一人の警察官として正義感は持ち合わせているものでして…。
そしてですね番組の終わりにはささやかですが『鑑識・米沢守の事件簿』最後までどうかご覧くださいませ。
(米沢守)失礼します。
驚愕の事実を発見致しました。
東京ビッグシティマラソンの3万人のランナーと数十万人の観客を標的にしたテロ事件は顔認証システムによって実行犯を割り出し…
(爆発音)
特命係の杉下警部と亀山巡査部長が主犯を逮捕して無事解決した
しかし驚愕の事実はマラソン参加者の中に犯人を発見しただけではなかった
数年前突然去って行った元女房知子を参加者の中に発見したのだ
(広田努)みんなご苦労だった。
ここ数日来のみんなの働きで一件落着だ。
司令本部は解散。
我々も解散しよう。
お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
どうした?米沢。
え?いやあの…なんでもありません。
すいません。
あの事務局どこですか?この奥ですよ。
あっち?そういうのって個人情報になるから〜教える事出来ないんですけど〜。
あいやあの…犯人と共犯関係にあるという疑いがありましてですね。
そうなんですか?じゃあ〜わかりました。
じゃ…じゃあ?11852番の方は…。
あら?どうかしましたか?なんかこの人って途中でリタイアしたみたい。
いやいやそんな情報はいりません。
住所をね。
住所。
真鍋知子?真鍋…真鍋ってこれ…。
名字じゃないですか〜?再婚してんの!?私はまだ結婚してません!あんたじゃないよ。
知子。
そんな事知りません!住所は…。
東京都台東区竜泉4丁目…。
東京に住んでたの!?台東区なら東京じゃないですか〜?灯台下暗しだ…。
勤め先は…青少年防犯協会って警察の外郭団体じゃないかこれ。
(米沢知子)フフフ…。
久しぶりねマー君。
マ…マー君?マー君なんて呼ばれた事あったっけ?相変わらず忙しそうね。
東京ビッグシティマラソンが狙われた事件だったからなあ。
私ね考えてるんだ。
マー君のとこ黙って逃げ出しちゃったけどそろそろ戻ってもいいかなって。
え?私は変われる。
マー君はどう思ってるの?ちょっとトイレへ…。
(ドアの開閉音)もう…いつもそれ。
そういうところも相変わらずなんだから。
(携帯電話)はいもしもし米沢。
(警察官)「台東区竜泉4丁目のアパート女性の変死体」えっ?竜泉のアパート!?
(早乙女美穂)ピッキングの痕跡はありませんね。
第一発見者の大家によると鍵はかかっていたようだ。
窓にも外部から侵入した形跡はないようです。
(カメラのシャッター音)
(伊丹憲一)死因は青酸化合物だ。
特有のアーモンド臭がするだろ。
(伊丹)こいつでこれを飲んだ。
自殺だな。
自殺?こんな美人が…まだまだ若いのに自殺とはなあ。
待ってください。
現段階では自殺とも他殺とも…。
「悔しい」「こんな結果に終わって残念でならない」どう見ても遺書だろ。
どう見ても自殺だ。
(騒ぎ声)
(相原誠)知子が自殺なんかするはずねえだろ!離せよ!離せ!知子!離せ…!仏さんのだんなか?でも近所じゃ一人暮らしだって言ってました。
そろそろ搬送するよ。
お願いします。
おい。
はい。
あのもっと丁寧に…。
そっとお願いします。
(三浦)ん?いやポケットの確認を。
ない…。
ホクロがない…。
何が?いやあの…ポケットには何もありませんな。
ちょっと待ってください。
念のため頭部を…。
外傷はありませんな。
(美穂)米沢さん。
あ早乙女さん。
早乙女さんあのこれO型ですよね?
(美穂)ええO型ですね。
真鍋知子さんの血液型ですか?そうなんです。
真鍋知子さんはO型でした。
うちの知子はB型です。
うちの知子?逃げた女房です。
ちなみに私も同じB型です。
B型同士…やっぱり相性悪かったんですね。
え?これ文書班からです。
遺書も手帳などと照合の結果真鍋知子さんが書いたものに間違いないそうです。
そうですか。
しかし…何が自殺するほど悔しかったんですかね。
「歩き疲れては夜空と陸との」「隙間にもぐり込んで」「草に埋もれては寝たのです」「所かまわず寝たのです」「歩き疲れては草に埋れて寝たのです」ヘイ!ヨネ!もっとのれるやついこうぜ!オーケー。
わかった。
(4人)「イエイ!ヨー!」
(ギター)
(ギター)おはようございます。
米沢さんですね?あはい…。
千束署刑事課の相原です。
刑事…あのアパートの所轄署の…。
あなた亡くなった真鍋知子さんについてマラソンの事務局で色々お尋ねになってますね。
た確かに…。
知子とはどういった関係ですか?いささか説明しづらいのですが…。
してください。
こちらへどうぞ。
え?あなたの逃げた女房に…?別れるちょっと前に撮った古いもんですがこれほど瓜二つの人間がいたとは驚きです。
しかも同じ名前で。
天文学的な確率といえますがしかしそれが事実なんです。
この真鍋知子は僕の元妻です。
え?あのなんと申し上げていいか…。
この度は…。
いいえ。
それであなたは住所を調べてどうされましたか?アパートへ行きました。
行ったんですか?知子の部屋に。
逃げた女房だと思ったもんで。
その時知子はまだ生きてたんですね?わかりません。
わからない?会わなかったんで…。
いなかったんですか?たぶんいたと思います。
明かりがついてましたから。
わかるように話してください。
会えなかったんです!「真鍋」という聞きなれない名字からして再婚しているのではないかと。
その上あまりいい暮らしをしてるようには見えなかったもんですから会いづらかったというか…。
すいません。
元奥さんの経済状況についてあれこれ言うつもりは…。
いいんです。
自分にも責任のある事なんで。
そうですか。
行ったんですか知子のアパートに…。
その段階で別人とわかり自殺を止められたかもしれません。
ほんとに…自殺なんでしょうか?え?自他殺不明なら捜査する必要があります。
しかしあなたは関係者だから…。
ええ。
それで捜査を外されましたがあなたに会えた。
これも何かの縁です。
わかりました。
こちらへどうぞ。
枕元にあったこのペットボトルからかなり高い濃度の青酸カリが検出されました。
サイドテーブルにこれが置いてあり冷蔵庫の扉にこの封筒が留めてありました。
おそらくネットで購入したものと思われます。
知子のパソコン調べたんですね?履歴はありませんでした。
じゃあ知子が買ったかどうかわかりませんよね?ネットカフェなどからでも購入は可能です。
裏も取らずに決めつけるのは乱暴じゃないですか?鑑定の結果真鍋知子さんの筆跡でした。
遺書?文面から判断するに。
「悔しい。
こんな結果に終わって残念でならない」どんな結果なのか全然具体的じゃない。
しかし遺書は具体的に書かねばならないという決まりはありません。
こんなノートを切ったような紙に書きますか?それはなんとも言えないところです。
数日前相談したい事があると僕のところに知子から電話がありました。
どんな相談を…?わかりません。
会ってから話すという事でした。
その相談もしないで自殺しますか?私にはお答え出来ません。
私にとって物証がすべてですから。
わかりました。
失礼しました。
(ドアの開閉音)
(角田六郎)いないよ。
東京ビッグシティマラソンの捜査本部は解散したはずでは?
