(先生)みんな集合!
(園児たち)は〜い!
(吉永誠一)いいんじゃないの?ここ!
(吉永照子)うん!いいいい!
(菜摘)いいいい!菜摘も気に入ったか?うん。
色もデザインもかわいいもんね。
うんかわいい!何の話ししてるの?制服に決まってるでしょ。
俺はね環境のこと言ってるの。
まずはのびのびと遊べるこの環境だろう!何言ってるのパパ?まずは制服なの!毎日着るものなんだからかわいくなくちゃ駄目なの。
ねぇ菜摘!パパって女心がわからないのよね。
菜摘!その言葉誰に教わったの?ママ!今すぐ忘れなさい。
今のところの第一候補はここね。
制服で幼稚園決めるのか?菜摘の大事な将来がかかってるんだぞ!菜摘パンフレットもらいに行こうか。
デコ!
(物音)喧嘩?
(言い争う声)
(真一郎)調子にのるなよ!葬儀に呼んでやっただけでもありがたいと思え!。
(琢磨)今日だってな呼ばれたんだ!だから来てやったんだよ!やめなさい!やめなさいって言ってるんだ!!県警の吉永だ!これ以上やるんだったら逮捕しますよ。
どうしたんですか?
(久子)お騒がせして申し訳ございません。
すべては私の不徳の致すところでございます。
どうぞこの場は…。
一応事情だけはお聞かせ願えますか?時間になります本堂のほうへ。
(弥生)奥さま。
本当に申し訳ございません。
やはり私どもは失礼いたします。
いいえ…。
失礼したのは私のほうです。
弥生さんも琢磨さんも主人のために参列してやってください。
お願いいたします。
おふくろ。
別に遠慮なんかすることないよ。
お願いします。
今の方は?主人がお世話になっていた方で…。
はい?あぁ…。
これから四十九日の法要がございます。
私がお二人をお呼びしたのですが息子たちがあんなことを…。
そういうことでしたか。
あの…念のためにお名前を伺ってもよろしいですか?榊と申します。
お騒がせして申し訳ございません。
お〜サンキュウ。
なんか複雑って感じねぇ。
なんだ聞いていたのか。
刑事の妻ですから。
もしかして榊さんって榊ビルの榊さんじゃない?たしかこの間会長さんが亡くなったはずよ。
ハマの不動産王とか言われてた。
あ〜あの!
(葛西)社長!社長!社長!どこ行っちゃったんだろう?おかしいな…。
(悲鳴)でもさっきの奥さんすごいわよね。
何が?だってお世話になった人って愛人ってことでしょう?まあね。
その人まで四十九日法要に呼ぶなんて。
デコだったらどうする?無理無理!だいたいパパが愛人さんなんて作ったら絶対に許さないんだからね!まさか愛人?ピンポン!はい吉永です。
えぇ大丈夫ですけど場所は?わかりました30分で行きます。
事件?ごめん!幼稚園見学はまた今度だ。
菜摘もごめんな。
パパって女心がわからないのよね。
だからそれはやめろって言っただろ!わかってるわよパパは。
だからいってらっしゃいしよう!パパいってらっしゃい!はい!いってきます!気をつけてね!〜
(川崎)悪いないつも非番の日に。
だったら呼ばないでくれりゃいいじゃないですか。
お前あっての深町班だろう!
(小沢)心にもないことを!お前が言うな!
(小沢)第一発見者が病院から戻りました。
ただの貧血だったみたいです。
吉永!吉永!!はい。
行ってこいよほら!こっちです。
身元は?永松祭典の社長永松晋40歳。
葬儀屋さんの葬儀もやっぱり自分のところでやるんですかね?余計な心配しなくていいよ。
凶器は?まだ見つかっていません。
鈍器で頭殴られたみたいだけど妙なへこみ方してたな。
こちらは永松祭典の従業員の葛西さんです。
神奈川県警の吉永です。
貧血のほうはもう大丈夫ですか?はい。
こんなことならもっと鉄分を摂っておくんでした。
どうぞどうぞお座りください。
申し訳ありませんけど社長さんを発見された時の状況をお話しいただけませんか?
(文田)川さん!とりあえず倉庫周辺の住人に聞いたんですけど不審者の目撃情報はありませんでした。
(後藤)悲鳴を聞いた人間もいませんでした。
所轄の連中も使って聞き込みの範囲を広げてくれ。
あの落ちていた札束なんですけどあのお金の出どころに心当たりはありませんか?さぁ?ホシはなんであの札束を持って行かなかったんですかね?あんな血まみれのお金使えないだろう。
あそっか。
社長さんは金銭トラブルとかありませんでしたか?まぁなかったと思いますけどね。
あるとすれば副社長のほうです。
副社長というと?社長の弟さんです。
お名前は?永松浩次。
弟さんに連絡は?さっきからケータイにかけてるんですけど出ないんですよ!いっつもそうなんです。
いっつもということはあまり仕事熱心なほうじゃないということですか?まぁはっきり言ってそうですね。
(葛西)副社長は仕事嫌いの気分屋で社長は相当手を焼いていたと思いますよ。
晋:おい浩次!お前プラプラプラプラしてねえで病院でもホームでも仕事あるかどうか見てこいよ!
(浩次)うるせえな!また社長さんの話に戻るんですけれども金銭トラブル以外にも何かトラブルを抱えていたようなことはありませんか?まぁ…あるとすれば女性問題ですね。
女性問題。
(玄関チャイム)
(ノック)前島さん!前島さんいらっしゃいませんか?いらっしゃいませ。
こちらに前島美枝子さんいらっしゃってますでしょうか?
(受付)はい。
ちょっと呼んでいただいてもよろしいでしょうかね?
