NNNドキュメント「傷つく子ども なくしたい 施設で育ったオレの夢」 2014.10.13

もう10年以上親がいない生活を続けています
6歳の時母親は家を出ました
3人兄弟の次男として生まれた一幸さん
父親からも虐待を受け続けました
(宮本さん)4歳5歳ですよ。
部屋にこう独りぼっちで暗闇で。
ずっと1人で帰り待つみたいな怖い中。
毎日家では母と父がケンカ。
ネグレクトと暴力のオンパレードみたいな。
(スタッフ)殴られてた暴力もあった?ありましたよ。
幼い頃から10年間児童養護施設で過ごしました
そして今一幸さんは奨学金を受けるためあるスピーチコンテストに挑戦します
行きましょう頑張ろう!おう!
(拍手)
5分間のステージでどうしても伝えたいことがありました
子どもに携わる仕事をしたいと今年4月から保育の専門学校に通う…
みんなからはカズと呼ばれています
6歳の時に母親が家出15歳の時に父親も亡くしました
生活のために週5日アルバイトをしています
児童養護施設の子ども達は原則18歳で施設を出なければいけません
頼る親もいない中生活力が乏しい子ども達の前に社会の厳しい壁が立ちはだかります
(宮本さんの声)すごい大変です。
ずっとカツカツみたいな。
でもカツカツやけど勉強もせなあかんしそれこそレポートもせなあかんしその時間もなかなかとれない。
そういう状況の中で苦しい…お金がないと苦しい。
そんな児童養護施設を出た子ども達を支援しようとある取り組みが始まっていました
企業や市民から寄付を募り書類と面接で選ばれた若者に奨学金を支給
東京のNPOが3年前始めました
奨学金を支給する条件として課せられるのが自分の夢を5分間でスピーチすることです
今年初めて福岡市でも開かれることになりました
大学に行きだして生活と学校と両立して行く中でだんだんやっぱり費用の部分であったりとかいろんな問題に行き詰まってバランスを崩してしまって途中で挫折せざるを得ないとそういう子どもが実際にホントにいてですねそういうコ達と会う中でホントにそのコ達を支える仕組みづくりというのが必要なんだなと…。
カズくんもスピーチコンテストに挑戦することになったのです
テーマは「夢」
その原稿作りが始まりました
3人のボランティアが仕事の合間を縫って3か月間サポートします
全世界の人を笑顔にしたい
将来への思いはしかし漠然としたものでした
(まさぴんさん)もう書けんじゃないの?夢に隠れた裏側っすよね。
(まさぴんさん)そうだよね。
それがあるから夢みたいな…。
スピーチコンテストだから夢だけ語ったら2分で終わるんすよ。
こうですああです…。
書けなかったのかな?それともまとまんなかったのかな?書けなかったです全然出て来ないです。
スピーチコンテストには原稿作りを通し自分の生い立ちに向き合うことで将来への決意を強くする狙いがあります
バ〜ってこう散乱してて中で。
そしたら文章にだからできないみたいな。
いろんなワードが出て来て自分で処理できない頭の中で。
あ〜!みたいにイライラしたりとか。
親からの虐待施設での生活これまで見ないふりをして来た自分の生い立ちです
もうみんな若い若い。
少しずつですが過ぎた日々として振り返られるようになっていました
週1〜2度のペースで続けて来たミーティング
これまで閉ざして来た過去を明かしました
「夜中兄貴と弟は起きてテレビを見ながら笑っているのに私には『寝ろ』のひと言で『何で?』と聞くと殴られ1人寝室に泣きながらドアの隙間からみんなの笑い声と笑顔を見ることしかできなかった」。
そうです同じです。
そうなんだ。
(むねさん)結局…。
いや普通に…。
毎日のケンカで俺…。
そのままドアぶち壊して車盗んで…。
そん時帰って来ると思ってたよね。
帰って来ないですよ。
愕然としたっていうかう〜ん。
こんな人生過ごして来たのかと思ってですね。
それが今すごく明るくなって夢こうやって語ってる…。
こいつはすごいなと思ってですね。
自分だったらこんなに辛い過去辛い人生過ごして来たらそこまで思えないだろうなと思って…。
