かわいいですねぇ。
アカハナグマの赤ちゃんです。
こちらは群れのみんなでお食事中。
おっと!ヘビが現れました。
群れのメンバーが発見。
みんな逃げろ!仲間同士互いに危険を知らせ合うことで厳しい自然を生き抜いています。
ところがこちら群れから離れた母と子がいます。
実はアカハナグマは子どもがおよそ2か月になるまでお母さんがたった一匹で育てるんです。
まだ幼い赤ちゃん。
あっ危ない!それに森にはこわ〜い天敵がいっぱいいます。
お母さん一匹での子育てはとっても大変。
なのになぜ一番大変な時期に群れから離れちゃうんでしょう?孤軍奮闘するお母さんハナグマに密着します。
(テーマ音楽)南米ブラジルの大西洋側。
熱帯雨林が点在しています。
そんな森の一つが今日の舞台です。
ここでは10年以上にわたりアカハナグマの観察が行われています。
耳に印が付いていますね。
地元の大学の研究チームはこうやって1匹ずつ見分けているんです。
ハナグマは「クマ」とはいってもアライグマの仲間です。
そういえば尻尾のしま模様などどことなく似ていますね。
顔の特徴は名前の由来となった長〜い鼻。
この鼻で地面や地中に潜む獲物のにおいを探ります。
ミミズを捕らえました。
鋭い嗅覚は隠れ上手な生きものでも逃しません。
例えばこの画面。
ある生きものが隠れているんですが分かりますか?ここ。
ガです。
枯れ葉そっくりですよね。
でもにおいで探すアカハナグマにかかると…。
あっさりと見つかってしまいました。
おや?このしぐさ。
アライグマが獲物を探すしぐさにそっくりです。
名付けて…アカハナグマはこうして獲物を弱らせていると考えられています。
今度は木登り。
意外と身軽なんですね。
あ果実を食べています。
アカハナグマは雑食性。
ミミズや昆虫だけでなく木の実も大好物なんです。
30匹ほどのアカハナグマの群れ。
大人はメスだけで2歳までの子どもが一緒にいます。
オスは2歳を過ぎると群れから出て1匹で暮らすようになります。
こちらでは小さな子どもが年上の子どもに遊んでもらっています。
こうして群れの絆を育んでいくんです。
そしてその絆が幼い子どもを守ることにつながります。
ある日突然ヘビが現れました。
群れのメンバーが気付きました。
警戒の声が響き渡ります。
そして一斉に木の上に避難。
まだ幼く危険を察知する能力が乏しい子どもたちも群れの仲間のおかげで事なきを得ました。
森には怖い天敵がいっぱいいます。
肉食動物のジャガーやオウギワシなどの猛きん類。
そんな厳しい自然の中をアカハナグマの母と子は群れの力を頼りに生き抜いているんです。
ところが妊娠したメスはあえて群れを離れて出産し2か月ほどの間たった一匹で子育てをするといいます。
研究者のバンデル・メスキータさんと共に生後間もない赤ちゃんと母親を探すことにしました。
高さ20メートルほどの木の枝。
鳥の巣のようなものの上で何かが動いています。
アカハナグマの赤ちゃんです。
メスキータさんによるとこの赤ちゃんたちが生まれたのは6週間ほど前。
まだ巣の外へ出たことはないといいます。
そこへお母さんが戻ってきました。
尻尾が切れています。
メスキータさんたちが「コト」と呼ぶメス。
以前天敵にやられたんだそうです。
それにもめげずコトは毎年のように子どもを産んでいます。
アカハナグマの寿命は10年足らず。
6歳のコトはベテランのお母さんです。
この日コトが赤ちゃんをくわえて巣から降ろし始めました。
初めて巣の外に出る赤ちゃん。
どうやら子育ての場を地上に移す時が来たようです。
まだ自分の力では木から下りられない子どもをコトは1匹ずつ慎重に下ろします。
これで4匹目。
その時困ったことが起きました。
5匹目の赤ちゃんが自分で下りようとして立往生してしまったんです。
「じっとしててね」。
どうにか救出成功です。
普通アカハナグマは一度に2匹から5匹の子どもを産みます。
コトの子どもは全部で5匹。
赤ちゃんたちの地上での暮らしが今始まりました。
地上に降りた赤ちゃんたちはまず食べ物の探し方を覚えなければなりません。
「こうやるのよ」とばかりにミミズを捕まえるコト。
でも赤ちゃんはまだお乳のほうがいいようです。
すると「ダメです!」。
コトは甘えを許しません。
しかたなく自分でミミズを探す赤ちゃんたち。
お乳がもらえるのもあと2か月ほど。
それまでに自分で獲物をとれるようにならなければなりません。
1匹の赤ちゃんが切り株の上に何かを見つけました。
アリがいっぱいいます。
アリにたかられながらもどうにか食べようとする赤ちゃん。
ところが…攻撃されてしまいました。
ある日研究者のメスキータさんと別のアカハナグマを追っていた時とても悲しい出来事に遭遇しました。
1匹の赤ちゃんの死骸を見つけたんです。
小さな赤ちゃんがいる…なんと同じアカハナグマのオスが子どもたちを襲い食べてしまうことがあるというんです。
コトの子どもたちは無事育つことができるでしょうか。