(美枝子)え?ただいま戻りました。
川さん前島美枝子は?あ〜!今所轄で取り調べ中だ。
文田たちがご接待してる。
まぁ落ちるのは時間の問題だな。
(川崎)ガイシャと美枝子は同棲して2年になるらしい。
(川崎)しかし最近別れ話が出ていたらしいんだな。
美枝子の同僚のホステスが何度か仲裁に入っていた。
あそうか…あの血染めの札束あれ手切れ金だったんですよ!そんなところだろう。
おそらく美枝子のほうが別れるのを拒んだんだ。
でもってカッとなって男を殴り殺しちまったってわけだ。
アリバイはどうなんですか?ない。
凶器が見つかりゃそれで決まりだ。
行くぞ小沢。
休憩なしですか?現場100回!捜査本部は元町警察署!合同捜査会議は20時!遅れるなよ!わかりました!刑事さんお茶を。
どうもすみません。
どうぞ。
副社長さんから連絡はまだ…。
あ〜ないんですよね。
どうなってるのかなほんとに…。
葬儀社の仕事のほうは大丈夫ですか?あのですね昼間は言いそびれたんですけどここ危ないんですよ。
危ないって…経営がですか?はい。
何度も横浜中央銀行さんに融資をお願いしていたんですけどそれも駄目だったみたいで。
ということは…社長さんはあまりお金に余裕がなかったはずですよね?そりゃなかったと思いますよ。
素朴な疑問なんですけど死体を毎日見たり触ったりしていて気持悪くないんですか?バカお前!なんでこんなときにそういう無神経なこと言うんだよ。
俺たちだって一緒だろう?いえ構いませんよ。
すみません。
もう慣れましたと言ったらご遺体に失礼かもしれませんが怖いとか気持が悪いとかそういうことはもう感じません。
ご遺体によってはいとおしいぐらいで。
え〜!?ただ…。
ただ何ですか?亡くなってしばらくしてから発見されたご遺体。
あれはいけません。
あ〜わかります!あのにおいですよね。
えぇ。
こんなこと自慢にもなりませんけどもご遺体のにおいとか肌とか爪の様子とかで葬儀屋はだいたいの死因を当てることができるんですよ。
そうなんですか。
飲みすぎて亡くなったご遺体も少し…あ…すみません。
調子にのってしまいました。
じゃ自分たちはこれで。
じゃああの傘を…。
大丈夫です。
でも結構降ってますよ。
(雷鳴)このゴルフクラブはどなたのですか?副社長のです。
倉庫でよく素振りしているんですよ。
7番アイアンがありませんね。
そうですか?あほんとだ。
7番アイアンは副社長のいちばん得意なクラブなんですけどね。
小沢…鑑識呼び戻せ!!
(小沢)はい!班長あと30分だけ時間ください。
30分あればあの女を落とせます。
(深町)任意でこれ以上無理だよ川さん。
今日はこれまでにしような。
ただいま戻りました!
(川崎)おい凶器見つかったか?いやまだです。
でも凶器の断定はできました。
断定?はい。
何だ?ゴルフクラブです。
アイアンの7番。
ガイシャの傷口からみてほぼ間違いないと思います。
おいおい…あの女がゴルフクラブ振り回したってのか?前島美枝子はシロですね。
なに寝ぼけたこと言ってんだよ。
あの女は別れ話がもつれてあの女が殺したんだよ。
ホンボシは永松浩次。
ガイシャの弟です。
おいおい…どっからそんなのが出てきたんだ?吉永わかるように説明してくれ。
事件の起こる直前永松浩次は現場となった倉庫でゴルフの素振りをしていたものと思われます。
そこにガイシャである永松晋がやってきて何らかのトラブルになりカッとなった浩次が晋を殴り殺してしまった。
ふざけるな!
(川崎)待て待て。
そんな推測だけでホンボシわかったらみんな苦労しねえんだよ。
永松浩次のゴルフバッグから7番アイアンだけがなくなってるんですよ。
それに事件発生後永松浩次とは一切電話の連絡もとれてません。
7番持って練習場かもしれねえぞ。
それともう一つ。
ガイシャと一緒に発見された札束には銀行の帯封がしてありましたよね。
どこの銀行の帯封でしたっけ?
(後藤)三協銀行です。
そう。
(川崎)だから何なんだよ。
もったいぶらずにさっさと言え!永松祭典が取り引きをしていたのは横浜中央銀行だけなんです。
ガイシャ本人も横浜中央銀行以外には口座は持っていません。
おかしくありませんか?あの100万円が手切れ金だとしたら普通自分の口座から下ろすはずだよな。
いやいやだからそれはさ…。
永松浩次の家は?マンションに1人で住んでいるんですけど戻っていません。
ふだん乗っている車もありませんでした。
川さん前島美枝子は今夜は帰して明日の朝念のためにもう一度話を聞いてくれ。
わかりました。
会議は後回し。
永松浩次の行方を全力をあげて追うんだ!
(一同)はい!〜
(サイレン)永松浩次の車に間違いない。
何か出ましたか?まだだ。
これ!どうした?あっ吉永さんの言ったとおりだ。
凶器が見つかったってホシが見つかんなきゃ話になんねえんだよ。
よぅ。
入庫記録によるとここへは昨日の13時16分に入ってます。
高飛びか?だとしたらやっかいだぞ。
すぐ指名手配かけてやるよ。
クソッタレがこの!はい川崎です。
永松浩次が見つかった。
ただし…仏さんになってたよ。
殺されたんですか?
(深町)まだわからん。
見つかったのは信州の諏訪だ。
吉永に飛んでもらえ。
〜小沢君。
はい。
小沢君はいつになったら運転免許を取ってくれるのかな?えっ?言いませんでしたっけ?僕免許は一生取らないことに決めました。
なに勝手に決めてんだよ。
(小沢)だって飲酒運転取締りが厳しくなったじゃないですか。
酒気帯びでも警察官は懲戒免職ですよ。
当たり前だろ。
だったら免許なんか最初から取らないほうがいいじゃないですか。
そうすれば絶対に飲酒運転なんてしないんですから。
そういう問題じゃないだろ。
免許を取っても飲酒運転をしなきゃいいんだよ。
駄目なんですよ僕。
誘惑に弱いんです。
だったら誘惑に強くなれよ。
えっ?言いませんでしたっけ?何を?僕無理なことは最初からやらない主義なんです。
永松浩次だ。
間違いない。
何やってるんですか?いいや別に。
(岡村)先ほど親戚の方にも連絡がとれましたんでこのまま行政解剖へ回したいと思います。
お願いします。
(岡村)永松が病院に担ぎ込まれたのは今朝の9時。
泊まっていた下諏訪の旅館から救急車でです。
旅館で具合が悪くなったんですか。
のようですね。
(岡村)すでに夜中から具合が悪かったらしいんですが本人が病院に行くことを拒否していたそうです。
大丈夫ですから…しかし朝になってもまったくよくならないので宿の女将の判断で救急車を呼んだということです。
病院じゃどういう手当てをしたんですか?永松には胃けいれん嘔吐下痢の症状が見られたということです。
(岡村)それを見た担当医は食中毒と判断し抗生物質を投与したと言っています。
ところが午後1時過ぎになって容態が急変しそのまま息を引き取ったとこういうわけです。
ということは食中毒じゃなかったっていうことですね。
それは行政解剖の結果を見ないと何とも…。
それはそうですね。
あ〜それと本人のバッグの中に血のついた100万円の束が2つ。
えっ?永松浩次の犯行に間違いありませんね。
(女将)永松様がいらしたのは昨日の夕方でした。
予約して来たんですか?
(女将)いいえ予約なしでいらっしゃいました。
(小沢)1人でですか?
(女将)はいお一人でした。
係の者でございます。
どうもよろしくお願いします。
(仲居)どうぞ。
どうも。
下諏訪に来た理由を何か聞いてませんか?
