世界の果ての日本人〜ここが私の理想郷〜PART9 2014.10.12

マヤ文明世界遺産の密林で
たった一人で暮らす日本人女性を探せ
彼女は独特の調味料を使い
古代料理の伝統を引き継いでいる
気温50度しゃく熱のアフリカ奥地で
出産を決意した日本人女性がいた
設備の乏しい辺境での初産に臨む妊婦に
6ヵ月間密着せよ
軍隊も注目した超危険な激辛食品に魅せられた男がいる
辺境の子供達の未来を担う壮絶な仕事を調査せよ
…で暮らす日本人女性
彼女をとりこにしたのは
古代マヤから受け継がれてきた魅惑の食文化だった
中央アメリカ最大の都市…
熱帯の国ながら標高1500メートルの高原地帯に位置するため
気候は穏やか
スペイン統治時代の面影を残す美しい旧市街に
日本からはるばるやってきたのは?
いや〜グアテマラってそんなに暑くないですねもっと暑いと思ったんですけど意外と涼しくて
グアテマラシティは国内各地へ向かう
長距離バスの拠点
バスターミナルへ行ってみると
目に飛び込んできたのは懐かしいボンネットバス通称…
最果ての住人が暮らすキリグア行きのバスはどれなのか?
ハ〜イありがとうございますキリグアまで2回遠いな
満席になるまで出発しないこのチキンバス
やっといっぱいになったと思いきや
このバス普通じゃ終わらない
最後に乗ったこちらの女性何と座ったのは
オイル缶の特等席
調査員が乗り込んでから1時間後ようやくバスは出発
長いバスの旅が始まった
走り出して間もなく
停留所も標識もない場所で突然人が乗ってくる
今度は降りる人
さらにベンデドールと呼ばれる
商魂たくましい男達もわんさか
そんな中…
大声でセールストークに励む男性の手には
何やら小さな箱が
ホント?
売れるわけないと思いきや
大繁盛だから驚き
そんなにぎやかなチキンバスは2時間後
乗り換え場所のエル・ランチョに到着した
ここからは小さなワゴン車で移動
車内はギュウギュウ詰めの大入り満員
さらに標高も下がり
高原から低地へ
3台目のバスに乗り換えた頃には
熱帯の密林地帯に突入
一見のどかな風景も熱風の洗礼にさらされている
ようやく到着かと思ったそのとき
調査員にさらなる試練が
遠い遠いなだって2回乗り換えるって言ってたのにまだ?
そうキリグアに一番近い町が…
まだその先があった
キリグアまでの交通手段は…
テクテク歩くよりは速い
ブエナス・タルデスあの〜
知っているということはゴールも近いはず
ついにキリグアに到達
最果ての住人が暮らす家にたどり着ける
しかもトゥクトゥクだ
家の前まで行ってくれる…はず
もうないよ道ちょっと
道が途切れ
さらに重量級の調査員とくれば
万事休す
ホントに?
密林に迷い込んだ調査員
世界最果ての洗礼が
彼を襲う
ああ〜ッ
最果ての住人を訪ね
長い長い道のりを歩んできた調査員
ごめんくださ〜いああどうもドロンズ石本と申します
ついに会えた…
キリグアはとんでもなく遠かった
ここキリグア村は3世紀頃に建設された
マヤの古代都市の1つ
キリグアがあった場所
熱帯の密林の中で栄えた古代マヤ文明
その歴史を物語る遺跡は世界遺産にも登録されているが
訪れる観光客はなぜか極めて少ない
そんな辺境の地で真幸さんは
キリグアの宿という名のホテルを経営
宿の片隅にさりげなく置かれているのは宿の建築中に
敷地から発掘されたマヤ時代の遺跡物
まさにマヤ文明とともにこの宿はある
周囲は原生林が生い茂る熱帯の密林
緑の魔境ともいうべきジャングルは
小さな生き物達が無数に暮らす
野生動物の天国であり
1年中何かしらの果実が顔を出す
アリシア
パートナーは客室を担当するアリシアさん
そして愛犬の…
じゃ失礼しま〜すわあ〜かわいらしいですね
こちらは宿の…
キリグア伝統の調理道具が整然と並んでいる
かまど
キリグアではかまどを作るのは女性の仕事
このかまども真幸さんの手作り
これは何ですか?コマルという土皿なんですけどフライパンみたいなものですか?そうですね油はひきませんけど
キッチンの外にも
パン屋さんのある町までは往復4時間
そこでパンを焼くためのかまども作った
彼女の焼くパンは手が込んでいる
まず風味を出すために小麦をいり
さらに優しくかき混ぜ
冷蔵庫で一晩寝かせるという特殊な発酵法も味の秘密
翌日薪のかまどで30分
こうして出来上がったパンがこちら
食感と味を極めた真幸さんのパン
彼女を悩ます密林生活の致命的弱点とは?
