで何か気になることでも?あのおじいちゃん相当頑固だけど結構優しいとこもあんのよね。
この間もさおじいちゃんが落ち込んだときにお重におかずを詰めて持ってったんだけど次の日の朝ちゃ〜んと洗って玄関の前に置いてあったの。
あんな怖い顔して結構几帳面なのかもね。
ええ。
我々は優作君を疑ってるわけじゃないんです。
彼が今どこでどうしてるのかそれを心配してるんですよ!!実は…優作とは1年前偶然に東京で会ったんです。
(美雪)当時銀座のクラブに勤めてたんですが客に騙されて売掛金1,000万円の借金を抱えてしまったんです。
(美雪)半分ほど返したんですが残り500万円がどうにもならなくて…紹介された高山という人のヤミ金融に手を出してしまったんです。
高山:お前まさか踏み倒すつもりじゃねえよな?そんな…!
(高山)あ?必ずお返ししますから。

(優作)よっ!びっくりしたよ!こんなとこで会うなんて!!
(美雪)中学のとき別れて以来10年ぶりでした。
(美雪)気安さもあって私はこれまでのことを優作に話しました。
優作:美雪!
(美雪)優作に包まれてるとそれまでの地獄のような日々が嘘のように感じられて…。
どうして急に村を出ていったの?〜親父とおふくろはあのじいさんに殺されたようなもんなんだ。
水商売あがりってだけでおふくろを何かといじめてた。
絶対に許せなかったんだ…。
だったら私たちのことも許してくれないんじゃないの?あのじいさんが何と言おうと俺はお前と一緒にいるよ。
お前のことが好きなんだ〜
(美雪)それでも優作は…富士の見えるこの町がどこよりも好きだって言ってました。
きっといつか…ここに戻ってきたいと思ってたんだと思います。
そうだったの。
優作君が世話になっていたという内藤という男に会ったことは?あります。
優作君が東京で内藤の世話になっていたとはな…。
きっと優作君が入会地をもっている戸崎のおじいちゃんの孫だと知って計算ずくで近づいたんでしょうね。
しかも美雪さんまで優作君から奪おうとしたなんて世の中何でも自分の思うようになると思ってるやつだ。
いるのよねぇ…。
人のものを見るとすぐ横から欲しがるやつ。
あ…あたしも案外そういうタイプかなぁ。
遠足のときにね人のお弁当欲しがるの。
ハハハ…まぁ弁当くらいならかわいいもんだ。
でもなぁ恋人となるとそう簡単にはいかないぞ。
よく素直に渡したなあのじいさん…。
これで俺の役目は終わりですね。
寂しいこと言うじゃないか!
(内藤)まるでもう会わないような…。
(横井)おい!車から食料降ろしてきてくれないか?社長地元の連中が本格的に反対運動起こそうとしているようです。
騒がれる前になんとか手を打たないと…。
そうだな…。
それと出資した連中から着工を急げと矢のような催促です。
このまま手間取ってるんだったら出資した金返せと…。
冗談じゃねえよ!ここまできて引き下がれるか!!よし!この件が表面化する前に次の開発業者に転売しよう。
なぁにここを欲しがってる山師はごまんといるからな。
問題は違法に手に入れた土地の地主が無効を訴えた場合です!騒がれたら困る。
だったら騒げないようにすればいいだけの話だろうが!
(ドアの開く音)
(内藤)優作!お前にはもう少しここにいてもらわなければならなくなった。
(優作)え?
(優作)うっ!うわっ!!
(横井)ふっ!〜
(里村)駐在いねえのか?奥さん!大変だ!今度こそホントに入会地とられちまうよ。
はよぅ駐在に連絡してくれや!頼むよ!
(元山)頼むで!!
(里村)行こうぜ行こうぜ!
(元山)はよぅしてくれや!
(騒ぎ声)
(沖田)工事は完全に下りた!
(クラクション)
(沖田)かまうことはない!まずは工事用地の地ならしから始める!早く来い!!ちょっと待ったちょっと待った!いきなりどういうことですか?