(仲居)そういうことは何も…。
ただ夜お客様がお見えでした。
どんなお客さんでしたか?
(仲居)年配の女性です。
品のいい感じの方でしたけど。
品のいい年配の女性…。
えぇ。
それから女性がお帰りになったあと1人でお出かけになりました。
それは何時頃ですか?
(仲居)たしか10時を回ってたと思います。
散歩にでも行くような感じでしたか?さぁ?何かお急ぎのご様子でしたけど…。
戻ってきたのは?12時頃です。
私がお迎えしましたから。
タクシーか何かで?いいえ。
歩いてお戻りだったと思いますよ。
じゃあ近くか…。
(小沢)昨日なんですけどこの男見かけませんでしたか?見てないですね。
そうですか。
どうもすみません。
ありがとうございました。
榊さん!どうも。
あの…昨日お寺で…。
えぇ…。
昨日はお騒がせして申し訳ございませんでした。
いいえとんでもありません。
今日はどうしてこちらに?はぁ…主人の出身がこちらなものですから。
あぁ…。
四十九日の法要を済ませたその足で納骨にまいりましたの。
そうでしたか。
あ…すみません突然お呼び止めしまして。
いいえ。
失礼します。
失礼します。
誰ですか?昨日なたまたま喧嘩の仲裁に入ったんだ。
あの人が喧嘩してたんですか?まさか。
ですよね。
あんな品のいい感じの人が喧嘩なんかするわけないですもんね。
品がいい?あっちょっと吉永さん?榊さん!すみません。
ちょっとつかぬことをお伺いしますけどゆうべホテル鷺の湯に永松さんという人を訪ねていかれませんでしたか?永松祭典の永松浩次さんです。
えぇお訪ねしました。
どうしてですか?どうして訪ねられたのかそのわけを教えていただけませんか?どういうことですの?あっ…すみません。
実は自分たちその永松浩次さんの捜査で諏訪に来てるんです。
捜査?はい。
ご協力いただけますでしょうか?あ…。
主人の納骨のあと永松さんが突然お見えになって…。
〜
(久子)でもそこではお話しする時間がありませんでした。
夜あらためて私のほうから旅館に伺ったんです。
永松さんとは以前からのお知り合いなんですか?主人の葬儀は永松さんに取りしきっていただきましたから。
あぁそういうことですか。
でもいくら葬儀社の方でも納骨式までは普通はなかなか来ませんよね。
えぇ…。
永松さんはわざわざあなたに会いに諏訪まで来たんでしょうか?
(久子)さぁ…それは…。
でも何か話があったから来たわけですよね?主人の葬儀に不手際があったのでそのお詫びにと言ってらっしゃいました。
今頃ですか?えぇ…。
確かに今頃おかしいんですけれど…。
その不手際っていうのは確かにあったんですか?いいえ別にたいしたことでは…。
じゃあなおさら変ですよね?そんなたいした不手際もなかったのに四十九日も経ってからわざわざ諏訪まで詫びに来るっていうのは。
えぇ…。
ですから私も恐縮してしまって。
ずいぶん仕事熱心な人だったんですね。
永松さんのことどうしてそんなにお聞きになるんですの?亡くなったんです。
亡くなった?ほんとですか?今日の午後諏訪の赤十字病院で亡くなりました。
どうして亡くなったんです?死因は行政解剖の結果待ちです。
そうですか…。
あの…諏訪のほうにはまだ…。
えぇ。
こちらの美術館に主人がコレクションした絵を預かっていただいてるものですから。
明日もその件で…。
そうですか。
どうも長い間お引き止めして申し訳ありませんでした。
ありがとうございました。
(小沢)吉永さん夕食ですよ。
おぅ。
はいどうぞ。
品のいい人でも見え見えの嘘ってつくんですね。
あぁ何を隠してるんだろうな。
わかったわかった。
はい…川崎さんですか?えぇつないでくださいはい。
どうも吉永です。
また札束が見つかったぞ。
本当ですか?殺された兄貴の車の中から700万円。
700万円!?ああの銀行の帯封ってしてありましたか?
(川崎)三協銀行の帯封がしてあった。
今度は700万円ですか!?現場に血まみれの100万円浩次のバッグの中に200万円。
合わせて1,000万円!その1,000万円の出所だよ。
そいつがわかればこのヤマは動くぞ。
(岡村)あっ吉永さん!はい。
永松の体内から砒素が検出されました。
砒素!?ちょっとこれ見てください。
死因は急性砒素中毒とのことです。
やっぱり殺されたんですかね?自殺の可能性も否定できないがまぁおそらく殺しだろう。
ホテル鷺の湯に今捜査班を行かせてます。
永松浩次がどのようにして砒素を摂取したのかそこを中心に捜査してみてください。
わかりました!行くぞ!え?どこへ?いいから来い!その前にトイレ!行かなくていい!いやでも行かないと…。
今話はつけてきた。
とにかくこの場は寄付することに賛成してくれ。
(涼子)ということは一度はここに寄付をするってことね?表面上はな。
実際は絵を一時期貸し出すだけだ。
(真二郎)本当に話はついてるのか?だから話はつけてきたって言ってるだろ!なんだよ信用できないって顔だな。
(滝沢)やめてくださいよこんなときに兄弟喧嘩なんて。
(真二郎)まぁとにかく兄貴のお手並み拝見だ。
あ母さん…先行ってます。
母さん。
(自動ドアの開く音)昨日お話ししました永松浩次さんなんですが殺害された可能性が出てきました。
えっ!永松浩次さんが!?えぇ砒素で…。
小沢!あ…。
そうなんです。
砒素による毒殺だと思われます。
砒素…。
一昨日の夜旅館に永松さんを訪ねられたとき何か変わった様子はありませんでしたか?いいえ。
話をされているとき彼は何か食べたり飲んだりは?
(久子)いいえ。
お茶もですか?
(久子)えぇ。
永松さんはもう食事も済ませてらしたし特に変わった様子は…。
そうですか。
お母さま!お兄さまたちがまた…。
そんなこと遺言状のどこに書いてあるんですか!?あなたも直接父から聞いてますよね?今おふくろは関係ない。
俺と話をしろ!君じゃ話にならないんだよ。
席を外してくれないかな。
(琢磨)バカにするんじゃねえよ!
(弥生)やめなさい琢磨!
(真二郎)ちょっと兄貴…。
またですか!?やめなさい!やめろ!やめろと言ってるんだ!いいかげんになさい!今度はなんだっていうんですか?この人たちが遺言状に書いてあることを無視しようとしてるんです。
遺言状っていうのは榊さんのですか?そうです。
遺言状に何て書いてあるんですか?亡くなった主人が長い間かけてコレクションした絵画のすべてをこちらの土屋弥生さんに譲ると書いてあります。
(真一郎)母さん!