南米・グアテマラキリグアの密林に囲まれ
女手一つで宿を切り盛りする桑田真幸さん
それは熱帯雨林に住んでいるにもかかわらず
理不尽な現実だった
これこれ?水?はい水…週に1回しか来ないんですよ週に1回しか来ない?
雨はわんさか降るのに水道設備が整っていないため
水の確保がままならないという現実
だからタンクや貯水槽が必要不可欠
そんな難点も知ってはいたが
それでも彼女はキリグアに住むことを決意し
自らの意思で密林の中に宿を開いた
日本とは比べようもない不便な暮らしだったものの
次第にここでの生活に魅せられていった
しかし密林に囲まれたキリグアの暮らしが忘れられない
そこで意を決し9年前に土地を購入
翌年宿をオープンしここに暮らし始めた
真幸さんの宿に泊まる客の大半は
世界遺産のキリグア遺跡がお目当ての日本人
その遺跡に案内してもらった
この遺跡の目玉はステラと呼ばれる石碑の数々
類を見ないその美しさから
グアテマラの通貨にもなっているほど
ステラはこの地を治めたカック・ティリウ王の
権力の象徴として建てられたもの
その中の1つが
昨年世界中から注目を浴びる騒動の引き金となった
あの人類を震撼させたマヤの終末予言の
根拠となったのがこのステラ
側面に刻まれたこの神聖文字こそが
世界滅亡の日を特定するもの
あれ上からのやつあんなのもう…って感じでしょこれ残念なことは…
静けさに包まれた世界遺産
そんな場所で宿を経営していても
のんびり構えているわけにはいかない
宿の…
常に必要なのが通路を確保するための草刈り
お客さんに珍しい原生林を見てもらいたいのだ
やがて絡みついた木を枯らせてしまう怖いやつ
赤い皮に覆われたこの木の…
熱帯雨林ならではの重労働もある
それは大切な宿をむしばむ…
それが最大の憂鬱の種
雨季には湿度が90パーセントを超える環境
駆除しても駆除しても終わりがない
お金さえ払えばやってくれる専門業者もいなければ
頼る人もいない
何でも自分一人でこなさなければ
ここで暮らしていくことはできないのだ
さらに買い物も大変
買い出しは遠方の市場まで足を延ばさなければならない
しかしこの国のバスに乗るには
気合いが必要
これですか?あれですこんな感じで乗っていくんだ
バス2台を乗り継ぎ往復4時間
買い物も旅気分
もう頭から別居の話から
驚きの隠し味
彼女がホレ込んだマヤ伝統料理が食卓に
メチャクチャうまいっすね
往復4時間をかける食材調達
やってきたのはカリブ海側の町
プエルト・バリオスにある中央市場
市場の中はまるでジャングル状態
日用品から食品まで
ありとあらゆるものが所狭しと並ぶ
この日の最初のお目当ては野菜
中米は数多くの野菜の原産地として知られ種類も豊富
グアテマラ料理も野菜を使ったものが多い
6ケツァルですそれ何すか?うんホントだ
さらにキリグアでは淡水魚しか手に入らないため
ここぞとばかり海の魚を仕入れる
まさにカリブ海の恵み
魚は暑さで傷まないよう大切に持ち帰る
宿に帰り早速夕食の準備
この日のメニューは魚介の煮込みだが
野菜の仕込みが料理の味を左右する
これはトミーオっていう香草ですとてもいい香りがする香料なんですけれども
香辛料の使い方もポイント
さらにこの料理の決め手となるのが…
ココナッツミルクを作るのも
すべて手仕事
それを仕込んでおいた野菜と合わせ
ベースのスープを作る
あとはそのまま…
これがキリグアの宿の定番料理…
ココナッツの甘みと
魚介と野菜の旨みを併せ持つ贅沢な一品だ
スープからいただきますどうぞカラコールっていって大きな貝の中身なんですけれどもこれがその貝殻なんですえ〜ッこれに入ってるらしいですうま〜いうん
ジャングルでカリブ海の幸を堪能
そして翌朝
アリシアさんによると…
どうやらその女性は悪い状態を生み出す障害を
突き止めることができるらしい
調査員に彼女ができない障害とは何なのか?