(角田)それがさなんだかデカい事件に発展しそうなんだと。
デカい事件?ああ。
政界を揺るがすような。
あのお二人が関わるといつも事件が大きくなりますなあ。
今私が抱えてるのとは大違いです。
何抱えてんのよ?じゃあ角田課長でいいです。
ネットなどで薬物を買った場合売った相手を特定する方法はありますか?購入者のパソコンにその痕跡は?ありませんがネットカフェなどからでも買えますよね?その場合ほぼ追跡は不可能だね。
でしょうね…。
はいごちそうさん。
おい。
(携帯電話)はい米沢。
「相原です。
先ほどは…」あの…やっぱり毒物の購入先を追うのは難しいんですけどもね…。
「知子が自殺じゃないと証明しに行きます」証明!?どこへ?「知子の勤め先に」いやあの…。
「そこで知子の怨恨の線を探ります」ちょっと早まらないでください!今から会えますか?「お待ちしています」「30分後に現地集合で」現地って…。
もしもし?もしもし!これです。
青防協。
待ってください!青防協は警察の外郭団体ですよ。
もちろん知ってます。
いきなり乗り込んでも…。
うちの者が既に聞き込みをしましたが直接話を聞きたいんです。
(高橋早苗)お待たせ致しました。
真鍋さんの事なら上司の経理課長がお話ししますんでこちらへ。
どうぞ。
こちらでお待ちください。
ありがとうございます。
どうも。
はあ〜。
こんな金のかかったパンフレット無料で配ってるんですね。
相当金回りのよさそうなとこですね。
ポスターやチラシも金かかってます。
まあよそで見た事ありませんが。
予算使い切るために作るだけ作って積んである。
もったいないなあ。
みんな税金ってとこでしょう。
(ドアが開く音)
(天野達之)お待たせしました。
経理課長の天野です。
米沢と申します。
相原です。
どうぞ。
忙しいところすいません。
真鍋君の事は昨日もお話ししたんですが自殺なんて全く思い当たる節がなくて驚きました。
真鍋知子が自殺とは断定出来ません。
え?自殺ではないんですか?昨日の捜査員はおそらく自殺だろうと…。
昨日なんと言われようと…。
いや実はですね自殺という決め手がなくて我々は内密に遊軍捜査を命ぜられてます。
ご協力お願いする次第です。
しかし協力と言われましてもどうすれば…。
他殺の可能性がなくなれば我々も解放されるんですが今のところ動機もわからなくて…。
自殺の動機?彼女が誰かに恨まれてたという事はありませんか?恨まれてる…。
さあ…私の知る限りなかったと思いますが。
では何かわかりましたら…。
はい。
連絡ください。
なにぶん内密な捜査なんで私に直接。
自殺の動機…でしたね。
お願いします。
怨恨の線出ませんでしたな。
まだわかりませんよ。
あら?もうお帰りですか?今日お勤め終わったらお暇ですか?ナンパ?違います。
お待ちどおさま。
はい抹茶クリームあんみつどうぞ。
どうぞ。
あら?抹茶アイス小さくなってる。
え?いつもどおりよ。
うっそぉ?どうぞごゆっくり。
信じらんない…。
であの…。
ああいなかったんじゃない?真鍋さんって人に恨まれるようなタイプじゃないもの。
自分もそう思います。
え?…と皆さんおっしゃっていたんで我々もそうではないかと。
ちなみに真鍋さんとは親しかったんですか?うん。
同じ経理課だしね。
でもねぇ…人ってわからないもんよね。
自殺するようなタイプに見えなかったのにね。
やっぱり自殺じゃない。
自殺じゃないの?それを今調べてまして…。
大変なんですね。
あの…最近真鍋さんに何か変わった様子は?どんな小さな事でも。
特にないわね。
ああ!マラソン大会に出るって言ってた。
マラソンするようなタイプじゃないのに。
だから明くる日は休むって…。
筋肉痛になるとか思ったんじゃないの?ちょっとおばちゃん!これ抹茶アイス追加して!マラソン大会の翌日は僕と会う約束でした。
その相談もしないで自殺なんかしない。
するはずがない。
元奥さんマラソン好きだったんですか?一緒に暮らしてた頃はそんな様子はありませんでした。
変わるんですかね…女は男と別れると。
変わってなかったのかもしれません。
昔から突拍子もない事する女で…。
特に何か大きな決断をする時には。
大きな決断…。
プロポーズの返事をくれる前に突然1人で海外旅行に出かけたり離婚切り出された時なんていきなり髪をバッサリ切ったりして…。
マラソン大会なんていうからもしかしたらまた何か決心して…。
それがあなたに相談したかった事…。
かもしれません。
(早苗)やっぱり減らしてたのよ。
はい。
あなたたちもサービスですって。
あ…いや自分たちは…。
(携帯電話)ちょっと失礼。
もしもし米沢です。
「青防協の天野です」
(杉下)何者かがリストアップされた7名を次々に殺しているという事ですか?
(享)連続殺人ですか。
(米沢)データベース検索でヒットしました。
(杉下)社美彌子。
(米沢)本籍は警察庁ですな。
(伊丹)どうした?何があった?
(角田)ロシアが送り込んだ刺客って事か?
(甲斐)どこの誰と所帯を持とうと一切関知しない。
(杉下)例の4名がどっかへ行ってしまったそうなんですよ。
におう。
(美彌子)私が指示したと?