(小沢)ちなみにそのコレクションってどのくらいの価値があるんですか?
(滝沢)ざっと見積もって5億円です。
(小沢)5億円!?最低でも5億円ということです。
それをこの人たちが渡さないって言ってるんです。
そうは言ってないでしょう。
父の最後の遺志を尊重していただけませんか?とお願いしてるんだ。
最後の遺志というのは?父は絵画コレクションのすべてをこの美術館に寄付する…と最後に言い残しているんです。
それを言わせたのは誰です!?あなたたちでしょう!あなたたちがおふくろに絵を渡したくないもんだからさんざんごねてそれで怒った榊さんは絵を寄付するって言い始めたんだ!ごねてなんかいませんよ。
たかが5億円…。
ごねやしませんよ。
(小沢)たかが5億円ですって!?小沢!
(弥生)申し訳ございません。
おふくろ何言ってるんだよ!私は絵などいただけません。
どうかこちらの美術館に寄付なさってください。
お願いいたします。
おふくろ!ちょっといいかな。
お恥ずかしいことで…。
いえあの…。
ちょっと失礼します。
(ため息)はい吉永です。
(川崎)例の1,000万円を下ろした支店がわかったぞ。
ほんとですか!?三協銀行桜木町支店から5日前に下ろされてた。
下ろした人間もわかりましたか?あぁわかった。
ありがとうございました。
どうかしました?あれ?吉永さん!?〜
(小沢)吉永さん!あなただったんですね5日前三協銀行桜木町支店から1,000万円を下ろしたのは。
そしてその1,000万円を永松浩次の兄晋に渡したんですね。
えぇお渡ししました。
〜その1,000万円はどんなお金だったんですか?主人の葬儀代の残金です。
葬儀代の残金?でも普通はそんな大金は現金ではお支払いしませんよね。
現金でお願いしますと言われたものですから。
まだご存じないようですがその永松晋さんも殺害されたんです。
えっ!?いずれ改めてお話を伺うことになると思います。
失礼します。
吉永さんいいんですか?すみませんたいした収穫がなくて。
あぁどうも。
永松浩次が旅館で砒素を口にしなかったことがわかっただけでも収穫ですよ。
いただきます。
そう言っていただけると。
永松浩次はどこで誰に砒素を飲まされたんですかね?そいつが簡単にわかりゃ苦労しないよ。
やっぱり榊久子を引っ張ったほうがいいんじゃないですか?1,000万円のことといい怪しいことが多すぎますよね。
公衆電話…。
え?永松浩次のケータイにな一昨日の夜公衆電話から着信があるんだほら。
時間は22時15分。
榊久子が帰ったすぐあとだ。
いまどき公衆電話からかける人なんているんですね。
いいこと言うね小沢君。
え?何かいいこと言いました?いまどき公衆電話からかけるやつその理由は?ケータイを持ってなかった。
他に?相手のケータイに着信履歴を残したくなかった。
うん。
そうか!永松浩次はホシに呼び出されたかもしれませんね。
呼び出されて旅館の外で砒素を飲まされたんだ!それだ。
岡村さん!ホテル鷺の湯周辺で公衆電話が設置されている場所を大至急調べてほしいんです!はい!〜この人なんですけど。
見かけてませんね。
そうですか。
ちょっと見かけなかったですけど。
ありがとうございました。
〜あそこ行ってみよう!どうもすみませんありがとうございました。
〜あぁ来たよ。
ほんとですか!?あたしゃお客さんの顔一度見たら絶対忘れないもの。
(客)嘘こけ!誰だ?今言ったの。
あの一昨日の夜のちょうど今頃なんですけど。
あぁもう一人の人と2人で来てそこんとこのテーブル席に座っただよ。
注文はミックス焼き1枚とビール2本だっただわね。
もう一人は女?ううん男。
ほんとに!?おばちゃん嘘つかないって。
その男の人なんですけどどんな感じの人でしたか?帽子被ってサングラスしてたもんで顔は…よく見えなかっただわね。
あのすみませんこちらのお好み焼きはおばちゃんが焼いてくれるんですか?それはお客さんの自由さ。
自分で焼きたい人ははいどうぞご自由に…ってね。
〜これだよ!砒素っていうのは無味無臭の白い粉だからなお好み焼きに混ぜて焼いてしまえばまず気づかれない。
出ますかね?必ず出るさ。
それとさっきおばちゃん永松浩次と一緒にいたのは男だって言ってましたけどほんとに男なんですかねぇ?確かに。
女が変装してるって線も捨てきれないな。
吉永さん小沢さん!起きてください!吉永さんがにらんだとおり出ましたよ砒素!
(岡村)食べ残しのお好み焼きの中から見事に出ました!〜
(いびき)遅くなりました。
(深町)おぉご苦労さん。
吉永早速で悪いんだが今わかっていることを整理してくれ。
わかりました。
(川崎)小沢土産。
そんなもん買う暇ないですよ。
全然寝てないんですから。
これ何?これよだれの跡。
でしょ?あっ…。
この事件の始まりはこの2人です。
葬儀社を経営する永松兄弟。
兄の永松晋40歳弟浩次35歳。
この2人は金銭のことでもめていたものと思われます。
それが原因で弟の浩次が兄の晋を撲殺。
浩次:ふざけるな〜!その後浩次は諏訪に逃走。
ホテル鷺の湯に宿泊しそこで榊ビルグループ会長夫人榊久子と会っています。
(深町)2人が会った目的は?久子によりますと夫の葬儀の際に何かと不手際があり弟の浩次がわざわざ諏訪まで詫びにきたと言ってるんですがこれはほとんど信用できないと思います。
続けてくれ。
はい。
久子と別れた後浩次は何者かに呼び出されて外出しています。
その何者かを仮にXとします。
男か?女か?目撃情報によると男です。
このXと浩次は繁華街にあるお好み焼き屋に入りお好み焼きを食べています。
そのお好み焼きに砒素が入れられた!そのとおりです。
おかあさんトイレどこ?こっちの奥だよXに関する情報は?今のところほとんどありません。
長野県警も全力を挙げて捜査してくれています。
以上です。
それと1,000万円の動きがあったな。
はい1,000万円は三協銀行桜木町支店から下ろされていました。
下ろしたのは榊久子。
金はそのままこの永松晋に渡りました。
だよな?間違いないと思います。
(川崎)え〜1,000万円のうち100万円は永松晋の遺体のそばに。
200万円は浩次のバッグの中から発見されました。
残りの700万円は晋の車のトランクの中から発見されています。
以上です。
ポイントは榊久子と永松兄弟の関係だ。
その関係がはっきりすればおそらくXが浮かび上がってくる。
はい!永松兄弟を徹底的に洗い直すんだ。
(一同)はい!川さん令状を取ってくれ。
了解しました。
吉永。
はい。
お前と小沢は今日はもういいぞ。
休め。
ありがとうございます!そうはいきませんよ。
川さんたちだけじゃ心配ですから。
じゃあ代わりに俺が休んでやるよ。
どうぞどうぞ!おい行くぞ!頼むぞ!
