きょうの健康 漢方 もっと知りたい「かぜ タイプ別治療」 2014.10.15

(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
今日は3日目。
テーマは…かぜは身近な病気ですが漢方薬も効くんですかね?ではちょっとこちらこのグラフを見て下さい。
これはかぜをひいて37度以上の熱が出た80人を対象に漢方薬と西洋薬どちらが早く熱が下がるかを比較したものなんです。
この報告では漢方薬の方が早く熱が下がった事が分かります。
このピンクのラインですね。
よく効いてますね。
早く効くという事なんですよね。
今日も専門家をお迎えしておりますので分かりやすくお話をして頂きましょう。
ご紹介致します。
和漢診療科で漢方薬を使った診療に当たっておられまた漢方薬の効果についても研究を続けていらっしゃいます。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
漢方薬といいますと長く服用する事で徐々に効いてくるのかなというイメージを持っておりますが今のデータを見ますと即効という事もあるんですね。
そうですね。
この研究では西洋薬の解熱薬よりも葛根湯や麻黄湯などの漢方薬の方が早く熱が下がっているようですね。
いわゆる持病などの慢性の病気を治療する際には漢方薬はゆっくりと効果が現れるというイメージをお持ちの方が多いのではないかと思いますがかぜのような急性の病気では意外に即効性があるという事もいえると思います。
そして実際の診療でもかぜに対して漢方薬が処方されるという事は多いんでしょうか?そもそも葛根湯という漢方薬はかぜに使うお薬だという事はご存じですよね。
そのように昔から日本では葛根湯に限らずその他の漢方薬もそうですがかぜに対して日常的に使われてきたというものなんです。
この西洋医学と漢方医学という事ではかぜに対する考え方というのは何か違いがあるんですか?西洋医学の場合は細菌による二次感染が疑われる時には短期間抗菌剤というものを使用の考慮をする場合もございますが基本的には対症療法ですね。
発熱鼻水せき頭痛などのそれぞれの症状を緩和するお薬が使われるという事だと思います。
一方の漢方医学の方は…?漢方医学の方はかぜに対してもそうですが漢方医学独特の証という概念がありましてこれを診断してそれに基づいて漢方薬を選択すると。
そして治療するという事になります。
証ですがどのようなものなんでしょうか?この証は漢方医学において治療の指針となるものでありまして西洋医学で言うところの病名や診断名だというふうに理解して頂ければ分かりやすいと思うんですが漢方ではこの証を四診といいますがそういう独特の診察法によって患者さんの状態を診察して診断して処方する漢方薬を決めるという事を行います。
四診。
漢方独特の考え方でございますのでもう一度ご説明を頂きたいと思いますがこちら…。
この4つから成りますので四診と申しますが個々に見てみますと望診というのがまずあります。
これは視覚…目で見て情報を得る診察法ですが例えば顔色とか皮膚の色艶それから舌の状態なども診ます。
そのほか聞診という診察法。
これはかぜなどの呼吸器の病気では特にそうですがせきの状態が強いか弱いかあるいは体臭などのにおいはどうかといったものを診ます。
それから問診では自覚症状それから病歴はもちろんお聞きします。
漢方では詳しく聞くという事になりますがそれから切診。
これは患者さんをじかに触れてそれから情報を得るやり方でありまして特に脈とおなかを非常に漢方では重要視して診るという事になります。
漢方の診察の四診。
この基本的な考え方今ご説明頂きましたが今日のお話はかぜでございますが特にどこに注目されるんでしょうか?かぜの患者さんを診察する場合は特に脈診が非常に重要視されます。
漢方の専門医はこういうふうに手首の辺りの動脈の力強さ拍動の力強さが強いか弱いかあるいは緊張感があるかないかによって患者さんの状態を判断するという事になりますしそれから脈以外も皮膚を触ってみまして汗ばんでいるかどうか。