(杉下)誰からの指示だったか聞いてるんです。
余計な事は結構!セクハラ?知子がセクハラされてたんですか?青防協の理事長に。
他の女性職員からも理事長にその…そういう事をされてると相談をされてましておそらく真鍋君も…。
あんたそれ見て見ぬふりしてたんですか?それとなく理事長に控えるようお願いしました。
それとなく?何しろ相手は理事長です。
わかるでしょうあなたも組織の人間なんですから。
あんたねえ!ああ…!よく話してくれました天野課長。
私はこれで…。
出てきましたね自殺の動機。
悔しいです。
遺書にもありましたね「悔しい」って。
じゃあ…。
理事長にセクハラを受けてる事を警察官である元夫に相談しようとした。
筋は通ります。
電話もらった時強引にでも聞けばよかった。
そうすれば結果は変わってたかもしれません。
羨ましいです。
別れてからもそんな相談持ちかけられるなんて。
羨ましいのは僕の方です。
え?あなた死んだのが元の奥さんじゃないってわかった時正直ホッとされたんじゃないですか?たとえ行方不明でも生きていてくれればいい。
そう思われたんじゃないですか?すいません。
おっしゃるとおりです。
謝らないでください。
それが自然です。
恥ずかしい限りです…。
奥さんとは何があったんですか?もう8年になります。
ある大きな事件がやっと解決して2週間ぶりに我が家へ帰ったら離婚届が置いてありました。
シュールな光景でした。
知子はそのまま消えてしまいました…。
理由は?わかりません。
話し合わなかったんですか?別れるなんて話なかったんで。
だからつい頭にきてその離婚届出してしまいました。
それを今でも後悔しています…。
なんで捜さないんです?私と女房が結びついているならいつかきっとまた会える。
そう思って…。
だからマラソンの参加者の中に彼女を見つけた時は運命のように思って興奮してしまいました。
ロマンチックな話ですねえ。
いやそんな…。
褒めてません。
そんな夢みたいな話に酔ってあなたは奥さんと向き合うのを避けてる。
逃げてるのはあなたの方だ。
あなたはどうして別れたんですか?僕はちゃんと話し合って別れました。
でもいまだに連絡を取り合ってた。
それが悪いんですか!しかし知子の自殺の原因は本当にセクハラだったんでしょうか。
天野課長によれば…。
刑事の勘というか…すっきりしません。
確かにセクハラについての物証はありませんがしかし…。
昼間電話があって知子の遺体を引き取る事にしました。
他に身寄りがないんです。
でもまだ弔えない。
え…?この事件が解決するまで。
事件ねえ…。
(ため息)
(知子の声)フフフ…。
おかえりなさい。
私帰ってきちゃった。
ごめんなさい…。
やっぱり私が間違ってた。
今頃やっとわかったの。
いいの何も言わないで。
マー君の気持ちはわかったから。
うれしかった…私の部屋そのままにしてくれてたなんて。
あっおなかすいてるでしょ?ちょっと待ってて。
マー君の好きなオムライスすぐ作るから。
(2人)おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。
お話があります。
自殺で処理した案件に首を突っ込むなんて特命係みたいな真似しやがって…。
もう刑事部長の耳に入ってるんだ。
これ以上動いたらきっと呼び出されるぞ。
青防協の理事長直々の抗議だったらしいですよ。
理事長なんかうちにつてでもあるんですかね?
(三浦)知らないのか。
青防協の理事長は元警察キャリアだ。
あそこは警察の天下り先だ。
末は警視総監か長官かと言われてキャリアの中でもトップクラスだ。
警視庁管理官千代田署署長山梨県警本部長警察庁の刑事局次長を歴任だ。
そんなエリートがなぜ青防協の理事長に?知りてえか?刑事部長と参事官の話を盗み聞きした。
それはぜひお聞きしたいです。
(伊丹)ここだけの話警察を追い出された原因はセクハラだ。
セクハラ?山梨県警の本部長時代に部下にセクハラしたらしい。
それが警察庁時代に問題になって引導を渡されたんだ。
ね?今回の自殺案件やばいでしょ?今回もまたセクハラでしかもそれで職員が自殺したとなれば理事長の座も追われる。
それを恐れて直々に圧力をかけてきた。
それを刑事部ものんだって事ですよ。
貴重な天下り先の理事長からのお願いですから。
自殺なら動機を捜査する必要もない。
わいせつ罪は親告罪だから被害者が死ねば訴えられる心配はない。
胸くそ悪い話だ。
どいつもこいつも天下りの事ばっかり考えやがって…。
俺は絶対に天下りなんかしねえぞ。
それ以前に巡査部長の刑事に天下り先なんてないっすよ。
パリ歴代の皇帝芸術家たちが愛した伝説のホテル
今壮大な物語が幕を開ける
というわけでどうやらあの理事長が知子さんにセクハラをしていた事は間違いなさそうです。
その圧力うちの署にもあったみたいです。
やはりセクハラを苦に自殺したと考えるのが一番…。
そう考えると理事長が怪しい。
知子にセクハラを訴えられそうになったから殺した。
わいせつ罪は親告罪だから訴える人間を殺してしまえば完全犯罪です。
まさか…セクハラを隠すために殺人を犯すなんてそんな人間います?本当人間とは思えませんよ!理事長に直談判します!はい!?あ…あの…。
それはどういう事ですか?今教えてもらった事思いっきりぶつけてみます!えっ!?それは困る…!もしもし?もしもし!?…入ったんです。
そんな事理由に…。
どういうつもりなんですか!あの刑事は。
勝手に理事長の部屋に押し入って。
今警察に連絡しようかと…。
でも相手も警察だしどうすれば…。
警察…ちょっと待ってください。
理事長の部屋は?こちらです。
(ノック)失礼します。
警視庁鑑識課の米沢と申します。
(設楽光治朗)天野君君はいいよ。
は?
(設楽)下がっていい。
本部の鑑識と所轄の刑事ねえ。
珍しいコンビがなぜ自殺で処理された案件を捜査しているのかな?本当に自殺なんでしょうか。
さっきからずっと同じ質問ばかりでね意味がわからん。
じゃあ言わせてもらいます。
相原さん…。
あんたが殺したんじゃないですか?相原さん!知子にしたセクハラを隠すために。
(設楽の笑い声)何がおかしい!?殺したとかセクハラとか誰にそんな事を吹き込まれてきたのかね?しかしよかった。
よかった?まともに相手をしなくても済む方々のようだ。
まあ一応警視庁に抗議はしますがね。
え?もうされたんですよね?警視庁に抗議。
あれは問い合わせただけだ。
自殺案件を捜査している警官がいるがどういう事かとね。
抗議はこれからだ。
抗議の前に1つだけ聞かせてください。
今月11日東京ビッグシティマラソンのあった日の夜9時から12時なんですが…。
知子が殺された時間です。
あなたは黙っててください。
その時間理事長はどこで何をされていたかお話し頂けますか?死亡推定時刻のアリバイかね。
というより彼を納得させるためです。
(秘書)我々も同行しましたが理事長はその日仙台です。
仙台?戻ってきたのは?
(秘書)翌日の朝です。
夜9時から12時に東京にいる事は不可能ですね。
(汽笛)すいません…。
米沢さんを巻き込むつもりはなかったんです。
もう十分巻き込まれてます。
だから1人でカタをつけようと思って…。
あとは警察辞めておしまいですか?わかりますよ。
あんな無茶見せられれば。
しかし相手は警察の外郭団体のトップですよ。
大事な天下り先だから警察は手をこまねいてるんでしょう。
相原さん今回は刑事事件じゃないから…。
刑事事件じゃないからセクハラで自殺した女なんてどうなってもいいって言うんですか!そんな事言ってないでしょ!ただ…。
自殺って言いましたね今。
あなただってわかってるじゃないですか。
わかってますよ…これが刑事事件じゃない事ぐらい。
でも頭でわかってても…。
奥さんとなぜ別れたんです?本部の刑事になりたいと思ってました。
出世すれば彼女も喜ぶんじゃないか。
そんな事勝手に思ってしまって…。
気づいたら仕事人間になってました。
帳場が立ってる時は家に電話の一本もしなかった。
そんな月並みな理由で離婚です。
でも知子のために早く出世がしたい。
ええ。
ただ知子に喜んでもらいたかった…。
え?しかし知子はそんな事望んでなかったんでしょう。
でもそうは言えなかった。
でああするしかなかったんでしょうな…。
人の思い出取らないでください。
ささやかながら私にだって思い出はあります。
似てますね僕たち。
女房が似てるとだんなの性格も似るんですかね。
大事な事は手遅れになってからわかるんですなあ。
それならせめて今出来る事がしたいです。
何をする気ですか?あの理事長を訴えてやりますよセクハラで。
元奥さんのセクハラを訴えるのは難しいと思いますが。
事件にならなくてもなんとか罰してやりたいんです。
あなたが言っちゃいかんでしょう。
事件じゃないなんて。
え…?直接手は下さなくても理事長のセクハラが知子さんを自殺させたならそれはあなたにとって事件だ。
言ってましたよね?彼女は身寄りがなくて関係者はあなただけだって。
しかし私も関係者みたいなもんだ。
だから私も捜査します。
これは私にとっても事件ですから。
米沢さん…。
米沢〜。
さっきから刑事部長がお呼びだ。
ええ?