アハハすげえ明るいすげえ明るい
意外にもノリノリで登場の…
その能力とは?
うん?こう?
早速儀式が始まった
何卵?どうしたの?
天の神に調査員の悲しい現状を訴えるアマンダさん
やがて
体の至る所に卵をかざし始めた
悪い運気があちこちに潜んでいるんだとか
10分ほどで祈りの儀式は終わった
果たしてどんな悪い運気が
卵の中に吸い込まれているのか?
過去と現在を表す卵は
悪い運気を吸い取って黄身が割れているが
未来を表す卵はきれいな黄身のため
いずれ彼女が現れるという
さらにありがたいことに
彼女ができる薬の処方までしてくれるという
使うのはアルコール度数の高い…
そして砂糖
さらにレモン…ってこれあの…
ウオッカのレモン割りなんじゃないんですかね?
この薬一気に飲み干さなければ効果はない
あ〜ッ…あ〜ッ…酔っ払って…ハハハハハ…
すると今度はこちらの方も…
真幸さん真幸さん…あ〜あおもしろいなあの人いや〜ッ…酔っ払ったあ〜ッ酔っ払った
人間の悩みはどこで暮らそうと同じ
この日真幸さんは調査員に特別な料理を振る舞おうと
マヤ古来のコマルの上で野菜を焼いていた
さらにゴマやカボチャの種などを
コマルにのせ焼き加減を慎重に見極めながらいる
そして焼いた野菜などをすべて
メタテという板の上で細かく潰していく
手間暇はかかるが熱が発生しないので
素材の旨みを損ねないのだとか
マヤ料理の基本的なソースになります
このソースに合わせるのが表面を軽くあぶった…
火にかけながらマヤの…
ここでさらに加えるのが…
もちろんこのルーも真幸さんの手作り
ソースの風味が命のこの料理
ゆっくり煮込めば…
マヤ伝統の食材と技法を生かした特別料理
手作りパンと一緒に香ばしい風味と
コクのある芳じゅんなソースをまとったチキンをいただく
何これ?鶏肉ですよね?はいあれ?そうあッおいしい!皆さんが想像してる「甘ったるい」とかじゃない全然
その歴史は深い
そんなカカオに魅せられた真幸さんのチョコレート作り
マヤの製法をしっかり受け継ぎ丁寧に…
強火で高温でやるとカカオバターが飛んでパサパサになっちゃうんです
いったカカオは一つ一つ手で皮をむき
専用の…
カカオ100%の風味と香り
精製していない砂糖を好みの量だけ加え
再びミルへ
甘いカカオバターの香りがキッチンを包む頃
マヤ仕込みの真幸さんのチョコレートが完成した
どうですか?
(犬がほえる)怒らないでよぴょん太
すべては古代マヤの秘伝の味
そんなマヤの味覚に真幸さんが魅せられた
原点の場所があるという
マリアああこんにちはどうも〜いらっしゃいどうもオーラああマリアさん
宿の近くに住むマリアさん
真幸さんがチョコレート作りの師匠として慕っている
おばあちゃんだ
ミルを使う真幸さんに対し師匠の…
これが本当のマヤの製法だが
粒がなかなか均等にひけず舌触りにざらつきが出るため
やむなく真幸さんはミルを使っているのだとか
お待たせグラッシャスわあ〜すご〜い作りたての…作りたての?
これぞマヤの王侯貴族だけが味わえた
至福の逸品
あ〜ッ…おいしい!
カカオを通し優しい人々の中に
真幸さんも溶け込んでいた
そんなカカオと同様に
真幸さんの心をとらえて離さない場所があった
それはキリグアの隣村にあるという
一体どんな所なのか?
