(黒田)「物理基礎」前回に引き続きマギー審司さんの登場です。
どうも〜マギー審司です。
あ〜ビックリして耳が大きくならない。
今日はならなかった。
ならないんですよ。
なぜかと言うと今日は耳を使ったマジックじゃないんです。
この僕の手を使ったマジックそうです…へぇ〜。
(熊谷)お〜。
ハンドパワー?もう一回言いましょうか…いいですか?手をこの板に載せるだけでなんとプロペラが回るんです。
ほら。
ほら。
どうですか!
(熊谷)どうなってるんだろう?ねっハンドパワーです。
えっはい。
何て?冷たい。
触った?はい。
触るのはよくないね。
これ触ったらすぐばれちゃうのね。
そうなんですか?…というのもですねこれ実はこの下に石の板があるんですけどこの板が冷たくなってるんですね。
そして僕の手が温かいですよね。
この…
(熊谷)うん?末端冷え性の理系女子…猫舌で熱いものが苦手な高校生…さっきマギーさんは温度の差が電気を生むって言ってたけどどういう事?では種明かしをしましょう。
これは…電線でプロペラの付いたモーターにつながっています。
そしてこの瓶に入ってるのは熱いお湯。
この上にペルチェ素子を置いて更にこの上にこの氷の入った冷たい瓶これを置くと…。
あっ回った。
そうペルチェ素子の…へぇ〜熱が電気に変わったって事かな?まあそういう事なんだけど。
じゃあ今度は両方を熱いお湯に替えてみます。
うん?回らないね。
そうこのペルチェ素子から電気を取り出すには熱いものと…よいしょ冷たいもの。
つまり…へぇ〜温度の差?うん。
温度の差があると熱が移動します。
その時…という事で今日のテーマは「熱と仕事の関係」。
まず実際に熱を仕事に変える熱機関の働きを調べ次に熱と仕事に関する熱力学第1法則。
最後に熱を仕事に変える時の効率について考えます。
ではまず熱機関から始めましょう。
力強く走る…蒸気機関車は石炭を燃やした熱で水蒸気を作りその水蒸気の力でピストンを動かして車輪を回します。
蒸気機関車は熱を仕事に変える熱機関です。
今日「熱と仕事の関係」についてお話頂くのは小沢啓先生です。
先生よろしくお願いします。
(小沢)よろしくお願いします。
講師の小沢です。
今蒸気機関車の映像を見てもらいましたがこのように…火力発電所や原子力発電所も水を熱して発生した水蒸気でタービンを回して発電してますよね。
だから熱機関ですね。
そうですね。
そのほか自動車などのエンジンも燃料を燃やして得た熱を仕事に変えていますから熱機関です。
じゃあ先生さっきの…う〜んそういえるかもしれませんね。
温度の高いところから伝わってくる熱を電気に変えて最終的には仕事をさせているんですから確かに熱機関と似ていますね。
でも先生熱機関といえば…そうですね。
蒸気機関は18世紀に実用化されて産業革命に貢献した事はよく知られていますね。
世界史で習いました。
そうですね。
そのころはできるだけ性能のよい蒸気機関を作るための研究が盛んに行われていました。
そうなんです。
その研究が…熱力学…何か難しそう。
まあそう言わずに…。
そこでこんなものを用意しました。
魔法瓶に水が入っています。
今の温度は35.8℃です。
この…熊谷君温めて温度が上がるのは当たり前でしょう。
そんな事できるの?できるんです。
振ればいいんです。
は〜い蓋を閉めます。
えっ3分も?うんいいからいいから。
いくよ。
は〜いスタート。
あ〜もう…。
熊谷君は魔法瓶を振って中の水に仕事をしています。
はいそこまで。
お疲れさま。
それでは温度を測ってみましょう。
よいしょ。
さあ何度まで上がるかな。
振る前は35.8℃だったから…今熊谷君が水を振ったら温度が上がりました。
先生これはどのように考えたらいいんでしょうか?はい前回……という事を学びましたね。
今熊谷君は水を振る事によって…だから温度が上がったんです。
先生僕のこの動きが直接分子に伝わったって事ですか?そうですね。