(中園照生)お前は巻き込まれただけだな?
(中園)その…女に死なれて頭がおかしくなった刑事に。
お前はどうも頭のおかしな刑事に巻き込まれやすいところがある。
二度とその刑事に近づくな。
いいな?監察官に何か聞かれたら関係者の自殺で動揺した所轄刑事を止めようとしたそう答えろ。
問題は自殺の動機です。
理事長のセクハラです。
そいつを暴いてどうなるんだ。
(携帯電話)すいません…。
お前は青防協がどんな組織かわかってんのか?警察にとって大切な天下り先です。
その理事長を傷つけて我々になんの得がある?理事長が青防協に天下った原因もセクハラだったとか。
今はただでさえ天下りに批判が集中してる。
それを規制しようとするとんでもない動きすらあるんだ。
天下り問題と今回のセクハラは無関係では?お前は何もわかってないな!問題を起こした男が天下りし天下りした先でもまた同じ問題を起こした。
それが公になってみろ。
天下り自体が問題になる危険があるんだ。
それは避けなきゃならん。
国民の目を天下り問題からそらさせる。
それが我々公務員の務めだ。
(携帯電話)電源を切れ!何より相手は警察が大切な予算を流してる組織だ。
その予算も本を正せば国民の税金では?これ以上余計な真似はするな。
お前も特命係に送るぞ。
特命係…。
それもいいかもしれませんね。
何…?
(携帯電話)切れと言ったろ!
(音声アナウンス)「メッセージは1件です」「相原です。
知子のアパートへ行きます」相原さん?
(物音)なんですか?一体。
思い出したんです。
昔知子が日記つけてた事。
日記?もしかしたらセクハラの事書いてあるんじゃないかと思って。
そういうものがあれば現場検証の時に押収してますよ。
どうしました?シッ!はい喋っていいです。
盗聴器!?おそらくこのタイプはコンセントから直接電源をとるので外せば相手に聞こえないはずです。
ええ…!?この穴から音を拾うわけです。
うかつでした…。
いくら逃げた女房が死んだと思いパニックになっていたとはいえこれを見逃していたとは。
やっぱり知子は殺された…。
早まらないでください。
とにかく指紋を調べてみます。
(ドアの開閉音)
(角田)暇か?あっおはようございます。
グッドモーニングアンドグッドニュースだ。
「覚せい剤取締法違反で前科2犯」この蒔田というのは?うちで追ってたシャブの売人。
ゆうべそいつを見つけたんだが逮捕寸前で麻取に持ってかれちまった。
厚労省の麻薬取締官…。
むかつくからお前にリークしてやる。
話が見えないんですが…。
鈍いな。
特命係の警部殿だったら今の話で紅茶飲む手がピタッと止まるぞ。
そいつネットでシャブ売ってた。
お前そういう奴捜してたろ?まさか青酸カリもネットでさばいてた?正解。
あのさここってコーヒー的なものとかないの?鑑定作業をする部屋での飲食は厳禁です。
あっそう。
つまんねえ職場。
ありがとうございます!それで昨日の盗聴器は?残念ながら指紋は出ませんでした。
当然といえば当然ですが。
お待たせしました。
蒔田の担当です。
蒔田の身柄をうちがもらう事は組対5課と話がついてたはずですが。
いえ自分は千束署の強行犯係です。
青酸カリによる中毒死事件を追ってたら蒔田が浮かび上がったんで。
別件か…。
確かに青酸も扱ってたみたいですね。
蒔田と話をしたいんですが。
そういう事なら正式に依頼してください。
正式な依頼?おたくの署長さんから文書でお願いします。
お願い出来ますか?今日厳重に注意されたばかりです。
失礼しました。
ところで蒔田はネットを通じて取引をしていたようですが…。
ええ。
その記録ご覧になりました?それが逮捕前にパソコンを初期化されてしまってデータを復旧してくれる業者に出すつもりです。
それ私がやりましょう。
あなたが?得意な作業はパソコンデータの復旧です。
お借りします。
どうですか?そう簡単にはいきません。
どうぞ。
パソコンから離れて食べてください。
すいません。
奥さん逃げるわけですねえ。
今さらっと失礼な事言いました?え?いいえ。
(パソコンの作動音)復旧出来ました。
やはり消されていたのはメールのやりとりでした。
すごい!初めて米沢さんを尊敬しました。
あなたは無意識に失礼な事を言う。
これ見てください!「S3」…つまりシャブを3パケ。
覚せい剤の注文ですなあ。
「M」はマリファナでしょう。
ハルシオンに2CB…。
手広くヤク扱ってますね。
あっ青酸カリ!注文の仕方がこなれてないところを見ると初めての客かもしれませんね。
蒔田もそう思ったようです。
「代金は1グラム5万円で計50万となりますがご新規のお客様は1割引きにてお譲り致します」「青のお客様はリピーターにならない方が多いのですがもし自分で使用しない方でしたらまたのご利用を心よりお待ち申し上げます」!?ふざけやがって…。
まるで真っ当な商取引のようですなあ。
青酸カリの送り先は2か所指定されてます。
9グラムは上野の私書箱残りの1グラムは…。
ここは…!?これは知子からのメール!?やはり特定困難なフリーメールです。
知子が買ってた!?蒔田から青酸カリを…。
なんで…?知子はそこまでして自殺を…。
自殺するつもりなら自宅とそれ以外の場所2か所に分けて送らせる意味はなんでしょう…。
え?それになんのための日付指定でしょう。
10日?知子から電話があった日です。
相談というのはこれだったのかもしれませんなあ。
え?彼女の自宅に白い不審な粉が届いた。
青酸カリだとはわからなかったかもしれませんが不安に思った彼女が警察官であるあなたに相談する。
じゃあ…知子が青酸カリを注文したんじゃない?彼女が買ったように偽装をするために彼女の住所に届けさせたのかもしれません。
つまり自殺じゃない。
その可能性が出てきたようです。
これを報告すれば正式な捜査が…!どうでしょう。
少々状況が不自然だというだけで一度自殺で処理した事件をもう一度捜査し直すとは思えません。
殺人事件だというれっきとした証拠が必要です。
この9グラムを送られている私書箱の契約者を調べましょう。
もう1つ気になるのはこれです。
「青酸カリを10グラムお願いします」約50人分の致死量です。
50人分!?現場に残されていたペットボトルから高い濃度の青酸カリが検出されました。
青酸は口に含んだ途端に刺激がある。
大量に入ってりゃ知子だって気づきますよ。
だから自殺だと思いました。
でも逆に考えれば少し口に含んだだけで殺せる量と言えるかもしれません。
じゃやっぱり…知子は殺された?今のところ推測の域は出ませんがひと口飲んで確実に殺せる量の青酸カリです。
殺人だとすればかなりの執念ですなあ。
(従業員)あ〜ダメだよ〜いくら警察でも。
契約してるお客さんの情報は秘密だからね。
令状持ってくりゃどうせ喋んなきゃなんねえんだぞ。
(従業員)そうは言ったって…。