ある日心配が現実になりました。
コト親子の近くに大人のオスが現れたんです。
オスはコトたちのほうをじっとうかがっています。
そして更に近づいてきました。
警戒するコト。
オスが突然襲いかかってきました。
親子に接近してきたオス。
まずコトを追い払おうとしたようです。
体を張って反撃するコト。
オスは一旦引き下がります。
しかし再び戻ってきました。
コトは必死で戦います。
ついにオスは諦めたようです。
どうにか子どもたちを守ったコト。
危ないところでした。
同じアカハナグマのオスまでもが敵になる野生の世界。
互いに危険を知らせ合う群れの仲間がいないたった一匹の子育ては本当に大変です。
う〜んちょっと待った!何ですか?ヒゲじい。
いやずっと気になってたんですがもう我慢できません。
どうしてわざわざ小さな子どもを抱えた最も危険な時期に群れを離れたりするんですか?群れにいたほうが安全なんでしょ?ああ説明がまだでしたね。
実は群れで暮らすためにはコトの赤ちゃんはまだ小さすぎるんです。
え?どどういうコト?アカハナグマの群れは食べ物を求めて絶えず移動しなくてはなりません。
1日に1キロ以上移動することも珍しくないんです。
ほうほう。
でも生まれて間もない赤ちゃんにはまだついていくだけの体力がないので群れと一緒に行動するのは難しいんですよ。
ああそうなんですか。
それにアカハナグマは高い木の上の果実も食べるって言いましたよね。
はいはい覚えとりますぞ。
でもコトの赤ちゃんの木登りはまだこの程度。
木に登って実を食べるなんて到底無理です。
あ〜まあ確かにね。
だから子どもがついていけるようになる生後2か月くらいまでは群れに合流できないんです。
なるほど。
今のコト親子じゃ群れからコトわられちゃいそうですなぁ。
群れに戻るのはまだムレなんてことでしょうかね。
まだ体力のないコトの子ども。
歩き回るのに疲れたのかこんな所でうたた寝を始めてしまいました。
こちらの子どもは移動中なのにつるに登って遊んでいます。
連れ戻しにかかるコト。
でもなかなか言うことを聞いてくれません。
「さあぐずぐずしないで。
早く行きますよ!」。
コトの孤軍奮闘はまだしばらく続きます。
うん?大きなミミズ?第2章では謎の生きものが登場。
あれ?コトの様子が変!何事?突然ですがここで「ダーウィンNEWS」です。
ヨシに留まった2羽の鳥。
美しい羽のシジュウカラ。
実はどれも木から作った彫刻作品です。
「バードカービング」と言います。
これを使い鳥の魅力を伝えている人がいます。
内山春雄さん。
バードカービング作りの第一人者です。
この日は目の見えない子どもたちに触らせて鳥の形を教えています。
内山さんは学校などで手に取って触ることのできる彫刻を通して鳥の魅力を伝えてきました。
今内山さんが取り組んでいるのは南米のガラパゴス諸島などにすむダーウィンフィンチの仲間です。
いくつもの島があるガラパゴスは環境の違いで生きものがいろんな進化を遂げた場所。
このフィンチは器用に枝を使い木の中に隠れている虫を捕まえて食べます。
一方こちらは大きな鳥に乗るとなんと血をなめています。
見た目も暮らしぶりも違いますが実は祖先は同じ。
それが15種類にも分かれたんです。
内山さんはフィンチの特徴を彫刻で表現し進化のおもしろさを伝えたいと考えています。
(内山)頭のカーブとくちばしのカーブがほとんど丸に近い。
あ〜ホントだ!ね?確かに何か違う。
子どもたちは進化の不思議を体で感じたようです。
群れから離れたった一匹で5匹の赤ちゃんの世話をするコト。
赤ちゃんは生後およそ7週間になりました。
コト親子の前に大人のアカハナグマが現れました。
でもコトは追い払おうとはしません。
実はこのハナグマは「アマレリーニャ」というコトと同じ群れのメスなんです。
アマレリーニャも群れから離れて子育ての真っ最中です。
赤ちゃんは2匹。
大きさから見てコトと同じころに産んだようです。
つまりコトとアマレリーニャはママ友。
どうやら一緒に行動することにしたようです。
赤ちゃんたちも仲良く一緒に獲物を探しています。
アマレリーニャがコトの赤ちゃんのお尻をなめています。
これは排せつを促す行動。
他のメスの子でも分け隔てなく世話をするんですね。
しばらくするとコトが離れていきました。
アマレリーニャに子守を任せたんです。
1匹で森の奥へと向かうコト。
夢中になって食べ物を探します。
赤ちゃんの世話から解放されて食事に専念できるのは久しぶりです。
およそ1時間後コトが戻ってきました。
アマレリーニャのおかげでおなかいっぱい食べられたようです。
コトの周りに赤ちゃんが集まってきました。
お乳の時間です。
まだ自力で十分な食べ物がとれない赤ちゃんにはお乳も欠かせません。
母親同士互いに助け合いながら大変な子育てを乗り切っていきます。
ある日コト親子の目の前に奇妙な生きものが現れました。
アシナシイモリです。