すごくホントに応援したい気持ちになりましたね。
むねさん達は施設時代のカズくんを知る友人に会いに行きました
そうやね。
フフフ…。
ねぇ言ったね。
先生にもね学校の先生達にも。
しょっちゅう声聞こえた。
アハハハ…。
「あ〜一幸か一幸だ」みたいな。
そしてむねさん達が知らない一面を語ってくれました
施設って大体部屋に小っちゃい幼児さんから小学校中学生高校生って何かこう多種多様年齢の人間がひと部屋に集まるんですけどその中でも…。
もちろん他のコ達ももちろんかわいがるし…。
「子どもが大好き」
思いがけず掘り起こされた夢への原点
人生を変えた出会いがあります
高校を中退して荒れていた17歳の頃
女の子が夜のファミリーレストランで1人ごはんを食べていました
「お父さんかお母さんは?」っつったら「ううん1人で食べよっと」って言って。
「何で?」っつったら「お父さん仕事やけん」って…。
ここにあるポーチにお金が入ってて。
こう…自分とかぶったみたいな…。
夜1人でごはん食べて孤独感味わいながら小さいのに。
その時に頭に雷が落ちたみたいな感じで…。
もうこんな子絶対増やしたらいかん。
ずっと孤独だったからこそ芽生えた思い
カズくんはそれをスピーチで伝えたいと思いました
(クロさん)読んでもらおうか。
え〜!だってまだ…。
・スピーチの原稿だからね・「少女は1人で夕食を食べていた。
時間は21時前後だったと思う。
居ても立ってもいられず私は少女に声を掛けた。
何て寂しい思いしてるんだろう何て孤独感を味わっているんだろう俺児童福祉の専門家になるあんな思いをする子を減らしたい」。
おぼろげだった将来の夢が輪郭を現しました
傷つく子どもをなくしたい
本番1か月前のこの日
カズくん達出場者はリハーサルに臨みました
「その子の様子を見ながら私は2つの感情を抱きました。
1つ…。
何も気にしない周りの人々の対応。
2つ何て寂しい思いをしてんだろう」。
むねさん達はどこかよそ行きのカズくんに気付いていました
「施設を飛び出し高校もやめました」。
・お疲れさまでした・…と思って聞いてた。
全然ないですよもう。
余裕があって…。
あの今日…。
何かもっとこう伝えたい。
何か物足りないですこれはっきり言って。
何かもっと強調できるものがないかなって訴え…。
何なんすかね?俺らしいって…。
(クロさん)原稿見ずに喋ってる時のそのカズの喋り方とかまぁ自信のある感じとかっていうのがやっぱり最初に印象に残ってるから…。
そこかな?とも思うんだよね。
感情がついて来ないっていうか優しいからだから文章も。
だから自信持って言えないのかなみたいな。
このカナエールの夢スピーチのためだけに作ってる感が何かしちゃったっていうか…冷静に考えたんすよね昨日とか。
5日後日曜日の夜
カズくんが突然むねさん達を呼び出しました
これまでの原稿をイチから書き直していました
それを真っ先に見てほしかったのです
そして今の自分が抱える心の傷をみんなで書き加えて行きます
見てしまうため…。
…ことがしょっちゅうあります。
幼い頃からひとの顔色をうかがい自分の弱さを隠して生きて来たカズくん
・お疲れ・
ありのままの自分をさらけ出せた
心が晴れたそんな夜でした
スピーチコンテストの本番を迎えました
5人の若者が思い思いの夢を語ります
(司会)カナエール福岡夢スピーチ・コンテスト2014を開催いたします。
(拍手)
会場はおよそ300人で埋め尽くされました
(女性)妹達にふるわれていた暴力も次第に私へと変わり毎日がおびえながらの生活でした。
私には1人でも多くの子を笑顔にし自分のことを目標としてくれるような保育士になるという夢があります。
養護施設に入所していた頃は思うように夢を語れずずっと自分にウソをついていました。
私は夢を見つけるにはどうしたらいいかかなえるにはどうしたらいいかを一緒に考え時にはヒントを出すような教師になります。
カズくんは本番の前の日3人に手紙を送っていました
「3か月間本当にありがとうございました」
行きましょう頑張ろう!おう!