(一同)はい!
(玄関チャイム)
(美枝子)はいはい。
(後藤)すみません神奈川県警の者です。
家宅捜索令状が出ています。
〜寝るな!寝てませんよ。
車であんだけ寝てよく寝られるな。
僕がいつ寝ました?じゃあ気絶してたんだ。
いびきかきながら。
(文田)おいちょっとこれ見てくれ。
おう。
人の頭髪みたいですね。
この毛に心当たりあります?いえ…。
なんでこんなもの取ってあるんですかね。
根元から引っこ抜いてるみたいだな。
よっぽど相手を恨んでたのかな。
ただいま!パパおかえりなさい!おぉ菜摘!ただいまただいま!元気してたかお前?パパ臭い!臭い!臭い?菜摘!パパ一生懸命お仕事してきたんだからそんなこと言っちゃ駄目でしょ!そうだよ〜。
臭い…あっごめん。
確かに忙しくて温泉とか入れなかったんだけど。
ちょっとにおうかな。
だいぶにおう。
菜摘ごめん!ごめんな!菜摘パパとお風呂入っておいで。
え〜今日もママと入る!あんなにパパと入りたいって言ってたじゃない。
臭い?今日はママがいいの。
ほらパパ落ち込んじゃったじゃない。
いいから早くパパとお風呂に入ってきなさい。
は〜い。
パパパパも早く入ってきて。
パパ?吉永です。
今日押収した毛髪なんですけどあれ至急科捜研に回して蛍光X線解析にかけてほしいんですよ。
はい…そうです。
お願いします。
菜摘ありがとな!おぉ臭いんだった…。
パパ蛍光X線解析って何?髪の毛に含まれている成分を分析するんだ。
おはようございます。
おはよう。
班長昨日前島美枝子の部屋から押収した毛髪誰のかわかりました。
ん?お前いつから鑑識になったんだ?娘が教えてくれたんですよ。
菜摘ちゃんが?はい。
意味わかんねえよ。
あの毛髪は榊ビルグループ会長榊辰彦のものだと思われます。
亡くなった榊久子の旦那か?そうだ。
昨日の時点ですでにあの毛髪の血液型はA型だって判明してるんです。
榊辰彦の血液型もAなんです。
おい!日本人の40%近くはA型だぞ。
なんとか榊家の家宅捜索令状を取れませんかね?無理!榊辰彦の毛髪を採取して比べてみたいんです。
今の時点で令状なんて取れねえよ。
そこをなんとかお願いします!無理無理!ねえ班長?よし!榊久子を任意でご招待しますか。
え!?ありがとうございます!永松晋に渡された1,000万円なんですがあれはどういったお金だったんですか?
(久子)それはこの前お話申し上げたとおりです。
葬儀代の残金ですか?はい。
永松祭典に確認しましたら残金などないはずだと言っていました。
榊さんあなた永松兄弟から脅迫されていたんじゃありませんか?それであの1,000万円を渡した。
いいえ…。
永松浩次が兄の晋を殺害したのはその1,000万円の残金をめぐってのトラブルだったと我々はにらんでいます。
何だよそれ?600万円しか用意できなかったって言うんだ。
しかたないだろ。
兄貴せこいことするなよ。
1,000万円もらったんだろ?600万円しかもらってないよ。
(浩次)ふざけるな!あのご兄弟に何があったか存じませんが私は脅迫などされておりません。
あなたが脅迫されていると気付いたのは永松祭典の従業員に聞いた話を思い出したからです。
こんなこと自慢にもなりませんけどご遺体のにおいとか肌とか爪の様子とかで葬儀屋はだいたいの死因を当てることができるんですよおそらく永松兄弟はあなたのご主人の遺体から何かを感じ取ったんだと思います。
これは普通の死に方じゃないと…。
だから何らかの証拠になると思ってご主人の遺体から髪の毛を抜いておいたんです。
〜そしてそのうえであなたを脅迫した。
違いますか?脅迫などされておりません。
あの1,000万円は葬儀代の残金です。
わかりました。
そこまでおっしゃるんでしたらご主人の毛髪を提供していただけませんか?こちらで調べさせてもらいたいんです。
どうぞ。
ご協力感謝します。
〜見つかりますかね?〜
(鑑識)吉永さん。
はい。
ありがとう!この毛髪とマンションで見つかった毛髪両方のDNAを比べるわけですね。
そうすればあれが榊辰彦の毛髪だってわかるわけだ。
今気付いたの?〜
(川崎)班長榊辰彦が殺されたって断定するのはまだ早いでしょ。
いえ!榊の毛髪の分析結果が出れば必ず殺されたって証明されるはずです。
おいおい!また先走っちゃってるんじゃないの?いいか?榊辰彦の死亡診断書には腎不全って書いてあったんだろ?そこなんですけど科捜研の担当官が言うのには腎不全の症状は慢性砒素中毒の症状と似てないこともないって言うんですよ。
疲労感食欲不振吐き気。
慢性砒素中毒だ?えぇ。
それと榊はもともと医者嫌いでまともに診察を受けていなかったようです。
人工透析も拒否したといってます。
いやでもよ!まぁまぁいいよ川さん。
とりあえず殺されたと仮定してみよう。
そのうえで榊辰彦を中心とした人間関係を検討してみてくれ。
まずは榊本人からだ。
はい。
榊辰彦は戦後の混乱期に信州から横浜に出てきて不動産業を興し一代で榊ビルグループをここまで大きくしたハマの伝説的な人物です。
その成功の陰には建設大臣まで務めた大物代議士大友虎之助の強力な後ろ盾があったと言われています。
(川崎)うんそれは俺も聞いたことがある。
そんな榊でしたが昨年の11月に慢性腎炎で入院。
今年の1月に退院自宅療養を続けていましたが4月に死去。
妻の久子とは昭和35年に結婚3人の子供がいます。
その3人の子供ですが長男が真一郎次男が真二郎で現在榊ビルグループ本社は次男の真二郎が引き継いでいます。
何で長男じゃないの?簡単な話長男は使えないんですね。
あぁ!小沢君と同じね。
何で僕が出てくるんですか?まぁそのために長男の真一郎は父親のことを相当恨んでいたらしいです。
それとブティックやら飲食店やら手広く経営していますがどれも失敗で金には困っているようです。
一方で社長を引き継いだ次男の真二郎も会長である父親の影響力が相変わらず強かったことで父親のことを疎ましく思っていたふしがあります。