うちはこういうシステムだし顔を合わせてたってほとんど偽名だし…。
協力したくても教えられる事はないのよ。
ごめんね!せっかくここまでたどり着いたのに残念です。
行き詰まったら原点に戻る。
捜査の基本です。
原点…?青防協です。
理事長にはアリバイがありますよ。
本人でなければ命令で動く人間がいるんじゃないですか?理事長のセクハラを隠すために人殺しまでする人がですか?…いませんかそこまでは。
青防協に我々にフレンドリーで口の軽そうな人がいてくれれば…。
あっ。
あっ!たぶん今…同じ人を思い浮かべましたな。
いるわけないじゃない。
青防協に理事長の味方なんて。
天下りしてきた理由が理由だもん。
セクハラ。
ふんっみんな知ってるわよ。
あたしね…今ダイエット中でいつもカロリーオフのお弁当なんだけど今日はこれで済ましちゃう。
お弁当は夕食にするわ。
一食助かっちゃった。
ごちそうさま。
だからセクハラ理事長なんてみんなに軽蔑されてるけど軽蔑してる連中だってみんななんか下手打って警察にいられなくなったような奴ばっかりよ。
青防協なんてねそんな天下り連中の溜まり場なのよ。
もちろん天野課長もよ。
でも給料はあたしたちとは大違い。
仕事はあたしたちにさせといて自分たちは新聞読んだりテレビ見たりでいいご身分よ!もう税金もったいないっていっつもみんなで警察OBの悪口大会。
あっあなたたちも警察だった。
いや我々はそんな天下り出来ない身分ですから。
そうなんだ。
だったらわかるでしょう?いらないポスターや誰も読まない雑誌山ほど作って。
その請求書を見る度に唖然としちゃう。
無駄遣いも大概にしろって感じよ!わかりますわかります。
そのあげくにセクハラよ!?頭にこない方がおかしいでしょ?よーくわかりました。
やはりセクハラの被害者だったんですなあ真鍋さんも。
じゃあ我々はこれで。
えっ…。
真鍋さんもそうだったの?理事長からセクハラされてたの?知らなかったんですか?いや…おかしいわねえ。
何が?いや…彼女からそんな話聞いた事なかったし。
大体理事長って若い子好みで手出すったってせいぜい30までよ?まあもっとも彼女は若く見えるけどね…。
ふ〜ん。
美人って得ね。
あっそろそろ行かなきゃなんないんだけどちょっとお願いがあんの。
はい。
お土産いいかしら?うちのフロア経理だけじゃなくて広いでしょ?
(店員)ありがとうございました。
悪いわね。
ごちそうさま。
知子さんがセクハラをされていなかったとすると自殺する動機がなくなってしまいました。
やっぱり知子は殺されたんです。
待ってください。
だとすると理事長が知子さんを殺す動機もなくなったという事です。
振り出しに戻りましたねえ。
(車のクラクション)
(亀山)米沢さん!杉下警部!
(携帯電話)もしもし米沢です。
「青防協の天野です。
今すぐ来てください」今すぐ?あっあっあっあっあのあの…それはあのどういう事ですか?
(クラクション)
(天野)「相原さんにも連絡しました。
よろしく」理事長がお呼びです。
理事長が?米沢さん!高橋君ご案内を。
どうぞ。
ごめんなさいね。
お団子持っていった時さあなたたちに聞かれた事話したら理事長怒っちゃって。
話しちゃったの?あたし内緒話って苦手なの。
知らなかった?知ってた気がする。
まだ私を疑ってるのかね?私が真鍋君にセクハラしたと。
それとも…私が殺したと思ってるのか?
(設楽)君たちはなんのつもりで!いやなんの権利があって…!申し訳ありませんでした!理事長にはちゃんとしたアリバイがありました!そうだろう?真鍋さんにセクハラをしていなかった事も判明しました。
そうだろう?30過ぎの女が眼中にない事も判明しました!そう…。
誰がそんな事言った!?嘘をつきましたね?
(天野)は?理事長が真鍋さんにセクハラをしていると。
それは…他の女性職員からもそういう相談を受けてましててっきり真鍋さんもと思って…。
セクハラ理事長のターゲットは若い子に絞られてる。
なぜ理事長の立場を悪くするような話をわざわざ我々に?あの男のせいで女性職員が何人辞めたか…。
その尻拭いは全部私だ。
あんな人間が理事長でいいはずがない。
そう思うなら陰で言ってないで堂々と事実をぶちまけたらいいじゃないですか!そんな事出来るわけがない。
わかるでしょう?あなた方も組織の人間なんだから。
あの青防協という組織腐ってます。
理事長室に盗聴器が仕掛けられてるのを土下座をして確かめました。
えっ!?知子の部屋と同じやつですか?わかりませんが…何か奥の深い事実が隠されてる。
一筋縄ではいかないようです。
ますます捨ててはおけませんね…。
米沢さんやってやりましょうよ!警察OBの大事な天下り先かどうか知りませんけどあの理事長と青防協の仮面引っぺがしてやりましょうよ!しかし…我々の手に余る事かもしれない。
どうしたんですか?まさか怖くなったんじゃないですよね?もちろん得体の知れない怖さはありますが上からの圧力も当然もっときつくなるでしょう。
だからこそここは慎重に…。
わかりました。
そうですよね。
あなたにとって知子は他人ですもんね。
あなたは今頭に血が上ってる。
落ち着いてください。
これ以上聞きたくありません。
私もこれ以上言いたくない。
残念です。
あら!いらっしゃい。
どうも。
さあどうぞ。
はい。
(亀山美和子)あら〜こんばんは。
こんばんは。
米さんこれちょっと見てくださいよ。
お〜マラソンの。
(美和子)はい。
私もたまきさんも完走したんですよ。
ご立派です。
フフフ!でもね薫の奴はまだ見てない。
っていうかもう見せてやんなーい。
仕方ないわよ美和子さん。
2人ともお忙しいんだから。
そうみたいですね。
私もここ数日色々あってよく知らないんですが…。
あら。
米沢さんも何か大きな事件抱えてらっしゃるの?いえ特命係のお二人に比べたら…。
しかしここにもいたんですなあ。
(たまき)はい?奥さんと元奥さんに寂しい思いをさせてる男たちが…。
まあ信じてますからね。
え?私は右京さんを。
きっと美和子さんも…ね?そう言ってくれる人がいて…あのお二人が羨ましい。
そのお二人今夜見えますよ。
(美和子)うん。
そろそろじゃないかな。
私は失礼します。
え?どうして?今夜は夫婦と元夫婦水いらずでどうぞ。
そんな事言わずにどうぞ座って。
いえ…私は無意識のうちに特命係のお二人を頼ろうとしてました。
でもそれじゃいけません。
これは私の事件なんですから。
(美和子)私のヤマ?はい。
私と…私の相棒の。
『鑑識・米沢守の事件簿』お楽しみ頂いてますでしょうか?ここでこれまでの事件の概要をお話し致しましょう。
東京ビッグシティマラソンを標的にしたテロ事件の捜査中偶然見つけたのは別れた妻知子
しかしその再会は驚愕の展開を見せたのでした
(伊丹)自殺だな。
自殺?