マヤ時代密林に点在する古代都市の交易を担う
重要な川だった
古代マヤの人々も見ていた同じ風景
この場所で暮らす幸せをしみじみとかみしめる
豊かな自然とマヤの伝統文化
心豊かに暮らせるキリグアこそ
真幸さんの理想郷だった
新たな命の誕生を願い
しゃく熱の大地でエネルギーを爆発させる女達
今一人の日本人女性が
アフリカのセネガルで出産の時を迎えようとしていた
当然日本で産むようなわけにはいかない
病院の施設も
医療技術も最先端とはいかないのが現実
不安が募る
それでも彼女の決意は変わらなかった
ついに陣痛が始まった
しかし思いもよらぬ試練が襲いかかる
真夜中の緊急搬送
彼女の身は?そして生まれくる赤ちゃんは?
成田から中東ドバイを経由し
西アフリカの最西端に位置するセネガルへ
調査員が降り立ったのは
自由の女神をりょうがし
世界一の高さを誇るモニュメントが出迎えてくれる
セネガルの首都…
ちょっとほこりがすごいし大変…
最果ての住人が暮らす町へは
この混とんとしたバスターミナルから向かうらしい
乗りこむのはカラピットと呼ばれるこのバス
車内は身動きできないほどの超満席
しかもこのバスとんでもなく過酷な仰天バスだった!
バス停でもない所にバスが止まったと思ったら…
何と…
一体何が始まるの?
バス停もない所にいきなりバスが停車
するとみんなバスを降りて突然…
一体何が始まるの?
イスラム教徒である彼らは…
旅の途中も欠かさない
今度は他人の軒先で料理を始めちゃいました
しかも本格炊き込み料理
手で?
道中にレストランがほとんどないため
こうして珍道中は続き
やがて調査員一人に
ようやく街の明かりが見えてきた
翌朝目を覚ますとそこには
街並みが広がっていた
そしてようやくたどりついたこの白い建物が目指すお宅
ごめんくださ〜いはいあッ坂本夏希さんですか?はいこんにちははじめましてはじめましてはい
まだおなかは目立たないけど妊娠5ヵ月
珍道中の末何とか最果ての妊婦とご対面
まずは家族にご挨拶
どうも〜双子の妹の…双子ちゃんなんですか?はい双子です
そしてこちらがダーリン
はじめましてよし子ですはじめましてアリュです
アリュさんは家電製品を修理する電気技師
二人の出会いもこの仕事のおかげだとか
長野で生まれ育った夏希さんは看護師だった
その看護師の技術を海外で生かそうと参加したのが
青年海外協力隊で
その派遣国がここセネガル
一つ屋根の下…
え〜ッ!?
中庭にある開放感たっぷりのキッチン
うわッ…
こちらは夏希さん夫婦のプライベートルーム
家族それぞれの部屋は中庭を囲むように並んでいる
夏希さんの一日は朝のお祈りから始まる
結婚を機にイスラム教に改宗
飽食の日本での生活に別れを告げ
厳しい戒律の中で暮らしている
目下の悩みは大好きなとんこつラーメンが食べられないこと
主婦としての一日はこの水くみから
これが案外重労働
洗濯はすべて手洗い
電化製品があまり普及していないここでの暮らしは
夏希さんも知らない昭和30年代の日本
毎日が戸惑い
そんな夏希さんとの結婚をお母さんはどう思っていたのか
そんなお母さん今は姑として
いつも夏希さんのよき相談役
今日はチキンを使った定番料理の作り方を
夏希さんに伝授
味の決め手はニンニク黒コショウを使ったこの香辛料作り
じっくりじっくり2時間
おなかをすかせた家族のために用意した夕食は
丸ごとのフライドチキンにタマネギソースをまぶした
チキン・ラグー
ディナータイムは気温が下がり始める…
明かりのある場所が限られているため
夕食はいつも廊下にある電球の下で
姑から嫁に受け継ぐ家族の味
夕食も終わった…
何やら中庭の土間に皆が集まってきた
どうしたことか自分達の部屋があるにもかかわらず
中庭の土間にはった蚊帳の中へ入り始めた
タンバクンダはセネガル一暑さの厳しい場所
そんな場所で夏希さんはこれから出産を迎える
ご主人のアリュさん
この日は同僚を伴い出張修理
父親になるためにバリバリ働き稼ぎたい
しかし最近それが悩みの種だとか
父親になる期待と同時に不安もある
一方自宅ではお母さんが
何やら水をビニールに入れているのだが…
宝物って一体何?