榊の娘涼子が滝沢俊之と結婚し滝沢の姓を名乗っています。
夫の俊之も榊ビルグループの関連会社の社長をしているのですがどうも企業買収の片棒を担いでいるらしいですね。
つまり榊ビルを身売りしようとしているらしいんです。
おっと裏切りか。
そういう意味では義理の父親が目障りだった可能性は十分にありますね。
(深町)愛人のほうはどうだ?あはい。
(小沢)榊辰彦には30年来の愛人がいました。
土屋弥生です。
弥生は若い頃一度結婚していますが夫とはすぐに死別しています。
息子の琢磨はその夫との間にできた子供です。
で殺す動機はあったのか?まだそこまでは。
やっぱり使えねえじゃねえか。
そこが肝心なんだろうが!補足しますと榊辰彦は自分の絵画のコレクションを愛人の土屋弥生に遺産として残してるんですよ。
いくらだと思います!?5億円ですよ!5億円!?もっともまだそのことで遺族側ともめてる最中なんですけどね。
もめてる?はい。
両者の息子同士が喧嘩してるのに二度ほど出くわしてるんです。
久子と弥生の関係は?それがですねなんだかお互いに気を遣ってるような感じなんですよ。
愛人の弥生のほうはわかるが久子のほうもか?ええ。
自分が接してる限り久子からは弥生に対する嫉妬とか憎しみとかを感じないんですよね。
お前にはまだ見せていないまったく別の顔があるんじゃないのか?まぁそりゃそうかもしれません。
やだねぇ。
残された家族全員が容疑者か…。
動機はやっぱりお決まりの相続争いですかね?金がすべての世の中だからな。
あればあったで苦労するんですね。
そこいくと俺なんざな〜んもないから一生苦労知らずだよヘヘヘざまあみろってんだこの野郎。
はい捜査本部。
はい…はい?あはい…ありがとうございました。
なんだ?小沢。
科捜研からで。
毛髪から何か出たのか!?いえ榊家から押収した毛髪からは何も出なかったそうです。
そそんなバカな。
でも何も出なかったそうです。
それと永松晋のマンションから押収した毛髪ですが榊辰彦の毛髪ではなかったそうです。
そんなはずないだろう!
(川崎)科捜研に何度電話したって同じだよ。
あ〜あまた先走っちゃった…。
〜
(小沢)まだ帰らないんですか?ちょっと飲みに行きましょうよ。
今日は僕がおごりますよ。
飲んだら暴れるぞ。
それは困りますけど。
なぁ。
はい。
永松はなんで榊以外の毛髪なんて持ってたんだと思う?遺体の毛髪を集める趣味があったとか…あっ冗談ですよ。
こんなふうには考えられねえか?永松は榊久子に何度も毛髪を買い取らせようとした。
そうだとするとそう簡単に本物の毛髪を渡したりはしないよな。
そのくらいしそうですよね。
じゃあ本物の榊の毛髪はどこにあるんでしょうか?行こうか。
え?飲みにですか?お前のおごりでな。
(扉の開閉音)〜僕こんなとこ払えませんよ。
いらっしゃいませ。
前島美枝子さん呼んでもらえませんか?ご指名でしょうか?もちろん。
(ピアノの弾き語り)
(美枝子)いらっしゃいませ。
今日はお客様なんですか?いや君を逮捕しに来た。
冗談はやめてください。
永松晋から何か預かってるね?刑法第7章104条他人の刑事事件に関する証拠を隠滅した者は2年以下の懲役に処する。
どうする?素直に渡すかそれともクサイ飯ってやつを食ってみるか?どっちだ!
(美枝子)これでしょ?これが誰のか知ってるんですか?知らない。
ただ金になるから持ってろって彼から言われただけよ。
もういいでしょ?今日のところはね。
明日また改めてお話を伺わせてもらいます。
今度こそ間違いありませんね。
あぁ…あれ?どうしました?長さが違うな。
これ見てみろ。
白髪染めされてない部分が3cmくらいあるよな。
榊家から採取した毛髪はこの部分が1cm程度しかなかったんだ。
〜これは別人の髪の毛ってことですか?いやそういうことじゃないんだよ。
人間の髪の毛っていうのは1日約0.3mm伸びるんだ。
1cm伸びるのにおよそ1か月。
ということはだよ亡くなるおよそ2か月前からは白髪を染めてなかったってことになるわけだ。
病人ですからね。
榊辰彦はおしゃれな人だったんだぞ。
療養中だって白髪くらい染めんだろ。
じゃあなんで亡くなる前しなかったんでしょう?そこだよ…。
〜どういうことだ?何回やったって結果は変わらねえよ。
調べてもらってるのは別のものです。
永松晋と同棲してた前島美枝子が隠し持ってたものなんですよ。
今度こそ榊の毛髪に間違いありません。
ほんとお前ってやつは懲りないね。
もうすぐ前島美枝子がここに来ます。
彼女にどういう経緯で永松から渡ったのか川さん悪いけど調べといてください。
行ってきます。
お前上司に命令か!?班長放っておいていいんですか?止めてきましょうか?いやいいよ。
あの執念深さ俺嫌いじゃないね。
亡くなったお父さまは白髪を染めていらっしゃいましたよね?はい父は昔からおしゃれな人でしたから月に一度は染めていました。
理容院でですか?いいえいつも母に。
お母さまが?でも亡くなる2〜3か月前からは染めるのをやめられてたんじゃないですか?よくご存じですね。
おしゃれなお父さまがどうしておやめになったんでしょう?この家にいなかったからです。
自宅療養だったんですよね?2月からは箱根の別荘のほうに移って療養していましたから。
あぁ…でも別荘でも染める気になれば染められますよね?箱根では父の世話は全部あの人がしてくれてましたから。
あの人?愛人のことですか?おい!そうです。
それはお父さまのご意思だったんですか?いいえ母が決めたことです。
お母さまが…。
あの人にも直接母が頼んだらしいです。
(涼子)おかげで私も兄たちもお見舞いにも行けませんでした。
今でも母の気持がわかりません。
〜
(扉を開ける音)
(弥生)どうぞ。
すみません。
どうぞもうおかまいなく…。
(弥生)ええそうなんです。
箱根の別荘では私たちがお世話をさせていただきました。
息子さんもご一緒にですか?