そしてそこに現れたのは知子の夫と名乗る刑事
この真鍋知子は僕の元妻です。
えっ?そう彼女は瓜二つの別人だったんです。
ほんとに…自殺なんでしょうか?
自殺に疑問を持った相原刑事と私は即席仕立ての相棒となり極秘捜査を開始
知子さんの職場青防協こと青少年防犯協会を訪ねた
そこは天下り先として警察組織の中で重要な団体だったのでした
セクハラ?
上司の天野課長が言うには知子さんは理事長からセクハラを受けていたと
しかし同僚の早苗さんにはそれを否定されてしまう
おかしいわねえ。
何が?理事長って若い子好みで手出すったってせいぜい30までよ?ただこの青防協には何か裏があるようで…。
そんな中我々の捜査に圧力がかけられた
お前は青防協がどんな組織かわかってんのか?まさか怖くなったんじゃないですよね?
しかしそこは圧力に屈する事なく杉下警部のようにとはいかず…
「知子のアパートへ行きます」いやもしもし?
そして見つけたんです
知子さんの部屋に仕掛けられていた盗聴器と青酸カリのネットでの購入ルート
知子は殺された…。
我々はついに実力行使に打って出たんです。
そこで見つけたのは新たな真実
この指紋は生きてない。
さらに犯人に一か八かの罠を仕掛けたのです
このあと事件はさらなる驚愕の展開を見せていくのでした。
「俺を見ていろ!俺を見ろ」「もっと俺にもっと俺になってやる」「金もなければ女もない」「才能なんてどこかに忘れた」「生きてる限りバカ王子」「それでも言えるぜありがとう」「何だか忘れた」「いつも他人の花が咲く」「それでも言えるぜありがとう」実は…青防協の高橋早苗さんから重要な情報が入りました。
知子が死んだあと早苗さんが知子のデスクやロッカーから私物をまとめそれを天野課長に渡したそうです。
早苗さんはそれを当然僕が受け取ったものと思っていたようですが僕はそれを受け取っていません。
私物の中身は彼女も見ていないという事です。
僕はその中身がなんなのか知りたい。
どうして天野課長がそれを出さないのか。
もしかしたら知子について重要な手がかりがあるかもしれません。
いやきっとあります。
で…これからどこへ?もちろん青防協です。
こんな時間にですか?ちょっと…ちょっちょっと!
(テレビの音)ちょっと…ちょっと待ってください…。
24階です。
米沢さん!だ…大丈夫ですか?ななな…何してるんですか?押収物倉庫から借りてきて正解でした。
正解ってそれ犯罪ですよ。
犯罪を犯してるのはここの奴らです。
しかしですね…。
ライト。
(足音)
(足音)
(開錠音)これです。
天野課長のデスク。
相原さん相原さん。
(ドアが開く音)
(ドアが閉まる音)それだな?知子の私物!感傷に浸っている場合ではありません。
天野課長これをどうするつもりだったのか説明してもらえますか?これをあなたたちに渡すために取りに来たんです。
印刷会社のようですが取引先でしょうか?うちは雑誌やポスターを作るんで印刷会社とは取引がありますがこれは全部知らない会社です。
しかし振り込んでるのは青防協ですよ?そうなんです。
つまり…真鍋さんが横領をしていた。
それを理事長に報告してすぐに警察に届けようと思いました。
でも止められたんです。
うちの恥を警察に売るのかって。
真鍋さんはこの横領がばれるのを恐れて自殺をした。
…と思われます。
それをあなたは理事長のセクハラだと言いましたね?最初からこうすればよかった。
これは私の内部告発です。
横領はセクハラと違って親告罪ではありません。
当然警察の捜査が入りますよ。
セクハラだって公になればあの男の面目は丸潰れです。
嘘だ…。
知子が横領なんてするはずない。
遺書に「こんな結果に終わって残念」とあったのもうなずけなくもありません。
じゃあ僕に相談があるって言ってたのは…。
横領が発覚して助けてほしい。
あるいは捕まるならあなたにと思ったのかもしれない。
調べましょうよ!この金振り込んだのが誰か。
銀行の防犯カメラ確認すればわかります!それには令状が必要ですがあなたにお願い出来ますか?
(ため息)うちの署にも圧力かかってますから…。
とにかくこの通帳にある銀行名と日付をリストアップしてください。
私は念のために指紋を取ります。
えーと付録付録…。
『大人の科学マガジン』。
こんなおもちゃで大丈夫なんですか?これで結構本格的なんです。
どの通帳からも2人分の指紋が出ました。
天野課長のサンプルは退職警官のデータベースから。
知子さんは遺体からのものです。
え…?やっぱり知子が?しかしこの指紋は生きてない。
生きてない!?どうやって取り出しますか?どうって…。
待ってください。
ここです。
ここに指紋がない。
どの通帳も。
って事はつまり…通帳に知子の指紋をつけた誰かはそこまで気が回らなかった…。
そんな偽装が出来るのは彼女を殺した犯人だけです。
知子は自分が横領したんじゃなくて誰かの横領に気づいた。
それがあなたに相談したかった事かもしれない。
横領に気づかれたから…殺した。
犯人は…天野…。
問題はそれをどうやって証明するかです。
リストを見せてください。
(伊丹)残念でした。
横領事件は捜査二課だ。
あなたは警官の天下りを一番怒ってたじゃないですか。
だから?その正義感を見込んでのお願いです。
可能性はあると思うんです。
そんな針の穴みたいな可能性特命係にでも頼むんだな。
特命係は今忙しいんです!なっ…!チッ!…でなくてここは伊丹刑事の腕を見込んでです!今ので萎えた。
さようなら。
自殺するのに青酸カリ10グラムも買います?念には念をってやつだろ。
わざわざ発信者を特定しにくいメール使います?自殺前に見つかるのを恐れたんだよ。
自宅と私書箱2か所に分けて送らせる意味は?なんのための日付指定ですか!なんだよ…。
彼女の部屋にあった盗聴器は?知らないよ。
同じようなものが理事長の部屋にもあったんですよ。
わかったわかった。
シーッ!あさっき特命係の杉下さんが来てそれを置いていかれました。
「志ん生が自宅で録音したという『四段目』のレア物を入手しましたので。
杉下右京」『四段目』ってなんですか?落語です。
芝居好きの小僧さんがお使いの途中に芝居を見てそれが語るに落ちてご主人にばれるというものなんですが…。
(亀山)おっと…。
(杉下)何者かがリストアップされた7名を次々に殺しているという事ですか?