より温度の高いものをくっつけても物体の温度は上がるんですが今みたいに…では今度は…使うのはこちらです。
気体に仕事をして温度を上げてみましょう。
ガラスの筒に小さく切った紙を入れます。
安全のためガラス管に金属のカバーをかぶせます。
ピストンをセットします。
このピストンを押して筒の中の空気に仕事をすると温度が上がって紙が燃えます。
へぇ〜紙が燃えるほど温度が上がるんだね。
ねぇ。
ここまで見てきたように物体の温度を上げるためにはより高温の物体をくっつけて熱を移動させる。
そういう方法と仕事をして温度を上げる。
この2つがあります。
お金を増やすのに…2つあるようなものですね。
まあそういう事かもしれませんね。
ではこれを気体の内部エネルギーという考え方を使って説明しましょう。
以前学んだように気体の分子は自由に激しく飛び回っています。
この運動を熱運動といいました。
ここで一つ一つの気体の分子に着目するとそれぞれ運動エネルギーを持っています。
この…大文字のUで表します。
では筒の中の空気を温める事を内部エネルギーという考え方を使って考えていきましょう。
この筒の中の気体の分子はこのように自由に飛び回っています。
この時それぞれの運動エネルギーなどの総和が内部エネルギーでした。
この筒の気体をピストンの位置を固定したまま熱を加えて温めてみましょう。
すると熱が吸収され分子の運動が激しくなります。
この時吸収した熱量Qの分だけ内部エネルギーが増えます。
つまりΔU=Qとなります。
Δというのは変化を表す記号の事でしたよね。
ですからこの時のΔUというのは…はいそうです。
では今度は外部から熱の出入りがないようにしてピストンに力を加えて気体に仕事をしましょう。
すると先ほど実験で確かめたように温度が上がります。
この時された仕事Wの分だけ内部エネルギーが増えます。
つまりΔU=Wとなります。
そして加熱と仕事両方一緒に考えると内部エネルギーの変化ΔUはQとWの両方になるのでΔU=Q+Wとなります。
これを…吸収した熱量とされた仕事の分だけ内部エネルギーが増加するという事ですね。
そうですね。
さっき黒田さんが言ったようにお小遣いとアルバイト料の2つの収入でお金が増えるという感じですね。
うん?でもお金は使うと減るよね。
だったらピストンを引いて内部エネルギーが減ったら温度が下がるの?熊谷君今日はどうしたの?えっ?ピストンを引いて内部エネルギーを減らすと温度はどのように変化するでしょうか?フラスコにつながっている注射器のピストンを引くとフラスコの中が白くなりました。
これは…少しだけ入れておいたアルコールの気体がフラスコの中の…再び押すと温度が上がって霧は消えます。
引くと温度が下がり押すと温度が上がる。
今回の手ほどきはΔのお話。
今日出てきたΔU。
そして前回出てきたΔT。
このように物理や数学ではΔは変化や差を表す記号なんです。
ではどうして変化や差にΔという記号を使うのでしょうか。
その答えは英語のDifference。
日本語に訳すとまさに「差」。
実はΔはギリシャ文字だけど英語のDに相当します。
だから差や変化を表すのにΔを使うの。
あなたのΔ貯金増えてる?減ってる?熊谷君効率って言葉はどんな時に使う?少しお手伝いしただけでお小遣いをがっぽりもらって…あ〜高校生は楽でいいよなぁ。
それはともかく普通は入れる量に対する出てくる量の割合を効率といいます。
じゃあ100円使って1,000円稼いだら効率は10だね。
世の中そんなに甘くないからね。
あ〜そう?熱機関の効率を熱効率といいます。
今黒田さんが説明してくれたように効率は入れる量に対する出てくる量の割合ですから熱効率は熱機関に与えた熱量Qに対する熱機関が実際にした仕事Wの割合です。
eという文字を使って表すとこうなります。
ここで実際の熱機関の熱効率を見ると蒸気機関では0.1ほど。