(弥生)はい琢磨も。
(弥生)榊さん食事にうるさい人でしたから。
なるほど。
あのう久子さんは箱根のほうには?亡くなるまでいらっしゃいませんでした。
一度もですか?はい。
どうしてですかね?普通奥さんがご主人のことを…。
(弥生)愛人なんかに面倒見させるなんてありえないと?ええ。
はっきりいって最後くらいは自分でってねぇ?あぁそうだな。
いろいろとご苦労なさってますからきっと人の気持がよくおわかりになるんだろうと思います。
ご苦労っていいますと?世間的には苦労されてるように見えないですけどね。
(琢磨)妾腹なんですよ。
(弥生)琢磨!ショウフクって?愛人から生まれたってことだ。
あぁちなみに誰の?おい!父親は大友虎之助です。
(小沢)えぇっ!?あの建設大臣まで務めたっていう!?政略結婚なんですよ。
大友虎之助の妾腹だったあの人と結婚すれば榊としては強力な後ろ楯を得たのも同然ですからね。
まぁ実際そうなりましたし。
琢磨余計なこと言わないの!いいじゃないか!本当のことなんだから。
おふくろもお人よしすぎるんだよ。
あの人からまんまと榊のこと押し付けられて。
久子さんはそんな人じゃないわ!愛人と愛人の娘だと気持が通じ合うってことですか?いい加減にしなさい!琢磨!
(扉の閉まる音)どうもすみません。
あぁいえ。
ちなみに榊さんとはどうやって愛人関係になったんですか。
小沢!すみません。
どうぞ構いませんよ。
そのことがお聞きになりたくていらっしゃったんでしょう?琢磨の父親は土屋といいます。
琢磨が生まれてすぐに亡くなりましたけれども。
土屋と榊さんは幼なじみで土屋が亡くなってからというもの榊さん何かと私たちの力になってくださいました。
このお店も榊さんが。
そうでしたか。
そんな榊さんのこといつの間にか…。
愛してしまった。
奥様には本当に申し訳ないと思っています。
どうもありがとうございました。
ちょっと飲ませてもらおうかな。
まだ早いですか?すみません。
今日のところはお帰りください。
〜久子さんて奥さんよっぽど人間ができてるんですね。
普通旦那の愛人にそこまで気を遣いませんよね?そうだよな。
ちょっと信じられないな。
何が?愛人さんのことを思って最後一緒に住めるようにしてあげたってパパも小沢さんも思ってるわけでしょ?
(小沢)うんそうですよ。
しかもその奥さんご主人のことを愛してたって言うんでしょう?だと思いますよ。
本当に愛してたらいくら人間ができてても愛人さんにご主人の面倒見させたりしないと思う。
少なくとも私だったら絶対にしない。
大丈夫ですよデコさん。
デコさんが思ってるほど吉永さんもてませんから。
何?あ〜今の問題発言。
え?そういうパパのこと好きになった私のことを間接的に侮辱してる。
あいや違いますよ。
はいお粗末さまでした。
あ〜ちょっとそれまだ!女心がわからないと当分結婚できないわよ。
(笑い声)あぁちょっと…。
おおかわり。
(小沢)デコさん。
女心か。
出ましたか?
(深町)吉永お前のにらんだとおりだったぞ。
前島美枝子が持っていた毛髪は榊辰彦のものだった。
しかも高濃度の砒素が検出された。
旦那に毎日砒素を盛ってたってわけだ。
怖いね女は。
(小沢)きっと愛人のこととかいろんなことで本当はずっと前から旦那のこと憎んでたんですよ。
おい。
この前に科捜研から届いた分析結果って今あるか?
(文田)うんあるよ。
(文田)これだ。
サンキュー。
班長!これ見てください。
〜これって。
うん。
〜
(真一郎)真二郎。
わざわざ箱根まで呼び出しておふくろ何の話だ?
(真二郎)どうせ絵のことでしょう。
(真一郎)絵のこと?今日決着つけるつもりなんだよ。
(家政婦)奥様。
神奈川県警の方が。
ご主人の毛髪から高濃度の砒素が検出されました。
ご主人は腎不全で亡くなったんじゃありません。
本当の死因は慢性砒素中毒。
つまり殺されたんです。
驚きませんね。
やはりご存じだったんですね?あなたがその事実を知ることになったのは永松兄弟から脅迫されたとき。
違いますか?前にもお話ししたように葬儀社の人間は遺体の様子やにおいでだいたいの死因がわかるそうですからね。
もうすべてを話していただけますね?私がやりました。
刑事さんのおっしゃるようにあの兄弟には見抜かれていました。
(久子)主人の葬儀のあとに。
晋:ご主人は変死ですね。
さっきから何をおっしゃりたいんですの?〜ご主人のご遺体の爪には白い横じまが現れておりました。
以前砒素を盛られて殺されたご遺体にも同じように爪には白い横じまが。
(真一郎)いい加減なことを言うな。
お前らゆするつもりか?
(晋)長年この仕事をやっておりますとご遺体の見かけやにおいから死因がわかるようになるものなんです。
殺されたんだとしたら我々としても警察に届けないとまずいわけですよ。
もう遺体は焼いてしまったんだ。
警察に届けてどうなる?証拠を押さえてあったらどうします?髪の毛や爪をとってあるのか。
はい。
念のため。
父に何てことしたの!私どもも事を荒だてたいわけではございません。
紳士的にお話しができればと思いまして。
(晋)ではお話しを進めさせていただいてよろしいですね?その必要はありません。
主人は殺されてはおりませんその場では脅迫を一蹴したもののそのあとあなたはお一人で永松兄弟に掛け合いに行かれましたね?そして殺害の証拠となる毛髪を1,000万円で買い取った。
もっともその毛髪は偽物でした。
あなたがそこまでしたのは。
久子さん誰かをかばおうとしたからじゃないんですか?あなたはご自分のごく身近な人間がご主人に砒素を盛った。
そう思われたんじゃありませんか。
だから何としてでも証拠を隠滅しようとしたんです。
今永松兄弟に脅迫された状況を聞いて私は真犯人に確信が持てました。
(久子)ですから私が。
いいえあなたじゃありません。
あなたにはどうしてもご主人を殺すことはできないんです。
(涼子)お母様。
全員揃いました。
〜
(真一郎)どうしてあなた方まで?榊辰彦さんが砒素によって毒殺されたことがわかったからです。
しかもたった今お母様が自分がやったと自供されました。
まさか。
嘘。
嘘でしょ!お母様!そうです。
お母様はやってません。
それなのにお母様にそんなふうに言わせたのはあなた方だ!あなた方が会社のことや遺産のことで醜い争いをしているからおかあさんはあなた方の誰かが犯人だと思って自分が罪をかぶろうとしたんです。
〜実は先日ご自宅から採取したお父様の毛髪からは砒素は検出されませんでした。
砒素が検出されたのはお父様のご遺体から抜いた遺髪からだけでした。
しばらく白髪染めをしていないこの遺髪です。
それはどういうことですか?お父様はこちらの別荘に来られてからは白髪を染めていなかったんですよね?そうです。
ということは。
父はここへ来てから砒素を盛られたっていうことですか。
昨日こちらのお宅を家宅捜索させてもらいました。
思ったとおり排水管や浄化槽の中から砒素が検出されました。
榊辰彦さんはこの別荘で療養している間に何者かに砒素を盛られその結果亡くなったんです。
間違いありません。
私が?その可能性はありますね。
ここではあなたが面倒を見ておられたわけですから。
そんな。
砒素っていうのは長期間扱っていると吸引したりして体の中に蓄積されることがあるんだそうです。
確認のため髪の毛いただけますか。
小沢!採取させてもらえ。
はい。
誰だって砒素なんて体の中に少しくらいあるじゃないですか。
髪の毛にだって当然ありますよ。
そのとおりなんです。
あなたずいぶん砒素に詳しいですね。
髪の毛を確認させてもらいたいのは琢磨さん…本当はあなたです。
あなたは食通の榊さんに料理を作りながらその料理の中に少しずつ砒素を混ぜて食べさせていたんだ。
弥生:琢磨持って行っていい?俺が持っていく。
どうぞ。
ああありがとう。
〜そんなことするわけないじゃないですか。
そうですか。
それじゃあ確認のため髪の毛を提供してください。
すぐに科捜研で調べさせます。
小沢。
はい。
何本くらいですかね。
そうだな。
ま2〜3本いや念のため10本くらい抜かしてもらえ。
わかりました。
失礼します。
もういいよ!そうだよ俺が殺したよ!何か文句あるか!?榊さんのコレクションが美術館に寄付されそうになったのを知ってそれが決まる前に殺そうと思ったわけか。
そうさ絵ももらえなかったおふくろの人生はなんだったんだ!おふくろは散々あの男に尽くしてきたんだぞ!