巨大なミミズのようにも見えますがカエルなどと同じ両生類。
長さは1メートルもあります。
まず好奇心旺盛な赤ちゃんたちが近づいてきました。
初めて見る生きものに興味津々。
一方お乳を出すためたくさん食べたいコトにとっては魅力的な獲物に見えたようです。
早速攻撃開始。
お得意の「前足たたき」で弱らせてから食べるつもりのようです。
あら?コトの様子が変です。
口から泡を吹き鼻水も垂らしています。
実はアシナシイモリは攻撃されると体の表面から毒を出して身を守ります。
コトはその毒をもろに浴びてしまったんです。
毒のせいで目もしょぼしょぼ。
どうやらコトにとっても初めて出会う相手だったようです。
「これは食べられないわ」。
コトは退散します。
子どもが生まれておよそ8週間がたちました。
みんな食べ物探しの腕前が随分上達しました。
ほらこんなに深い穴だって自分で掘っちゃうんですよ。
たくましいですね。
こちらではヤスデを捕まえました。
一人前に「前足たたき」で弱らせて丸かじり。
食べ物探しはもう合格点です。
どんどん食欲旺盛になる子どもたち。
コトたちは少しでも食べ物の多い場所を探して森の中を歩き回ります。
突然コトが立ち止まりました。
前方にライバルの群れがいたんです。
大人と子ども合わせて30匹を超す大所帯。
ちょうど食事の真っ最中のようです。
ここはミミズや昆虫が特に多い場所。
コトたちだって引き下がるわけにはいきません。
相手の様子をうかがいながらゆっくり近づくコトたち。
その時です。
近寄ってきた1匹をコトが威嚇。
両者に緊張が走ります。
そしてついにケンカに発展しました。
手前がライバルの群れ。
向こう側がコトたち。
コトとアマレリーニャは必死に抵抗します。
しかし多勢に無勢。
2匹だけでは全く歯が立ちません。
結局コトたちは食事を諦めその場から去っていきました。
再び食べ物を探して森を歩き回るコトたち。
おや?コトが何かを警戒しています。
前方には1匹のオスのハナグマ。
まだ若いオスですが子どもを襲うこともある危険な相手です。
アマレリーニャが子どもたちに注意を与えおなかの下に隠しました。
コトも体の下に子どもたちを集めます。
そしてオスをけん制しながら離れていきます。
オスは諦めて去っていきました。
それにしても子どもたち随分成長しましたね。
母親の指示に従ってちゃんと危険を回避できました。
その翌日。
研究者のメスキータさんから「コトたちが群れに合流した」という知らせがありました。
茂みの中。
30匹ほどの群れが食べ物を探しています。
コトはどこでしょう?いました。
画面の左下。
この短い尻尾はコトに間違いありません。
コトのそばにはアマレリーニャもいました。
群れに戻っても2匹は一緒に行動しているようです。
群れには他にも4組の親子の姿がありました。
これから共に生きていく大事な仲間たちです。
しばらくするとほほ笑ましい光景を目にしました。
20匹ほどの子どもを連れた1匹のメス。
群れの全ての子どもを預かっているんです。
まるで保育園。
こうした子守役は群れの大人たちが交代で務めます。
子どもを預けた母親たちは森の奥へ。
みんな食事に専念します。
コトも子どもたちを預けてのんびりお食事。
ほんとお疲れさまでした。
そのころ子どもたちは群れの若者たちと遊びに夢中。
とっても楽しそうですね。
しばらくたったある日。
木の上に子どもたちを見つけました。
自分で木の実をとって食べています。
今度は地面でミミズ探し。
子どもはあとひとつきほどで完全に乳離れします。
仲間と協力して危険な森を生き抜くアカハナグマ。
たった一匹で子どもを守り育てる母親たちの2か月に及ぶ奮闘が群れを支えていたのです。
(官兵衛)これ以上戦を続けても意味はございませぬ。
2014/10/12(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「ハナグマ母さん 子育てに孤軍奮闘!」[字]
群れの仲間と助け合いながら、南米の森で生きるアカハナグマ。ところが、出産を控えた母親は群れを離れ、なぜかたった一匹で子育てをする。あえて試練の道を選ぶ理由とは?
詳細情報
番組内容
ブラジルの熱帯林にすむアライグマの仲間、アカハナグマ。メスたちは、20匹ほどの群れを作って暮らす。食べもの探しから天敵対策まで、群れは一致団結、常に互いに助け合う。ところが、出産を控えた母親は安全な群れを離れ、たった一匹で子育てをする。他の群れとの縄張り争い、意外な敵の襲来。幼い子どもたちを連れての生活は苦労の連続だ。育児に孤軍奮闘する一匹の母親に密着。あえて試練の道を選ぶ理由に迫る。歌:平原綾香
出演者
【語り】首藤奈知子,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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