とそこにあったのは何と大型の…
しかもこの冷凍庫かなり高価
一体どんな仕掛けがあるのか?
水を詰めたビニール袋を冷凍庫に入れるお母さん
タンバクンダの一般家庭には冷蔵庫も冷凍庫もない
そこでお母さん氷の販売を始めたのだ
もちろん売り歩くのもお母さん
一年を通して暑〜いセネガル
氷は瞬く間に売れてゆく
そんな家族の愛情を感じながら夏希さんはしゃく熱のセネガルで
出産を迎える
セネガルで子供を産むそれは…
今は出産準備に追われる毎日
この日は赤ちゃんのベッドを買うため
知人の大工さんを訪ねた
一日も早く我が子に会いたい
取材チームは夏希さんの出産に立ち会うため
再びタンバクンダを訪れた
最も過酷な季節に出産の時を迎えることになる
(スタッフ)久しぶりですお久しぶりです
臨月を迎えた彼女は元気そうだった
この日夏希さんは久しぶりの外出
最後の検診を受けるため病院にやってきたのだ
すでに産科は長蛇の列
さすが出生率4.7人の国
夏希さんの主治医は
ダンファカ先生が手にしたのは
間もなくこの部屋で産声を聞くことになる夏希さん
しかしご主人のアリュさんの気持ちは複雑だった
それでもここで産むと决意した夏希さん
先生の指導に従い自宅の中庭でウォーキングの真っ最中
でもどうして外に出かけないの?
実は…極めてナーバス
外出できない夏希さんに代わり
今はもっぱらお母さんが買い物を担当
ここは日用品から食品まで何でも揃う街のマルシェ
お母さんがやって来たのは
この街では薬が非常に高価なため
このような店が繁盛している
今日は細長いチェップをはじめ3種の薬草を買い求めた
お母さんは薬草で一体何を作るのか?
それは一体どんな料理なの?
そして驚いたことに
炊き上がったご飯にたっぷりの…
甘〜い…
体の中の毒素を取り出すといわれる
妊婦さんのためのおかゆ
お母さんが夏希さんの体を気遣って作ってくれたおかゆ
夏希さんいかがですか?
どうやら強烈に甘いようだ
みんなが赤ちゃんの誕生を待ち望んでいた
優しい家族に見守られながら出産を待つ日々
しかし心の片隅にあるのは
やはり日本の家族のこと
慣れぬ手でオムツを縫うその針も糸も
日本をたつとき…
もしかしたら一番心配しているのは
遠く離れた日本で娘の出産の報告を待つしかない
母親なのかもしれない
(祈りの声)
この日アリュさんとお母さんは
イマームと呼ばれる男性のもとを訪れていた
今から出産の無事を祈る儀式が行われるのだ
竹ペンを使い木板にコーランの教えを書き込んでゆく
それを洗い落とすと水は聖水になるという
さらに聖水に呪文を唱え祈りを込める
そう促すと庭の片隅に歩きだし
一心に祈るイマーム
一体鍋の中でどんな奇跡が起きるのか?
フタを開けると冷たかった聖水が
湯気を立てて煮立っていた
家に戻ったお母さんの手には
さっきまで煮立っていた奇跡の聖水
これを毎日少量ずつ
夏希さんの体に振りかけるのだとか
そんなある日
暑!
タンバクンダに調査員がやって来た
夏希さん!お久しぶりです!お久しぶり!何ですか?アー!