(沖田)どうもこうもありませんよ。
内藤社長から大至急工事に着手するようにとの業務命令を受けたもんですから…。
これが開発公社からの作業許可証です。
(里村)そんなこと絶対にねえずら!駐在いったいどういうこった?いや戸崎のじいさんが正式にこの土地を手放したってことだ。
そんなまさか…!村いちばんの頑固もんが!!はぁ…いったいどういうことだ?これ。
(里村)こんな紙っぺら1枚で…。
(沖田)これは間違いないもんだ!!
(騒ぎ声)この土地をおじいちゃんが本当に売ったんだとしたらそれよりももっと大事なもの守ろうとしたんじゃないのかな?ということはつまり優作君の命と引き換えにこの土地を手放したってことかな…?きっとそう!〜
(内藤)早くしろよ!!おら!
(横井)おら!
(ブレーキ音)こら!何やってんだ!!待て!こら!!こら!幸次郎さん大丈夫ですか?幸次郎さん!幸次郎さん!!幸次郎さん!至急至急!地域18から河口湖PS。
西鳴沢にて拉致未遂事件発生。
救急車至急要請したい!マルガイは76歳男性。
(医師)外傷はかすり傷程度ですがヒジとヒザに打撲を負ってまして肋骨にひびが入ってます。
お年寄りだけに相当つらいんじゃないかと…。
まっ念のため4〜5日は安静にしてください。
(井沢看護師)お薬はあとで持ってきます。
何かありましたらナースコールをお使いください。
はい。
(医師)井沢君。
はい。
おい!これはどういうことなんだよ!!あの地区で何が起こってんだ!おい駐在!!興奮しないで!病室なんだから!!敏腕刑事の君だから山村君だから話すけど話すと長くなるからもうやめるよ!!来い!
(山村)痛い痛い…。
(関)なるほど…。
あの駐在じいさんを拉致しようとした犯人は帝日リゾート開発のやつらじゃないかと言ってるのか?はい。
駐在の野郎…大手柄立てようと思って今まで俺に黙ってたな。
だがそうは問屋が卸さない!おい山村!!
(山村)はい!全署を挙げて非常線張れ!このホシは俺がもらった!はい!!
(警官)免許証見せてください。
樹海にでも逃げ込まれたらおいそれとは捕まらんぞ!わかったか!!
(うめき声)
(パトカーのサイレン)あっ…。
吉井警部!どうしても抜けられなくてこんな時間になってしまって…。
いえいえ…遠くまですみません。
で容体は?4〜5日安静にしてれば大丈夫だろうってお医者様が…。
そうですか…よかった。
どうしておじいちゃんを拉致しようとしたんでしょう?彼らの土地売買契約では巧妙に偽造された委任状や実印などが頻繁に利用されています。
おそらく元の土地の持ち主たちが契約の無効を訴え出ないように先手を打とうとしたんだと思います。
ひどいことするもんですね…。
私猪熊さんご夫婦を見てると実家の両親思い出すんです。
だからなんだか気安くさせていただいちゃって…。
じゃあのもしかして実家って駐在所ですか?ええ。
父は長野県の諏訪の駐在所で定年を迎えました。
私は高校まで駐在所から通いました。
そうだったんですか…。
だから四六時中休みのない駐在所の家庭がどんなに大変かわかってるつもりです。
(吉井)特に奥さんが体力的にも精神的にも…。
いいえなんのなんの!猪熊さんとお会いしてるとなんだか亡くなった父と一緒にいるようでそれで東京を案内させていただきました。
父親?あやっぱり…。
何か?いいえ…別に。
じゃ…。
(幸次郎のうめき声)どうしたの?おじいちゃん。
ぼ…ぼう…えんきょう…。
望遠鏡?望遠鏡持ってくればいいのね?すぐ持ってくるね。
(内藤)ですからご安心ください。
(内藤)すでに工事のほうは今日から着工しました。
半年後には計画どおりの施設ができる予定です。
えっ?他にも出資したい方がいらっしゃる?困りましたね…。
一応先月で打ち切ったんですけどねぇ。
(ドアを開ける音)
(横井)うわぁ!
(横井)うっ…うっ…。
(優作)うっ!〜うわぁ!
(横井)うっ!!