(享)連続殺人ですか。
(米沢)データベース検索でヒットしました。
(杉下)社美彌子。
(米沢)本籍は警察庁ですな。
(伊丹)どうした?何があった?
(角田)ロシアが送り込んだ刺客って事か?
(甲斐)どこの誰と所帯を持とうと一切関知しない。
(杉下)例の4名がどっかへ行ってしまったそうなんですよ。
におう。
(美彌子)私が指示したと?
(杉下)誰からの指示だったか聞いてるんです。
余計な事は結構!米沢!なんかわかりましたか?ああ。
よーくわかったよ。
お前のバカさ加減がな!え?
(伊丹)横領していたのはこの女だ。
この女は横領の発覚を恐れて自殺したんだ。
まっ捜査二課にでも教えてやるんだな。
自殺の動機が警察のOBじゃない職員の横領なら喜んで捜査するだろうよ!
(広田)おお…!米沢!お前何やらかしたんだよ!はあ?監察官がお呼びだ。
(ノック)どうぞ。
米沢守君。
あなたは自殺案件にもかかわらず死亡者の勤務先を数回にわたり訪れ業務を妨害した。
間違いありませんね?いやそれは…。
さらに刑事部長の再三の制止を無視して聴取を繰り返した。
間違いありませんか?はい…。
では処分が決定されるまで自宅待機してください。
それまであなたは24時間監察の監視下に置かれます。
これ以上状況を悪くなさらないように。
(自転車のベルの音)米沢!おお大史君。
おかえり!今度の非番いつ?え…?わからないなあ。
ゲームの決着早くつけようぜ。
バイバイ。
わかった。
バイバイ!『四段目』…。
(携帯電話の操作音)もしもし?相原さんですか?自宅待機中の米沢です。
「僕もやられました自宅待機」通帳も取り返されました。
「え?たった一つの物証じゃありませんか」でもまだ犯人を追い詰める方法はあります。
「どんな?」落語ですよ落語。
語るに落ちる。
「話が見えません」お会いして話します。
落ち合う場所はどこがいいでしょうか?
(ノック)お疲れさまです!頼んでないぞピザの配達なんて。
あちらの米沢様からご注文を頂きました。
どうぞ。
こちらもどうぞ。
ありがとうございます!食うか…。
あはい。
いただきます。
あのすいません。
相原さんいますか?お2階ですよ。
ありがとうございます。
(笑い声)どうしました?窓から飛び降りた時に足をちょっと…。
どうしたんですか?その格好は。
ええピザボーイが協力してくれました。
ありがとうもう大丈夫。
お仕事頑張ってくださいね。
お大事に。
しっかりしなさいよ!ありがとう。
それで落語ってどういう事ですか?語るに落ちる。
語るに落とす。
犯人しか知りえない事実を犯人に語ってもらうんです。
杉下警部のように。
誰ですか?杉下警部って。
私の敬愛する刑事です。
しかし本件は殺害現場殺害方法毒物の種類すべて公表されてしまってます。
知子さんは日記をつけていたと言いましたね?昔書いてましたけど最近書いてたかどうか…。
しかしもうそれしかありません。
それに賭けてみましょう。
まずは第1弾…
アリスの壮絶な戦い!26日放送
そしてついに…
最強の美女の新たなる伝説が始まる!
お見逃しなく!
(設楽)「ナイスショット!」「いいねいいね。
ちょっと…」「ここの…これな?こう流れないでここをグッと押さえ込んでおいて…」「これがね…これがこうこないと」「バッと押さえといてそれでここの手がグーッとこの胸右胸の…」
(ドアが開く音)また君たちか…。
真鍋知子が自殺ではなく殺されたという証拠を発見しました。
ほう…それは興味深い話だね。
ゆっくり聞かせてもらおうか。
証拠は3つあります。
その1つは…。
やはり盗聴器でした。
どうしてここに盗聴器なんか…。
おそらくこれを仕掛けた人物は我々が自殺の動機を探しているのを知って理事長が真鍋さんにセクハラをしていると教えてくれました。
君が…君だったのか?違う私じゃない。
しかし盗聴器を聞いていたあなたは理事長のセクハラ疑惑が晴れ真鍋さんの自殺の動機もなくなってしまった事を知った。
だから我々に新たな物証を渡そうとした。
それが2つ目の証拠です。
残念ながら作為的な指紋がついていたその物証つまり銀行の預金通帳が奪われてしまった事はご存じですよね?これは振り込みの時の銀行窓口の映像です。
いざという時自分の横領がばれないよう真鍋さんに振り込ませた。
上司の天野課長あなたなら出来る。
天野君本当かね?私が殺したなんてそんなバカな…!あなたは内部告発に見せかけて我々の目をそらそうとした。
そして3つ目の証拠です。
「悔しい。
こんな結果に終わって残念でならない」真鍋さんの遺書です。
いや遺書だと思われていたものです。
(設楽)思われていたもの?つまり遺書ではありませんでした。
これは日記だったんです。
日記を切り取ったものと言った方がいいでしょうか。
じゃあその日記が見つかったのか?残念ながら見つかりませんでした。
おそらく犯人が処分したんでしょう。
真鍋さんを殺した天野課長あなたが。
しかし真鍋さんは日記をブログにしていました。
それをゆうべ一晩中かかってネットで探しようやくこの遺書の一節を見つける事が出来ました。
これを上に報告すれば本格的に殺人の線で捜査が始まります。
天野課長あなたはそれでも逃げ切れますか?殺人なんてどうかしてる!真鍋君は自殺だ!でもこれをブログで読むととても自殺の遺書として書かれた内容とは思えないんですよ。
なぜ遺書じゃないなんて言える?あの内容を読めば誰だって真鍋さんがあんな事で自殺するとは思いません!だからどうしてそんな事が言える!そうよ。
それだけあのマラソン大会に賭けてたのかもしれないじゃない。
今なんとおっしゃいました?え?マラソン大会に…?なるほど…。
マラソンで完走出来なかったから悔しい。
こんな結果に終わって残念でならない。
そう書いてあったんですね?真鍋さんの日記には。
遺書の前後に何が書いてあったかは犯人しか知り得ない事実なんです。
いやいや…だってブログに書いてあったんでしょ?あたしそのブログを見たもん。
語るに落ちましたね。
え?そんなブログはどこにもありません。
なるほど…。
理事長室に盗聴器を仕掛けたのはあなたでしたか。
だから我々が殺人ではないかと疑ってるのを知って捜査を阻止するために理事長に告げ口をした。
あなたを調べれば盗聴器の受信機が出てくるんでしょうね。
警察が今回の件を穏便に済ませたのは自殺だと思ったからです。
しかもその動機が天下り官僚のセクハラだと思った。
でもこれが殺人事件だと知ったら警察は確実に動きますよ。
横領してたのはあなたですね?真鍋さんに振り込み任すんじゃなかった…。
なるほど。
先輩のあなたならそれが出来る。
どうやって真鍋さんの部屋に?真鍋さんの勤務中にカバンから鍵抜いて合鍵作って彼女がマラソン大会行ってる間に部屋に入って…冷蔵庫のペットボトルに青酸カリを入れた。
(真鍋知子)うっ…!