「このチームで3か月間やって来たことを思い返しながらスピーチしたいと思います」
「このチームになれて本当によかったです」
(拍手)夢それは私に生きる希望をくれました。
明日を生きる楽しみを与えてくれました。
今までの私は親を憎み大人を嫌い…。
敵対心むき出しで生きて来ました。
「何で俺だけがこんな目に」。
「何で親は俺らを捨てたんだ」。
「何のために生きてんだ」。
過去の私はそんなことを思い苦しみ生きて来ました。
しかし17歳の時たまたま入ったファミレスで私の人生は変わりました。
夜の9時頃7歳の少女がたった1人でごはんを食べていました。
「何で1人なんだろう?」。
そう思いながら様子を見ていると昔児童相談所で一緒に生活していた子だと気が付き居ても立ってもいられず声を掛けました。
「1人で食べようと?」。
すると「お父さんがねお仕事でおらんけん1人で食べようと」と言い首さげのポーチからお金を取り出し…。
食べていました。
こんな寂しい思いをさしちゃいかんと。
俺はああいう子を救いたい守らんといかんそう思いました。
今の私の夢は私と同じような思いをする子をつくらない世の中にすることです。
私は子ども達が大好きです。
子ども達の笑ってる顔を見るととても幸せになれます。
でもその笑顔を奪うことを私は許しません。
でも誰も責めることができないのが悔しいです。
ホントは責めたい何で虐待をするのか子どものことを何て思ってるのかって。
でもみんなそれぞれ理由があるんだと今では分かります。
私自身施設にいた時何かしてないと頭が狂いそうになり全てを忘れるため全てから逃げ出すためにいろいろ悪さをして来ました。
自分達を虐待し捨てて行った親も何か必ず理由があったんだと思います。
これだけのことを言ってるけど私自身まだ乗り越えれてないこともいっぱいあります。
初めて会う人に対して過敏に警戒してしまったりひとの顔色を見て行動してしまったりたまにそううつになってしまいます。
フラッシュバックにもなることもあります。
そんな思いを子ども達にさせてはいけません。
自分の過去を語るということはとても辛くしんどいことです。
ですが全ては同じような思いをする子をつくらないつくらせないそして全ての人々が本当の笑顔になるために私はやって行きます。
ありがとうございました。
(拍手)
親に捨てられ施設で育ったこれまでの人生
ダメだ…。
「その経験の一つ一つに意味があったんだ」
今ではそう思えます
飛んだ…。
もう何言ってるか分からんかった。
最後まで涙を見せていたのは最年長のむねさんでした
本当に終わった。
・終わったホント…・
9月のある週末
実習先の保育園の運動会を訪れたカズくん
カズくん!おいおいおい…。
一幸兄ちゃん!
乳児院を訪問するボランティア団体を友達と立ち上げました
夢への一歩です
(カズくんの声)感謝してますそれはもうそれだけです。
(カズくんの声)支えてもらったし散々わがまま聞いてもらったしもう一生夢を追い続けるっていう意味ではいくつになってもいくら専門知識を覚えようが何しようが同じような思いを減らしたいっていうのとやっぱ笑顔の子を増やしたいっていうのはずっと持ち続けたいなっていうか。
3か月とことん付き合ったカズくんの姿に触発されたようです
やっぱりカズのスピーチ作って行くと同時に自分だったらどんなこと書くかなとかいろいろ考えるじゃないですか。
それ考えてたらこんなことしてちゃいけないなとかすごいいろいろ思いましたね。
(むねさん)何か商売がしたかったんですよ前から。
でも何かこうそういうのが見つからないし。
自分が行動してなかったんですけど。
そういう一歩を踏み出さないといけないなと思って。
何かもう惰性になってましたからね。
毎日が。
(スタッフ)惰性になってましたか。
なってましたね。
とりあえず会社辞めます。
アハハハ…辞めます。
・ヤバいねこれ・・下がる?もっと・
登山客でにぎわう活火山が突然牙をむいた
戦後最悪の火山災害となった御嶽山噴火
被害軽減の道を探る
2014/10/13(月) 01:20〜01:50
読売テレビ1
NNNドキュメント「傷つく子ども なくしたい 施設で育ったオレの夢」[字]

7月、福岡市で児童養護施設を出た若者のスピーチコンテストが開かれた。親に虐待され、10年間施設で過ごした宮本一幸さん(21)のコンテストまでの3か月間の軌跡。

詳細情報
番組内容
今年7月、福岡市で児童養護施設を出た若者たちのスピーチコンテストが開かれた。出場者は学校卒業まで奨学金を受けることができる。両親から虐待され、施設で10年間過ごした宮本一幸さん(21)。3人の市民ボランティアとともに原稿を練り上げていくが、大人を信用せずに生きてきた宮本さんは心を開くことができない。しかし、時間を共有するうちに少しずつ気持ちに変化が…。迎えた本番、聴衆300人の前で伝えた思いとは?
出演者
【ナレーター】
川嶋あい
制作
福岡放送

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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