(横井)うっ!!〜
(関)戸崎さんあんた本当は優作の居場所知ってるんじゃないですか?課長…。
駐在は黙ってろよ。
孫の優作は内藤の舎弟分だったと警視庁から報告きてるんだ。
どうせ今度の件だって金めぐっての仲間割れなんだよ。
(関)東京のヤミ金融殺しだって優作に対する容疑が完全に解けたわけじゃないんだよ。
孫かばいたい気持はよくわかるけどなもし優作が真犯人だったらば犯人隠匿という罪もあるんだよ!そこんとこよく考えてみろ!!課長今日はもう…。
わかってる!駐在!!課長!それくらいにして…。
(吉井)猪熊さん。
私はこれで東京の捜査本部に戻ります。
遠いところありがとうございました。
ご苦労さまです!ああの私独身です。
患者に対するああいった尋問はあまり感心できませんね。
〜おじいちゃんどうしたの?大丈夫よ。
(幸次郎の泣き声)〜
(東)本庁の二課から先程連絡がありました。
帝日リゾート開発が契約した土地売買の契約書に偽造の形跡があり文書偽造印章偽造及び詐欺の容疑で内藤の逮捕状をすでに請求したとのことです。
わかったわ。
でこっちの案件は?はいグローバー総業に出入りしていた人物の中に帝日リゾート開発の横井というのがいまして血液型はB型。
事件当日夕方に凶器のハンマーを近くの店で購入してます。
〜高山を殺したのは横井ね。
高山:ああ〜っ!!すぐに逮捕状を請求しましょう。
(根岸)容疑は?もちろん殺人。
内藤には殺人教唆で取りましょう。
(根岸)はい!〜
(警官)乗るんだ!〜あぁそうですか1人捕まりましたか。
(山村)声が大きい!あぁすみません。
(山村)すでに容疑は認めてる。
かなり負傷してたが…。
負傷?あぁもみ合った相手が優作だったそうでやつの行方がまだつかめてない。
あぁそうですか。
それでじいさんに心当たり聞いてこいって…。
あぁちょ…ちょっと待ってください。
かなり危険な状態でこれ以上ショックを与えると命が危ないそうなんですよ。
その場合ですよ!その場合あなた1人で責任とってくれますね!?俺が?はい。

(優作)うぅっ…。
〜優作:わぁすごいおじいちゃん!
(幸次郎)優作!
(優作)わっ!ワハハハハ…!〜大変!
(看護師)どうしました?戸崎のおじいちゃんがいないの。
ええっ!困ったちょっと捜してくるね。
わかった。
そう遠くへは行ってないはずだ。
俺はその辺りを捜してみる。
あ靖子!もしかしてそこに戻ってくるかもしれないから…お前はそこを動かないほうがいいぞ。
うん頼むよし!〜幸次郎さん!
(内藤)どうした?山荘でおとなしくしていろと言ったはずなのに。
(優作)考えが変わったんでね。
(内藤)ほう。
あんたは世間の金持ちだけじゃなくずっと俺も騙してた。
騙してた?おいおい…人聞きの悪いこと言うなよ。
チンピラ崩れだったお前をここまで面倒みてきたのは私じゃないか。
それは俺が…あの戸崎の家の孫だと知ったからだろ。
きぃちゃんこれ…。
あ!なんで望遠鏡がここに?〜幸次郎:小学校1年生の夏休みによ…優作と一緒に本栖湖に泊まり込んで流れ星の観察をやったんだ。
あれは楽しかったなぁ〜…望遠鏡
(2人)あ!本栖湖!靖子はみんなに声かけて集めてくれ!うんわかった!頼むぞ!はい!
(優作)だが俺は…あんたの本性を知った。
美雪のことだ。
美雪?ああ…お前の女のことか。
とぼけるなっ!嫌がる美雪を無理に…。
〜内藤:優作はもうすぐ戻ってくると思いますよ
(優作)あんたは他人のものを見ると何にでもちょっかいを出すんだ。
(優作)人の心の中に土足で踏み込んでなんとも思わない。

(内藤)そう目くじらを立てるな。
どうせ大した女じゃないだろ。
おい…もう騙されないぞ。
俺の親父とおふくろを死に追いやったのはじいちゃんじゃない!じいちゃんはいつだって俺の目をまともに見てくれたんだ。
子供のときも家を出るときも…。
今のこんな俺だって…。
持ってけ
(優作)真っ正面から見てくれたんだ!〜いくら何を言っても駄目なようだな。
ああ!そういうことだ!〜優作!やめろ!!