届けられたのは
その気持ちを表すかのように
ちょっぴり心配げな表情
そしてもう一つぬいぐるみと一緒に
母親の思いが添えられていた
ありがとうございますありがとうございます「何も手伝えず心配するだけでごめんね」って
「何も手伝えず心配するだけでごめんね」
「あなたの選んだ道」
「アリュと一緒に歩く人生です」
「パパと2人でただただ無事を祈ってます」
「ただし時々肩の力抜いてくださいね」
ホントありがとうございます持って来ていただいて
母になろうとする今母の思いが心に染み渡る
予定日を10日以上過ぎたその日
ついに出産の兆しが見え始めた
家の前ではアリュさんとお母さんが
不安げに立ちすくんでいた
いよいよ病院へ向かう
おなかの痛みは深夜から始まっていた
4人の子供を産んだお母さんも
嫁の初めての出産に不安は隠せない
時間はまだ朝の8時前
知らせを受け先生も駆けつけてくれた
夏希さんの尋常ならざる様子に気が気でないお母さん
アリュさんも一人懸命に神に祈っていた
陣痛は確かに始まっているものの
まだ出産までには時間がかかる様子
軽い運動をしながらその時を待つ
しかし
夏希さんの体に何ら変化もないまま
時だけが刻々と過ぎてゆく
一向に進展しない状況に
先生も不安を口にする
アリュさんの脳裏にもまさかとの思いがよぎっていた
何が起きているのか!?
急きょ通告
緊急搬送が始まった
帝王切開と判断したものの
タンバクンダで手術のできる病院はただ一つ
しかもその技術を持つ医師は限られていた
緊急対応も兼ねる州立病院は
深夜にもかかわらず患者やその家族であふれていた
日本のように帝王切開が一般的ではないセネガル
予想だにしていなかった事態にアリュさんはパニック状態
お母さんは病院の外に出て道端をさまよっていた
生まれ来る命のために夏希さんも
そして家族も闘っていた
タンバクンダでは数少ない外科の医師
しかし何とかつかまえることができ
帝王切開はこの薄暗い廊下の奥で始まった
待つことしかできないお母さんは
病院の片隅で一心に祈っていた
赤ちゃんをそしてその母を守ってほしい
執刀医に呼ばれアリュさんが手術室の中に姿を消した
手術の行方は!?
赤ちゃんが無事生まれた
取材班は特別に許可をもらい夏希さんのもとへ向かった
(スタッフ)おめでとうございますありがとうございます
(スタッフ)かわいいかわいい私似です
かわいい女の子だった
アリュさん初めて抱く我が子
そしておばあちゃん
心配が多かった分喜びもひとしお
20時間以上に及ぶつらい体験も
我が子の元気な顔がすべて消し去ってくれた
取材班は再び病院を訪ねた
(スタッフ)おはようございますおはようございます
(スタッフ)体調どうですか?
すべての検査をクリアし本日退院となる
薬代が高く
大きな出費に
夏希さん1週間ぶりの我が家へ
1人増えた家族とともに帰ってきた
おウチだよ帰ってきたよ
実は夏希さん自宅に戻ったら真っ先にやりたいことがあった
伝統にのっとり…
我が子をしっかり抱いてその時を待つ
うん元気元気
(ひとみ)頑張ったねうんありがとう大丈夫大丈夫赤ちゃんの顔見せてかわいい見える?見える見えるかわいい
インターネットを使い日本の母親へ我が子のお披露目
何回も何回もオッパイやってるの?何かねすんげーオッパイ飲んでねよかった出てるちゃんと?オッパイいっぱい出てる
(通訳)よかったよかったとりあえず
そしてこの日近所の人達が祝宴を開いてくれた
150人を超える人が集まり食事をし
お祝いのダンスを繰り広げる
それは夏希さんがこの街の一員として認められた証し
赤ちゃんの名前はお母さんと同じ
我が子とともにこの地で暮らしていこうと決めた人生
夏希さんは新たなスタートを切った
続いては日本を飛び立ち
香港を経由しておよそ12時間
やって来たのはバングラデシュの首都
到着するなりフレンドリーな人々がお出迎え
すごいみんな優しい何かすげースターになった気分
道路にも人々があふれかえりパワーみなぎるエネルギッシュな国だ
早速街を散策
すると
ポスターが赤ちゃんのって何が意味があんだろう?この赤ちゃんの種類たるや何でこんな赤ちゃん…ありがとうございます!
駅には一応通路があるものの
実におおらかだ
聞こえのいい音スペシャルシート
えッ!?えッそれ!?マジで?OK?
たしかにスペシャル!
