イッピン選「やさしいフィット感に技あり!〜奈良の靴下〜」 2014.10.12

さあ皆さんお待ちかね!登場するのはニッポン生まれの「イッピン」。
優れた技が生み出す珠玉の宝。
今日はどんな技が飛び出すのか?カラフルそしてオシャレ!いまや靴下は主張するファッションアイテム。
華やかな商品が若い女性を中心に人気を集めています。
優れた機能性にも注目。
足がむくみにくい靴下や夏蒸れやすいサンダルの中を快適にしてくれるもの。
足をしめつけずズレにくいという商品も登場。
進化する靴下。
ところで日本一の生産量を誇る県はどこかご存じですか?それは奈良県!靴下の作り方を見にいってみようと思います。
100年の歴史と技術が作り上げた…今日は奈良の靴下の知られざる魅力たっぷりとお見せしますよ。
今年3月オープンしたばかりの商業施設。
ここに奈良をはじめとする地場製品を扱う話題の店があります。
訪ねたのは…こちらですね。
中でも人気を集めているのが靴下なんです。
あっありました靴下!う〜んなんかいろいろなデザインがありますね。
5本指だったりとか。
「フィットするくつした」とか。
同じに見えますけどいろいろな種類の靴下があるんですね。
あっかわいいボーダーも。
オシャレですね。
一番人気がしめつけない靴下。
これはボーダーの新しいシリーズです。
かわいいですね。
これがしめつけない?そうなんです。
すごく緩い作りになっています。
値段は1,300円〜1,500円。
男女を問わず幅広い年齢層に受けているといいます。
全然きつい感じがしないですけど落ちないんですか?結構リブが幅広いので落ちにくいようには作ってます。
落ちにくいうえにきつくない。
すごいですね!こちらは商品の企画開発を担当する部署。
2年前から靴下のデザインに関わってきた山口さん。
奈良にベースを置くこの会社では特に靴下の開発に力を入れてきました。
このしめつけないけどズレない靴下。
どんな履き心地なんでしょうか?実はとっても女性らしい発想が生かされているんです。
既に柔らかいですよね。
(山口)はい。
履いた瞬間の柔らかい感じが…。
するっと履けました。
軽いんですけどキュッとくっ付いてる感じもして不思議な感覚です。
私が靴下を履いていて一番嫌なのが痕が残る事でした。
嫌ですよね。
やっぱり夕方になるとギュッとしめつけてきて痛いなぁかゆいなぁと思う事が一番嫌だったのでこの商品はそれを全然感じさせないけどずるずる落ちてもこない物にしようと思って作りました。
女性は痕がつくのを皆さん悩んでいると思うので本当にありがたいですよね。
この靴下の特徴は緩めに作られたゴムとその位置。
普通の靴下より7cmも下に付いています。
一般的な作りの靴下に比べどれだけゴムが足をしめつけないか着圧を調べました。
同じテンションのゴムで位置が上に付いているものと下に付いているものを比較します。
実験の結果ゴムの位置が下にある方が着圧が低い事が分かりました。
この靴下には奈良に伝わる技術とアイデアがギュッと詰まっているんです。
次に訪ねたのは奈良県斑鳩町。
のどかな住宅街にしめつけない靴下を生産している工場があります。
こちらですかね。
こちらが工場だと思うんですけど人のおうちみたいな感じですよね。
昭和24年の創業当時と変わらぬたたずまい。
奈良ではかつて家族経営の靴下工場が主流でした。
すごい段ボールが山積みになってますけど。
ちょっと進んでみます。
中は機械がたくさんあってやっぱり工場ですね。
こんにちは!すみません作業中に。
こちらで靴下を作っているんですよね。
はいそうです。
どういうふうに作られているのか見せて頂きたいのですが。
山下さんは15歳の時からこの工場で働いてきた靴下づくりの達人。
糸の選定から編み上げまで一手に引き受け1日1,000足を作っています。
お〜!機械の中一体どうなっているんでしょう?ここで編んでるんですね。
そうです。
ここが靴下を編む心臓部。
今どんどん編まれてるんですか?そうです。
この黄色の靴下には16個もの糸玉が使われていました。
この靴下は補強したい部分に特にたくさんの糸を編み込んでいます。