(優作)じいちゃん!優作…。
あんた!このとおりだ!あんたがわしにすることは全部受けてやる!もちろん殺したってかまわない。
こんな老いぼれの命いくつだってくれてやる!なぁ土地が欲しいんだろ?えぇ?よ〜し!あの土地全部お前にくれてやる。
だからだからどうか…優作の命だけは助けてやってくれ!お願いだ…お願いします。
(幸次郎)お願いします!
(幸次郎の泣き声)そうかいだったら望みどおりにやってやろうじゃないか!〜
(優作)やめろ!〜じいちゃん!!〜
(優作)じいちゃん!
(パトカーのサイレン)〜
(山村)おとなしくしろ!靖子!〜優作君!おじいちゃんはな…君が相談した800万円の借金返済のためにあの日東京へ行ったんだぞ。
これからのための貯金をくずしてあなたのために用意したのよ。
じいちゃん…。
あぁ…。
優作…わしはよお前の両親にさんざんつらく当たりすぎたようだ。
あいつを亡くして…初めてそれがわかった…。
愚かなジジイだ。
あいつきっとつらかったと思う。
(幸次郎)だからお前に…同じつらさを味わわせたくねえんだ…。
〜じいちゃん…ごめんよ!〜優作!見ろ…。
富士のお山はよ…凛として…雄大で…俺たちを守ってくれてら。
(幸次郎)優作よ…美雪さんと一緒になれ!そして今度はお前たちがよ富士のお山を守る…。
いいかい?な!
(幸次郎)なぁ駐在さんよ。
〜〜貴様か!この平和な富士の裾野を荒らそうとしたやつは!あの…どうでもいいですけど取り調べは迅速にお願いします。
このあとすぐ警視庁に搬送しますので。
ああの!私独身です!それと猪熊さんご夫婦にはくれぐれもよろしくお伝えください。
(山村)とんび…いや白鳥に油揚げさらわれたって感じですね。
アッハッハッハ!おい山村!
我が夫は毎日地域の住民の平和と安全のために働いているなり。
しかし我が夫喜三郎の体脂肪率いまだ減らず。
私はこの富士山の麓の村が大好きである。
ここにいると富士に守られている気がする。
夫とともに定年までこの村に住んでいたいと思っている。
いや定年後も住み続けたいと願っているのである
靖子笑顔かわゆい!
(笑い声)靖子あんまり笑いすぎないほうがいいなぁ!
西河口湖駐在所富士のお山…そして我が夫婦も本日も晴天なり
2014/10/15(水) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
午後のサスペンス「猪熊夫婦の駐在日誌3 絆」[字]

犯罪ゼロの町で起きた焼死体の謎…。19年前息子夫婦は転落事故死。河口湖リゾート開発に絡む殺意か!?

詳細情報
番組内容
大月の砕石場で黒焦げの車が発見され、運転席には焼死体があった。車の持ち主は山梨県富士河口湖町に住む老人・戸崎。当初、死体は戸崎の孫・優作とされたが、数日後に起きた闇金融業社長殺害事件の容疑者の指紋が優作のものと一致。焼死体は本当に優作だったのか!?一方、富士河口湖町がレジャー施設の予定地として買収されることに…。
番組内容2
地区の平和と安全を取り戻すため、正義感溢れる駐在所員・猪熊と妻・靖子が事件解決に迫る!
出演者
猪熊靖子…研ナオコ
猪熊喜三郎…地井武男
里村幸男…鶴田忍
関哲雄…金田明夫
山村刑事…井上康
戸崎幸次郎…長門裕之
戸崎優作 …北原雅樹
小田美雪…古川理科
明美…田村友里
内藤義之…中原丈雄  ほか
原作脚本
【原作】佐竹一彦
【脚本】大久保昌一良
監督・演出
【監督】吉田 啓一郎

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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