(早苗の声)死んだかどうかは盗聴で確認した。
(早苗の声)横領の罪を被ってもらうために通帳に指紋をつけてそれを真鍋さんのロッカーに隠して…。
(早苗の声)日付指定にしておいた封筒は真鍋さんの家に届いてすぐにポストから抜いて偽装した。
(早苗の声)日記見た時思わず遺書に使えると思った。
(早苗の声)外へ出てから盗聴器の回収を忘れた事に気づいたけどまた戻る気にはなれなくて…。
どうやって横領を?架空口座の通帳作ってそこにポスターや雑誌作った事にして代金を振り込んで…。
だって税金よ?もったいないじゃない!誰も見ないポスターや雑誌作るのに大金使って!誰も見ない?そうよ!あんたたち出来上がった雑誌なんて一度も見た事ないじゃない!なるほど。
だからこそこんな横領が出来た。
本当に作ったか確認していれば発覚してたはずだ。
課長が確認してたのは領収書だけ!使い切らないと来年度の予算獲得に影響するから!だったらせめて使った事にして貯めておいた方がいいと思って。
なんで知子に振り込みをさせた?真鍋さんならわかってくれると思ってたの!でも彼女それに気づいた時…。
(知子)先輩これは横領ですよ?
(早苗)そうよ。
だってドブに捨てるようなお金なのよ。
もったいないじゃない!
(知子)返しましょう。
なんとかうまくやって。
ねっ?
(早苗の声)あたし彼女に裏切られたような気がして…。
それで知子を殺した?なんて事を…。
天野課長あなたを疑った事をおわび致します。
しかしおかげで事件を解決する事が出来ました。
ありがとうございました。
とはいえ天野君部下の横領は君の監督不行き届きだ。
君には昔から目をかけてきたのに…残念だよ。
あなたが私をこの青防協へ呼んだのも自分の尻拭いをする者をそばに置いておきたかったからじゃないか。
貴様…よくもそんな事を!申し上げておきますが私はこれ以上黙っているつもりはありません。
(携帯電話の操作音)もしもし?捜査一課の伊丹刑事ですか?
(伊丹)「またお前か。
鑑識の米沢!」
(パトカーのサイレン)
(伊丹)あとは捜査二課の出番だ。
俺たちは遠慮なくもらってくぜ。
(芹沢)理事長の周りから何か出てくるのは確実ですね。
(三浦)今度ばかりはキャリア理事長も年貢の納め時かもしれないな。
(パトカーのサイレン)減俸4分の1か月?
(大河内)それが正式処分です。
(中園)青防協をつついたのは頂けないが殺人犯が警察OBでなかった点は評価する。
そういう事だ。
彼女が天下り官僚じゃないからですか?そうだ。
一般職員の替えだったらいくらでもいる。
今回の被疑者については国民の血税を横領した憎むべき犯人として発表するつもりだ。
その血税の無駄遣いが彼女の犯行動機ですよ!?税金の使い道が無駄かどうかはあの女が判断する事じゃない!仮に無駄遣いだったとしてもそれは犯罪ではない。
罪を犯したのはあの女だ。
以上。
寛大な処分ありがとうございました。
よくも逃げましたね。
申し訳ありません。
今度ピザおごってもらいます。
(広田)米沢!はい。
横領殺人犯の隠してた日記だ。
被害者の。
鑑識作業は終わったから関係者に返してやれ。
これでやっと弔ってやる事が出来ました。
米沢さんのおかげです。
いや相原さんじゃなければこの事件は解決しなかった。
事件である事さえわからなかった。
やっぱり本部に行きたくなりました。
今度は妻のためじゃなくて自分のために。
本部に行って米沢さんと一緒に捜査がしたい。
いやダメですよ僕なんか。
犯人は見込み違い。
奥さんがあなたに何を相談したかったかそれさえ間違ってた。
ええ。
セクハラの相談じゃなかった。
自宅に白い粉が送られてきた事でもなかった。
自分が横領した事でもなくまさか先輩が横領してた事だったなんて。
いやそれでもありませんでした。
はい?知子さんの日記です。
マラソンなんかした事なかったのになぜマラソン大会に出たのかその理由が書いてあります。
「これまでの自分をふっきり勇気をつけるために挑戦したマラソン大会」「それなのに…」
(知子の声)「悔しい」「こんな結果に終わって残念でならない」「それでも明日あの人に会ったら言おう」「もう一度やり直せないかってずっと思っていたことをやっと決心できたことをあの人に相談しよう」それこそあなたに相談したい事だったんですな。
おかげで事件解決出来ました。
ありがとうございました。
助言?僕がですか?なんの事だか僕にはわかりませんが…。
しかし今回はあんな大物引きずり出したなんてすごいお手柄じゃないっすか。
いや私はただ変死案件を追っただけで…。
あ美和子が取材始めるみたいです。
米沢さんが解決した事件の裏の組織ぐるみの横領や天下り問題にメスを入れた記事にしたいって。
大きな事件に発展しそうですねぇ。
あ!あと伊丹から聞きましたよ。
刑事部長の圧力にも屈しなかったらしいじゃないですか。
ああそういえば特命係に送ってやると脅されました。
おや。
でどうなさいますか?いらっしゃいますか?いやいや特命係はやっぱり杉下警部と亀山さんの相棒じゃないと。
その事件詳しく聞かせてくださいよ!えーとどこから話せば…。
あそうそう杉下警部に言われた東京ビッグシティマラソンの参加者調べをしていて…。
ああ。
顔認証システムで検索をお願いした…。
ええ。
それで知子を見つけたんです。
おやおや…奥さんを?え?別れた奥さん見つかったんですか?いえ…結局はそうじゃなかったってオチでして。
(亀山)は?私の女房は幻みたいなもんですから。
『鑑識・米沢守の事件簿』ご覧頂きありがとうございました。
お楽しみ頂けましたでしょうか?日頃『相棒』を応援してくださる皆様にここで私からプレゼントがございます。
えー…なんだと思います?まずはですねこちらでございます。
これ『相棒‐劇場版