糸を編むのがこの針。
先端がカギ状になっているのが特徴です。
この靴下の場合168本の針を使用。
シリンダーにぐるりと円を描いて並べられています。
糸には表の生地となる綿のものと補強に使うナイロンのものがあります。
それらを一緒に編み込んで丈夫な靴下を作るのです。
上から編まれていくんですか?上です。
シリンダーの回転によって靴下はまず上から編まれていきます。
かかとまで来たらシリンダーがこのように行きつ戻りつ半回転します。
かかとの丸みを作るため目を減らしながら編み今度は折り返して目を増やしながら編んでいきます。
これが靴下らしさを作る特徴的な工程。
かかとを編み終えると次に編むのは甲と足底。
そして最後につま先。
かかと同様半回転しながら編んでいきます。
こうしてシリンダーの動きを変えながら部分ごとに編み分けるのです。
お!すごい速さで落ちてきました。
触っていいですか?どうぞ。
すご〜い!これで片足ですよね。
はい。
ここは開いてますがつま先になるんですか?そうですねつま先で。
あとから縫う?またここを縫うてもらいますねん。
つま先は専門の職人が機械を使って一つ一つ縫い合わせます。
その後型にはめて蒸気で圧力をかけ形を整えます。
最後に小さな糸を巻き込んでいないかゴミなどが付着していないか確認。
どの工場も人の手で行う地道な作業です。
人気を集めるしめつけない靴下。
その開発は経験豊かな職人の山下さんにとっても簡単な事ではありませんでした。
山下さんにデザイナーの山口さんから依頼が来たのは2年前の事です。
山口さんから届いたFAX。
これまでにない難しい要望が書かれていました。
「しめつけないけどずれない」。
そんな相反する機能を持つ靴下です。
結構難しい商品づくりやなという事でこんな100%いう靴下ないよ言うて笑ってました。
だけど私はこれを作ってほしいですね言われたからね…ええ。
足をしめつけないようにするためにはどうすればいいのか?山下さんがひらめいたのはふくらはぎをふんわりと包み込む斬新な靴下でした。
形が決まると次は糸選び。
柔らかさが出るように数千種類の中から細くて空気をはらむ糸を選びます。
ふんわりとふくらはぎを包むためゴムはずっと下げた位置に付ける事にしました。
2週間後最初の試作品が完成します。
(山下)まず第一号はこのベージュの生地ですねんけどね。
山下さんが模索の末たどりついた新しい靴下。
しかし試作品を見たデザイナーの山口さんは満足しませんでした。
山口さんは更に改良した試作品を作るように依頼します。
その時作った試作品の数々。
かかとやゴムの作りなど細かい違いのある靴下をいくつも編みました。
そして3か月後ついに思い描いたとおりの靴下が完成します。
それがこの靴下!
(山口)この部分に関してはホントにゆったりした編み方してるのでしめつけ感はないし履いてても履いてないような雰囲気で履ける。
だから良いと言われますね。
履いた瞬間に「これだ!これで行ける!」と思ってすごい解放感というか「できた!」という達成感みたいな。
ゴムの位置を下げた事で靴下はズリ落ちやすくならないのでしょうか?普通の形の靴下と比べてみました。
それぞれの足に違う靴下を履いて3分間歩いてもらいます。
結果は…?ゴムが下にあるものはご覧のとおりズレが少ない事が分かりました。
足を強くしめつける事なく全体が絶妙にフィットしていたのです。
山下さんの豊富な経験とアイデアがしめつけずズレにくいという靴下を形にしました。
何回やっても初心ですわ。
初めと一緒です。
ちょっと素材が変わっただけでも新たな物を作らないと考えて作らないとできないようなそれが靴下ですねん。
一見シンプルな靴下。
しかしそこには高度な職人の技が隠されていたのです。
日本一の生産量を誇る奈良県。
その歴史は靴下の町として知られる広陵町から始まりました。
明治43年外国製の手回しの編み機がこの町にもたらされました。
使い方が簡単だったためすぐに靴下づくりは農家の副業として広まっていきます。
昭和に入ると次々と工場ができ戦後一大産地として知られるようになります。
奈良で靴下の生産が始まって100年余り。