それから乾いているか。
それから顔色が赤いかあるいは青白いかなどといった事を診察するという事になります。
このような四診によって分かってくる患者の証というのはどのようなものなんですか?漢方医学独特の考え方に陰陽虚実というものがございましてこれをかぜのような急性の病気にも当てはめて診断するという事になりますのでこのあとはこれを詳しく説明させて頂きたいと思います。
それでは横からいきましょうか。
陰であるのか陽であるのかと。
この方向ですね。
これはどうでしょうか?まずこの陰陽についてですが陰証。
これは体が寒さに支配されている陰の状態を指す訳ですが体が寒々とした状態を指しておりまして別な言い方ですと寒証という言い方もございます。
それから逆に陽証は陽の状態。
体に熱を持ったような状態を指しておりまして熱証と言う場合もございますが比較的高い熱が出るという事になるようです。
比較的高い熱。
こちらは熱は微熱程度というような違いがございますね。
かぜをひいた場合悪寒や寒気が見られる時期もございますが通常は熱っぽさを主体に感じまして実際に体温を測ってみても大概の場合は上がってくると。
こういう場合は漢方で言うところの陽証だというふうに診断する訳です。
逆にこれは頻度としては少ないんですが悪寒や寒気ばかりを感じてあまり熱っぽさを感じないと。
体温を測ってもさほど上がっていない。
上がってもせいぜい微熱程度と。
陰の状態のかぜをひくという場合もございます。
そして虚実。
この縦のところですね。
この虚実は慢性疾患の場合はいわゆる体力と置き換えて理解される事が多いんですが今回はかぜのような急性疾患の事について説明させて頂きますと病気に対する反応の強弱。
言いかえますと症状の激しさを表すという事になります。
全般的に症状が激しい場合これを実証。
あまり激しくない場合を虚証というふうに理解して頂ければよいのではないかと思います。
先ほど申しましたように漢方の専門医は脈の力や緊張感が強いか弱いか。
あるいはかぜをひいて汗ばんでいるかどうかといったような事もこの虚実の重要な判断材料として診断してる訳です。
これらの陰陽虚実を見極めた上で具体的にどういう漢方薬を使っていくという事でしょうか?そもそもひき始めと長引いた場合では使う漢方薬が違うんですがまず陽証で実証の場合。
つまり比較的症状が激しい場合ですがかぜだとどうしても熱や頭痛は見られる事が多いんですがそのほかにせきや関節痛が激しいといったような場合には麻黄湯という漢方薬が使われます。
また皆さんご存じの有名な葛根湯ですがこれは幅広く使われておりますが専門的な立場から言いますと麻黄湯ほど症状は強くないんですが首や肩のこわばりが目立つような場合のかぜに適用になる漢方薬だというふうにいえます。
逆に次に陽証で虚証の場合。
症状がさほど激しくないような場合ですが水のような鼻水やくしゃみせきなどが主体に見られるような場合は小青竜湯。
それから鼻炎程度の軽いかぜの症状で皮膚が汗ばんでいるというような状態ですと桂枝湯という漢方薬が用いられます。
それからこれは比較的少ないんですが比較的体力のない高齢者の方。
あるいは若い人でも疲労がたまったりして疲れがたまっているような時にかぜをひきますとこのようなタイプのかぜですね。
悪寒や寒気ばかりが目立って熱はさほど上がらないと。
のどがちょっと痛んでくるというようないわば陰証のかぜなんですがこのような場合には麻黄附子細辛湯という漢方薬が使われる事になります。
ひき始めについて見てきましたがでは長引いた場合はどうですか?通常ですとかぜは1週間程度で治ってしまう事が多いと思うんですが長引いてしまう事もあります。
この場合には別の漢方薬が使われる事になりまして例えばそのような時に汗やのぼせ感を伴っているような場合ですと柴胡桂枝湯。
それから吐き気や食欲不振などの消化器の症状が目立ってきた場合には小柴胡湯という漢方薬が使われる事があります。
それからたんの切れにくいせきが続いたりのどの乾燥。