乗れる所があればどこでもOK
世界の車窓から…ではなく車上から
これがバングラデシュ・スタイルなのだ
テレビで見たことあるけどまさか自分が乗るとは冷静になってみると
新聞を読むツワモノまでさらに
おおッ大丈夫か?おいおいおいマンゴー?マンゴー何かかけてるんですけど…これこのまま?すげ〜辛いうわ〜ッ屋根だ
心地よさとスリルが同時に味わえる
まさに特等席
だがこの後調査員を
日本人が暮らすポラシュ村はまだまだ遠い
列車の後はバスで移動
期待を裏切らないボロさ
ぶち抜いた床から突き出したギア
走ってるスピードなんて興味ないらしい
まさに最果ての地へ向かうにふさわしい
おんぼろバスでたどり着いたのは
首都・ダッカとは違いかなりのんびりムード
日本人が住んでるって聞いたけどご存じですか?タケウチ?あれッ何か聞こえてきたタケウチさんですか?
ホントに長かった
これがバングラデシュの村のそうですねはい恐れ入ります
すっかり村にとけこんでいる竹内さん
早速連れていってもらったのは
このずいぶん広い敷地の中に
竹内さんの仕事場と自宅があるらしい
そうですオレンジっぽい赤ですか辛いですか?何かじっと…
辛い!としか言葉が出ないほどの強烈な刺激
ギネス登録した教授が
バングラデシュやインド原産の
その辛さはかつて世界最強といわれたあのハバネロの2倍
最近では新たな激辛調味料として
日本でもひそかな注目を集めている
ガツンとした辛さの中に独特の旨味を持つ
…と呼ばれる奇跡のスパイスなのだ
じゃ皆さんは竹内さんの…言ったら部下の方になるようなそうですね言うことを聞く…
そう竹内さんは
20人を超える従業員を束ねる日本男児だった
その中で訪れた…
まだ注目される前のジョロキア
自らの先見の明を信じ
見てみたい
あれッ?
机とベッドでもういっぱいいっぱいの
ショボイご自宅
スペースがないので服も…
一応電気は通っているが
クーラーなどないのでサウナ状態
だが
これが悩みのタネなんだとか
それでも竹内さんを守る…
何やら怪しい動きを始めた竹内さん
うんッこの妙な音は?
追い出さずに
そう友達は…
こいつが蚊をバクバク食べてくれるのだとか
さらにカエルもいい仕事をするらしい
毎日がサバイバルしかし
仕事場はもっとすごかった
同じ状況だと思っていただけたら
なんとジョロキアは
兵器にも使われている
その超激辛成分に注目したインドの軍隊は
ジョロキアの粉末入りの催涙弾を
それほど危険なジョロキア工場には
…で立ち向かう
というわけで調査員
こちらで行われているのは
乾燥させたジョロキアの粉砕作業
極力触れたくないのでそ〜っと
こうして乾燥したジョロキアを
きめ細やかな粉に仕上げるのだが
ほんのわずかに…
(せきこむ)
まさに激辛地獄
とそのとき
あれッ?
急いで洗い流すもすでに戦意喪失
ただただ痛みに耐えるしかない
すぐさま次の従業員に交代し作業を再開
ところがものの1分で
あっけなくギブアップ
ジョロキアの粉砕作業は
ほとんど命懸けなのだ
こうしてむせかえりながら続けること
6時間
ようやく作業終了
すぐに粉末を洗い流す
さらに
離れた場所にある畑から届く
ジョロキアの実のヘタを取り除くのは女性陣が担当
だが
実の段階で相当な威力
こちらは実を洗浄する作業
これには竹内さんの強いこだわりが
取り引きしているのは日本企業不完全なものは納品できない
そしてさらなるこだわりが天日干し
体で覚えた感覚が冴え渡る
一切手間暇を惜しまず
常に同じクオリティーの商品を提供する
それが竹内さんの夢なのだ
そして夕食の時間
従業員には3食すべてをまかないとして出している
ありがとう
メニューはカレー
1種類だけでなくチキンや豆などバリエーションも豊富
辛くないですか?すっごいおいしい濃厚ですよねでも家族というか…
竹内さんは言う
新人のスタッフが竹内さんの部屋へとやって来た
そうですね
社長がいるからこそ自分達の仕事が生まれる
つまり洗濯をしないのではなく
社長はしてはいけないのだ
毎日の食事もお任せ
こちらのお母さんがおいしい料理を作ってくれる
しかし
たしかに腕はいいのだが
具は変わっても味はほぼ同じ
とはいってもこれがバングラデシュの食文化
竹内さんもすっかり諦め毎日カレー三昧
休み時間は
道着を身につけ登場した竹内さん
実は空手の有段者なのだ
ところが
組み手に入ると妙に従業員の動きが鈍い
そこにはバングラデシュ人ならではの深〜い事情があった
軽く汗を流したところでこの日はおでかけ
なぜか若い従業員がついてきた
そうですねすごいね今大変じゃない今油断してたよね次は容赦しないってことだ?ここに入るんですか?