今も年間およそ1億2,000万足の靴下が作られています。
優しい風合いが心地良さそうな靴下。
ある特別な糸を使って編んであります。
それは…1本1本の太さが細かったり太かったりと不ぞろいです。
手紡ぎの糸を使って編むためにこの会社が使っているのは1950年代に作られたイギリス製の機械。
一体なぜそんなに古い機械を使っているんでしょうか?この機械の針は現在の針の2倍以上もあります。
太い針が不ぞろいの糸をしっかりとつかみ編む事ができるのです。
この機械手紡ぎの糸を使うためにわざわざイギリスから取り寄せたといいます。
最新の機械では生み出せない素朴な風合いのイッピンです。
こちらの靴下は特殊な条件でも快適でいられる機能を持っています。
実はこれ自衛隊向けに作られた靴下。
隊員へのアンケートをもとに工夫を凝らして製造したものです。
100km歩き続けても疲れにくい靴下。
土踏まずをしっかりと支える事で疲れを軽減できるといいます。
長く歩く間に縫い目が足に当たりすれてしまうという悩みを受け開発されたもの。
縫い目をあえて外に出しました。
長い歴史が培ってきた技術力が生み出す靴下の数々です。
こちらは全国で200店舗を展開する専門店。
年間1,700品目が新商品として店頭に並びます。
商品化するまでにメーカーは独自の厳しい検査を行ってきました。
検査は全て奈良で行われます。
さてどんな事をするのでしょう?社員が行う「履き試験」です。
長時間実際に履いて評価を報告します。
この日は物流倉庫で出荷作業を担当している女性が行いました。
これから新製品として売り出す靴下を履き仕事をします。
5時間後。
履き心地をアンケート形式で記入。
伸び具合フィット感そして風合いなどざまざまな角度から評価します。
こうした履き試験を行う事で商品の品質に問題がないか調べるのです。
時には社員の小学生になる娘さんも協力。
あれっ意外と厳しい評価ですね。
研究開発部門の笹井部長もただいま藍染めの靴下の試験中。
(笹井)藍染めの靴下なんですよ。
これが実際靴とかにどれくらい色落ちするかこういうのを入れて…。
車で15分ほどの所にある工場。
履き試験の結果はすぐここにフィードバッグされます。
機械がたくさんありますが何台ぐらいですか?100台です。
1日にどれくらいの靴下を作られているのですか?約6,000足くらいです。
履き心地は靴下の形に大きく左右されます。
ここで形に違いがある2つの靴下を用意しました。
左は通常の商品。
右は履き心地に関わるある部分を変えて作った靴下です。
一度履いて頂けますか?分かりました。
まずは商品として出しているもの。
ピタッと…。
続いてある部分を変えて作ったもの。
さてここで問題!
(高垣)実はですね…。
え!つま先を見てみると特別に作った物はどうも指が動かしにくい様子。
かかとも生地が突っ張って窮屈そう。
その訳は?ここの線をゴアラインと言いますがこのゴアラインが短いと履いて下さるお客様にとってはDialogue:2014/10/12(日) 04:30〜05:00
NHK総合1・神戸
イッピン選「やさしいフィット感に技あり!〜奈良の靴下〜」[字]

靴下は重要なファッションアイテム。日本の靴下の6割を生産しているのが奈良県だ。高い技術力によって、履き心地の良い靴下作りを追求してきた。安めぐみが舞台裏に迫る。

詳細情報
番組内容
カラフルでファッショナブルな靴下が大流行。いまや靴下は重要なファッションアイテムだ。日本の靴下の6割を生産しているのが奈良県。高い技術力によって、履き心地の良い靴下作りを追求してきた。靴下の履き心地は、普段は見過ごしがちな、「ある部分」の作りに大きく左右される。その秘密を徹底解明! また最近は、靴下にも多くの機能が求められるようになってきた。安めぐみがリサーチャーとして奈良を訪ね、舞台裏に迫る。
出演者
【リポーター】安めぐみ,【語り】平野義和

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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