のどがカラカラ乾燥するといったような場合には麦門冬湯という漢方薬がよいと思います。
それから食欲不振や疲労倦怠感が目立ってくるというような場合ですと補中益気湯という漢方薬がいいと思います。
こういった薬を使い分けるんですね。
かぜ薬をのまなきゃいけない時一般的なかぜ薬はよく眠くなる成分があって困るなという時ありますが漢方薬はどうでしょうね?かぜに使われる漢方薬で眠くなるという事は一般的にないと言っていいと思います。
もちろんかぜにかかったら十分な睡眠をとって頂きたいんですが仕事柄どうしてもという方もいらっしゃると思うんです。
そのような方には漢方薬を治療の選択の一つに選ぶというのもよい事ではないかと思います。
眠くならないのはいいですよね。
でもかぜの漢方薬で特に注意が必要な副作用というのはありますか?かぜの漢方薬には麻黄という生薬を含むものが多く使われております。
本日ご紹介した漢方薬の中でも麻黄湯葛根湯小青竜湯麻黄附子細辛湯がそれにあたる訳ですね。
この麻黄という生薬はエフェドリンといいまして有名な成分なんですがこれを含んでおりましてこのエフェドリンは交感神経を刺激する作用がありましてそれによって鼻水を止めたりせきを鎮めたり気管支を拡張したりすると。
お薬としての作用もある訳ですが一方で副作用として働く事もありましてその場合には脈が速くなったり動悸がしたり血圧が上昇したりするという事もある訳です。
かぜで数日短期間服用するくらいであればまず問題となる事はほとんどないと言っていいんですがたまに高齢者の方ですとか高血圧あるいは心臓病などの持病をお持ちの方ではこの副作用が比較的出やすいので注意が必要であるというふうに思います。
一般のかぜとは違うインフルエンザ。
これは激しい症状が出る訳ですが漢方薬は効きますか?ええ。
ただまず大前提と致しましてはインフルエンザの場合は西洋薬である抗インフルエンザ薬を使用して頂くというのが原則だと思います。
あくまでその上でのお話ですが漢方では古くからインフルエンザのような症状に対しまして麻黄湯などの漢方薬を用いてきた訳です。
何らかの理由で抗インフルエンザ薬を使用しにくい方には麻黄湯などの漢方薬がよい選択肢になると思いますしまた抗インフルエンザ薬と漢方薬を併用するというのもよろしいのではないかと思います。
今日かぜと漢方について伺ってまいりましたが効果が早いものもあるという事を伺いました。
使用を検討してもいいですね。
そうですね。
掛かりつけのお医者さんに相談されたりあるいは場合によっては漢方の専門医の先生に相談されてその時に一番ふさわしい漢方薬を選んで頂いて治療するのがよろしいのではないかと思います。
種類がありましたから一番ふさわしいものを選んで頂くという事ですね。
どうもお話ありがとうございました。
2014/10/15(水) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 漢方 もっと知りたい「かぜ タイプ別治療」[解][字]

漢方薬には即効性を期待できるものもあり、かぜのような急性の病気にも使われる。かぜのひき始めや長引いた場合、また症状によりどのような薬を選択すれば良いか伝える。

詳細情報
番組内容
漢方薬は、慢性疾患の治療で用いられるケースが多く、「長く使ってゆっくり効く」というイメージをもたれることが多い。しかし、漢方薬のなかには即効性を期待できるものもあり、かぜのような急性の病気にも使われることが多い。漢方では、四診とよばれる独特の診察法で患者の「証」を診断し、それに基づく漢方薬を選択する。かぜのひき始めや長引いた場合、また症状によって、どのような漢方薬を選択すれば良いかお伝えする。
出演者
【講師】富山大学大学院教授…嶋田豊,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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