(琢磨)最後の最後までおふくろに押し付けやがって!久子:それでは榊のことよろしくお願いいたします。
(琢磨)あんたは最後までいいようにおふくろのことを使ったんだよ。
おふくろだってあんたと同じ女だぞ!あんたどこまでおふくろのことを苦しめたら気が済むんだよ。
何だよ?俺はおふくろのために。
何にもわかってないんだから。
永松浩次も殺したね?永松兄弟に脅迫されてからというもの君はいつ自分の犯行がばれるかとずっとおびえ続けていたんだ。
そんなときまた永松浩次が諏訪に現れた。
そしてその直後君はニュースか何かで兄の晋が殺害されたのを知ったんだろう。
残るは永松浩次ひとりだ。
そう思った君は一気に行動に出た。
琢磨:湖畔の船着き場で待ってる。
(浩次)おかあさんトイレどこ?こっちの奥だよ本当なの?しかたなかったんだ。
(小沢)川崎さん。
吉永。
ごめんなさい。
お願いします。
弥生さん…。
ごめんなさい。
私が榊を弥生さんにお願いしなければこんなことには…。
そのとおりです。
あなたがご主人を弥生さんに預けたりしなければ今回の事件は起こりませんでした。
私は今回の事件を追っていてよくわかりました。
あなたはご主人を心から愛してらっしゃった。
それなのにどうしてですか?主人が倒れてから私はいつもどこかで母のことを考えていました。
愛人だったお母様のことですか?父の大友が死の床についたとき母は会うことも叶いませんでした。
母はどんなに父の看病をしたかったか私は痛いほどわかりました。
(久子)せめて最後ぐらい直接会ってお別れしたかったと思います。
でも結局母の願いは叶えられませんでした。
最後を…父を見送ることもできないまま母は父のあとを追うようにして…。
それでご主人を弥生さんに…。
そりゃ私だって最後まで一緒にいたかったですよ。
何度連れ戻しにこようと思ったことか…。
でも最後は好きな人の…。
違うんです。
榊さんは本当は奥様のところに帰りたかったんです。
でも私が帰さなかった。
どうしても帰したくなかったんです。
ここにいる間私何度か白髪を染めましょうって言ったんですよ。
でもその度に断られました。
なぜだと思います?榊さん…。
ご主人はきっとここであなたが白髪を染めにきてくれるのをずっと待っていたんですよ。
〜ああ富士山がきれい。
ああ染め終わったら旨いものでも食べに行こうか。
はい吉永。
ほい。
すみません。
久子が自分の気持に素直になっていればこんな事件は起きなかったかもしれないな。
久子さんの思いやりがあだになっちゃいましたね。
ああ。
榊辰彦が弥生さんに白髪を染めさせていたら事件は闇から闇だった。
よく白髪の長さの違いに気づいたな。
2人の女心がこの事件解決したんですよ。
女心ねぇ…。
あお疲れさん。
飲んじゃいました。
おい。
お疲れさまです。
お疲れ。
せっかく制服気に入ったのにね。
(菜摘)ママあの制服買って。
買っても他の幼稚園には着ていけないのよ。
え〜。
しようがないだろう。
ここは来年は建て替え工事でお休みになっちゃうんだから
(菜摘/照子)え〜。
よし!それじゃあ他の幼稚園見学に行こう!きっともっとかわいい制服のところが見つかるって。
パパ無神経。
え?そんなに簡単に気持ち切り替えられるわけないでしょ。
パパって女心がわからないのよねぇ。
だからそれはやめなさいって言ったでしょ。
そうだ菜摘!ソフトクリーム食べて帰ろうか。
うん食べる!そうと決まったら
(菜摘/照子)ダッシュ!簡単に気持切り替えてるじゃん。
おい!ちょっと待て!女だけで行くの!パパは駄目。
そんな…菜摘!おい!ちょっと待てってば!
(菜摘/照子)駄目!菜摘!2014/10/12(日) 11:00〜12:54
テレビ大阪1
「刑事吉永誠一・涙の事件簿6 五億円の黒い白髪」[字]
横浜・不動産王一族、砒素毒殺連続事件!?正妻VS愛人!血脈の秘密!
詳細情報
番組内容
神奈川県警捜査一課刑事・吉永誠一はある日、寺で喧嘩の仲裁に入る。そこでは“ハマの不動産王”と呼ばれた男の法要が行われていた。喧嘩の原因は、故人の妻・久子が愛人・弥生を招いたからだという。そんな中、葬儀会社社長の永松晋が死体で発見される。被害者は鈍器で頭を殴られており、現場には血染めの百万円の札束が落ちていた。葬儀会社は経営不振だったというが…。
出演者
吉永誠一…船越英一郎
吉永照子…中山忍
榊久子…佐久間良子
土屋弥生…山口果林
川崎拓司…河原さぶ
小沢慎一…林泰文
葛西喜一郎…徳井優
滝沢涼子…岡まゆみ
文田涼人…吉満涼太
深町剛男…大杉漣 ほか
原作脚本
【原作】黒川博行
【脚本】田子明弘
監督・演出
赤羽博
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:28251(0x6E5B)