ディーゼルエンジンや蒸気タービンでも0.4ほどです。
与えた熱量の半分以上が無駄になってるって事ですね。
熱機関は与えた熱量を使いきる事ができません。
というのは…捨てる熱?最初の方に見たペルチェ素子を使った実験装置でこの事を説明してみましょう。
初め熱かった下の水から冷たかった上の水に熱が移動してこの時モーターを回す仕事をしました。
今はもうほとんど同じ温度になっています。
つまり…これが捨てる熱です。
でも上に移動した熱をまた下の水に移動すればいいんじゃないですかね?熊谷君それはできないの。
えっどうして?元に戻らないの。
不可逆変化?不可逆変化の例として氷が解けていく様子を見てみましょう。
赤い水で作った氷を水の中に入れます。
赤い水が筋になって下の方に流れていきます。
早送りで見てみましょう。
およそ10分後氷が全部解けました。
30分後赤い色がほぼ均一になりました。
では今見た変化を時間を遡って見てみましょう。
広がっていた赤い水が集まって氷になっていきます。
このような逆向きの変化が自然に起きる事は絶対にありません。
不可逆変化というのは今見たように…そうですね。
熱は温度の高い物体から低い物体へ移動しますが逆向きには絶対に移動しません。
不可逆変化だから無駄が出るんですね。
そうです。
まとめるとこのようになります。
熱機関は高温部から低温部に熱が移動する時にその一部を仕事として取り出します。
この時残りの熱は低温部に捨てています。
不可逆変化ですので…つまりこの低温部に捨てられた熱が無駄になるんです。
試してみよう。
今日のガリレオはこれ…ただの箱の蓋だね。
まあまあこれがすごいんだから。
この箱の真ん中に線を引いて半分に分けます。
片方にピンクのこんぺいとうを10個置きます。
もう片方に緑のこんぺいとうを10個置きます。
これをこのようにして振ると…。
はいバラバラに交ざりました。
このあとどんなに振っても自然に初めのようには分かれる事はまずありません。
これが不可逆変化です。
うんうん。
うん食べたら元には戻らない。
これも不可逆変化だよね。
まあそうだね。
それでは皆さんさようなら。
さようなら。
蒸気機関や蒸気タービンなどは熱機関である。
気体の一つ一つの分子はそれぞれ運動エネルギーを持っている。
その運動エネルギーなどを全部足したものを気体の内部エネルギーという。
内部エネルギーの変化ΔUは…熱機関は移動する熱の一部を仕事として取り出している。
この時残りの熱は低温部に捨てなければならない。
熱機関には必ず無駄がある。
(ブツリン)…という事なのだ。
(垣内)こんにちは隊長。
2014/10/15(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「熱と仕事の関係を調べる〜熱と仕事〜」[字]
熱機関のしくみを知り、仕事と熱の関係を実験を通して学ぶ。学習の3ポイントは(1)熱を仕事に変える熱機関(2)熱力学第1法則(3)熱効率と不可逆変化。
詳細情報
番組内容
熱機関は熱を仕事に変える装置であり、高温の部分から得た熱を仕事に変えるとき、いくらかの熱は捨てている。最初に得る熱からどれだけ仕事を取り出せるかという割合を熱効率という。分子の運動エネルギーなどを全部足したものを内部エネルギーという。熱や仕事が関係する現象では、熱力学第1法則が成り立つ。【ゲスト】マギー審司【講師】小沢啓(筑波大学附属高校教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【講師】筑波大学附属高等学校教諭…小沢啓,【司会】黒田有彩,熊谷知博
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
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