やって来たのは竹内さんのお気に入りスポット村唯一の美容室
この美容室にとっても素敵なサービスがあるんだとか
スターの写真が自慢げに貼られているが
竹内さん月に一度のさっぱりタイム
散髪も大事だがもう一つの楽しみがあるらしい
それがこの全身マッサージ
もういいよと言うまでマッサージしてくれるのが
バングラデシュのスタイル
これは気持ちよさそう!
たまにはいいかなって感じですね
さっぱりした後は
メニューはたった一つ
とはいえお店はなかなかの繁盛ぶり
冷たいのかなと思ったらアツアツなんですねあれなんですけど天気予報とか
竹内さんにとって大切な場所
しかし今まで家にテレビがなかったわけではない
実は
今では彼らとその家族にとって
大切な宝物となっている
みんなの生活が豊かになることが
竹内さんの願いでもあるのだ
そして翌日向かったのは
俺も乗るから待っててねありがとう危ない危ない危ない!
リキシャと呼ばれる自転車タクシー
運転はかなり荒っぽい
これからどこに行くんですか?
だがこの道中が過酷を極める
やって来たのは船着き場
そう畑までは船で移動するのだ
うわッもうね…
船内はまるでお花見状態
自分達の場所を確保するのがルールとなっている
なんとかスペースを確保
夕方6時ぎゅうぎゅう詰めの船が出発
目指すジョロキア畑までは船で12時間
特にやることもないので無理やりでも寝るしかない
そして翌朝
この日はサイクロンの接近でどしゃ降りの雨
いいの?ありがとう
悪天候の中
このまま違う国行っててももう驚かないっすね
畑のチェックは他人任せにはできない大切な仕事
全身びしょ濡れになりながらようやく到着
実は畑の管理人から
気がかりな報告を受けていたのだ
この数ヵ月立て続けに大きな…
被害は想像以上
あぜ道に積み上げられていたのは
千本以上の無残なジョロキアの姿だった
自然相手とはいえ
取引先と契約している量を納品できなければ
死活問題だ
竹内さんは最後に残ったたった一つの畑に望みを託す
果たしてジョロキアは無事なのか?
よかったですありました
なんとかここだけは被害を免れた
しかしこの量で足りるのだろうか?
まあ大丈夫だと思いますねはい
バングラデシュでの事業はいつも綱渡り
それでも竹内さんがこの国にこだわる訳があった
雇用を生んでみんなが生活水準上がってみんな楽しく仕事できればいいんじゃないですかねその成功のモデルケースになれば嬉しいですね
会社の繁栄が子供達の明るい未来と雇用にもつながる
この笑顔を守り続けることこそが一番の願い
その夢に向かって
竹内さんの挑戦は
これからも続いてゆく
2014/10/12(日) 12:54〜14:58
MBS毎日放送
世界の果ての日本人〜ここが私の理想郷〜PART9[再][字]

PART6のセネガルに嫁いだ日本人女性のその後を追加取材・バングラディッシュで起業した日本人男性・グアテマラで宿を切り盛りする日本人女性の生活を取材します。

詳細情報
お知らせ
この番組は2013年7月17日に放送されたものです。
番組内容
PART6のセネガルに嫁いだ日本人女性のその後(出産・子育て)の追加取材に加えて新たにバングラディッシュで起業した日本人男性・グアテマラで一人で宿を切り盛りする日本人女性の3カ国に住む日本人の方々の現地での生活ぶりを取材します。
出演者
スマイリーキクチ
清水よし子
石本武士(ドロンズ)

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
バラエティ – 旅バラエティ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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